横浜のFP大家が、お客様からいただいた質問を元に、
お金や不動産についてお話し致します。

CONTENTS

40 ターゲットは40~50代の女性

39 「公平に反する」と「軽減の意図」

38 不動産投資は、個人と法人どっちが良い?

37 不動産投資は、本当に節税になる?(相続編)

36 貸借対照表は、作った方が良いの?

35 資産運用には、どんな戦略が必要?

34 あなたの部屋、入居さんにどう見られていますか?

33 不動産投資においての「1月1日」

32  資産運用に「ときめき」は必要か

31  入居の申込みを断わることはある?

30  住んでいる街に住み続けたいか

29  結局、老後資金って幾ら必要なの?

28  投資物件の価格は、どうやって決まる?

27  修繕積立金の値上げは悪いこと?

26  リセールバリューのすすめ。

25  マンションはいつまで働ける?

24  コロナ禍で、住みたい街に変化はあったの?

23  マンションは管理を買え!

22  未知なことを経験しようとするとき

21  後悔しないために、大切にした方が良いことは?


40

ターゲットは40~50代の女性



今年は、民法の改正があり、4月から、
成人年齢が18歳になりました。


2022年4月1日時点で、
すでに18歳、19歳になっている人も「新成人」となり、
今年は、成人になった人が増えました。


成人になると、
未成年の時には1人でできなかったことが、できるようになります。
(親権者の同意が不要になるという意味合いです)


携帯電話の契約をすること。
クレジットカードを作ること。
ローンを組むこと。


などがありますが、ここでは、「部屋を借りること」に、
スポットをあてて考えてみたいと思います。


不動産投資、大家業にも影響のある視点だと感じるからです。


私の保有している部屋が1月に空室になった後、
2月に申し込みが入りました。


入居者さんは、19歳の専門学校を卒業されて、4月から働き始める方。


ただ、2月だったので、お父様が契約者となり、
保証会社の審査もお父様で行い、実際に住むのはお子様、
という流れになりました。


これが、もし4月以降に2ヶ月ずれていれば、
19歳のお子さまが、ご自分で契約含めてすべてできている、
というのが、今回の改正です。


さて、18歳。
多くの方が、高校に在学している確率が高い年齢で成人となることで、
卒業後の進路などに合わせて、1人で住まいの契約をできるようにはなります。


ただ、そうは言っても、
まだ「部屋を借りる」とか「住まいの契約」という点では、
現実問題として、1人ですべて行うのは難しいのでは?
と私は感じています。


その理由としては、
「安定して継続した収入がない人が多い」
からです。


18歳、19歳であれば、
専門学校や大学など、学校に通っている人が多いと思います。


在学しながらアルバイトをするとしても、
税金上、親の扶養の範囲で働くなどのケースが多く、
年収としても100万円以下という場合が多いと思います。


その場合、制度上は1人で住まいを借りられる、となっていても、
賃料を安定して支払える資力という面で、
保証会社などの審査でNGになる可能性があります。


そうなると、ご両親などに頼らざるを得なくなります。


つまり、新成人の18歳や19歳の人は、
契約の主体となることはできるのですが、
資力の面などから、住まいの契約をする場合、
ご両親などに相談し、ご両親などの意向や考えが反映される可能性が高いのです。


18歳や19歳の息子さんや娘さんの住まいを考えるとき、
ご両親などに相談するとなれば、どのようなことが意識されるか?


ポイントとして考える点は、いろいろあると思いますが、


「賃料はいくらまでであれば、住まいにあてられるのか?」
「安全、安心面など、問題なく住まわせることができるのか?」


ご両親などの気持ちとしては、
上記あたりを重視して考えるのではないでしょうか?


実際に住むのは、息子さんや娘さんなので、
本人が気に入るかどうかが大切なのはもちろんなのですが、
実際に賃料などを負担することになるご両親なども、
納得、安心を感じる住まいでないと決まらない可能性が高いです。


その時に、1番決定権があるのは、誰でしょうか?


私の感覚としては、母親である女性ではないか、と思います。


特に、娘さんの1人暮らしの場合、
同性目線で、特に防犯面などの安心感、
部屋の間取りや作りなどが、生活しやすそうかどうか、という点を、
住まいの視点から見て、
良いかどうかを考える決定権は、女性の方が強いと私は考えています。


18歳や19歳くらいの、息子さんや娘さんがいらっしゃる方のご両親などは、
40代や50代であるケースが多いと思います。


だからこそ、
40代や50代の女性に安心した住まいと感じて頂ける部屋こそ、
不動産投資、大家業の部屋として選ぶのであれば、
大切な視点の1つになるのではないか、と私は考えています。


息子さんや娘さんのために選ぶということでないにしても、
その年代や他の年代も含めて、
女性の方がご自分で住まわれる場合、同じような目線で、
住まい選びはされるのではないか、と思います。


そして、 女性の住まいとして選んで頂ける部屋であれば、
男性にも選んで頂きやすい部屋 にもつながる。


これが、
40代・50代の女性をターゲットにするのが、
不動産投資、大家業では良いと私が考えている理由になります。


あなたは、どのように感じますか?


ご自分が部屋を借りるとき、
あるいは、不動産投資、大家としての部屋を購入するとき、
どんな点を意識されていますか?


39

「公平に反する」と「軽減の意図」



第37回のコラムで書いた裁判の判決が、4月19日に出ました。


私が気にしていることとして触れた、
 相続不動産の評価をめぐる争い に関してです。


結果から言うと、
納税者の敗訴が確定し、追徴課税が適法と認められました。


新聞などでも取り上げられたので、目にされた方もいらっしゃるとは思いますが、
この争いの経緯をかいつまんでお伝えします。


存命中に、不動産2物件・合計約13億円を、銀行の融資を利用して購入。


その後、お亡くなりになり、相続人が相続税の申告をする。


路線価などを使い、
2物件の相続税評価額を計算すると、約4分の1くらいになった。


評価額<残債、となり、他の財産とも合計した所、
相続税の基礎控除額内となったため、相続税は0円と申告


税務署側は、その評価額が低すぎる、ということで、
財産評価基本通達6項に基づいて、不動産鑑定評価を行った所、
2物件の評価額は約12億円となる。


それを踏まえて再計算すると、納税額が発生し、追徴税額の支払いを求めた。


この納税者が計算した評価額と、
後出しじゃんけん的に税務署が出した鑑定評価


どちらを、この申告で採用するか?


というのが、今回の裁判のおおまかな経緯・争点です。


私たち納税者側からすると、「路線価」や「固定資産税評価額」のような、
公然のルールを用いて申告をしているのだから、
後出しじゃんけんはないだろう…と、感じてしまします。


税理士先生の立場を考えた場合、ルールに則って申告をした内容が、
税務署側の後出しじゃんけんで変わってしまう可能性がある場合、
どうやって今後申告をすれば良いのか?という、
先生泣かせの判決でもあったように感じました。


ただ、今回の判決理由を読むと、決してルールが否定された訳ではありません。


良く出てきたキーワード的な言葉だな、と私が感じたのは、

租税負担の公平に反する 租税負担の軽減を意図

という言葉です。


今回のケースの場合、

・金融機関への反面調査で、物件を購入するときの融資目的に、
 「賃貸不動産への投資が、相続税の節税目的」という内容が、
 稟議書に記載されていたことが判明してしまった。

・誰もが、同じようなやり方で、賃貸不動産を購入できるわけではない。

・近い将来に相続が発生することが予想され、
 相続税の負担を減じることを知り、期待して物件の購入を行った。


これらの事情や状況を鑑みて、今回の2物件購入したことで、
相続税が発生しない申告となった結果は、
公平に反し、節税の意図があったことが客観的に明らかだから、
納税者敗訴になったのだと、私は感じました。


つまり、ルール通りに申告したことがダメだったと言われている訳ではない、
ということです。


節税に関しては、今回の相続税に限らず、所得税や法人税など含めて、

「やりすぎ注意」ということ、

そして、やりすぎと見受けられる場合、調査対象に抽出される可能性が高い。


とは言え、
東京など都市部の不動産投資、大家物件の場合、相続税評価額を考えると、
路線価や固定資産税評価額をベースにした場合、
評価額が2分の1とか3分の1になるケースは、往々にしてあります。


どのような場合に、
財産評価基本通達6項が適用される可能性があるのか、
という基準が何も示されないままだった、というのは、腑に落ちないな、
とも感じました。


今回の約4分の1に評価額が下がったのが、
もし租税負担の公平に反するのであれば、いくらまでなら良いのか?


この結果を踏まえて考えるなら、
そもそも、路線価や固定資産税評価額というものは、なんのために存在するのか?


そんな、あれこれと、いろいろな想いを抱きながら、
今回の判決を私は読みました。


皆さんは、今回の件を見聞きして、何か感じたこと、思ったことはありますか?



38

不動産投資は、個人と法人どっちが良い?



これは、ご相談をお受けする中で、聞かれることの多い質問の1つです。


この質問、意図を考えると、
私は3つに分けられると考えています。


1つめは、所得税住民税という「今払う税金」という視点。
この点を意識している方が、一番多いです。


2つめは、「相続」という視点。
不動産などの財産を、いかにうまく次世代へ引き継ぐか。
相続税との兼ね合いなども勘案して、という視点です。


法人で不動産を保有しておくと、
法人そのものは、相続と関係なく生きながらえます。
うまく活用すれば、相続で頭を悩ませる必要もなくなります。


1つめと2つめに関しては、
共通するポイントとしては「税金」が絡んでくる、という点です。


無理ない範囲で節税の対策を行い、
税金として出ていくお金を減らす、というのも大切な視点ではあります。


ただ、税金面とは異なる、
3つめの視点から、今日はお伝えします。


それは、「融資」という視点。


融資を受けるという視点から見た時に、
不動産投資、大家業においては、個人と法人、どっちが有利になると思いますか?


個人としての収入や、法人の決算内容などによって、
変わる部分もありますが、
長期的な視点でみた場合、法人の方が、有利になると私は考えています。


理由としては、


(1)法人であると、
    最初から事業として判断される。

(2)法人は後継者がいる限り、継続する。


という2点です。


1点目の「事業として判断される」に関してですが、
個人で事業とみなされる要件、皆さんは把握していますか?


税金上の話にはなりますが、
5棟10室 」という基準があります。

私のような、区分マンションの賃貸業を行っている場合、
10室保有して初めて、事業とみなされます。


・青色申告を選択している時、
 55万円や65万円の控除の対象になる。

・5棟10室以上保有していると、
 個人事業税もかかってくる。


という点からも、イメージして頂きやすいかと思います。


その点、法人であれば、
たとえ最初の1部屋だけ保有している状態だとしても、
賃貸事業になります。

決算申告をする際、
法人税、県民税、事業税、市民税の対象になることからも、
分かって頂けるかと思います。


もし追加で物件を購入したいという場合、
最初の頃の部屋数が少ない時は、法人の決算内容と合わせて、
個人としての収入や資産背景なども加味されることが多いです。


ただ、徐々に規模(部屋数)を拡大し、事業年数も経過してくると、
法人の資産と負債のバランスや決算内容という、
いわゆる法人の財務内容で、融資の可否が判断されてくるようになります。


つまり、個人の状況や資産背景が、
融資判断の優先順位からは下がる傾向になる、ということです。

(法人が融資を受ける時、代表者が連帯保証人になる場合が多いので、
 まだ法人と個人が切り離されているとは言えないのが現状ではありますが・・・)


個人の場合は、
本業の年収などを踏まえての判断になることが多いので、
ある程度の所で、頭打ちになるケースが多いです。

年収5千万などの方であれば別ですが、いわゆる会社勤めの方であれば、
年収が高いと言われる方でも、10部屋前後で、
融資は打ち止めになるケースが多いと私は感じています。


一方の法人であれば、
売上にあたる年商だけで判断はされず、個別判断になってくるので、
金融機関が貸しても大丈夫と判断してくれれば、
個人よりは、 規模の拡大ができる余地がある ということです。


2点目の、
後継者がいる限り、継続する」に関しては、
主に、融資を借りることができる年数、という点で、
法人が有利だと私は考えています。


個人の場合、
融資に関して、年齢の制限があります。
例えば、貸せるのは65歳まで、完済年齢は84歳までのように。


一方の法人の場合、解散などをしない限り、
個人のように亡くなって終わる、ということがありません。


そのため、物件の築年数の制約を受けることはありますが、
たとえ法人の一線から離れたとしても、
引き継いでくれる、後継者のような存在がいることを示せれば、
年齢による制約が外れる、というイメージです。


例えば、65歳の人が、個人で借りようとしても、
20年くらいが上限になることが多いですが、
(制約のない金融機関もあります)
法人であれば、物件などの条件も加味した上で、
35年などの借入ができる可能性がある、ということです。


このように、融資を活用しながら、
不動産投資、というよりは、賃貸業、大家業という、
1つの事業として「規模の拡大」を目指したいのであれば、
最初から「法人」という選択をするのも良いのではないか、と私は考えています。


税金的な面での、法人化の検討の目安としては、
7~8部屋くらいなどと言われますが、
これも、本業の年収や所得次第で変わってきます。


だからこそ、個人で行うのか法人で行うのかは、
皆さんが不動産投資を通してどうなりたいか?
という目標、目的ありきで、考えて下さい。


目標や目的が途中で変わり、
「法人成り」という方法もありますから、
個人か法人か、迷って動けなくなるくらいなら、
まずは個人からはじめることが良いのではないでしょうか。



37

不動産投資は、本当に節税になる?
(相続編)



私は、「日本経済新聞(日刊)」と「納税通信(週刊)」を定期購読しています。


もともと、経理や税務関連の仕事に携わっていたこともあり、
」関連の話題には、目をひかれることが多いです。


そんな私が、今、気になっている争いがあります。


それは、「相続不動産の評価をめぐる争い」です。


納税通信では、何度かテーマに取り上げられていたのですが、
先日、日経新聞でも初めて取り上げられていたので、
注目度があがっているのかな、と感じています。


3月15日に弁論が開かれ、その後、
どんな判決、判断が下されるかの動向が気になっている、
ということです。


どんな内容かを、かいつまんでお伝えすると、


・銀行から融資を受けて、
 神奈川と東京のマンション2棟を購入。

  ↓

・購入された方がお亡くなりになる。

  ↓

・相続税の申告をするときに、 路線価 をもとに2棟の評価額を計算する。
 その結果、購入金額のおよそ4分の1くらいが評価額と算出される。
 銀行から受けた融資の残債が、その評価額以上あり、
 「資産<負債」という状態のため、相続税額を0円として申告

  ↓

・国税当局が、そこまで評価額が低いのは適当ではない、と判断し、
  不動産鑑定 の評価を時価と考える。
 その時価をもとに、相続税を計算し、約3億円を追徴課税した。


という、いきさつです。


路線価をもとに計算した評価額不動産鑑定の評価額には、
およそ4倍の差が生じており、
今回のケースでは、
どちらの評価額で相続税の申告を行うのが妥当なのか、が争点です。


私たちが不動産の相続の評価額を考えるベースにあるのは、


土地は路線価
建物は固定資産税評価額


です。


そして、それが、貸家貸地であれば、
そこからさらに評価額の減額があります。


今回の相続人(納税者)の方の背景などは存じ上げないですが、
路線価をもとに計算したと報じられていることを加味すれば、
上記の原則をもとに、
評価額の計算を行ったと思われます。


なのに、公表されているルールに基づいて計算して申告をしたら、
評価額が低すぎる、というのは、
後出しじゃんけんというか、
いちゃもんのような印象が個人的にはぬぐえません。


不動産投資、大家業のサポートをさせて頂いている立場の私としては、
相続や相続税対策を見据えて、
購入を検討される方もいらっしゃいます。

そのため、どんな判決、判断に至るのか、気になっているのです。


今日は、不動産投資・大家業とは違う、
資産運用・資産形成という視点でのテーマになりましたが、
不動産投資は、相続税対策にもなる
と耳にしたことがある方も多いかと思います。


相続だけは、いつ起こるか、時期を選ぶことができません。
相続で資産を受け取る側、
反対に、ご家族などに資産を遺す側、
どちらの立場にもなりえます。


今回のテーマとなっている相続不動産は、
金額的に高額ということもあるので、インパクトがありますが、
どんな判決、判断が下されることになるのか、
不動産と少なからず、関りがあるのであれば、
知っておいて損はないのではないか、と私は考えています。


今回出た判決、判断を元に、
金額の多寡に関係なく、
相続不動産の評価の面で影響を及ぼしかねない、と思うからです。


今回のようなケースに限りませんが、
税制や法律などの改正、注目が集まりやすい判決など、
新聞やニュースなどで見聞きして、気になることがあれば、
皆さんも、動向などを気にして追ってみること、
気になるを気になるで終わらせないことが、大切ではないか?と思います。



36

貸借対照表は、作った方が良いの?



確定申告が話題になるシーズンに入りました。


私は、税理士ではないのですが、
会社勤め時代の職種としては、経理や財務に携わる時期が1番長かったです。


2006年に税理士事務所に勤めたのをきっかけに、
10年以上携わっていました。


なので、周りからは、
「憂鬱な時期だよ・・・」という声を聞くことが多いのですが、
「今年は、どんな形で仕上げようか?」
と、自分の申告書作成と向き合う時間が好きだという、変わり者な私です(笑)


そんな私が、不動産所得のある方へ、
もしくは、これから不動産所得が発生してくる方へ、伝えようと思います。


聞かれることの多い質問の1つに、
「青色申告と白色申告、どっちが良いですか?」
という内容があります。


そう聞かれた時には、
「帳簿の要件などは、今は青色も白色も同じなので、青色が良いのでは?」
と伝えるようにしています。


・ 10万円・55万円・65万円と、要件に応じた控除を使える

・ 10万円~30万円未満の減価償却資産を、一括で経費計上できる。



あたりが、青色の税金上の特典として、主に言われることかな、と思います。


区分マンション大家をしていると、会社からの給与と不動産だけの場合、
10室以上にならないと、事業的規模とみなされず、
9室までの場合、青色の控除は10万円だけです。


この10万円控除を利用する場合、
青色決算書を作るときに「貸借対照表は不要」で、
損益計算書や減価償却だけを作成すれば、申告としては支障がありません。


ただ、私は、青色を選んだのであれば、申告上は必要なくても、
「貸借対照表」も作成するのが良いのではないか、と考えています。


私自身、2007年に区分大家をスタートしてから、
少ない部屋数の時でも、あえて、貸借対照表を作成していました。


理由はいくつかありますが、私が特に意識していた点。
それは、

「金融機関で融資を受けようとする時に、見せることができる。」

ということです。


不動産会社さんが紹介してくれる、提携ローンを利用できる方は、
貸借対照表はなくても大丈夫です。

年収や勤務先などの現状を踏まえて、融資をしてもらえるかどうかの判断がされるからです。


ただ、私のような個人事業主など、提携ローンが利用しにくい立場の人間にとっては、
現状の「資産」と「負債」の状況を、包み隠すことなく伝えることが、
融資獲得にとって、必要になってきます。


不動産所得の申告時に作成する貸借対照表は、
不動産に限った、資産と負債のバランスが示されるイメージです。


イメージを分かりやすく伝えるために、単純化して伝えますが、
例えば、2,000万円の区分マンションを3部屋所有していると、
資産は6,000万円と表示されます。


それに対して、融資の残高が4,000万円だとすると、
負債が4,000万円


差額の2,000万円が、純粋な資産とみなされます。


つまり、2,000万円までは、融資の可能性あり、とみてくれる、
そんなイメージを目で見て伝えるのに役立つのが、貸借対照表だと、私は考えています。


そして、貸借対照表には現れていない、株式や投資信託、イデコなどの金融資産も加味しながら、
「いくらまでなら貸しても良いだろうか?」ということを、
購入予定の物件の担保評価と合わせて、
金融機関は考えてくれるイメージではないか、と私は考えています。


貸借対照表に記載される不動産の金額(帳簿上の価格)と、
金融機関の担保評価の金額には、差が出ることはもちろんあるので、
貸借対照表で見える、純粋な資産が2,000万円あるからと言っても、
その金額まで貸して頂けるかは分かりません。


ただ、金融機関の関心事として、一番気に掛けることは何でしょうか?


それは、「 ちゃんと返してもらえるのかどうか? 」です。


その時に最初に見るのが、年収や所得などの収入ではあります。


ただ、それと合わせて、万が一の時、持っている物件を金融機関が売却して、
融資を回収できるのか、という点も気にしています。

そのために、抵当権を設定されています。


なので、その万が一の時の回収可能性を、客観的な数字として示すことができれば、
融資してもらえる可能性も高くなると私は考えており、
それを示す書類のひとつとして、青色決算書の貸借対照表を大切に考えています。


貸借対照表を通じて、
所有物件という資産と融資残高という負債のバランスを見せる。


さらには、万が一の時に、
換金して返済にあてられる可能性のある金融資産を、示すことができれば、
貸したお金を返してもらえなくなる可能性は低い人、
つまり、貸しても安心な人、とみなしてくれる確率があがると思いませんか?


そんな、自分が貸しても安全な人ですよ、ということを示す意味でも、
貸借対照表は、税務的に不要だから作らない、というのは、
もったいないのではないか、と私は考えています。


これから、不動産所得のある確定申告をされる際、
貸借対照表も作成してみることで、今後の融資の選択肢などが広がる可能性がある。

そんな視点で考えてみるのは、いかがでしょうか?


税理士先生に任せているという場合でも、
任せっきりにはせず、貸借対照表のことまで説明してもらうというスタンスでいると、
今後に向けて、より良い申告ができるのではないか、と私は思います。



35

資産運用には、どんな戦略が必要?



皆さん、こんにちは。


北京オリンピック、開催中ですね。
興味のある競技はありますか?


私は、冬季オリンピックが開催されると、いつも、ワクワクして見る競技があります。


それは、カーリング、です。


氷上のチェスという別名があるように、先を読みながら、状況に応じて戦略を変えていく
そして、戦略を実行する、技術も求められる


こころと技とコミュニケーション
そんなカーリングという競技に魅了されています。


自分では、実際にカーリングをしたことはありませんが、テレビの前で、
「自分ならストーンをあそこに投げて、そうすると、こうなるかな…」
などと、ぶつぶつ呟きながら楽しんでいます。


日本、特に、女子代表の、ロコ・ソラーレは、
見ていて、素敵なチームだなと感じています。


先日の、デンマーク戦の最終ショット。
大逆転の3点を生み出したのは、圧巻でした!


応援しながら、自分でも考える楽しみがあるカーリング。


資産運用や資産形成という点でも、通ずるものがあるな、と私は感じています。


現在地の確認
  ↓
目標の設定
  ↓
現在地から目標に向けて、どんなプロセスで目指すかを考える


この3ステップを考えることが、出発点です。


そして、そのプロセスとして、金融庁などが推奨しているのが、
 長期・分散・積立 」というスタンスです。


このスタンスに向いている制度としては、
「イデコ」や「つみたてNISA」などがあります。


私の個人的な意見としては、これに「不動産」を組み入れるのが、
良いバランスではないか、と考えています。


どんなプロセスで目標を目指すかは、
あなたの気持ちや考え方次第で変わりますので、正解はありません。


一番お伝えしたいのは、どんなプロセスを選ぶかがある程度決まったら、
そのプロセスから外れるような選択をせず、継続することこそ、
資産運用においては、大切な戦略ではないか、ということです。


状況に応じて変える、という柔軟性が必要なこともあるとは思いますが、
ベースになるプロセスは、目先のことに一喜一憂せずに、
淡々と継続することが大切だ、というイメージです。


例えば、金融商品の場合、テーマ型投信、があります。

最近で言えば、ESGに積極的な企業を組み入れた、投資信託のような商品です。


世の中、世界の流れ的に、その時々で注目されるテーマがあり、
それは、時々刻々と変わっていきます。


その時々で、テーマに沿った商品が出てくることがあるのですが、
皆さんの資産を、そのテーマに合わせた商品に入れ替える、
みたいなことはしない方が良いのではないか、というのが私の考えです。


イメージで言えば、その時の流行に合わせて、トレンドの洋服を選び、
流行遅れになったものは、捨てていくことをせず、流行に左右されず、
長く着られる自分らしさを感じられる服を大切にするという感じでしょうか。


もし入れ替える、流行遅れは捨てていくようなプロセスを、
資産形成で選んでしまうと、
積み上げてきた資産が、その都度リセットをされてしまい
殖えていくという実感を抱きにくくなってしまう、と私は考えています。


これは、例えば、投資対象として、色々な選択肢が、目新しさと合わせて出てきますが、
「あれもよさそう」
「今度はこれをやってみよう」
と目移りしてしまうようなイメージです。


新しく出てきた商品などを選んで、
資産運用のプロセスに組み入れることが悪いとは言いません。


ただ、それまで継続してきたプロセスを、リセットしてしまうことはせず、
最初に選んだプロセスは、いい意味で、
 ブレずに続ける 
ことこそ、資産運用で一番大切な戦略ではないか、と私は考えています。


私の例をひとつ、お伝えします。


今でこそ、「イデコ」という名称で認知度も高まった確定拠出年金。
2001年に日本には導入され、
まだ加入者が10万人にも満たなかった、2004年に私は加入しました。


それから、もう少しで20年になります。
途中でリーマンショックやアベノミクスなど、上がり下がりの経験はありましたが、
毎月お金を継続して投じ続けたおかげで、含み利益を得つつ、今も淡々と継続をしています。


惜しむらくは、最初の頃から掛金をもっと出していれば…
ということでしょうか。


そんな私の資産運用の戦略としては、
「長期・分散・積立」にプラスして
 ほったらかし ということも付け加えて考えています。


資産の状況を見たり、バランスを見たりするのは、
四半期や半年、年に一度で良いのではないでしょうか?


不動産の場合は、基本、売却するスタンスではないケースが多いので、
年に一度くらい、もし今売ったとしたらいくらになるか?
を考えるくらいのスタンスが良いのではないでしょうか?


目先の上がり下がりに一喜一憂せず、
5年、10年、20年、という心持でいられる戦略を選ぶことこそ、
本業にも打ち込みつつ、
安心した気持ちで取り組める資産運用、資産形成になると私は考えています。


皆さんは、どんなスタンス、戦略が、自分には合っていると思いますか?


一度、胸に手を当てて、考えてみることをおススメしたいです!



34

あなたの部屋、
入居者さんにどう見られていますか?




保有効果」という言葉があります。
人間は、自分が持っているモノの価値を高く感じるという心理効果のことです。


ここでは、「賃貸物件」をテーマに考えてみます。


物件を購入してスタートし、あなたの物件になった後、

「もし今売ったら、●●円で購入希望者が現れるはず!」
「空室になって貸したら、●●円の賃料で貸せるはず!」

こんな気持ちになるのではないか、と思います。
私自身も同じです。


ただ、その気持ちが、
周りの評価と一致していないこともあります。


昨年、私はテスト的に、3週間だけ1部屋を売りに出してみました。

投資物件なので「利回り」や「賃料」などを踏まえて、
「少し強気に価格の設定」をしました。


積極的に売ろう、という気持ちはなかったので、
「今の自分が出した強気の評価で、どのくらい周りの反響があるのか?」
を見てみたかった、というテストです。


結果は、反響「ゼロ」でした。


売りたい気持ちはほぼなかったので、結果的には良かったのですが、
私がつけた強気値段の「自己評価」は、周りからは、誰も受け入れて頂けない、
つまり、「保有効果」で高く評価をしてしまっていた、ひとつの例です。


主観を大切にすることは必要ですが、
自分の想いと周りの想いの間にへだたりがあっては、
不動産投資、大家業も、順調な運営をすることができません。


だからこそ、私は「セカンドオピニオン」的な視点が大切だと考えています。


自分の想いや考えが、
周りから大きくずれていないか、自分で気づいていない視点があるのではないか、
ということに、気が付く機会を作る、というイメージです。


私の所へ、相談に来て頂く方が、物件の情報をお持ちになられた時は、
私という周りの視点から、どう感じるかを率直にお伝えさせて頂いています。


私自身の保有物件に関しては、不定期ではありますが、
不動産会社さんに、査定などをしてもらうなどで、
自分の中での物件評価との乖離がないかなどの目安を把握するようにしています。


近日、私が保有している物件が空室になります。

退去後、部屋の中をどうするかなど、
賃貸管理会社さんと打ち合わせを行って、
空室を少しでも早く埋められる方法を考えていきます。


リノベをするのか?
ホームステージングをするのか?

詳細は、これから考えていきます。




33

不動産投資においての「1月1日」



資産運用、不動産投資において、
「1月1日」という日が、どんな影響を与えるのかを、
再確認できればと思い、まとめてみました。
(個人で行っている方を、念頭においています)


1番影響が大きいのは、「物件を売却する時」です。

税金面にスポットをあてた時の話にはなりますが、
売却価格が、その時点での帳簿上の価格を上回っていたら、
その利益に対しての譲渡税を払うことになります。
購入価格との比較ではない点、ご注意ください!


例をあげて、お伝えします。

2,000万円の物件を購入して、土地の価格が800万円、建物の価格が1,200万円とします。
建物は、20年で減価償却するとします。(毎年60万円ずつ)


この物件の5年後(60ヶ月後)の帳簿価格は、
いくらになりますか?


土地は減価償却しないので、
変わらず800万円。


建物は、毎年60万円減価償却していくので、
60万円×5年=▲300万円。
1,200万円-300万円=900万円


土地800万円+建物900万円=1,700万円
これが、5年後の帳簿価格になります。


もしこの時に、当初購入した2,000万円と同額で売却できたとしたら、
売却利益として300万円が発生します。


2,000万円で購入した物件が、2,000万円で売れたのだから、
利益は0円と勘違いされる方も見受けられるのですが、
大きな間違いですので、気を付けて下さい。


さて、この300万円の売却益に対してかかってくる税率は、
● 短期譲渡(5年以下)は約40%
● 長期譲渡(5年超え)は約20%です。
 (所得税・住民税の合計)


つまり、この例のケースの場合、
売却時に
5年以下だと 300万円×約40%=約120万円
5年超えだと 300万円×約20%=約60万円


売却するタイミングで、払う税額に大きな差がついてきます。


さらに、質問です。

もし物件購入が2017年2月、売却が2022年3月の場合、
短期譲渡でしょうか?
長期譲渡でしょうか?


ここが、特に間違い、勘違いの多いポイントなのですが、
このケースは、
「短期譲渡」になります。


5年と1ヵ月経過しているのでは?
と言われそうなのですが、
短期譲渡と長期譲渡の5年の考えるポイントは「1月1日」なのです。


つまり、1月1日時点で、
5年以下なのか5年超かで判断するのです。


上記のケースの場合、
2022年1月1日時点では、4年10ヶ月なので、短期譲渡に該当するのです。


2023年1月1日を過ぎてはじめて「5年超」と判断されるので、
もし売却するなら、それ以降が、税金面では有利になるということです。


このイメージを分かりやすくお伝えするために、私が聞かれた時は、
お正月を6回過ごしたら、長期譲渡です」と話しています。


不動産投資、大家業は、長期のスタンスで取り組む方が多いとは思いますが、
いつ、どんなタイミングで、売却を検討するかは分かりません。


そんな想定外に備える意味でも、
この「1月1日を6回過ぎたかどうか」というポイントは忘れないで頂ければと思います。


その他、1月1日という点で言えば、固定資産税がかかってきます。
1月1日に物件を持っていれば、
年の途中で手放しても、その年の固定資産税を支払う義務が生じます。


この場合は、売却時に、日割で精算するなどで、
不公平感が生じないように配慮されることが多いです。
(購入時に固定資産税の日割り精算を払った方も多いと思いますが、
 それの反対と捉えて頂ければと思います)


その他、税金面で言えば、住民税も1月1日が基準日です。
例えば、3月31日に横浜から東京に引っ越したとしても、
その年の住民税は、全額横浜に払う、
というイメージです。


生活と資産運用と税金は、切っても切れない関係にあります。
たくさんあるので覚えきれなくて当然ですが、
自分自身に関わりそうなことは、ぜひ押さえておいて下さい!


税金と言えば、2021年の確定申告の時期になりましたね。
今年はいくら払うことになるのかな・・・ 




32

資産運用に「ときめき」は必要か



年末が近づくと、
メディアなどで取り上げられることが多いテーマのひとつに「片付け」があります。


部屋を整理整頓して、年始をすっきりした気持ちで迎えましょう、
という内容です。


実際に著書を読んだことがないので、内容に関しては触れませんが、
片付け、と聞くと、思いつくのが「こんまり」さん。


「ときめく」「ときめかない」という視点で、片付けのことを話されている方、
という印象を私は持っています。
(ご存じの方で、もし違っていたら、ご指摘下さい。)


この、「ときめく」という視点と資産運用に、資産の棚卸に、
共通する点があるのではないか、と私は感じています。


今日の内容は、少し金融資産寄りのお話になりますが、
私が先日実際に行ったことをお伝えします。


私は、資産運用、資産形成を継続するコツとして、
お金を投じていることを忘れてしまうことが大切だと考えています。


なので、不動産に関しては、日常で意識することはほぼなく、
保有している株式や投資信託などに関しても、日々相場を見ることもないので、
基本ほったらかし状態です。


そんな私が、久々に保有銘柄を見た時のこと。


「あれ?なんでこの銘柄買って、 保有していたんだっけ?」
「なんとなく、この銘柄持っていたい気持ちになれないな・・・」


株式の場合、半年に一度、配当金や事業報告書が送られてくることが多いですが、
それも見返しながら、利益が出ている銘柄、含み損を抱えている銘柄関係なく、


保有していることにときめきを感じない銘柄


に関して、売却して手放しました。


売り注文を出して、約定した後の気持ちは「スッキリした」というのが、
私の感想でした。


行動経済学において、自分が保有している銘柄や不動産に対して、
高い価値があると考える「保有効果」「授かり効果」という現象が生じると言われています。


損切りができずに資産を大きく減らしてしまう、という点から考えた場合、
この保有効果に捉われてしまうことは、マイナス要因です。


ただ、定期収入を目指す不動産や、つみたてNISAなど、
長期投資においては、継続することが何よりも大切です。


目先のプラスマイナスに一喜一憂せず、
保有していることにプラスの価値を感じることが大切
というイメージになりますでしょうか。


そして、自分が好きだ、と感じられる対象でないと、
長期投資として継続することは難しいのではないか、と私は考えています。


これは、個別の銘柄でもそうですし、
投資をしようとする対象そのもの(株式、投資信託、不動産など)に対しても言えることだと思います。


この年末の振り返りの時期、資産の棚卸もしながら、
皆さんがこの先長く続けていけると感じること、好きなことはなにか?
所有することに、ときめきを感じられるものはなにか?


投資でも仕事でも、
一度、ゆっくりと考えてみるのはいかがでしょうか?



31

入居の申込を断わることはある?



「物件購入後、初めて退去があり、現在募集中ですが、
 申込があった時に、断ることはありますか?」


先日、そんな相談を受けました。


私の結論を最初に伝えると、申込みの連絡を受けてから、
入居をお断りしたことは、今までにありません。


その理由としては、
賃貸管理会社への信頼」と「保証会社の存在」があるからです。


私の場合、入居者さんとのやり取りを自分でする自主管理は選ばず、
賃貸管理会社さんに委託料をお支払いしてお願いしています。


賃貸管理会社さんへお願いしている場合、不動産投資、
大家業で生命線になる「入居者さんからの賃料の受け取り」は、
賃貸管理会社さんにやって頂くことになります。


その場合、支払いが滞るかもしれない方を住まわせてしまうと、
のちのちトラブルの元となり、対応に時間を割くことになるなど、
矢面として大変な立ち位置になるのが、賃貸管理会社さんです。


なので、オーナーである私たちに、「入居申し込みがありました」と連絡を頂く時は、
入居希望者のお仕事状況やご収入の確認などを済ませ、
「あとは、保証会社の審査結果待ち」という段階になっていることが多いです。


連絡を頂いた時には、性別や年代、お仕事状況などは伺いますが、
「この方なら大丈夫そう」と判断した上で連絡をくれている、と信頼をしているので、
今までお断りしたことはないのが実情です。


ただ、入居時点とその後のご状況に変化が生じる可能性へのリスクヘッジ的な意味合いも兼ねて、
保証会社さんの審査通過、加入」という点もお願いしています。


これはオーナーである私たちにも、賃貸管理会社さんにも、
安心感をもたらしてくれるからです。


私のセミナーなどを聞いたことのある方にはお話したことがありますが、
夜逃げをされた時に、保証会社さんという存在があったことで、
オーナーである私が、金銭的な負担を強いられることはありませんでした。


つまり、夜逃げが確定して、退去したとみなすその日までの滞納賃料分に関しては、
保証会社さんが夜逃げした入居者さんに代わって払ってくれたことにより、
最終的に全額入金になり、未回収になることはなかったということです。


賃料を受け取れないケースとしては「空室」と「滞納」がありますが、
空室よりも滞納の方が、やっかいだと私は感じています。
空室であれば、賃貸管理会社さんにお願いはしつつも、自分でも想いなどを伝えて、
賃料を受け取れるようにする方法(空室をどうやって埋めるか)を相談しながら考えることができます。


一方の滞納の場合は、
「どのように賃料を払って頂くか」「どのように退去して頂くか」
という部分に力を注ぐことになり、時間も労力もかかってしまいます。


だからこそ、入口の「誰に借りて住んで頂くか」が大切なのです。


その点に関しては、賃貸管理をしている管理会社さんの方が、
いろいろなケースを見ており、万が一の対応に関しても精通されている。


そんな信頼感から、そして最悪の場合でも保証会社さんが、
滞納賃料分を補填してくれる。


この流れ、仕組みがあるからこそ、私は、管理を委託しており、
申込の連絡があった時は、基本的に断らずに受け入れる
そんなスタンスでいます。


皆さんは、ご自分が所有されている部屋で、
賃借人さんとの間でなにかトラブルなどを経験されたことはありますか?


もし何か経験されたことがありましたら、ぜひお話聞かせて下さい。
「そういうことが起こりえるのだ・・・」みたいなケースを知り、
自分の学びを深めることにもつなげたり、一緒に考えたりしたいと考えています。




30

住んでいる街に住み続けたいか



先日、リクルートのSUUMOが
住んでいる街に住み続けたいか」という調査の結果を公表しました。


住みたい街ランキング、ではなく、住み続けたいかどうかです。


実際に暮らしてみて、どう感じているかという調査なので、
憧れではなく、実感が現れている内容だと思いながら目を通しました。


内容をいくつかお伝えします。
「今後も今住んでいる街に住み続けたい」に
「そう思う」「とてもそう思う」と答えた方の割合です。


居住形態別にみると、賃貸は59.2%、持家は74.4%。


ライフステージ別にみると、
単身男性59.1%、単身女性60.6%、ご夫婦のみ70%、ご夫婦+お子様72.3%。


住み続けたいと回答した人がその街の魅力として評価している特徴の中で、
高い得点がついているものをピックアップすると


「いろいろな場所に電車・バス移動で行きやすい」
「職場など決まった場所に行くなら電車・バス移動が便利だ」
「徒歩や自転車での移動が快適だ」
「メディアによく取り上げられて有名である」


上記あたりを、単身男性・単身女性・夫婦のみのような、
不動産投資という点でターゲットになりやすい方は高得点であげていました。


マイホームという持家がある方の割合が高くなるのはもっともだなと感じますが、
賃貸でも約6割の方が同じ街に住み続けたいと感じている


引っ越しを容易にしやすいような単身者でも、男女問わず、約6割が、
同じ街に住み続けたいと感じている。


このことを踏まえると、リモートワークなどの普及で、
場所を選ばずに働けるなど自由な環境になりつつありますが、
賃貸だとしても同じ街に住み続けたいと感じている方が、少なくとも6割近くはいらっしゃる。


住まいを変えるという変化を嫌っているだけなのか、
一度暮らした街へは愛着がわきやすいのか。


様々な理由があるとは思いますが、メディアに取り上げられやすい街
通勤など移動が便利だと感じる街であれば、賃貸の需要は、
今後も継続して保たれるのではないか、とこの調査結果を見て感じました。


不動産投資、大家業は、借りて下さる方がいて初めて成り立ちます。
管理状態ももちろん大切ですが、
まずは借りて下さる方が多く集まるエリアに物件を保有することが、何よりも大切です。


女性向け情報誌にテーマとして取り上げられるような街を選ぶこと、
企業や商業施設が集まるエリアまでの移動が便利な街を選んで物件を持つこと。


不動産投資、大家業を長期にわたって継続して、
失敗しにくくする秘訣ではないか、と私は改めて感じました。



29

結局、老後資金って幾ら必要なの?



この質問をお受けすることがありますが、
その時の私の答えは、いつも同じです。


「それは、分かりません・・・」


老後2,000万円問題という言葉がピックアップされたことが、
1つの目安を示したのかもしれません。


ただ、今までも何度かお伝えしたことがありますが、あくまでも
これは、1つのモデル世帯をベースに考えた試算であって、
皆さんに、必ずしもあてはまる訳ではありません。


ただ、「分かりません」では元も子もないので、
年金定期便やねんきんネットを利用して、受け取れる目安年金額を一緒に考えることもあります。
そして、その際は、現時点での将来の備えに向けた、目標金額をお伝えすることはあります。


目標と現状の差を埋めるために、今から何をしないといけないか?


収入を増やすのか?
支出を減らすのか?
資産運用など、手元にあるお金に働いてもらうのか?


これを一緒に考えるパートナーが、
ファイナンシャルプランナーだと私は考えています。


老後に限りませんが、
これからの将来の目標に向けての道筋を描くヒントや気づきを得て頂く。
そして、お金に対する不安を和らげること
これがFPの役割であり、使命でもあると考えています。


ただ、人生は、お金があるだけでは、充足感を抱きにくいと思います。
お金はあるに越したことはないし、お金があることで人生の選択肢を増やすことはできます。


でも、お金だけでは満たせないものが、あります。


それは「心」です。


幸福感や充実感を抱いてこそ、心の満足にもつながると私は感じます。


その心の満足は、他者とのかかわりや社会との接点を、
どのように持ってどのように過ごすか、に左右される部分が大きい、
と私は感じています。


仮にお金の持ち合わせが少なくても、周りと良好な関係を築いて、
楽しさや幸福感を抱けるのであれば、それは、人生の資産形成が
うまくいっている証ではないか、と思います。


その人生の資産形成を作り上げていく上で、
選択肢を増やす手段となるのが、お金ではないか、と私は考えています。


稼いだお金を守り育てて、人生の資産形成をより充実したものにする。
そこを目指すところに、資産運用、お金の資産形成をする意義があると、
私は考えています。


なので、老後にいくら必要になるか、というお金の目標よりも、
人生の資産形成をどのように作り上げていくか、を大切にして下さい。


他者や社会との接点なくして、私たちは生きられないのですから・・・


コロナ禍もあり、リアルな出会いやイベントが減ってしまったからこそ、
私は対面でのご相談やリアルでのセミナーを、今まで以上に大切に思えるようになりました。


人と人との出会いをつなぐ意味合いも兼ねて、イベントなども考えたり
していますので、ご都合、ご興味などあれば、ぜひいらして下さい!



28

投資物件の価格は、どうやって決まる?



ニュースなどを見聞きすると、
不動産、特にマンションの価格に関しては、値上がり傾向にあると言われています。


ニュースで取り上げられることが多いのは、
都心のマイホームとしての新築マンションではありますが、中古もその傾向があります。
そして、不動産投資、大家として選ぶ、賃貸用の物件に関しても、
少なからず、連動している部分があるとは感じています。


このメルマガでは、不動産投資をメインテーマにしているので、
投資物件に絞って話そうと思いますが、投資物件の価格が決まる際に、
キーになってくるのは、どんな要因があるでしょうか?


需要と供給のバランスも1つの要因です。
売主さんがどういう理由で売却したいと考えているかも1つの要因です。


考えていけば、いろいろな要因があげられると思いますが、
私が価格決定に1番影響を与えると考えているのは、
金融機関の評価」です。


手元に現金がある、まとまった金融資産を不動産に変えたいなど、
物件を現金で購入されるケースもありますが、
多くの方は、金融機関からの融資を利用して購入しています。


不動産会社さんも、利益も考えながら物件を販売することを考えますが、
購入希望者の手に届きにくい価格設定をしたら、そもそも販売ができません。


だからこそ、購入を検討する人と販売する不動産会社さんを円滑に結ぶ、
キーになってくるのが金融機関であって、
金融機関がその物件の資産価値をどのくらいと考えるか
というのが、販売価格にも大きく関わってくるのです。


ただ、この金融機関の物件に対しての評価の基準も一律ではありません。
例えば、同じ物件だとしても、A銀行では2,200万円という評価が出ていても、
B銀行では2,100万円というケースがあります。


その物件が、仮に2,150万円で販売されていて、Cさんが買いたいとなった時。
仮にCさんがローンを最大限に活用したい場合、A銀行を利用できれば、
ほぼ全額ローンを利用して購入検討できますが、B銀行しか利用できない場合、
少なくても50万円は用意する必要があります。


また、購入検討する側としても、金利がどれくらいで利用できるのか、
ローンを利用する場合に何年借りて組むことができるのかによって、
収支やキャッシュフローの状態も、大きく変わります。


だからこそ、物件の良し悪しは当然ですが、それと合わせて、
金融機関の融資姿勢」もウォッチし続けることが大切です。


私も、個別の金融機関の変化に関しては、
信頼を寄せている不動産会社の担当者などから、
タイミングみて伺いながら、キャッチアップしています。


不動産投資、大家業は、物件を保有してからがスタートです。
購入後、賃貸管理に関しては、管理会社に委託をすることで、
オーナーとしては、基本的に日々やることはありません。


何部屋保有したいか、毎月の賃料収入をどのくらい得たいかなどの目標は、
皆さんの気持ちや考えによって変わりますが、
今後購入を考えている場合でも、保有を継続する場合でも、仮に売却を考える場合でも、
保有物件の資産価値を考える上では、金融機関の姿勢を知っておくことも大切です。


購入後任せっぱなし、営業の担当者からの連絡を待っているという受け身スタンスではなく、
今回話したような、金融機関の姿勢がどうなっているか?などという話題をきっかけに、
継続的にコンタクトを取ってみるようなことも、
皆さんが大家を継続していく上では大切なことではないか、と私は考えています。


担当者も、連絡をもらえるだけでも、嬉しいのではないかな、
と、個人的には思っています。



27

修繕積立金の値上げは悪いこと?



私のセミナーや個別相談にお越し頂いた方には、
国土交通省のガイドラインのお話をすることがあります。


マンションの修繕積立金の目安として示されているのは、
1平方メートルあたり、平均で218円です、とお伝えしていました。


これは、「15階未満、延床面積が5,000平方メートル未満」の場合です。
規模などによる違いはありますが、賃貸用のマンションであれば、
大部分がこの規模にあてはまっています。


このガイドラインが、先月(2021年9月)改訂されました。


そこで示されている平均値は「335円」で、今までと比べて、
1平方メートルあたり「117円」上がりました。


例えば、20平方メートルのワンルームであれば、今までの目安は
「4,360円」でしたが、改訂後の目安では「6,700円」というイメージです。


335円は平均値であって、幅としては、1平方メートルあたり
「235円~430円」と示されています。


この目安は、「機械式駐車場がない」場合なので、
あるマンションの場合は、もう少し加算額があります。


この値上がりの背景には、
築年数が経過したマンションの増加工事に関わる職人さんや資材の価格の上昇など、
様々な要因があります。


マンション大家をしている立場からすれば、
毎月の支出が増えることは、収支の悪化につながり、
数字面だけ捉えれば、マイナス要因とも感じます。


ただ、長期的な資産運用の対象として、マンションを保有しているのであれば、
この平均値の改訂は、喜んで受け入れることではないか、と私は捉えています。


様々なマンションがありますが、老朽化してしまう要因の1つとして、
資金不足で適時適切なメンテナンスができない」ことがあげられています。


マンションの場合、一棟物件との違いとして、
全体の維持管理を自分の意思だけではできない、ということがあります。


だからこそ、運命共同体でもある、他の区分所有者さんと、
毎月少しずつ管理費・修繕積立金を出し合って、
共用部分の維持メンテナンスをしていく必要があります。


ただ、先立つものは、「お金」です。


修繕をしたいとなっても、マンション全体としてお金が不足していた場合、
金融機関からお金を借りる、所有者から一時金として徴収するなどの方法を取らなければ、
メンテナンスができず、住み心地や資産価値は下がってしまいます


メンテナンスがスムーズにできないと、借りて住みたいと感じてくれる人も減ってしまい、
賃貸経営が成り立たなく恐れにもつながりかねません。


今回のガイドラインの平均値の値上げ。
マイナスとして捉えるのではなく、
今後の資産価値を維持し、賃貸経営を安定させるためには、
むしろ必要な金額を早目に示してくれてありがとう、みたいに捉えたいと、私は感じました。


実際に、これを機会にと思って、自分が保有している部屋を見てみたら、
修繕積立金の平方メートル単価は、「143円~442円」の幅がありました。
143円の部屋があったのには、正直ビックリでした。
そのマンションは全体で92部屋あることと、管理組合がしっかり機能しているからこそ、
メンテナンスでの不具合はまだ出ていませんが、
今後の値上げも視野に入れないといけないな、と感じたりしました。


皆さんも、ご自分が保有されている部屋の修繕積立金、
ぜひ一度、確認してみて下さい。
今後、末長く不動産投資、賃貸経営を安定して続けていくためにも!



26

リセールバリューのすすめ。



先日発売された「週刊エコノミスト」をパラパラと見ていました。
「マンション管理」がメインテーマだったこともあり、手に取ったのですが、
その中に「リセールバリューランキング」も掲載されていました。


これは、「東京カンテイ」さんのデータが提供元のランキングで、
築10年前後の中古マンションが、
新築時と比べて、おおよそいくらくらいなのか?の目安のランキングです。


首都圏のランキングで、1位は、どこの駅だと思いますか?


2位に大差をつけて、1位は「代官山駅」でした。
リセールバリューは、なんと「164.3%」でした。


分かりやすくイメージで言えば、新築時に1,000万円だったマンションを、
10年後である今売ったら1,643万円で売れる、ということです!


ちなみに2位は「溜池山王」3位は「桜木町」でした。


対象となる駅は412駅ありましたが、
その内リセールバリューが100%を上回った(新築時より値上がりした)のは、
なんと214駅だったとのこと。
70%未満になったのは、412駅中10駅のみという結果が公表されています。
https://www.kantei.ne.jp/news/release/882


このデータは、マイホームとしてのマンションを集計の対象にしているので、
不動産投資や大家業という、賃貸用マンションにそのまま当てはめられる訳ではありません


また、この10年という期間を振り返ると、
いわゆるアベノミクスによる株高などを背景に、不動産にも資産需要が広がり、
リセールバリューの上昇にもつながったのではないか、とも感じます。


とは言え、住みたい街としての魅力、需要がなければ、
どれだけ立派な物件であったとしても、リセールバリューには、つながりません。


その意味で、住みたい人に選ばれているエリア
人の全体的な流れなどを見て把握するには、1つの参考として分かりやすいのではないか、
と私は考えています。


皆さんが住んでいる駅、住みたいと感じる駅は、ランキングにありましたか?
持っている賃貸物件のある駅は、何色でしたか?
https://www.kantei.ne.jp/news/release/882  の中の「首都圏RV2020」をご参照下さい)


資産運用、資産形成の1つの手段として不動産、賃貸マンションを持つ方の多くが、
副収入を得ることを目的にされる方が多いです。
値上がり益を狙って不動産を買うという方は、少数派だと感じます。


とは言いながらも、まさかともしも、はいつ訪れるか分からないので、
「もし今、手放すとしたらいくらくらいで売れそうなのか?」を
おおよそでも把握しておくのは、大切なことだと私は考えています。


今回のリセールバリューのランキングは、
住みたい人に選んでもらえるエリアなのかどうかという「森」を見るという点では、
役に立つと思うので、一度見てみることをおススメします。


物件ごとに見た「木」という視点での参考としては、こちらのサイトが
良いかもしれません。
https://www.mansion-review.jp/


ただ、このサイトも、すべての物件情報や取引情報が掲載されている訳ではなく、
掲載されている価格や賃料で必ずしも成約した訳ではない点を差し引いて、
あくまでも「参考の1つ」として捉えて頂ければと思います。



25

マンションはいつまで働ける?



今回は、
「マンションはいつまで働けるのか」といテーマにしました。


自分の時間と力を使って就業することは、労働収入につながります。


一方で、不動産投資や大家業など、自分の時間をあまり費やすことなく、
収入をもたらしてくれるのは、資産収入につながります。


最近、FIRE、という言葉を耳にすることが多くなりましたが、
資産全体から産まれる収益の4%で、生活費などをまかなうことができれば、
元本を取り崩すことなく、安定した経済基盤を築けると言われています。


私が資産形成のメインに据えているワンルームの場合、
物件による違いもありますが、築20年以内など、比較的新しい物件であれば、
手取りのリターンは、おおよそ4%前後が多いです。


マンションを長期で保有して、
賃借人さんに選んで頂くことで得られる賃料収入を積み重ねることが、
将来の経済的な面での安心にもつながりやすい1つの例ではないか、とも感じています。


とは言え、マンションも築年数が経つと老朽化していきます
そんなマンションなどの不動産は、資産収入をもたらしてくれる存在として
いつまで、あなたのために、働いてくれるのでしょうか?


マンションを例に取り上げますが、
以前は、マンションの寿命は約60年と言われていました。
それが、建築技術などの発展に伴い伸びてきて、
最近の新築分譲マンションでは、100年マンションなどと言われるものも増えてきています。


人生100年時代と合わせているのかもしれませんが、自分で住むにせよ、
貸し出すにせよ、住まいとしての価値が継続することが、何よりも大切です。


そこでポイントになるのが「管理」です。
マンションは管理を買え、と言われることが多いですが、まさに、この管理こそ、
マンションがいつまで現役でいてくれるかどうかを左右すると言っても過言ではありません。


マンションを人間の体に例えるなら、
壁などの躯体と言われる部分は骨格や筋肉、給水管や排水管などは血管にあたります。


どちらか一方でも、健康を損ねてしまうと、住まいとしての魅力が薄れ、
資産価値という面でも影響を受けてしまいます。


そこで、中古マンションであれば、購入を検討する際に、
「重要事項調査報告書」や「長期修繕計画」などを見て、
過去の修繕履歴や今の積立金の残高、これからのメンテナンス計画のたたき台を確認します。
また書類だけで分からない点に気づくためにも、実際に物件の現地へ足を運んで、
自分の目で見て、状態や雰囲気を確認することが大切ではないかとも考えています。


2022年4月からは、「マンション管理適正評価制度」というものもスタートします。
http://www.kanrikyo.or.jp/evaluation/


今後、マイホームとしてのマンションにせよ、あなたの代わりに働いてくれるマンションにせよ、
「管理」という面が資産価値、
ひいては売買価格に影響を及ぼす流れが強まると私は考えています。


管理状態次第で、建て替えという選択肢ではなく、
今あるマンションを70年、80年と長く継続して、
住まいとしての価値を保ち続けられることにもなるからです。


だからこそ、少しでも長く働いてくれる資産であり続けるために、
持っているマンションの管理はお任せにし過ぎず、

「議案書には必ず目を通して、委任状や議決権行使は提出する」
「予定など都合がつくときは、総会へ足を運んでみる」
「自分自身の学びのためにも、できる範囲で理事などの経験もしてみる」

そんな気構えがあるだけでも、保有しているマンションへの想い、
不動産投資や大家業を失敗しにくくすることにつながるのではないか、と私は考えています。


私自身も、自分への学びも兼ねて、先日参加した総会で、気さくに声をかけて頂いたこともあり、
理事の仲間入りをさせて頂くことにしました。
どんな流れになるかは分かりませんが、そんな理事としての実体験なども、
今後共有できればとも考えています。



24

コロナ禍で、
住みたい街に変化はあったの?



ふと、賃貸需要における「職住近接」について考えました。


職場まで、通勤に1時間などをかけるくらいなら、
家賃が少し高くなっても歩いて行ける所に住みたい、という考えです。
職場の近くに住む場合に、手当をつけるような会社も一定数あります。


一方、コロナ禍で、リモートワークの普及などもあり、
ニュースなどで「東京人口流出」という話題が取り上げられたり、
ライフルホームズのコロナ禍で借りて住みたい街ランキングで、
神奈川県の本厚木駅が1位になったりもしました。


では、「職住近接」のような従来の考え方と、
コロナ禍で広まった「広さを求めて郊外移住」の考え方、
どちらの方が多いと思いますか?


スーモを運営しているリクルート住まいカンパニーさんが出しているデータを踏まえると、
前者の従来の考え方の方が、多数派だと私は感じています。


コロナ禍で住みたい街が変わったかどうか、という調査結果があるのですが、
「大きく変わった」という人は約1割、
「やや変わった」という人は約2割、
「特に変わっていない」という人は約7割
という結果になっています。


「特に変わっていない」と回答した人中でも、単身世帯は7割を超えており、
夫婦のみの世帯や夫婦+お子様世帯を上回って、
住みたい街に変化はないと回答しているという結果です。


総務省の発表でも、
東京の世帯人数は「1.95人」と平均で2を下回ったことも、
上記の結果とリンクしているように、私は感じました。


実際に、あなた自身は、住む場所を変えたいと思いましたか?
友人知人で、コロナ禍をきっかけに住まいを変えた方は、
どのくらいいらっしゃいますか?


リモートワークをきっかけに、都心から郊外などへの転居を、
実際に行われた方も一定数いらっしゃるとも思いますが、
そこまで多くなかったのではないでしょうか?


上記のようなことも意識しながら、マイホームとしての不動産選び、
不動産投資、大家としての物件選びも、考えてみると良いかと思います。


人が集まり、人気のある街は、不動産の資産価値も落ちづらく
賃貸需要もある、という点こそが、大切だと私は考えています。



23

マンションは管理を買え!



私は、区分マンションの大家業を行っています。
最初の1部屋目を購入したのが2007年なので、
スタートしてから、もう少しで15年になります。


築年数の経過とともに、マンションも設備も年をとりますが、
おかげさまで、空室になっても入居者さんに選んで頂くことができ、
設備関連にも大きな不具合なく継続できていることに、感謝の想いを抱いています。


その一番の要因は、「管理状態の良さ」だと感じています。


物件を購入する前に、新築物件はどんな管理状態であるかを100%知ることは難しいですが、
中古物件はある程度の目星はつけられるのではないか、と私は感じています。


1つは、現地のチェック。
もう1つは、書面のチェック。


現地のチェックは、
エントランスで感じる雰囲気やポスト回り、ゴミ置き場などを見ることで、
住んでいる方のマナーや雰囲気をあらかた感じたりできるというイメージです。


書面のチェックは、「重要事項調査報告書」を見て確認します。
中古物件の場合、この報告書は、必ず事前に確認するようにしています。


「修繕積立金が、いくらくらい貯まっているのか?」
「今まで、どんな修繕が、いつ頃行われているのか?」
「修繕積立金は、年間でいくらくらい収入があるのか?」


など、目にするポイントはいろいろあるとは思いますが、
私が特に気にして見ている点があります。


それは、「管理費・修繕積立金の滞納額」です。


建物全体の部屋数やその時点での修繕積立金の総額などによって、
滞納金額が多いと感じるか少ないと感じるかは異なるので、
全体の内、●%以下なら安心、などのような明確な基準までは持っていません。


ただ、滞納金額が、多めだなと感じる物件の場合、
長い目で見た場合の資産価値の下落、
物件の評価の下落につながりかねない懸念を抱いてしまうので、
そのような物件は選ばないようにしています。


判断に迷う場合は、可能であれば、管理組合の総会の議案書も見せて頂き、
滞納されている方に、組合として、どのように対処しようとされているのか、
などを確認するようにもしています。


そこに、組合としての姿勢や組合をサポートする建物管理会社の姿勢なども、
感じることができるからです。


建物全体を適切に維持管理して、資産価値を落とさないようにしていくためには、
資金不足こそが問題になると私は考えています。


管理状態が良さそう、と感じるマンションは、往々にして、
建物全体の滞納金額が少ない物件が多い、と私自身感じています。


組合として使えるお金がないと、
適時適切に大規模修繕工事をはじめとした修繕工事を行いにくくなり、
建物の老朽化が早く進みかねません。


また、滞納金額が膨らんでいると、資金が不足しているけれど、
どうしても工事を行わないといけないような場合に、
融資を受けて工事を行う選択をしたとしても、
融資を受けられない、ということにもなりかねません。


大家業のマンションにせよ、マイホームとしてのマンションにせよ、
購入を検討する場合は、現地や書面、双方から、
管理状態を事前に確認するという視点、大切にして頂ければと思います。



22

未知なことを経験するとき



今までに経験したことがないことにチャレンジしたり、取り組もうとする場合。
その時に感じる不安な気持ちを和らげる方法として一番早いのは、

すでに経験している人の話を聞く

ことではないか、と私は考えています。


区分マンションを使った資産運用、
資産形成を私自身スタートして14年くらいになりますが、
自分がスタートした2007年当時のことを思い出しました。
その時の経験談を伝えさせて頂きます。


20代後半の頃、いわゆる投機取引に面白味を感じ、力を注いでいた時期がありました。
私自身の勉強不足も当然ありますが、正直な所、思ったような結果も出ず、
精神的に疲れてきていました。


「このままじゃ良くない!」と思い直し、
調べたりする中で出会ったのが、不動産投資でした。


取り組み方などを知りたいと思い、有料無料のセミナーへ足を運んだり、
書籍を手に取ったりしながら、理解を深めていきました。


行動をし始めてから、約半年後、
その当時の私が、無理なく購入できそうな物件を紹介頂き、
一歩を踏み出そうとしていましたが、まだどこか半信半疑な想いもあり、
最後の決断をできずに、数日過ごしていました。


そんなタイミングで、
物件視察のフィールドワーク的なセミナーがあり参加した時のこと。


参加者は6名だったのですが、
なんと、私以外の5名は、すでに物件を保有しているオーナーさんという状態。


私は、運の良さを感じ、
参加されていたオーナーさんに、いろいろと話を聞きました。


特に、最初の1部屋目を買うときの決め手になったのは何ですか?
という質問に対して、みなさんが答えてくれたのが、


「えいや!」という思い切り
はじめてみよう、やってみようという想いを大切にして、飛び込んでみること。


物件の良し悪しはもちろん大切ですが、
それ以上に、自分の気持ちに素直になって、一歩を踏み出す決断ができるかどうか。


最後は、この「気持ち」の部分が大切であることを、気づかせてくれました。


この時の出会い、話、経験談を伺うことを通して、
私は最初の一歩を踏み出せました。


そして、それから、今に至るまで継続できていることを考えると、
あの時、決断できて、本当に良かったな」と改めて感じています。


そんな私も、今は相談にお越し頂く方へ、自分の経験談、体験談などをお伝えしたり、
サポートさせて頂けるように、なることができました。


もちろん、まだまだ至らない点はあるので、
足りないと感じる部分は、学びなどを重ねていきます。


皆さんも、自分で未経験なことには、不安を感じられたりすると思います。


今はネットで調べると、様々な情報が得られるようになったので便利ではありますが、
反対に、様々な情報がありすぎて、
どれを選んで良いか分からない状態に陥っている方も、いらっしゃると感じます。


コロナ禍ではあるのですが、
どうしてよいか決断ができなかったり、考えが整理できないような時は、


すでにそれを経験していて、信頼できそうだと感じる人に直接話を聞くこと。
コンタクトを取ってみること


そんな、ちょっとした一歩を踏み出すことが、
不安を和らげ、行動に移せることにつながる。
私はそう思っています。



21

後悔しないために、
大切にした方が良いことは?


最初に私なりの結論をお伝えすると、
それは、「時間と仲良くすること」だと考えています。


やろう、やりたい、と思いながらもできていないことがある。
そういう時って、無意識的に、ずっとそのことが、頭の片隅にひっかかっていて、
ふとした瞬間に、思い浮かんでくるのではないかな、と思います。


始めてしまうとそんな想いは消え失せて、
やりながら「続けられそう」とか「自分には合わないな」などと新たな気持ちがわいて、
次のステップの選択や決断ができるようになるのだと思います。


先日、49歳の方が、相談にお越しになられました。


資産運用や不動産投資に興味はあったけれど、
スタートできていないことへの想いなどを、いろいろと抱えていらっしゃる方でした。


ファイナンシャルプランナー的な言葉でいうと、今は、
「実行支援(具体的な行動に移していくことを、伴走者的にサポートさせて頂くこと)」
の途中です。


私が一番力になりやすい、「不動産の実行支援」で、
先日不動産会社さんへ同行した時のこと。


面談で伝えた私の話と、不動産会社さんで実際の物件を見て、
未来をイメージできた時に、私へつぶやいた言葉が印象的でした。
それは、


もっと、早く始めておけば良かった・・・


お金は貯めておいて、いつ、どのように使うかを選ぶことができます。


ただ、時間は、常に流れているので、貯めておくことができません。
今日、3時間ゆとりができたからと言って、
明日を27時間にすることはできません。


後悔というのは、貯めておけない、流れる時間の中で、
決断や選択をできずに、先延ばししてしまった時に起きる感情ではないかな、
と改めて私は感じました。


人間ですし、100%完璧な決断や選択を、いつもできる訳ではありません。
私自身も、選択や決断を先延ばししたり、
間違った選択をした経験が、いろいろとあります。


ただ、やってみないと分からないこと、
選択・決断してみないと分からないことも、多々あります。


後から振り返って、「もっと早く・・・」という想いにならないためにも、
興味があること、やってみたい気持ちがあることは、先延ばしせずに、
「今」始めることが、大切ではないか、と最近改めて感じます。


その意味で、「時間を大切にすることこそ、自分を大切にすること
にもつながると、私は考えています。


残された時間の中で、一番長く時間が取れるのは「今」です。


後悔の想いを少しでも減らせるように、「今」の気持ちを大切にしながら、
過ごしていきたい、と私自身にも言い聞かせている今日この頃です。


皆さんも、後悔しないように、「時間と仲良くすること」
少し意識して頂ければと思います。