横浜のFP大家が、お客様からいただいた質問を元に、
お金や不動産についてお話し致します。

CONTENTS

NEW 不動産の買い時がくるかも?

87 不動産投資が向いているか

86 不動産投資とNISA、相性が良いと思いませんか?

85 紹介ってどう思いますか?

84 毎月分配型の投資信託

83 遺贈寄付

82 待ちすぎてはいけない

81 災害リスクを回避するために必要なこと


NEW
不動産投資の買い時がくるかも?


 今年は不動産に、
もしかしたら追い風が吹くかも
しれない、と私は感じています。


あなたは不動産を意識するのは
どんな時ですか?


どんな時に、買いたい、
あるいは売りたいと思いますか?


マイホームにせよ賃貸物件にせよ、
買いたい時が買い時、
売りたい時が売り時、
ということを、
私は事あるごとに、お伝えしています。


実際、価格がいくら割安だとしても、
欲しいと思えなければ、買いませんよね?


反対に、いくら高い値段を提示されても、
あなたが大切にしていて、
手放したいと思わなければ、売りませんよね?


というのが、
私の考え方のベースにはあります。


ただ、冒頭で伝えた、
「逆張り」の視点から言うと、
不動産には追い風になりそうな気配を、
個人的に勝手に感じています。


その理由を、
最初に箇条書きで伝えると、


賃上げ
新NISAのスタート


この2つを
キーワードとして考えています。


賃上げに関しては、
特に、物件を売りたいと考えているのであれば、
もう少し待ってみるのが良いのでは?
という逆張りです。


賃上げに伴って、
給与などの収入が増えてくれば、
購入希望者が借りられる金額、
借りて良いと思える許容範囲も
あがる可能性があるからです。


実現するかどうかは分かりませんが、
首相も、持続的な賃上げを継続する
と言っています。


そうなれば、価格が以前より高くても、
購入できる方が増える。


まさに、不動産がインフレに強い
と言われる理由とも重なってきます。


また、借りる立場で考えた時、
払う家賃に関しても、
収入が増え、手取りが増えれば、
住まいに回せる金額も増えます。


そうなれば、貸している部屋がある時、
今の入居者さんが退去したタイミングで、
家賃を上げて募集しても、
借主さんが見つかりやすくなります。


例えばですが、
家賃を月に5,000円上げられたとした場合、
年間では6万円のアップにつながります。


賃貸用物件の場合、
利回りなどの面が価格には影響を与えてきます。


もし年間6万円の家賃アップができたとして、
利回りとして5%が求められる場所であった場合、
売買価格として、理論上、
いくらの上昇になると思いますか?


答えは、120万円です。


月の賃料としては5,000円と
インパクトは少ない金額かもしれませんが、
売買価格という点では、100万円前後くらい、
物件価値が上がることにもつながります。


だからこそ、もし、
やむを得ない理由がないにもかかわらず、
売りたいと思っていらっしゃるのであれば、
待った方が良いのではないか?
と私は考えています。


新NISAのスタートに関しては、
注目度、という点との兼ね合いです。


つまり、新NISAスタートで、
株式や投資信託など金融商品に
目が向いている人が増えていることが、
資産形成としての
不動産に目が向く人の相対的な低下につながる。


注目度が下がると、購入という点で、
競合する相手が少なくなるので、
より要望にかなった物件を見つけやすくなるのでは?
というイメージです。


私は不動産会社ではないので、
日常の物件情報に関しては、
ネットのポータルサイトを見ることが多いです。


そんな中で感じているのが、
ポータルサイトを見ていて、以前より、
この物件良いのでは?という情報が
少ないながらも出てきているのでは?
ということ。


もしかしたら、
ゼロ金利解除など金利上昇懸念もあり、
売ろうとする方が
増えているのかもしれません。


あるいは、新NISAなど、
金融商品の運用にお金を回したくて
手放そうとしているのかもしれません。


真偽のほどはたしかではありませんが、
金利や新NISAなどの背景から、
不動産への関心を持つ方が、
もしかしたら減っているのかもしれない。


つまり、購入したい人にとって
追い風が吹きつつあるのかもしれない。


私は、最近、そんなことを思ったり、
考えたりもしています。


今日お伝えしたことは、
あくまでも私見になる話ではありますが、
少しでも参考に感じる部分があれば幸いです。


87
不動産投資が向いているか

 

資産形成コンサルタント。


そんな名称の資格があること、
ご存じでしょうか?


証券アナリスト協会が新設した資格で、
幅広く、色々な方に、
資産形成の知識を身に着けて頂きたい、
という想いから作られたようです。
https://event.saa.or.jp/event/7830


3日前の3月25日から
試験が開始されたのですが、
物好きな私は、その初日に受験
してきました。
https://www.instagram.com/p/C47sIZovA5_/


証券アナリスト協会が主催している
こともあり、内容としては、
株式や債券、投資信託などの
金融商品の投資に関することが中心。


アナリストさんが分析などに使うと思われる、
各種指標なども取り上げられていて、
私にとっては
「?」な内容もありました(苦笑)


20年近く前に、
FP資格を取得する時に、
そう言えば学んだなぁ~という
遠い過去の記憶がよみがえった試験でした。


おかげさまで、何とか合格はできたので、
「資産形成コンサルタントです」と、
今度、名乗ってみようかと思います。


単純に、名前がカッコよい感じの
印象があるからだけです(笑)


と、ここまでお伝えしてきましたが、
今回この試験を受けたことで、
改めて感じたこと。


それは、私自身が、
証券投資(金融投資)よりも、
やっぱり不動産が性に合うのだな、ということ。


私は文学部哲学科出身です。


なんでそんな奴が、
FPという数字を扱う仕事しているのだ?
という話は置いておいて、
バリバリの文系人間なので、
分析のような緻密なことは、
若干不得手な所があります。


証券投資だと幅が広いので、
株式投資と不動産投資の比較で話していきます。


投資を科学的、理論的に考えていけば、
株式にせよ不動産にせよ、
事細かな分析をして判断することになります。


理論価格を計算したり、リスク分析したりなど、
机上でやろうと思えば、
いろいろと細かな所まで
思い巡らせることができます。


様々な指標を組み合わせて、


株式であれば、
「この銘柄は買い時じゃない」


不動産であれば、
「この物件はリスクが高くて割高だ」


などの判断を机上ですることができます。


ただ、投資判断を、
理論的な指標や数値だけで
推し量ることはできるのでしょうか?


私は、
No、だと考えています。


株式であれば、
日常で目にする商品やお店などを通して、
数字以外の面から
その会社のことを考えることもできます。


不動産であれば、
その物件に、現地に行けば、
直接見たり触れたりできるので、
五感を使って考えることもできます。


理論的な分析だけではダメだとは言いませんが、
私は、理論よりもリアルを感じて、
最終的には判断することが、投資に限らず、
何事においても大切ではないか、
と考えています。


私は、そんな考えの持ち主なので、
アナリストよりもリアリスト。


株式よりも不動産の方が性に合う。
と、自分では感じています。


今回、資産形成コンサルタントの試験を受けて、
証券投資全般の分析的なことが、
小難しく、楽しいと感じられなかったことで、
その想いがより一層強くなりました。


証券アナリストはいらっしゃいますが、
不動産アナリストという方は、
あまりいないのではないでしょうか?


株式も、製品やお店を通して
リアルを感じる機会はあるとは言えど、
業績や相場という、
どちらかと言えば、机上で分析したり、
考えて判断することが多いのかと思います。


その点、不動産は、
分析を考えることはあれど、それ以上に、
リアルな物件、現地を見ることなどが
分析以上に大切だと私は考えています。


皆さんは、株式にせよ、不動産にせよ、
投資するしないの判断は、
分析を頼りにしていますか?
リアルな現場判断を頼りにしていますか?


どちらが良い悪いという話ではありません。
自分の性格やスタンス、
考え方に合うやり方を選び、
見つけて頂きたいと思います。


大きく分けるとすれば、


分析派であれば、
株式などの証券投資


現場派であれば、
不動産などの実物投資


私は現場派なので、不動産が好きですが、
あなたはどちら派ですか?
どちらのスタンスに近いですか?


ぜひ一度、そんな視点から、
投資スタンスについて、
考えてみるのも良いかもしれないですよ。


86
不動産投資とNISA、
相性が良いと思いませんか?

 

2024年から、新NISAも始まり、
NISA経由で株式や投資信託が
購入される量も増えているようです。


非課税枠の拡大、そして、
非課税期間の無期限化という制度の拡充に伴って、
お金の置き場を、預貯金から移す方が、
少しずつではありますが、増えているのかな、
という動きを感じます。


あなたは、NISA活用して、
資産形成していますか?


私自身は、つみたて投資枠での投資信託の
コツコツつみたてがメインではありますが、
新NISAになってからも続けています。


そんな私は、不動産投資や大家業と、
NISA、特につみたて投資枠を利用した
つみたてNISAは、
相性が良いのでは?と感じています。


資産形成という点でも、
備える保険的な意味合いでも。


順を追ってお伝えします。


資産形成の面では、時間をかければかけるほど、
資産残高がつみあがっていくのが、
共に目に見えて分かりやすい、という点があります。


つみたて投資枠のNISAからお伝えすると、
例えば月に3万円、つみたてていくとします。


相場の上がり下がりはありますが、
15年間、年利平均3%で運用ができたとします。


そうすると、15年間でつみたてた元本は540万円。
それに対して、資産残高は約680万円となり、
約140万円の利益が産まれることになります。


一方、不動産投資で、
ローンを利用して物件を購入したとします。


金利2%で2,000万円を借り、
30年ローンを組んだとします。


そうすると、
毎月の元利返済金額は約74,000円。


物件や賃料などによる違いは出てきますが、
基本的には、この返済は空室にならない限り、
入居者さんから受け取る賃料から
行っていく流れになります。


この約74,000円の返済を続けていくと、
15年後には、
当初2,000万円で借りたローンの残債は、
約1,150万円になります。


これが意味するところは、
残債が減った約850万円分、
資産が増えたということです。


この資産が、
お金として目に見える形になるのは、
売却した時にはなります。


譲渡税は加味せず、考え方のイメージを伝えると、
購入から15年経過した時点で物件を売却し、


2,000万円で売れれば、
残債との差額約850万円が、


1,800万円で売れれば、
残債との差額約650万円が、


手元に残ることになります。


その点で、
残債が減った分=資産が増えた
というイメージです。


しかも、不動産の場合、この資産拡大には、
あなた自身の力をあまり使っていません。


借りて住んでくださる入居者さんが払ってくれて、
知らず知らず、あなたの資産が増えているのです。


この残債との差額で手にした金額を利益と考えると、
この15年間、つみたてNISAで約140万円。
不動産で約850万円、合計で1,000万円
近くの利益を産み出せたことになるのです。


そうすると15年後には、
NISAでつみたてた元本540万円と合わせると、
約1,550万円の金融資産が
築き上げられる可能性があるのです。


不動産のローンの元本は、
入居者さんが返済してくれていることを考えれば、
あなたが自分のお財布から出したのは、
NISAのつみたてにあてた
毎月3万円の15年分の540万円。


それが、15年後には、
約1,550万円近くのリターンを産み出してくれる
可能性があります。


このように、
時間をかけて行う長期投資のスタンスに、
NISAでのつみたてと
ローンを活用した不動産投資は
マッチしていると私は感じています。


不動産の場合、
毎月産まれるキャッシュフローという
インカムゲイン(定期収入)を得られることを
目的にすることが多いですが、
ローンを活用して取り組むことで、
元本返済が進んだ分、自然と資産も拡大している。


この点に想いが至っていない方が、
意外といらっしゃるということを感じます。


目に見えて金銭価値として認識しづらく、
売却して初めてそれを実感できるから、
というのが理由だとは思います。


不動産投資、大家業は売却しない前提で
長期保有することを、
私個人としてはおススメしていますが、
使途や目的によっては、
売却を前提に購入するのもありだと考えています。


今回の例で言えば、
例えばお子様が産まれた時に、
NISAも不動産投資もスタートし、
15年後に不動産は売却して
高校と大学の教育資金にあてる。
NISAのつみたては、
自分達の将来の備えとして継続する、
という選択肢もあります。


15年後に65歳など、
年金の受け取りが視野に入ってくるときに、
NISAでつみたててきた分を残債の繰上返済にあてて、
年金プラスアルファとして
家賃収入を得られるようにする、
という選択肢もあります。


今日お伝えした15年は、
あくまでもひとつの目安になるので、
何年後を目標に据えるかは、
目的や希望によって変わります。


短期目線ではなく、
15年、20年というある程度、
長期の年数を視野に入れながら、
NISA制度を活用して金融資産の運用を行う。
不動産を活用して実物資産の運用を行うことで、
お金の不安を和らげ、
その時に応じた選択肢を増やせることにつながると
私は考えています。


卵をひとつのかごに盛るな、
と資産運用の格言的な言葉にありますが、
金融資産と実物資産、うまく組み合わせて、
長期でコツコツと取り組むことで、
失敗しにくい資産形成ができるのではないか。


私はそのように考えておりますが、
皆さんは、どう思いますか?


85
紹介ってどう思いますか?

 


タイトルのとおり、
今回は紹介についてです。


多かれ少なかれ、
皆さんも紹介をしたり、逆にされることが、
日常生活の中でもあると思います。


紹介を誰かにすること、或いはされること、
あなたは好きですか?


オープンマインドなスタンスで、
紹介をしたりされることに、
何ら抵抗を感じない方もいらっしゃると思います。


反対に、紹介は責任が伴う。
相手に迷惑をかけたら嫌だ。
紹介されたのに断ったら、
相手の顔をつぶしてしまいそう。と、
ネガティブに感じる方もいらっしゃると思います。


こればかりは、
皆さんの性格や考え方によって異なるので、
どちらが正解ということは全くありません。


ただ、紹介という行為には、
多少の差はあれ、
紹介した側の信用や信頼が必要になるという点は、
大切なポイントではないでしょうか。


だからこそ、
口コミサイトのような所も存在し、
行動するきっかけになることもあるのかな、
と感じます。


私も紹介をしたりされたりすることはありますが、
仕事の面で言えば、
不動産会社さんをお客様に紹介することがあります。


私自身は
ファイナンシャルプランナーで、
不動産業者ではありません。


そのため、ご相談をお受けする中で、
不動産を買いたいとか売りたい
という話になった時。


その行動をサポートして頂く、
不動産会社さんの力を借りる必要が
必ず生じてきます。


その時に、どの会社、
どんな担当者を紹介するかは、
人一倍気を遣う部分です。


不動産は高額の買い物になるからこそ、
買った後に後悔の念がわいたりすることは、
お相手の人生を左右することにも
なりかねないからです。


私の場合、
マイホームとして自分が住む不動産よりは、
賃貸用として、不動産投資、大家業向けの不動産に
触れる機会が多いです。


自分自身、2007年から不動産投資、
大家業の世界に身を置いていますが、
不動産会社さんも担当者さんも、
玉石混淆だな、というのを肌身で感じています。


その中で、
不動産投資、大家業は節税になる、
ということを強調するような会社さんは、
自分とは肌が合わないと感じています。


ここで言う節税は、
所得税や住民税のことを念頭に置いていますが、
不動産投資での所得税・住民税の節税は、
期間限定の短期的な視点であり、
支払う税金の先送りでしかないと
私は考えているからです。


つまり、お客様も不動産会社さんも、
利益の視点が、
短期的な視野になってしまうので、
長期的な資産形成にはつながりにくい
というイメージです。


今、減価償却費などの経費を
多く計上することができて、
仮に所得税や住民税の支払いを
抑えることができたとしても、
もし将来的に売却するという判断をした時には、
税金上の利益が出やすくなる。


その場合、売却時に思ったよりも
多くの譲渡税を払う可能性もあり、
それまでに節税で抑えられていた分を、
譲渡税でまとめて払うことに
なるようなケースもありえます。


先日、会社の先輩に進められて、
節税になるからと言われて購入した、
という方とお会いしました。


資料などを拝見すると、
購入初年度は、経費が賃料収入を大幅に上回り、
所得税の還付見込金額は、
新卒の初任給を大幅に上回るような金額でした。


ただ、概算で2年目の収支見込みを試算してみると、
給与と相殺できるマイナスの金額は
大幅に減ることが分かりました。


その結果、所得税や住民税の節税税効果は、
ゼロではないものの、一気に下がることも分かり、
「そうだったのですか・・・」
という言葉が漏れるのを耳にしました。


会社の先輩の紹介だし、
話を聞いてみて良いと感じたからこそ、
最初の一歩を踏み出したのだと思います。


ただ、節税に視点を置いてしまうと、
思ったのと違う、ということが
往々にして起こってしまいがちです。


極論、節税効果を受け続けるためには、
毎年物件を購入し続けるような
必要さえ出てきてしまうのです。


思い描いていた未来と異なることに気づくと、


「なんで、そんな会社、
 担当者を紹介されたのか?」


という、紹介した相手への
不信にもつながりかねません。


だからこそ、私は、
不動産会社さんや担当者さんの紹介に限らず、
誰かに何かや誰かを紹介することには、
人一倍注意を払うように気を付けています。


幸い、今までの所、
私が紹介させて頂いた相手などに対して、
マイナスな感情を抱くようなご指摘を
受けたことはありません。


だからこそ、
寄せて頂いた信用や信頼を損ねないように、
これからも不動産会社さんや
担当者さんなどを紹介する時には、
人一倍気を付けて、対応していこうと考えております。


紹介においては、
「誰からの紹介なのか?」
という点が、何よりも大切だからです。


皆さんも、紹介をする時、された時、
誰が、どんな経緯で伝えてきたのかという点。


注意してもし過ぎることはありませんので、
忘れずに意識して過ごして頂くと
良いのではないでしょうか?


84
毎月分配型の投資信託

 
新NISAが今年から始まって、
もう少しで半年が経とうとしています。


新聞やニュースなどを見ていると、
投資信託への資金流入額も増えており、
新NISAを機に資産運用を始めた方、
運用金額を増やした方も多いのかな、
と感じています。


あなたはNISAを活用して、
金融資産の投資、
資産形成は行っていますか?


参考までに私自身のことを伝えると、
つみたて投資枠
毎日つみたての設定にして
年間上限まで行う予定。


成長投資枠では、
限度額まではいかないですが、
同様に投資信託のつみたてを行っています。


個別株を選んでということが性に合わないので、
(持っていますが、片手以内です)
金融資産の運用は、感情を挟まず、
設定した通りに淡々と
買い続けている感じです。


今選んでいる投資信託は、
NISAの対象になっているので、
NISAの枠内でつみたてていますが、
NISA対象外の投資信託もあります。


1番分かりやすいのが、
分配金が毎月払われるタイプの商品です。


隔月の商品は対象なのに、
毎月分配型は対象外。


私は、この点に違和感を抱くのですが、
あなたは、どう思いますか?


複利の力を活用して、
長期の資産形成を行うという視点で考えれば、
分配金を受け取ることは、
資産形成の効果を弱めてしまいます。
分配金を受け取った分、
投資信託そのものの価格が下がるからです。


ただ、もしそう考えるのであれば、
隔月でも半年でも1年でも、
同じことではないでしょうか?


例えば、
株式を成長投資枠で保有しているとします。


配当のある銘柄は、半年に1度か年に1度、
業績に応じた支払いがあり、
その分株価は下がります。


期間こそ、毎月か半年かの違いはありますが、
そもそもの仕組み的には大きく変わらないと
私は感じています。


にもかかわらず、
毎月分配型で受け取る分配金は
NISA対象外なので課税。
半年ごとの配当金は、
NISAで保有していれば非課税。


個人的には、
なんだかモヤっとした気分です。


資産形成の大切さは理解していますが、
それと同時に、
毎月のキャッシュフローとして、
定期的に受け取れる商品が良い、
というニーズもあると思うからです。


不動産投資、大家業に魅力を感じて
取り組んでいる人間からすれば、
毎月の定期的なキャッシュフローがある仕組み、
商品には、魅力を感じるのではないでしょうか?


私自身、その魅力を感じている人間の1人です。


という訳で、
NISA内で複利効果の再投資、
長期の資産形成を目指したつみたて運用も行いつつ、
NISA枠外で、
これなら悪くないかもと感じた、
毎月分配型の投資信託の購入も最近始めました。


賃料プラスアルファの
キャッシュフローを毎月手に入れ、
それをNISAやイデコで行っている
資産形成の原資に回すようなイメージです。


毎月分配型投資信託の
デメリットとして言われていることの1つに、
タコ足配当があります。


毎月の分配金の中に、
利益からの分ではなく、
元本の取り崩しが含まれている分のことを
示しています。
特別分配金という言い方をします。


ただ、私が個人的に思うのは、
特別分配金があっても良いのではないか?
ということです。


例えばですが、
今の投資信託の基準価格が9,000円だとします。


投資信託は、
設定当初10,000円からスタートするので、
設定から今に至るまで、
▲1,000円というマイナスの運用をしていると、
一見すると感じます。


ただ、設定以来、
仮に累計で3,000円の分配ができていたとしたら
どうでしょうか?


今の価格9,000円に、
受け取った分配金総額3,000円をプラスすれば、
12,000円となります。


複利効果は得られませんが、
設定時の10,000円と比べれば
2,000円分利益が生まれていることになります。


長期の資産形成に向かないということで、
毎月分配型の投資信託はNISAから外されていますが、
商品の中身を見れば、
正味のトータルでプラスになっている商品もあります。


反対に、分配しない投資信託でも、
運用成果が出ず、
7,000円とか8,000円に低迷している商品もあり、
それこそ、損失を抱えていることになります。


なので、分配金を出す、
出さないという基準ではなく、
トータルで見た時に、長期で保有して、
メリットを感じられる運用が
できそうな商品かどうかを吟味する。


その上で、
NISAの対象にするかしないかを考えて頂きたい、
と個人的には思います。


毎月分配金を受け取るということが
長期投資的な面でNGなのであれば、
不動産投資、大家業も
NGと言われているようにも感じてしまいます。


個性や考え方が異なるように、
資産運用、資産形成に何を求めるかもそれぞれです。


ぜひ、NISAの世界でも、
多様性を認めてもらえるようになるといいなと
感じています。


83
遺贈寄付

 
あなたは、増やしたお金を、
いつ、どんなタイミングで使っていこうかなど
考えたりしていますでしょうか?


私もそうですが、
使い道まで考えて運用している方は少ないのかな、
と思います。


将来への漠然とした不安から、
増やして備えるという意識になるのは、
自然なことだと感じます。


だからこそ、備えることは必要ですが、
備えることだけに注力せず、備えながら、
今を楽しむことに使うことも考えることは
大切だと感じています。


生きている間に、
楽しんだり幸福感抱けたりすることに使い、
ゼロで死ぬのは理想ですが、
なかなかそうはいかない。


そこで、お金の使い道の究極という点で、
私が関心のあることの1つに、
自分の死後、資産をどうするか?
ということがあります。


そんなことを思いめぐらす中で、
遺贈寄付」という方法があることに
思い至りました。


さらに、検索などで調べていくと、
こういう団体があることも知り、
先日イベントがあったので、
足を運んできました。
日本承継寄付協会


今後、将来推計で、
単身世帯が増えると言われています。


私自身、まさに独身の単身世帯ですし、
DINKSと言われる、
ご夫婦のみでお子様がいらっしゃらない世帯も
増えていくと思います。


相続が発生した時に、
いわゆる法定相続人と言われる存在がいない場合、
そして遺言などで受け取る人を明記していない場合、
遺った資産は、国に帰属することになります。


ちなみに、2022年度、
相続人がいないまま、
国庫に納められた相続財産は
いくらくらいあるかご存じですか?


答えは、約768億円です。


私は、遺された財産が、
国に帰属することになることを
否定している訳ではありません。


国にこの財産が帰属することで、
インフラの整備など
有効に使って頂けるとは思うからです。


ただ、同じ使われるのであれば、
使い道を他者任せにするのではなく、
皆さん自身で使い方を選べた方が、
心残りなくすっきりすると思いませんか?


この時に向けて、
生前に使い道を指定しておけるのが
遺贈寄付のイメージです。


先日イベントに足を運び、
遺贈寄付への理解を深めることができたのですが、
遺贈寄付は、生前に遺言などで、
使い道を指定したからと言って、
必ずしもその通りに行う必要はない
ということです。


協会の理事の方などもおっしゃっていたのが、
まずは、存命の間に、
自分のためにお金を使うことを考えてほしい、
ということ。


お金は使ってこそ価値が出るので、
その価値、楽しみを味わうことが大切だ
というのは共感できました。


その上で、
使いきれなかった残りが発生したならば、
その金額分だけを、
遺贈寄付という形で使い切れば良いのだ
というのが内容です。


例えばですが、遺贈寄付という形で、
100万円ずつ10団体に遺贈したい
という遺言を残していた場合。


亡くなった時に、
実際に遺った財産が500万円であれば、
50万円ずつ遺贈すれば良い
というイメージです。


これなら、最後の自分の資産の使い道として、
相続人など含めて遺す存在がいない場合、
あるいは遺す人がいたとしても、その一部を、
社会的に有益な活動をしている団体などに
最期の気持ちとして寄付をするという
使い方も格好良いお金の使い方なのかな、
と私は思います。


お金の使い方、
そして将来のことかもしれませんが、
お金の遺し方などを考える上で、
少しでもヒントになる部分があれば幸いです。


不動産投資、大家業に絡めて、
私なりに思ったこととしては、
相続人がいないまま未来を迎えた場合、
保有している区分マンションの数に応じて、
遺贈する先を指定しておくというのも、
ある意味、不動産投資の出口の1つではないか。
そんなことも思ったりしている今日この頃です。


82
待ちすぎてはいけない

 
伝聞の話になるのですが、
皆さんに共有できると良いかな、
と思ったので取り上げることにしました。


「そろそろ家を買わない?」


お子さまが大きくなってきたこともあり、
転居を考えたいと思い始めた奥様。


転居を機に、
マイホームを買いたいという気持ちが
膨らんでいました。


それに対しての旦那様のお返事は、


「家を買うのは良いと思うけれど、
 もう少し待ってからにしたい。
 今は値段が上がっており、
 いずれ下がるかもしれない。
 その時を待ってから家を買いたい」


旦那様は金融機関にお勤めで、
金融の知識なども豊富な方。
不動産に関しての相場感などもあることから、
このような返答をされたと思われます。


奥様の方としては、
納得いかない想いはありながらも、
しぶしぶ旦那様の意見を聞き入れました。


お子さまの成長に合わせて、
奥様のマイホームへの憧れの気持ちは
さらに膨らんでいきます。


そして、ワクワクした想いを胸に、
旦那様へ事あるごとに、
マイホームの話題を切り出していました。


ただ、その都度、旦那様は決まって、

「もうちょっと待とう。
 もう少し待てば下がってくるはずだから」

と答えていました。


それから3年くらい経った頃、
旦那様の予想はあたり、
不動産価格は下がってきました。


「今こそ、マイホーム購入の行動をすべき時」
と、なったのです。


ただ、実際に、
購入することはありませんでした。


その理由は、マイホームを購入しても、
一緒に住む家族がいなかったからです。


もうちょっと待とう、
と言い続けていた旦那様に愛想を尽かし、
奥様は離婚を選択。


すでに出て行ってしまっていたのです…


この旦那様、投資的な視点、
経済合理性という面からは成功したとは思います。


ただ、その合理性を貫いたことで、
家族という大切な絆を失ってしまいました。


この話を聞いた時、
お金は手段であること。
お金だけで心をつなぎとめることはできない。


改めて、大切なことを私は思い起こしました。


この話は、ご家族のマイホームに
関わる話ですが、資産運用にも
あてはまることではないかな?
と、私は感じています。


それは、
「買い時を待ちすぎてはいけない」
ということ。


これは、
株式などの金融資産でも、不動産投資でも、
どちらにもあてはまると私は考えています。


「いつか下がる、下がったら買おう」

「周りの人が高いと言っている。
 止めた方が良いと言われたから買わない」


などを理由にして、気持ち、
心の面では前に進みたいと感じているのに、
行動が伴わない。


そのような方が、
まだまだ多いのではないか?
と私は感じています。


そのような方が見ている世界。


それは、
価格のみに焦点をあてている」こと。


価格の上がり下がりで儲けよう、
利益を上げようという想いを強くお持ちである。
そして、周囲の意見を参考にし過ぎて、
自分の想いや考えを持てていない。
だから、行動につながらないのでは?
と感じます。


たしかに、時期や状況を踏まえて、
無理してまで買い急ぐことはないとは思います。


ただ、価格が高いのか安いのかは、
後から振り返って初めて分かること。


今という渦中にいる時は、過去との比較はできますが、
未来との比較はできません。


経済合理性を意識し過ぎると、
周りの意見を意識すぎると、
心と行動が裏腹な状態で過ごすこととなってしまいます。


そこで、一番の損失は、
時間を失うこと


そして、自分の気持ちに
正直に生きていないこと。


後から振り返って、
「あの時、始めていれば…」
と思っても遅いのです。


人生で一番若い日は、今日です。


本当の意味での資産運用は、
日々の価格、値動きという経済合理性に左右されず、
上がり下がりを経験しながらも、
長期で取り組むスタンスだと私は考えています。


物件価格が高い、などと昨今言われていますが、
私自身、昨年2023年は、
良いと感じる物件と出会うことができ、
1部屋売却、2部屋購入という行動をとりました。
融資を承認頂ける、
新たな金融機関との出会いがあったのも幸運でした。


ぜひ皆さんも、経済合理性を追い求めて、
大切な家族を失った方のような状態に陥らないよう、
マイホームしかり、資産運用しかり、
ご自分の想いを大切にして行動して頂くのが、
幸福感抱いて過ごすこと
につながると考えます。


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災害リスクを回避するために必要なこと

 
今年の元日に起きた能登半島地震。


日にちを追うごとに、
亡くなられた方や行方不明の方の数が増えており、
天災の恐ろしさを改めて感じる今日この頃です。


被災された方々に
お見舞い申し上げますと共に、
1日も早いライフラインの復旧など
祈念しております。


今回のような天災事変が起こると、
私が気になることの1つに
不動産の倒壊の報道があります。


崩れた家屋の映像や写真。
火災が起こった後に残る焼け野原。


見る度に、本当に心が痛みます。


不動産投資、大家業を行っているからこそ、
住まいに関しては、より一層気になる所です。


阪神淡路大震災。
東日本大震災。
熊本地震。


そして今回の能登半島地震など、
事あるごとに天災に見舞われている日本ですが、
住まいという点に関して、
被害を被っている家屋で多いのは、


旧耐震の物件
木造の家屋


ではないか、と感じます。


実際、今回の能登半島地震では、
1階が押しつぶされるなどの倒壊した家屋は、大半、
耐震基準を満たしていない木造家屋
被害にあわれている模様です。


助成金などはありますが、
費用面などからも敬遠されがち、
あるいは周知が行き届いていない結果、
耐震化工事を施していなかった住まいが
影響を受けてしまっていることが、
今回改めて露わになりました。


輪島市で7階建てのビルが倒壊したという報道、
皆さんも、ご覧になられたかもしれません。


このビルのことを確認してみたのですが、
建てられたのは、1972年でした。
つまり、旧耐震のビルだということです。


もちろん、天災による家屋の破損や倒壊は、
地盤などとの兼ね合いもあるので、
旧耐震物件が一律にNGとは言い切れません。


ただ、起きた後から振り返ると、
上記のビル含めて、旧耐震の物件が、
被害を被っているケースが多いです。


この点を鑑みれば、
マイホームにせよ賃貸用の物件にせよ、
旧耐震を選ばないことは、
天災リスクを回避するには大切かと感じます。


例えばマンションなどにしても、
リノベーションを施して、
今風の部屋にすることはできます。


ただ、その建物が旧耐震の躯体の場合、
万が一のことが起きた時の危険性は残ります。


もしそういう物件を選びたい場合、
耐震化工事が行われているかを確かめた上で、
選ぶことは欠かせないと感じます。


木造住宅という点で考えると、
備えたいリスクとしては「火災」です。


旧耐震の木造住宅というのが、
天災リスクに対しては脆弱である点は否めません。


今回の能登半島地震でも、
輪島の朝市が行われるエリアで延焼が広がった要因の1つに、
木造建物が密集していたエリアだからと言われています。


鉄骨造や鉄骨鉄筋コンクリート造であれば安泰、
という訳ではありませんが、木造よりは、
火に対する耐性はあるのではないでしょうか?


最近の木造住宅は、劣化対策等級が用いられ、
長期にわたって改修工事などをせずとも
住まい続けられるようにはなりました。


その点からすれば、昨今の家屋であれば、
木造でも鉄筋でも、
差がつきにくくなっているとは感じますが、
一般論からすれば、火に対する耐性は、
鉄よりも木の方が弱い点は否めないかも、とは思います。


このように考えてみると、
マイホームにせよ、賃貸用の物件にせよ、
住まいに対する災害リスクを下げるためには、
地盤のことと合わせて、


新耐震の鉄骨鉄筋を選ぶ


ことが考えられるのかな、と私は感じています。


その点で、区分マンションは、
天災等の災害リスクには、
強さがあると私は考えています。


今回の能登半島地震に関してはまだ把握できていませんが、
2011年の東日本大震災の時、
区分マンションの内、約96%は損傷無し
という結果も報告されています。


亀裂が生じたマンションの
報道などもありましたが、
あれは旧耐震のマンション。


私が区分マンションを大家業の対象としているのも、
この災害リスクが相対的に低いという点があります。


木造のアパートの方が、
利回りなどの収益性は高いという点はありますが、
同じ場所に部屋をまとめてもつことと合わせて、
天災の時のリスクを下げたいというのも、
選んでいない理由の1つです。


あなたは、どんな物件を対象にして、
不動産投資、大家業に取り組みたいと思いますか?
取り組まれていますか?


よく不動産投資、大家業に対して、
地震などの天災が怖い
とおっしゃられる方もいらっしゃいます。


今回のような天災が起きると、
その想いを強くされるのかもしれません。


報道などを見ていると、
倒壊した家屋などの
映像や写真を目にする機会が多いですが、
それは一部にすぎません。


ライフラインの影響は
生じているかもしれませんが、多くの家屋は、
住まいとしての機能を失ってはいないです。


このような天災を通して、気づきを得たり、
考えられる学びの部分はあるはずです。


天災を風化させないためにも、
どんな住まいを選ぶことが
災害リスクを減らせることにつながるのかなど、
今一度、考えてみてはいかがでしょうか?