横浜のFP大家が、お客様からいただいた質問を元に、
お金や不動産についてお話し致します。

CONTENTS

59  野球に例えると中継ぎです

58  資産運用の目標を決めていますか?

57  管理会社との付き合い方

56  縛られてる思い込み、はありませんか?

55  22%と33.2%

54  区分所有者になる覚悟

53  ニーズがある部屋の大きさ

52  相続の準備、していますか?

51  新築物件が中古物件より安いことってあるの?

50  火災保険の見直し

49  決断はスパっと!!

48  部屋をどんな方に貸したい?

47  路線価って気にする?しない?

46  海外不動産は投資対象として、あり?

45  「金利差」と「K%」

44  コンフォートゾーンはいくらですか?

43  不動産投資、大家業に役立つ資格

42  なりたい人、憧れの人

41  「セル・イン・メイ」


60

資金と資産の違い

   
資金と資産。


私なりに考えている異なる点としては、


「保有していることで、お金を産み出し、
   価値が高まる可能性があるかどうか」


です。


その点で言うと、
お金という状態で保有しているのは、
私は、「資金」だと考えています。


預金通帳に預けたり、外貨をFXなどで保有することで、
利息やスワップポイントなどが少なからず産まれるので、
資産と言えるかもしれません。


ただ、円貨や外貨という状態で保有しているだけでは、
価値そのものがあがることはありません。


外貨の場合、円高や円安で価値が変わるかもしれませんが、
それはあくまでも相場の変動で、
円換算した時の価格が変わるだけであって、
1ドルは1ドルのまま変わらないという点で、
価値があがらない、と私は捉えています。


そう考えると、
資金の状態である円貨や外貨を、そのまま保有しておくのではなく、
他の「資産」と考えられるものに変えておくことが大切ではないか、
と私は考えています。


王道、代表的な資産として考えられるのは、
「株式」や「不動産」です。


配当や賃料が産み出され、
需要と供給のバランス、会社の業績、
物件の管理状態などの客観性を踏まえながら、
資産価値が変動するというのが理由です。


もしお金のようなものであれば、
せめて貨幣ではなく、
アンティークコインや金貨など、
日本円やドルなどの印字がなされていないモノなら、
まだ良いかもしれません。


※保有しているだけではお金を産み出さないので、
その点で資産であるとは、私個人的には考えていません。


客観的な評価、需要と供給のバランスで資産価値が決まり、
保有を継続していることで、資金を運んできてくれるモノ、
それこそが、
金銭的な面での「本当の資産」であると私は考えていますが、
皆さんはどのように思いますか?


59

野球に例えると中継ぎです

   
先日、勉強会に参加しました。
その時の話がすごく参考になったので、
シェアしながらお伝えします。


大枠としてのテーマは、
「老後資金の準備を不安なく行うには?」
というイメージで、お読み頂ければと思います。


キーワードとしては、「WPP」

「Work longer」
「Private pensions」
「Public pensions」

この3つのワードの頭文字が「WPP」です。


野球に置き換えながら伝えると、

就労延長が先発
私的年金が中継ぎ
公的年金保険が抑え

という内容です。


元気なうちは少しでも長く働き、
公的年金保険は可能な限り繰り下げて受給額を増やし、
リタイア後と繰り下げ、
受給開始までの間のつなぎに私的年金を投入する。


というのが、内容のイメージになります。


つまり、
不動産投資をはじめとして、
自助努力で作り上げた資産は中継ぎで投入し、
公的年金までのつなぎを補えるように準備しましょう
という内容です。


FIREのような言葉が広まり、
それを目指したいという方も増えているかもしれませんが、
私は、この「WPP」の話を聞いて、
うなづける部分が多かったです。


就労延長の部分に関しては、
収入面ももちろんありますが、
自分自身が社会から必要と感じてもらえるという、
心身の健康という側面にもつながるので、
良いと感じています。


嫌な仕事をやらざるを得ないという状況で
続けるのは避けたいですが、
将来的には、それこそ月に5万円でも10万円でも、
体と頭をつかって、
やりたい、好きだと感じる就労を継続するというのは、
社会的にも良いことではないか、と私は考えています。


できる所までやる、という意味で、
先発投手的な位置づけが、就労延長です。


抑えにあたる、公的年金保険に関しては、
「繰り下げ受給」を活用しましょう、
という意味合いです。


現状、65歳以降の繰り下げ受給を選んでいる人の割合は、
どのくらいだと思いますか?


厚生労働省の発表によると、
基礎年金で2.6%、
厚生年金で1.6%とのこと。


私自身、20年くらい先になるのですが、
繰り下げ受給を選ぼうと考えているので、
思ったよりも少ないな、という印象を受けました。


繰り下げをして、
受け取れる年金を増やすということは、
収入が増えることにつながります。


収入が増えることは、
健康保険や介護保険、所得税などの負担が増えることにつながる
という側面はありますが、
それを差し引いても、
公的年金の受給額が増えるというのは、
安心感をもたらしてくれると思うからです。


公的年金の良い点は、
亡くなるまで一生涯受け取れること。


つまり、残高などを気にすることなく、
生涯にわたって収入をもたらしてくれる仕組みというのは、
精神的な不安を和らげてくれるのではないか、
と感じています。


繰り下げの場合、
65歳から1ヶ月ごとに、
受け取れる年金額は0.7%増額されていきます。
1年に換算すると8.4%です。


資産運用で、
年利8.4%のリターンを得ようとすると、
なかなか大変ではないでしょうか?


そのリターンを、
国が保証してくれているのが、
公的年金の繰り下げ受給です。


しかも、増額された年金額は、
生涯にわたって受け取れるので、
一考の余地はあると私は思います。


これが公的年金が抑え、
と位置付けられている理由です。


そして、
就労延長と公的年金の間の、
中継ぎに位置付けられているのが、私的年金。
運用など自助努力でつくる資産です。


イデコやつみたてNISAなどが
話題として取り上げられることが多いですが、
外貨の保有や金の積立、
実物資産の代表格である不動産など、
種類、方法は様々です。


どれを選ぶかは、
その人の好みによるので正解はありませんが、
この私的年金の中継ぎ対策としては、
「インカム対策」を行うのが良いのではないか、
と私は考えています。


一番思いつきやすいのは、
株式の配当や不動産の賃料収入ではないかと思います。


この配当や賃料収入に焦点をあてて、
中継ぎ対策をすることのメリットとして私が思うのは、
中継ぎだけでなく抑えにもつながる
と考えているからです。


お金は使ってこそ価値があるので、
貯め続けるだけは良くないです。


ただ、今まで積み上げてきた資産を
使うのが良いと頭では分かっていても、
精神的な側面としては、
残高が減ることは不安感の種にもなりかねないと思います。


抑えとしての繰り下げた公的年金が
あると分かっていたとしても、
一定の資産は、何かの時のために備えてとっておきたいのが、
心情ではないでしょうか?


そう考えた時、
定期的な収入を産み出してくれる
 株や不動産のような資産を中継ぎ対策 として持っておくことは、
この残高の減少という不安感を和らげてくれると思います。


仮に売却して取り崩すにしても、
そのペースを遅らせることにつながると思います。


さらに良いと感じている点は、
中継ぎとして取り崩さずに済んだ資産があれば、
抑えである公的年金の上乗せとして、
定期収入を継続できるという点もあります。


だからこそ、
私的年金づくり、資産運用や資産形成は、
そのプロセスにおいても、
実際に活用することになる将来においても、
「インカム収入」
つまり定期的な収入をもたらしてくれる資産を中心に行い、
積み上げていくことが
安心感につながるのではないでしょうか。

58

資産運用の目標を決めていますか?

   
お会いする方から、
「今後、どんな風に事業展開したいと考えていますか?」
「どんな夢や目標があるのですか?」
と聞かれることがあります。


そんな時、私はいつも答えに窮しています。


その時々で、
自分に求められている役割をこなしていくこと。


その積み重ねを経て、新しい何かを見つけていく、
としか考えられていないからです。


そうなんです。
私には、かっちりとした夢や目標がないのです。


皆さんには、
夢や目標、ありますか?


はっきりと想い描けることがあるのは素敵だな、
と思いますが、
みんながみんな、言葉で言い表せるわけではないのでは?
と私は感じています。


これは生き方に限らず、
資産運用や資産形成でも同じだと考えています。


なので、はっきりとした目標、
決めなくても良いのではないでしょうか?
というのが、私のスタンスです。


セミナーなどでは、闇雲の行うのは良くないので、
ある程度、考え方のヒントなどをお伝えすることはあります。


例えば、不動産投資、大家業で、
将来に備えて資産運用を行う場合。


ねんきん定期便などで知ることができる、
公的年金の受け取れる見込額



生活費としてかかるであろう支出の見込額


その差額を、賃料収入で補えることを目標に、
何部屋保有するのを目指すかを考える。


という具合です。


あるいは、
65歳までの20年間で2,000万円を貯めたい場合。


イデコやつみたてNISAなどを利用しながら、
年利3%の運用を複利で行うことを目指す時、
毎月の積立金額は約63,000円になる。


という具合です。


目標を決めれば、それに向けて努力するのが人間です。
その点で、はっきりとした夢や目標を描くことができる方は、
それがエネルギーややる気につながります。


ただ、目標をかっちりと決めすぎてしまうことが、
反対にプレッシャーになってしまう方も
いらっしゃるのではないでしょうか?


先程の例で言えば、


「差額を埋めるために、
不動産の部屋を何部屋持たなければいけない…」


とか


「毎月63,000円、積立に回さないといけない…」


みたいなイメージです。


ある程度の目標がなければ前に進めないので、
方向性を決めることはもちろん必要です。


ただ、一度決めた目標を貫くために、
今が厳しく、しんどく感じてしまうのであれば、
それは本末転倒としか言えません。


今できること、今でないとできないことを
楽しむために使うお金が、
つみたてに回し過ぎてなくなってしまう。


とか


良い物件と出会えず、日時が過ぎていくことに、
焦りを感じてしまう。


みたいなイメージです。


資産運用や資産形成は、
今の楽しみをある程度犠牲にして
将来に備える行為ではあると思います。


ただ、そのバランスが崩れてしまい、
備えることばかりに注力してしまうのは、
大切な今という時間を充実させられない
ことにもつながりかねません。


備えることは必要ですが、
今に無理や焦りが生じてしまうのであれば、
最初に決めた目標は、
その時に応じて微修正しながら進んでいくという、
柔軟なスタンスでいることが良いのではないか、
というのが、今日一番伝えたかったことです。


「present」という英単語があります。
「今」という意味と共に、
「贈り物」という意味もあります。


今生きていることは、
時間というプレゼントを
受け取っていることなのかもしれません。


57

管理会社との付き合い方

   
先日、日本賃貸住宅管理協会によるセミナーがあったので、
足を運んできました。


名前の通り、入居者さんとのやりとりなど、
「賃貸管理」をする会社が会員として
主に所属している団体です。


そのセミナーの中で、
全国賃貸住宅新聞社の編集長でいらっしゃる、
永井さんのお話が、特に参考になりました。


この全国賃貸住宅新聞社さんは、
「週刊全国賃貸住宅新聞」や
「月刊家主と地主」
などを発行されています。


ご縁があって、
数回、私も取材頂いて、掲載頂いたことのある媒体です。
https://ameblo.jp/jigen112jp/entry-12605210335.html


私自身、定期購読まではしていませんが、
「家主と地主」は発売されると
書店で立ち読みか購入して目を通しています。


どちらかというと、
一棟の賃貸経営に関する目線が多い内容の媒体ですが、
一度、目を通してみることをおススメします。


そんな媒体の編集長、
永井さんのお話のテーマは、
「管理会社と上手に付き合う 家主の共通点」
でした。


賃貸管理会社は、
大家である私たちの収入の源泉、
家賃の回収入居者さんとのやり取り
最前線にいて下さる方達なので、
安定した不動産投資、大家業には欠かせない存在です。


だからこそ、上手に付き合うことが大切ですし、
私も本当にそう感じています。


永井さんがセミナーの中であげられていた共通点は、
次の3つです。


(1)話を聞く
(2)必要経費をケチらない
(3)事業パートナーという意識


全体として、
人間関係や仕事を円滑に進めていくために必要なことと
相通ずる点が多いな、と感じました。


1つずつ、お伝えします。


1つめの「話を聞く」ですが、
最初に言われていたのが、
「頭ごなしに怒らない」ということ。


例えば、管理会社の対応にミスが生じたような時、
原因は何か、対応をどうするかを一緒に考え、
どのように改善していこうとしているかをまずは聞く。


怒りの感情に任せて、荒い言葉遣いをせずに、
冷静に対処を考えていく姿勢が大切。
とおっしゃっていました。


管理会社の担当者さんは、
あなたの部屋だけを
担当している訳ではありません。


他のお部屋の管理などと並行して
対応をして頂いています。


そんな中、無理難題を伝えたり、
荒い言葉遣いをされるような大家さんのお部屋だと、
心証を悪くしてしまいます。


「報告したくないな…」
「あまり話したくないな…」


そうなってしまうと、
長期的に継続した信頼関係は築きにくくなってしまいます。


あたりまえ過ぎるように聞こえるとは思いますが、
これって本当に大切だな、と改めて感じました。


2つめの「必要経費をケチらない」ですが、
空室になった時に行う工事を提案された時などに、
金額だけを見てすぐに判断しない、
ということです。


例えばですが、
80万円の工事と聞いて内容を勘案せず、
金額だけで高いと判断し、
必要最低限の工事だけをしてもらう。


その後、仕上がった状態を見てから
「ああした方が良かった。こうした方が良かった…」
と感じて、追加工事を発注することになった。


その結果、手間もかかり、
1回であれば80万円で済んでいた工事が、
むしろ高くついてしまった、
そんな事例をあげられていました。


不必要に過剰な工事をするのはご法度ですが、
空室はむしろバリューアップなどができるチャンスだと
私は考えています。


空室時だからこそ、空室時でないとできないことを、
金額という額面通りのことだけで判断せず、
長い目で見て、入居者さんに選び続けて頂ける部屋作り、
という視点も含めて判断することが必要だ、
と改めて感じる事例でした。


それが、ひいては、
管理会社さんとも長期的に良好な関係を築けることに
つながると感じるからです。


3つめの「事業パートナーという意識」
これは、原因を確認して紹介しやすい環境を作る、
ということです。


具体例で言えば、
入居者さんがなかなか決まらない時、
管理会社さんを頭ごなしに責めたりするのはNG、
という意味合いです。


決まらない原因が、
「賃貸募集そのものにあるのか?」
「内見をしに来てくれているのに、決まらないのか?」
など、入居者が決まらない原因を、
お互いに一緒に考えていく。


その上で、管理会社、大家、
それぞれがお互いにやれることは何かを考えて動く、
というイメージです。


リノベーションをしてみることで、
賃料をあげて募集をかける。


とか


家賃設定・相場を再確認して見直す


などの対策を一緒に考えることで、
大切な収入源である家賃を、
少しでも早く発生できるように努める。


入居希望者さんに選んで頂ける部屋、
賃貸募集で紹介してもらいやすい部屋にすること。


賃貸管理会社さんも、
入居者さんがいてはじめて管理手数料を得られるので、
そのような対策をすることで入居者さんが決まれば、
自分たちの収入にもつながる。


その点で、管理会社さんと私たち大家は、
同じ方向を見据えている事業パートナーなのです。


そんな視点を忘れないことの
大切さを改めて感じました。


以上、3つの共通点を
あげながら話をされていました。


再度伝えてしまいますが、
管理会社と上手につきあう共通点の3つは、
話として聞けば、
すごくあたりまえのことのように聞こえます。


ただ、自分がその渦中の当事者になった時、
できるだけ支出は抑えたい想いから、
必要経費を出し渋る。


反対に賃料に関しては、
少しでもたくさん得られるように、
金額をあげて募集して決めて欲しいと、
管理会社さんが頭を悩ますような要望を
伝える方がいらっしゃるということを、
私自身、管理会社の方から耳にしたことがあります。


他人のふり見て我が振り直せ、ではないですが、
100部屋でも50部屋でも1部屋でも、
賃貸用の部屋を保有されていれば、
大家さんであることに変わりはありません。


賃貸管理会社さんとの付き合いがあるのであれば、
良好な関係を長く継続できるように、
少しでも参考になる部分があれば、取り入れてみて下さい。


ぜひ一度、
アンコンシャス・バイアスのせいで、
動けていないことがないかなど、
考えてみるのも良いのではないか、と思います。


56

縛られてる思い込み、はありませんか?

   
「アンコンシャス・バイアス」


この言葉、ご存知でしょうか?


直訳すると「無意識的な偏見」という意味合いですが、
過去の経験や見聞きしたことを踏まえて、
知らず知らずのうちに備わっている
「ものの見方」「理解の仕方」
というようなニュアンスです。


1つ例をあげてみます。


トラック運転手と保育士の夫婦の場合、
家事や育児は、
保育士にばかり負荷がかかるから大変だ!


上記の文章を読んで、
どのようなことを思い浮かべましたか?


いろいろな捉え方があると思いますが、
私が初めてこの文章を読んだ時に、
思い込んでしまったこと。


それは、
トラック運転手=男性、
保育士=女性
ということです。


家事や育児が保育士に負荷がかかっている、
という表現にひきずられてしまったからだと
今振り返ると感じています。


ただ、この文章には、
そんなこと、どこにも書いていません。


今回の場合、
トラック運転手=女性、
保育士=男性
ということもありえますし、
保育士に家事や育児の負担がかかるとも
当然言い切れません。


この文章の場合、
男女に対するアンコンシャス・バイアス、
職種に対するアンコンシャス・バイアスが働いた結果、
勝手な思い込みが生じる可能性を示してくれる、
ひとつの例だと考えています。


そんな、
アンコンシャス・バイアス、思い込み。


資産運用や資産形成、お金に対しても、
いろいろとあるのではないか、
と私は思っています。


資産運用という言葉を聞いた時、
「怖い…」
「損しそう・・・」
「必要だと思うけれど、お金がないからまだ始められない…」


など、ネガティブなことを思い浮かべる方が
多いような気がしています。


不動産投資という言葉を聞いた時には、
「借金をするのが怖い…」
「空室になったら困る…」
「不動産屋さんに騙されそう…」


みたいなことを思い浮かべる方が、
多いように感じています。


この言葉を目にしたり、耳にした時、
あなたならどう思いますか?
どのように感じますか?


今の私であれば、
それは、「思い込み」
今までに見たり聞いたりした情報だけから生じている
「アンコンシャス・バイアス」ではないですか?
と、感じます。


今は、様々な媒体で色々な情報があふれているので、
だいぶ変わってきているとは思いますが、
メディアなどでニュースとして
取り上げられる話題としては、
ネガティブなことが多いです。


そのため、無意識的に、
資産運用や不動産投資などに関しては、
ネガティブなインパクトを
知らず知らず受けている方が、
まだまだ多いように感じています。


日本人の金融資産の約半分が、
預貯金に偏っているという事実の一端に、
資産運用やお金に対してのマイナスイメージが
思い込みとして根付いていることも
あるような気がしてなりません。


人は、居心地が良いと感じたり、
現状維持したりすることを選びがちで、
変化を嫌う生き物だと思います。


だから、
資産運用や不動産投資へのアンコンシャス・バイアスを、
無理に変えた方が良いとまでは考えていません。


ただ、ここ数年、
イデコやつみたてNISAの口座数が増えていることからも、
興味や関心を持ち始めている方は、
増えているとは感じています。


その中で、よくありがちなのは、
「口座は開設したが、その先の一歩が踏み出せていない」
というパターン。


興味を興味のままにしてしまい、
具体的な行動に移せていないような方も、
多いように感じています。


そのような方々には、気持ちのどこかに、
資産運用へのマイナスなアンコンシャス・バイアスが
あるような気がしています。


私は、そんなお金のアンコンシャス・バイアスにとらわれて、
動きたいのに動けないような方を、
無理なく行動に移せるサポートを、
これからもしていきたいと考えています。


皆さんも自分の中で抱えていそうな思い込み、
アンコンシャス・バイアスはありそうでしょうか?


ぜひ一度、
アンコンシャス・バイアスのせいで、
動けていないことがないかなど、
考えてみるのも良いのではないか、と思います。


55

22%と33.2%

   
先日、FPとしての学びを深めるために、
セミナーに参加してきました。


セミナーへの参加も、
お金をコトに使う体験の1つかな、と捉えています。


私の場合、自分=商品のような状態なので、
商品価値を少しでも高め、保つためにも、
興味がある学びの場には、定期的に足を運ぶようにしています。


さて、そんな学びの場に参加した時に聞いた数字に、
私は驚いてしまいました。


その数字が、
「22%」と「33.2%」です。


この数字は、
「金融資産を保有していない世帯の割合」です。


22%は2人以上の世帯、
33.2%は単身世帯での数字です。


つまり、
2人以上の世帯では約5世帯に1世帯が、
単身世帯では約3世帯に1世帯が、
金融資産の蓄えがない、というイメージです。


そのため、この世帯の方は、
毎月の給与や年金などの収入が入ってくると、
それをその月内ですべて使い切ってしまい、
貯蓄などができない世帯、
ということになります。


あなたはこの数字を聞いて、
金融資産を保有していない世帯が
多いと感じましたか?少ないと感じましたか?


参考として私の感想を伝えますと、
個人的には多いな、と感じました。


そして、先程の状態にあるということは、
家計が火の車状態、
収入が途絶えてしまったら、
生活がたちゆかない状態を意味しています。


なので、少なくとも、
ご縁あって私と接点を持って頂いた方、
相談にお越し頂いた方、などに関しては、
そのような状態にならないように、
一緒に考えさせて頂き、サポートさせて頂こうと、
改めて感じたりしました。


ちなみに、これは、
世帯主が20代~70代までという、
幅広く全体を集計した結果で、
金融広報中央委員会という所が出しているデータになります。


今までは、少々インパクトも感じる、
「金融資産を保有していない世帯」
についてお伝えしましたが、同時に、
保有している世帯の方が、どのくらい保有されているのか、
も公表されています。


細かな内容は割愛させて頂きますが、


2人以上世帯の
平均は「1,563万円」、中央値は「450万円」


単身世帯の
平均は「1,062万円」、中央値は「100万円」


とのこと。


平均は、その名の通り、
保有していない世帯も含めた、
各年代を単純に平均した金額です。


中央値は、
金融資産保有0円の方を起点にして、
保有している金額順に並べた時に、
ちょうど真ん中になる方が、
いくら保有されているか、という数字です。


分かりやすくお伝えすると、
例えば、金融資産保有額
「0円」「100万円」「2,000万円」
という3人の方がいらっしゃるとします。


平均額は、
「0+100+2,000」÷3=700万円となります。


中央値は、
3人の中で、真ん中になる方の数字なので、
今回の例の場合は100万円、になります。


皆さんは、
「平均値」と「中央値」、
どちらの方が気になりますか?


これも、先程と同じように、
正解がある訳ではありませんが、私であれば、
「中央値」を気にかけて見ます。


平均は、先程の例のように、
たくさん保有している方が1人でもいれば、
平均額はあがります。


それに対して、中央値は、
全員の真ん中という意味合いなので、
中央値の方を中心に、
半分の方はそれ以下、半分の方はそれ以上
ということになり、
人数の絶対数を、より信憑性をもって捉えることができる、
と感じるからです。


その点から改めて見てみると、


2人以上世帯の中央値は「450万円」
単身世帯の中央値は「100万円」


金融資産を保有していない世帯が
2人以上で22%、単身生体で33.2%なので、


2人以上世帯の場合、
約28%の方が、
金融資産の保有額1万円~450万円


単身世帯の場合、
約17%の方が、
金融資産の保有額1万円~100万円


ということになると、
中央値は示しています。


数年前に、「老後2,000万円問題」と言われるワードが
メディアなどで取り上げられ、話題となりました。


世間にひとつの問題提起を投げかけた
という点では良かったのかな、と思いますが、
この2,000万円を計算するモデルになっている世帯は、
現在では、少数派になっていると感じるので、
あくまでも参考にとどめた方が良いと私は考えています。


とは言え、先程の「中央値」を目安に考えた、
金融資産の保有金額で、
お金の不安が解消されるかと言えば、
心もとないのではないか、とも感じます。


いくらあれば安心か?という金額は、
収入と支出のバランスや資産状況で変わります。


だからこそ、絶対の正解、
このくらいあれば安心、と
ハッキリした金額をお伝えすることはできません。


ただ、今回、私が、
金融資産を保有していない世帯の割合に驚きを感じたように、
今回お伝えした平均や中央値などの数字をご覧になられて、
何か感じて頂けることがあったのではないか、とも思います。


事実の数字はひとつでも、
それをどのように捉え、解釈するかは様々です。



54

区分所有者になる覚悟

   
先日、法務大臣が「所有者不明」対策として、
マンションの建て替え要件を緩和する方向で諮問する、
との発表がありました。


今後、相続登記の義務化がスタートすることは決まりましたが、
築年数が経過したマンションの防災対策などが、
円滑に進まないことを懸念しての対応かな、と感じます。


特に、現状で言えば、所有者不明は、
総会などでの決議において「反対」とみなされることになっており、
5分の4以上や4分の3以上の賛成が必要という要件を満たせずに
対策ができなくなるからです。


マイホームにせよ、賃貸用にせよ、
マンションの部屋を所有されているのであれば、
総会などの案内が届いた際は、会場出席せずとも、
議決権の行使委任状の提出などの行動は起こして頂ければと思います。


出席数や議決権数が要件を満たせるように、
ひいては、それが、
あなたの物件の資産価値賃貸需要を維持することにもつながると、
私は考えています。


どうしても、賛成しかねる内容があれば、
その旨を正々堂々と伝えること。


多数決の世界なので、
必ずしも意見が通るとは限りません。


ただ、物件の規模にもよりますが、
いわゆる上場企業の株主総会で意見を伝えようとするよりは、
マンションの総会での意見の方が、
伝わる可能性は高いと思います。


マンションは、区分所有者同士が、
運命共同体的な感じで所有し、
維持管理していく、コミュニティーだと感じます。


マンションを購入するということは、
マイホームにせよ、賃貸用にせよ、
そのコミュニティーに属することを主体的に選ぶ、
ということも意味していると私は考えています。


なので、
議案書が送られてくる、目を通す、議決権行使をする、
あるいは委任状を提出する、などから目を背けたい、面倒だ、
と、もしあなたが感じるのであれば、
区分マンションの不動産投資は不向きなのかもしれないな、とも感じます。


デジタルの時代にあって、
まだアナログ的な部分が多く残っていると感じる不動産の世界。


資産運用、資産形成の観点から、
少しでもラクに、ということであれば、
不動産の場合、上場しているREITや小口化商品、
クラウドファンディングのような仕組みもあります。


生身の人間の「住」に関わる
空間を、実際に扱うことになるのが、
マイホームであり、不動産投資、大家業です。


購入する時でも、売却する時でも、
手間や時間がかかることが多くて、
面倒だな、と感じる場面もあるかもしれません。


では、なぜ、そんな面倒な部分があり、アナログな部分の残る、
不動産賃貸業は今でも存在しているのか?


生きている限り、 人間は住まいを必要としているから
ということもあるとは思いますが、
私の中で思うことは、
住まいの提供のリターンとして、
 安定収入という精神的な安心感をもたらしてくれる点 があるからではないか、
と考えています。


過去にさかのぼると、
大家業のスタートは、江戸時代の長屋だと言われています。


その後、形を変えた部分はあるかもしれませんが、
住まいを借りる人が、貸す人に家賃を払う、
という根本の仕組みは変わっていません。


この仕組みがシンプルで、分かりやすいことが、数百年にもわたり、
不動産賃貸業が継続している理由ではないかな、と私は思います。


そして、他の事業と異なり、
 売上にあたる収入が安定して見込める 、という点が、
重宝されている部分でもあるのではないか、とも思います。


もちろん、入退去に伴う、一時的な空室、
収入が途絶える時期は発生しますが、その時期は、


「いくらで賃貸募集するのか?」

「何か不具合が起こりそうなところは、この機会に直しておこうか?」

「賃料をあげてでも、快適に住んで頂くために、
 こんな対策をしたらどうだろう?」


など、いろいろと考えることができるチャンスでもある、
と私は考えています。


また、空室の部屋を見ることで、
それまで住まわれていた方が、どのように生活されていたか?
部屋のことをどう考えてくれていたか?
なども、推測ではありますが、イメージすることもできます。


先日開催させて頂いた、空室内見会のお部屋。


女性の方が6年くらい住まわれていたとのことでしたが、
退去直後なのに、大変綺麗だな、という印象を私は受けました。


きっと、モノを大切に扱われる方なんだろうな…
などという想像が働いたりしました。


退去の理由も、ご結婚されるから、とのこと。


オーナーの立場からすれば、
空室が生じてしまうのは、残念なことではありますが、
この部屋を大切に使って下さったように、
今後新たなご家庭を丁寧に築き上げて頂きたいな、
と応援したい想いにもなりました。


人が好き。
人に興味がある。
そんな方にこそ、不動産投資、
大家業はおすすめできるのかな、と私は考えています。


その中でも、いい意味で、アウトソースがしやすく、
手間や時間がとられにくいのが、
区分所有マンションだと私は考えています。


それにひかれて、¥私自身も取り組んでいます。


ただ、それと引き換えに、
管理組合というコミュニティーに所属して、
一緒にメンテナンスを考えていく役割の一端を担うことになるという点も、
忘れないで頂きたいです。


53

ニーズがある部屋の大きさ

   
先日、懇意にさせて頂いている、
不動産会社の1社を訪ねた時のこと。


たまたま、その日から販売がスタートした物件の情報を、
共有して頂きました。


「どの部屋が、人気ありそうでしょうか…」
「どの部屋を気に入る方が、多そうでしょうか…」


など、間取りや資料などを見ながら話していました。


その流れの中で、


「賃貸募集を、
 実際にやっている方のリアルな声を聞きたい!」


と私が伝えたところ、
ちょうどお時間的にゆとりがあった方に同席して頂いて、
お話を聞くことができました。


立地と賃料のバランスで、
借りて住んで頂く方に選んで頂きやすいかどうか、
という視点はもちろんあるのですが、
それ以外のキーワードも出てきました。


それが、今回の「広さ」です。


結論から先に伝えてしまうと、


「可能であれば、20平方メートル以上の部屋が良いですね」


という内容です。


ここでは、単身者向けのワンルームをメインに考えていますが、
単身者向けであれば、
20平方メートル台くらいが、住みやすさなどを勘案して、
選んで頂きやすいし、提案やおすすめもしやすいという話でした。


私も、自分が保有している賃貸用のワンルームの部屋に関しては、
すべて、20平方メートル台を選んでいます。


私の場合、賃貸管理をメインで
お願いしている会社の担当者さんに以前相談した時、


「最低でも16平方メートル以上にして欲しいですが、
 20平方メートルあれば、賃貸管理がしやすい」


と言われました。


その相談での話を聞いた後、
広さを考えながら物件選びを行い、大家業を進めてきましたが、
今回は、賃貸募集の現場で、
借りたい入居希望者さんと直接接している方からも、
同じような言葉を聞けたので、答え合わせができた、
そんな想いになりました。


今まで進んできた道が、
失敗ではなかったと背中を押して頂けたような、
そんな感覚です。


私の話を、セミナーなどで耳にして頂いた方には、
似たような話をお伝えしたことがあるかもしれません。


「賃貸用のお部屋を購入するのであれば、
 20平方メートル以上が良いですよ」と。


私が、そのようにお伝えしている理由の1つとして、
不動産のポータルサイトのことをあげています。


最近は、借りて住みたい方も、まずはネットで検索をして、
ある程度絞った上で、内見に行くケースが増えていると耳にします。


だからこそ、賃貸募集をするときは、


「いかにネット上で魅力的に部屋を魅せられるか?」


が大切なポイントになると感じています。
写真での魅せ方などを通して。


ただ、それと合わせて、ネット検索する場合、
駅や賃料などの条件を入れながら、部屋を探していきます。


その時に、某サイトの場合、
部屋の広さに関しても、検索条件を設定することができます。


そのサイトの場合、
指定なし」の次に出てくるのが、
20平方メートル以上」になっています。


もし借りたい方が、
その「20平方メートル以上」にチェックを入れてしまうと、
皆さんの部屋の方が、
駅に近かったり、設備が新しかったりしても、
その検索をした方のページには、
残念ながら表示されない、という結果になってしまいます。


もちろん、すべての借りて住みたい方が、
広さを条件に設定するとも考えにくいですが、
可能性のひとつとして、そういうこともありえる、
と覚えておいて頂いて損はないと思います。


決して、16平方メートルとか18平方メートルなどの
20平方メートル以下の部屋を否定している訳ではありません。


コスパなどを考えて、
駅近であれば広さは気にしない、


とか


払える賃料が優先で
広さの優先順位は低い


という方も多数いらっしゃるからです。


また、20平方メートル以上の方が良いと感じるという話の中で、
別の観点から「あっ、なるほど」と思ったこともありました。


それは、部屋をリニューアルするなど、
工夫を加えたいと感じる時です。


リノベーションを行ったりして、
賃料アップを図る施策をしたい、ような場合でしょうか。


例えば、築年が30年以上とかの少し古めの部屋の場合、
お風呂とトイレが同じ部屋にある、ユニットバスのタイプが、
ワンルームの場合多かったりします。


私自身、大家業を始めた頃は、
そのような部屋が築20年前後だったこともあり、
バストイレ一緒のタイプの部屋を購入することが多かったです。


その後、今の入居希望者に選ばれやすい部屋に
リニューアルしたいということで、
バストイレ別の工事を行ったりした結果、
賃料を維持、むしろ上げることができたケースがあります。


そのような工事をしたいと相談すると、
比較的スムーズに応対頂けたことが多かったので、
気にしていなかったのですが、
先日の話の中で、


「リノベーションなどを行う時は、
 20平方メートル以上ないと、
 工事をしづらかったり、できないこともある」


と言われたのです。


たしかに、今まで私自身ほとんど意識していませんでしたが、
おっしゃるように、少し狭めの部屋で、
バストイレ別の工事を行うと、居室のスペースが圧迫され、
狭さを感じさせてしまうことになるかもしれないな、と感じました。


20平方メートル以下のお部屋でも、先程も伝えたように、
払える賃料とのバランスで選んで頂ける方はいますので、
わざわざリノベーションなどの工事を行う必要もないとは思います。


ただ、20平方メートル以上だと、
部屋に何か手を加えたいような時の選択肢が増える可能性がある、
という点で、時代に合わせた手を打ちやすくなる、
ということはあるのかもしれない、と感じてもいます。


不動産投資、大家業に取り組む際。
最初に考える必要があることは、


立地」と「賃料

そして、

どんな方に住んで頂けそうか


というイメージだと私は考えています。


今日、お伝えした「広さ」は、
それをクリアした上での付加価値的な視点にはなるとは思いますが、
某サイトでの検索条件のことや、
リノベーションなどを行う可能性という選択肢などを考えた場合、
頭の片隅に入れておいて頂くのも、良いのではないか、
と私は考えています。


52

相続の準備、していますか?

   
近年「相続」というキーワードを、
雑誌などで目にすることが増えたな、と感じます。


あなたは、ご両親やご兄弟姉妹などと
相続の話をしたことはありますか?


前触れがない中で、相続、資産のことを考えたいとなると、
ご両親からすれば、


「私たちの財産をあてにしているのでは?」
「死んだ後のことは、お前たちで好きにやってくれ!」


みたいなお気持ちになる方が多い気がします。


そんな相続財産などの話をしにくい方へ、私がお伝えしたいこと。
それは、「モノの整理を、ご両親と一緒にすること」です。


不動産のご相談サポートの幅を広げたいという想いも込めて、
2022年に入ってから、相続診断士などにも視野を広げてみました。


その中で、最近、
生前整理」という視点を知る機会がありました。


この生前整理のポイントは、
ご両親が元気なうちに、一緒に作業などを通して、
コミュニケーションを取ること、そして想いを共有することが、
今後の関係を良くすることにもつながる点にある、
と私は捉えています。


遺言などを通して、
財産を誰に残すか、という資産の観点からだけでなく、
ご実家にある「モノの整理」などを通じて、
ご両親の心の整理をしていく、というイメージです。


相続が発生した後、
残されたご家族は、様々な手続きを行うことになります。


公なことで言えば、
葬儀遺産分割必要に応じて申告などがありますが、
金銭的な価値では測れないこともあります。


その最たることが、家の中に残された様々なモノ、
いわゆる遺品整理、です。


「これは、捨てて良いものだろうか…」
「これは、どんな想いで残しておいたのだろうか…」


亡くなられた後だと、
そのモノへの想いや気持ち、考えを、直接聞くことができません。


聞けないので、推測して進めるしかありません。


それが原因で、
ご兄弟姉妹が仲違いするようなことが起きてしまった、
という話を耳にしたこともあります。


なので、金銭的な価値ではかれないモノの整理こそ、
最初に相続準備として行うことが大切ではないか、
と私は感じています。


時間はかかると思います。


優柔不断なご両親を前にして、
いらだつ気持ちを抱くこともあると思います。


ただ、それに付き合って差し上げて、
モノの整理をしながら、ご両親の想いを共有することで、
ご両親も心の整理ができ、スッキリできるのではないか、と思います。


プライスレスなモノの整理ができることで、気持ちが整理され、
子供たちとの新たな信頼関係も徐々に深まり、
資産の整理の話もスムーズにしやすくなるのではないか、と感じます。


実際に、ご実家などのモノの整理を、生前に行えることで、
残されたご家族にとっても、遺品整理にとられる時間が減る、
という負担減にもつながります。


そして、この生前整理は、
ご両親に限った話ではありません。


誰もが、いつかはこの世から旅立つ日が来ます。
そして、それがいつになるのかは、誰にも分かりません。


だからこそ、独身にせよ、ご家族がいるにせよ、
自身の身辺整理は、
今からでもできる時に向き合っておくのが良いと、
私自身も、最近、改めて考えるようになりました。


モノを整理することは、
自分の心、気持ちを整理すること。


そんな想いを持ちながら、
あなた自身、そして、ご両親などご家族と、
「モノ」について一度、整理したり、
考えたりする機会を設けてみるのも良いのではないか、
と思いますが、いかがでしょうか?


話を切り出すきっかけが見つからなければ、
知り合いのFPが、将来困らないように、
生前にモノの整理をするのが良いと言っていた、
みたいに、この内容をネタに使って頂くのは、大歓迎です!


51

新築物件が中古物件より
安いことってあるの?

   

先日、日経新聞を読んでいたら、
新品・中古 価格が逆転」という記事が掲載されていました。


そこで取り上げられていたのは、スマートフォンや車でした。


円安の影響や半導体不足による納期の遅れなどの要因により、
新品、新車が品薄で、中古価格があがっている、という内容でした。


一般論で言えば、
新品、新車の時が価格としては1番高く、
年数が経つにつれて価格は下がっていくので、
昨今はそれに逆行した動きが見て取れるという内容です。


これは、不動産でも、一般論は同じです。


新築物件の場合、建築した時のコスト、
販売にかける経費などが販売価格に
勘案されることで、中古より高くなることが多いです。


ただ、一般論はあくまでも一般論。


先日、私は、ある現場に遭遇しました。


もう少しで、築後1年経過するので、
新築、とは言えなくなるマンション。


1年経過後に、銀行評価を勘案すれば、
新築時価格より、販売価格を4~5%は高く設定できるマンション。


中古で売った方が、会社としては、
利益も取れて有利になるにもかかわらず、
新築価格よりも、下回る価格で、お譲りいただけた。


そんな現場に遭遇しました。


これは、私が主にサポートさせて頂いている、
投資物件で起きた出来事でした。


まだ、中古として実際に売りに出されたお部屋は他にありませんので、
確証はありませんが、
設定された賃料などを勘案すると、
たしかに「新築<中古」になるという話が、うなづけるお部屋でした。


その話なども踏まえて、
同行させて頂いた方は、購入することを決断されました。


なぜ、こういうことが起こったのか?


それは、
「新築時賃料の設定がかなり保守的だったから」
というのが、大きな要因だと私は感じました。


新築時には、新築プレミアムと言われて、往々にして、
少し高めの賃料設定がされることが多いです。


私もセミナーなどでお話させて頂くことがありますが、
賃料は、新築時を100とすると、
築10年で90、築20年で80くらいになるケースが多いです。


今回のお部屋の場合、新築時の賃料設定が、
おおよそ95~96くらいの設定だと感じました。


周辺相場から見ても、
新築時としては1~1.5万円くらい低い賃料です。


もしかして訳アリなんじゃないの?という想いもあり、
その後、物件の現地を見に行きましたが、
かなりしっかりとした、いわゆる今風の新築物件。


総戸数も60部屋近くあり、駐車場も平置きのみで、
単身向けワンルームと、
少し広めのDINKS向けタイプが混在するマンション。


そして、1階と2階には、
金融機関の支店がテナントとして入っているということが、
安心感を高めてくれました。


周辺環境が悪いということももちろんなく、
いわゆる下町っぽさの残る、住宅街という感じの街並みでした。


「新築は高くて、収支が合わない。」
と思われる方もいるかもしれません。


私も、基本的には、そのように考えています。


ただ、今回のように、何かの設定がズレていて、
いい意味で、有利に手に入れられる可能性があるのが、
不動産の面白い所だとも思っています。


これは、今回のような新築物件に限った話ではなく、
中古物件でも往々にしてよくある話です。


同じマンションの中で、階数による違いなどはあるにせよ、
同じような部屋で、価格に大きな違いがあることもあります。


不動産は、株式などと違い、
相対取引、個別性の強い取引だからこそ、
何らかのズレみたいなことが生じる可能性が高くなります。


今回は、「新築価格<中古価格」に限りなく近い事例を、
現場として実感することがあったので、このテーマにしました。


話は少し変わりますが、融資を受ける時の金利も、
金融機関としての表向きに表示されている金利より、
一定の不動産会社さん経由で申し込むと、
優遇された金利で借りられるケースもあります。


これも、いい意味でのズレだと感じています。


不動産は、このような「ズレ」が起こりやすいと、
私は感じています。


賃料にせよ、価格にせよ、金利にせよ。


皆さんも、マイホームにせよ、投資物件にせよ、
今回の「新築<中古」ではないですが、
何かしらの「ズレ」が潜んでいないか、みたいな視点で、物件情報を見ていくと、
違った見え方、面白さを感じられるかもしれないな、と私は思います。


50

火災保険の見直し

   

マイホームにせよ、賃貸用にせよ、
不動産と関わりながら、脇役的な存在になっている、
それが、火災保険ではないか、と私は感じています。


皆さんは、所有されている不動産に、
火災保険はかけていますか?地震保険はつけていますか?


マイホームでも賃貸用でも、ローンを組んで購入する場合、
金融機関から、火災保険への加入を求められ、
保険の担当者に案内されるまま、
手続きをしているケースが多いのではないか?と感じています。


そもそも、保険って、どういうものでしょうか?


大きなくくりで言うと、生命保険損害保険がありますが、
加入する意味として、


確率は低い出来事だけれど、万が一起きてしまった場合に、
自分で金銭的な用意ができないことに対して、備えておくもの。


と、私は捉えています。


例えば、自動車保険


事故を起こさないように運転していても、いつ何が起きるかは分かりません。


人命や建物、お店の営業などに、加害者として影響を及ぼしてしまった時。


人命は金銭ではかれないのが正直な気持ちですが、
裁判などを通して、金銭の価値として、判決が下されたりします。


そして、その金額は、高額になるケースが多いです。


その金額を、保有していて払えるのであれば、
保険に入らなくても良いかもしれません。


ただ、そのような方は少数派だと思うので、
運転をする方であれば、自動車保険は加入が必要ではないか、と考えています。


このように、金銭的に負担なく備えられる出来事かどうか、という視点で、
保険に加入するかしないか、を考えていくと、
入りすぎとか保険料の支払いが多くて大変、
などという悩みから、少しは解放されるのではないか、と私は考えています。


さて、表題の火災保険


基本的には、すすめて頂いた内容で加入するので、
問題は少ない、と私は考えています。


物件の所在地や構造などをもとにして、
保険会社で算出している保険金額をベースに、提案して頂けるケースが多いからです。


なので、気にするポイントとしては、

補償をどこまでつけるのか」
特約をどこまでつけるのか」

ではないかと思います。


ここでは、大家の立場で火災保険をかけるときに、
私が気にしている点について、お伝えします。


私の場合、マンションの1階以外を選んでいることもあるので、
「水災」に関しては、つけていません。


最近は水害などもニュースなどで目立つので、気にされる方も多いかもしれませんが、
室内まで水浸しになるような懸念が少なければ、つけなくて良いと考えています。


数年前、タワーマンションの地下にある電気設備などが、
豪雨の影響で稼働しなくなる、という出来事がありました。


これはもちろん水災になるのですが、
誰がカバーするのかと言えば、マンションの管理組合になります。


エントランスや階段、エレベーターなど、
共用部と言われる所は、所有者みんなで出し合う
管理費」や「修繕積立金」をもとにして、
組合として維持管理を進めていくことになります。


なので、あなた自身がカバーすべきなのは、
自分の部屋の中と、部屋の中から生じる出来事で大丈夫なのです。


その点で、「施設賠償」とか「賃貸所有者賠償」など、
保険会社によって名称は異なりますが、
賠償の特約は必ずつけるようにしています。

例えば、下の階に、あなたの部屋から水漏れが発生してしまった場合。


入居者さんの責任なのか、配管などの経年劣化が原因なのかによって変わりますが、
いずれにしても、階下の方へ、
ご迷惑をおかけしてしまったことには変わりがありません。


階下の方にしてみれば、ご自分の火災保険でまかなえるかもしれませんが、
原因、責任は、水漏れを発生させてしまった部屋、という事実は変わりません。


そのようなことが起きた時、
どのくらいのご迷惑をおかけしてしまうかは、あらかじめ分かるものではありません。


だからこそ、確率は低いかもしれないけれど、
金銭的にいくらかかるか分からない、という事態に備えて、
賠償の特約を、私はつけるようにしています。


最後に、今、この時期だからこそ、今一度見て頂きたい点があります。


それは、火災保険の満期日です。


ごあいさつの中でもお伝えしましたが、
2022年10月、 火災保険料の改訂 がありました。
そして、 加入期間も5年が上限 になります。
保険料も上昇傾向にあります。


保険料の上昇に、少しでも備える方法の1つとして、
長期の契約をすることが考えられます。


保険に限らずですが、
毎月払いより年払いの方が、少し安くなること、ありますよね。


それと同じように、火災保険も毎月払いより年払い、
年払いより複数年払いという順で、保険料は抑えられます。


支払うタイミングだけで言えば、
複数年分をまとめて支払うので、少し多めだと感じるかもしれませんが、
今、長期の手続きをしてしまえば、値上がりなどの影響を、
当面の間は受けないで済ますことができます。


なので、必ずお得になるかは分かりませんが、満期まで残り1~2年くらいであれば、
今解約して10年の長期契約に入り直すか、
そのまま継続して満期日に5年の契約に入るかを、
比較検討してみるのは、一考の価値があるのではないか、と私は考えています。


マイホームでも大家業でも、
支出(経費)を少しでも抑えることができれば、手残りが増えます。


小さなことかもしれませんが、
9月までの2ヶ月の間は、火災保険を通じた見直し、
節約ができるチャンスかもしれません。


更新の案内を待つだけでなく、こういう機会に、一度、火災保険の証券を取り出して、
確認してみるのも良いのではないか、と私は考えています。


49

決断はスパっと!!



不動産投資、大家業においては、
「決断力」という時間を味方につけられるかどうか、
も大切な要因のひとつだと、私は考えています。


皆さんは今までに、購入したい、という物件があったにも関わらず、
他の方に先手を取られて、ご縁に至れなかった経験って、ありませんか?


物件に限らず、欲しい!と感じたものが数量限定などで、
買おうとしたら売り切れだった、みたいな経験はありませんか?


手に入れられた人手に入れられなかった人を分ける要因が、
私は「 決断力 」ではないか、と考えています。


時間を効果的に使えているかどうか、にもつながるかもしれません。


ここでは、私の不動産での経験談を踏まえつつお話します。


私は、30歳だった2007年に、不動産投資、大家業を始めました。


早いもので、始めてから15年ほど経ちます。


今でこそ、信頼できる担当者や会社を見つけ、お付き合いさせて頂いていますが、
最初の頃は、右も左も分からない状態です。


拙著などでも触れたことがありますが、
有料無料のセミナーへ足を運んだり、本を通じて学んだりなどをしましたが、
具体的な物件との出会いは、ネットを通じて探す、
ということを最初はメインに行っていました。


そんな中で、良いなと感じた物件を見つけて、
問い合わせをした時によくあったのが、


「すでに、申込が入っています」とか
「3番手になりますが、それでも良ければ」みたいな対応です。


もしかしたら、おとり広告だった可能性もゼロではありませんが、
今振り返って思うのは、往々にして「決断が遅かったなぁ」ということ。


以前の私は(今もそのような面がなくなった訳ではありませんが・・・)、
あれこれといろいろ考えすぎてしまい、
石橋をたたきすぎてしまう性格でした。


問い合わせをするだけにもかかわらず、
ああでもない、こうでもないと、うじうじと考え、
時間がかかっていたことで、先程のように、
先手を取られてしまうことが多かったのだと思います。


その時の想いとしては、

「損したくない…」
「失敗したくない…」

という、マイナスな面にスポットをあてて考え過ぎてしまい
決断が遅かったのだと、今振り返ると思います。


慎重に考えることは、大切な性格の1つだとは思いますが、
何事にも裏表があるように、慎重さのマイナス面が出ると、決められない、
という先に進めないことにつながってしまいます。


そんな性格を、少しずつでも変えていきたいという想いから、
自分の決断力を、少しでも早めるトレーニングをするようになりました。


日常のささいなことかもしれませんが、それを積み重ねることが、
失敗しにくい決断を早めることにもつながると考えたからです。


少し例をあげると、例えば、飲食店で食事を頼む時。


特にひとりでお店に行くときなどは、
メニューを見て、さっと決めるようにする。


中華のお店に行きたい、と思う時は、
中華の中でも、例えばチャーハンを食べたいなぁ、などと思ったからこそ、
足を運ぶのだと思います。


であれば、席についた後に、ラーメンなど他のメニューを見ることなく、
チャーハンのページを見て、すぐに決める、みたいなやり方です。


そんなトレーニングというか習慣を
意識して過ごすようになってからというもの、最近では、
複数回足を運んだことのあるようなお店の場合は、
お店に入る前に、何を頼むかを決めて、
お水が出てくるのと同時に、注文ができるようになりました。


他の例をあげると、セミナーとかイベントごとなどがあるような時も、
参加するかどうかを決めるのを、できるだけ先延ばしせず、早目に決める。


決断を先延ばししていると、
決められていないことが、頭の片隅にひっかかって残り続けることになり、
決めるまで、その迷いの気持ちが吹っ切れないという、
もやもやした時間を過ごすことになるからです。


今回は、不動産の購入判断、決断のスピード、タイミングで、
出会いのご縁を逃してしまうことにもつながる、という話題から、
決断することについて触れてみました。


決断は、早い方が自分のためになるし、
相手にも喜ばれる、と私は考えています。


皆さんも、不動産投資、大家業という点に限らず、
公私ともにわたって、いろいろと決断する場面は多いと思います。


大きなことから小さなことまで。


まずは、日常の小さな決断からでも良いので、
決断するスピードを速くするという意識持ってみること、おススメしたいと思います。


48

部屋をどんな方に貸したい?



区分マンションにせよ、一棟アパートにせよ、大家業を続けている限り、
どんな方に借りて頂くかは、収入に直結するので、
気にかける大切なことだと思います。


興味はあるけれど、まだ始めていない方からすると、
「こういう入居者さんだと嫌だなぁ」
みたいな、漠然としたイメージがあるかもしれません。


それでは、ここで質問をします。


次の2人の方があなたの部屋を借りて住みたい、と申し込みがあったら、
どちらの人に、貸したいと思いますか?


①年収1,000万円の、30代独身の会社員。
②在留資格を得て来日された、20代の留学生。


少し、考えてみて下さい。




… 。




いかがですか?
どんなことを思い巡らせましたか?


もちろん、この質問に正解はありません。


どんな方に住んで欲しいかを決めるのは、
大家である、皆さんが決めることだからです。


複数の部屋を持っている場合は、
部屋の立地によって、どんな方に住んでもらいたいか、
という、いわゆるターゲットみたいなのを変えるのも、
大家業の経営者目線としてはありかな、と思います。


なぜこの話を今日のテーマにしたかと言うと、
ごあいさつの中でも触れた、「多様性」に難色を示す大家さんが
まだ多いのかもしれない、と感じているからです。


外国人、高齢者、シングルマザー、障害者のような方は、
家探しに苦労することが多いと言われることがあります。


特に、外国人や高齢者に関しては、確固たる理由がなくとも、

「孤独死されたら嫌だ」
「部屋をぞんざいに利用されたら嫌だ」

みたいな、イメージ先行で敬遠されるケースがあると耳にすることがあります。


でも、本当にそうでしょうか?


先程の質問の例を使うと、

①の人が安心できて、
②の人は安心できない

と言えるでしょうか?


私は、まったくそうは思いません。


人生、いつ何が起きるか分かりません。


① の方であっても、入居後、病気などを患われて、
今回の安倍元首相のように、急に命を落とされる可能性もあります。


また、収入が高くても、支出が多い生活スタイルをしていて、
賃料を滞納する、という可能性もなくはありません。


② の方は、留学生ということで外国の方になります。
ただ、日本で学びたい夢をつかんで、
来日できた在留資格を失いたくないために、
部屋をぞんざいに扱わず、賃料の滞納は絶対にしないような、
大家の立場から見たら、安心できる入居者かもしれません。


賃貸で入居を希望される方は、「自分が払える賃料と立地」を、一番優先して考えます。


設備や築年数などは、優先順位としては下がります。


特に、先程伝えたような、大家さんに敬遠されがちな立場の方は、
自分のお財布事情を見ながら、無理なく払えそうな物件というのを、
より慎重に選ぶような気が、私はしています。


私自身、今までに、外国人(留学生と英語教師)や高齢者の方に、
お住まい頂いた経験があります。


その方々に共通していたのは、

「何も問題を起こさない、優良な入居者さんだった」

という経験です。


私の場合、入居者さんとのやり取りは直接行わず、
賃貸管理会社へお願いしていますが、滞納が起きた経験はなく、
退去時の原状回復・リフォーム費用もかさみませんでした。


退去後に部屋の中を見に行った時、
すごくきれいに使って頂いていたなぁ、というプラスの印象しかありません。


きっと、すごく気を遣って、住んで頂いていたのだろうな、
というのを感じました。


私は、もしかしたら、たまたま運が良かっただけなのかもしれません。


とは言え、入居に際し、審査を受けて保証会社に加入できているのであれば
基本的には、入居をお断りする理由はない、と私は考えています。


いつ人間の身に起こるか分からない孤独死などに関しては、
もし起きてしまった場合に備えて、対応費用などをカバーできる保険もあります。


あなたの部屋を借りたい、と感じて頂けるというのは、
すごくありがたく、ご縁のある素敵な出会いだと私は思います。


それなのに、イメージ先行だけが理由で、入居をお断りしてしまうというのは、
入居希望者さんにとっても、大家さんにとっても、
機会損失につながり、お互いにマイナスしか産み出しません。


大家という立場から、多様性のある社会みたいなことに、
どのくらい貢献できるのかなどは分からないですが、
少しでも、様々なバックグラウンドのある方同士、
心地よく暮らし、過ごせる社会になることを心に想い描きながら、
大家業をこれからも継続していきたいと私は考えています。


最後にもう一度聞きます。


①年収1,000万円の、30代独身の会社員。
②在留資格を得て来日された、20代の留学生。


皆さんはどちらの人に、入居して欲しいと思いますか?


47

路線価って気にする?しない?



毎年7月に入って私が思うこと。


それは、税務署の人事異動があること。


人事異動が終わると、夏から年末にかけて行う、税務調査の対象が選ばれ始めます。


今年は、今の所、コロナの行動制限もないので、
一昨年、昨年より、調査件数が増えそうだな、と感じています。


って、これは、私が勤務時代に意識していた話(苦笑)


一緒にお仕事をさせて頂いていた先生から連絡が入る度に、
ドキドキしていたのを、思い出します。


話を元に戻します。


毎年7月1日に、「 路線価 」の発表があります。
1月1日現在ということで、約半年のズレはありますが、
不動産を考える上で、指標の1つになると私は考えています。


特に、「相続」や「贈与」が絡む時には、税金を考えることと直結します。


なので、すぐ必要ないかもしれませんが、
マイホームにせよ賃貸用にせよ、あなたが不動産をお持ちであれば、
不動産をお持ちの場所だけで良いので、
見ておかれると良いのではないでしょうか。


路線価が高いから良い物件、低いから悪い物件、という訳ではありません。


あくまでも人の往来とかを加味した、
人気投票的なことが数値化されたものが路線価だと私は考えています。


なので、数値が高いと、賃貸需要も高い地域である可能性はあります。


とは言え、住まいとして考えた場合、静かな環境を好む方も多く、
路線価の高さ=選ばれやすい立地ということでもありません。


なので、あくまでも、目安、参考程度に
見ておくのが良いのではないか、と私は考えています。


ちなみに、路線価はどのように決まるか、ご存じですか?


それは、国土交通省が3月に出す公示地価や売買事例、
不動産鑑定士さんの鑑定評価などをもとにして、
税務署が決めている、というのが、おおよそのイメージです。


不動産を購入した経験があれば、購入の数か月後に、
「取引価格などを記入するアンケート的な書類」
を郵送で受け取った経験、ありませんか?


まさに、あれも、公示地価や路線価を決める上で、
大切な参考資料に使われているのです。


なので、面倒くさい、と捨ててしまわず、
少し時間を取られてしまいますが、
他のみなさんのために!
と思って、ぜひ提出して下さいね。


そんな背景がある中で、毎年公開される路線価。


気にして見た方が良いの?と聞かれれば、
先程伝えたように、見た方が良いと伝えますし、
私は、不動産を購入する時には、参考指標としてではありますが、
必ず見るようにしています。


理由は、土地の持ち分の価格を見ることで、
将来値下がりした時の底値、みたいなのを、考える目安になると考えているからです。


どういうことか?


イメージを伝えるために、分かりやすい数字を使います。


2,000万円の中古マンションがあり、
謄本から計算して、土地の持ち分が7平方メートルだったとします。
そのマンションの前面道路の路線価は100万円だと仮定します。


この場合、路線価で見た土地の価格は、
100万円×7平方メートルで「700万円」となります。


そして、路線価は、公示地価の8割と言われていますので、
700万円を8割で割り戻すと、875万円となります。


マンションの場合、建物と土地を分けて売却することはできないので、
建物の利用価値と土地持ち分を合わせたのが、売買価格になります。


そのため、厳密に土地の時価がいくらか、
ということは言い切れないのが正直な所です。


ただ、上記の計算で考えられることとして伝えたいことは、
仮に建物が倒壊してなくなってしまったとしても、
もし路線価が変わらなければ、
少なくとも土地持ち分の875万円は保有できていることとなり、
この値段が、最悪ケースで考えた時でも、底値になるのではないか、
という考え方です。


組合で同意して、建て替えなどにならない限り、
マンションを更地で売却する可能性は低いですが、
仮に、この部屋が、900万円で売りに出されていれば、
購入する人は、自分で住むにせよ、賃貸に出すにせよ、
建物の利用価値分を25万円くらいと、
ほぼ土地の値段で、譲り受けられることになる、というのが、
お伝えしたいイメージになります。


※実際に、このような値付けがされる可能性は限りなく低いので、
 ここまで物件価格が下がるという訳ではありません。
 あくまでも、土地を価格として計算した上での価値、というイメージです。


これは、実際に物件を購入して、土地と建物を按分計算する時に使うことが多い、
固定資産税評価額をもとに計算した、
土地価格と建物価格とは、違った考え方の計算です。


将来、路線価が下がるなどして、
土地の価値が下がる可能性もあるので、絶対とは言い切れませんが、
マンションの場合の土地の持ち分から底値を考えるというのは、
マンションを購入する時の、ひとつの安心感になるのではないか、
と私は考えています。


株式も、企業の業績や保有している資産などを加味して、株価がついています。


ただ、業績の悪化や不祥事、最悪の場合倒産など、
あなた自身がコントロールできない要因で、
価格が大幅に下がり、最悪ゼロになることさえあります。


その点、不動産の場合、
建物は利用価値がなくなることでゼロになる可能性はありますが、
土地が減価償却の対象になっていないように、
基本的に、土地、そして土地の持ち分は失われることはありません。


それはつまり、土地、土地の持ち分に相当する資産価値は、
将来にわたって、資産として価値が残るということを意味していると、私は考えています。


46

海外不動産は投資対象として、あり?



6月のラジオ出演の時は、
最近の円安をテーマにお話させて頂きました。


改めて振り返ってみると、
2022年の年始の時は、1ドルが115円前後でしたので、
この約半年で、円安が20円近く進んだことになります。


ウクライナとロシアの戦争勃発や、インフレによる諸外国での金利上昇など、
様々な要因が絡み合っていると思いますが、
円高や円安が話題にあがることが増えると、外貨建て資産へ興味を持つ方が増えてきます。


外貨建ての資産をもつことは、資産形成の面でも良いと私は考えています。


その点から考えると、
海外不動産を資産形成に取り入れることは、あり、だと考えています。


ただ、私個人としては、海外不動産を資産形成に取り入れていません。


その一番の理由は、

「万が一何かあった時に、自分の目が行き届かなくなってしまう」

と考えているからです。


不動産、特にマンションは、管理を買え、と言われます。


その点で、不動産投資や賃貸経営では、
 賃貸管理・建物管理会社が肝になる 
と言っても過言ではないと考えています。


そのため、管理会社さんへの「信頼」を、大切なポイントとして私は考えています。


裏を返すと、その管理会社さんに、もしも、万が一のことがあった時のこと、
可能性としては低いとは思いながらも、最悪の事態も想定するようにしています。


「管理会社さんが潰れてしまったら…」
「管理会社さんが賃貸管理を辞めてしまったら…」


基本、私はポジティブ、性善説的に考える人間ではあるのですが、
資産形成にあたっては、ネガティブ要素も考えて、
天秤にかけて選ぶようにしています。


今回のテーマにしている、海外不動産そのものに話を戻します。


メリットは、

● 外貨建ての実物資産を手に入れられること。
● 購入時より円安になれば、売却時に利益が出る可能性。

のように、
現物資産の場所の分散」と「通貨資産の分散」が考えられます。


数年前までは、個人名義で保有している場合、
海外不動産の収支でマイナスが出た場合、
日本国内の所得と損益通算できる制度がありましたが、
今は、個人には認められなくなったので、
いわゆる節税的な視点でのメリットは見込みにくくなりました。
(法人は、まだ規制がされていません)


デメリットは、

● 現地の本当に信頼できるパートナーを見つけられないと、維持管理が難しくなる。
● 売却したい時に円高になっていると損失が出る可能性。
● もし売却したい時、国内不動産よりも買い手を探すのが難しい可能性がある。
● 土地勘などが分からないと、どのような方に、
 いくらくらいの賃料で貸すことができるのか、などが分かりにくい。
 (管理会社任せになってしまう)


繰り返しますが、私は、海外不動産を、
資産形成に組み込むことを否定している訳ではありません。


私自身の、いわゆる「リスク耐性」の問題です。


私にとっては、
海外不動産を現物資産として保有することのメリットよりも、
デメリットに対する意識が強くなってしまい、
精神的な安心感を得られないので、選んでいない、というだけです。


なので私は、自分のリスク耐性を考えて、
海外不動産に関しては、イデコなどの制度を使いながら、
その中で「海外REIT投資信託」を利用しています。


実物を直接保有するだけの強い想いはないけれど、
少なからず自分の資産の一環に、海外不動産は組み入れたい。


その想いを実現できる運用対象が、海外REIT投資信託でした。


外貨資産、投資を考える時に、
外貨預金などはどうですか?と聞かれることもありますが、
外貨預金や保険を保有するのであれば、
海外の株式や不動産など、「資産価値のあるものを選ぶのが良い」と伝えています。


理由としては、外貨を保有することは、「資金の両替」にすぎず、
外貨そのものは資産ではなく資金だからです。


なので、投資対象を保有することで、その対象そのものが、
利益を産み出す源泉になるような資産(株式や不動産など)
直接にせよ間接にせよ、持つことが、
資産形成につながると私は考えています。


外貨を保有しているだけの状態は、
円高になるか円安になるか、
相場次第でどちらになるか分からないものに、
ある意味賭けをして待っている、
投機のような状態だと考えているからです。


海外不動産の話から、少し派生した話題にまで触れてしまいましたが、
円資産だけでなく、
「海外に裏付けがある、収益を産み出す価値のある資産を持つこと」
を検討し、実際に組み入れることは、資産全体のバランスを保ち、守ることにつながる。
私はそのように考えています。


あなたは、資産全体の内、海外資産はどのくらいお持ちですか?


ぜひ一度、ご自分の資産全体を見返してみることをおススメします。


45

「金利差」と「K%」



幣事務所は、不動産に絡んだご相談を中心に承っています。


ここ最近、相続や節税、という視点を絡ませたご相談をお受けしましたが、
相談頂くみなさまに共通しているのは
「部屋を貸す」ということが、相談内容に絡んでいる点です。


そんな賃貸不動産を経営という面から見るとき、
指標がいくつかあることをご存知ですか?


もし、簿記などを学ばれた方であれば、
流動比率」などがあったのをご記憶の方もいるかもしれませんが、
それと同じようなイメージのものが、賃貸不動産にもある、という話です。


私自身は、いわゆる経営指標みたいな、
理論っぽいことは、あまり好きではありません。


なので、ご相談を承る時も、カチっとした分析みたいなことは、行っておりません。


とは言え、
 賃貸経営が安定する物件 を選んで取り組まなくては、意味がありません。


その点で、意識しているポイントが「2つ」あります。


それは、「金利差」と「K%」です。


「金利差」は、
「物件の実質利回り」と「融資金利」の差のことです。


例えば、賃料85,000円、管理費積立金12,000円の部屋が、
2,000万円の場合、実質利回りは、
(85,000-12,000)×12÷2,000万、で4.38%になります。


この部屋を、金利2%で融資を受けて購入した場合、
その金利差は、4.38%-2%=2.38%


となり、金利というコストを払っても、
利益が積みあがることになります。


この金利差の場合、積みあがる利益には、
「見える利益」と「見えない利益」に分かれます。


見える利益は、毎月のキャッシュフローと言われる、いわゆる手残り
賃料から管理費積立金や元利の返済金を払った後、
手元に残る金額、というイメージです。


見えない利益は、元本が返済されて、資産として殖えている分です。


例えば、毎月の返済金額が60,000円だとして、
その内訳として、
元本が40,000円、利息が20,000円だとしたら、
この見えない利益は、月に40,000円、年間で480,000円というイメージです。


この金利差による、
見える利益と見えない利益を長期にわたって得ていくのが、
不動産投資、大家業の醍醐味のひとつだと私は考えています。


次に、K%ですが、これは、指標的な言葉を使えば、
「資金調達コスト」や「レバレッジ」が、
購入時において健全かどうかを示してくれます。


計算の仕方としては、 元利金の年間返済額÷融資金額 です。


例えば、金利2%で2,000万円を35年で融資を受ける場合。
毎月の返済金額は、66,252円になります。
年間にすると795,024円。
K%は、795,024円÷2,000万円=3.97%


これと物件の利回りを比較して、

「物件の利回り>K%」

であれば、健全というイメージです。


先程の金利差の所で例にあげた物件を考えると、
実質利回りは4.38%でしたので、
上記の内容で融資を受けることができるのであれば、

4.38%>3.97%

なので、健全である、という考え方です。


もしこの融資を3%で受けることになるとすると、
毎月の返済金額は76,970円、年間返済額は923,640円となり、
K%は、4.61%になり、実質利回りを上回ってしまうので、
投資対象としては不適格、というイメージです。


実際に、毎月のお金の流れであるキャッシュフローを考えても、
マイナスになってしまいます。


また、同じ2%で借りることができても、
期間が35年ではなく、25年だとすると、
毎月の返済金額は84,770円、年間返済額は1,017,240円となり、
K%は、5.08%となるので、これも不適格、というイメージです。


節税などを意識して、あえてマイナスでも良いという場合は、
違った考え方になります。


また、1部屋だけで見た時は、
「物件の利回り<K%」だとしても、
他に保有する部屋も含めて全体で「物件の利回り>K%」であれば、
良いという判断もありかな、とも思います。


いずれにしても、全体的に見て、賃貸経営という視点で見た場合、
お金の調達コストであるK%を上回る実質利回りを意識することは、
大切だと考えています。


このK%を考えると見えてくることは、
お金を借りる場合、経営の視点では「 低い金利で長く借りる 」が
有利だということです。


お金は、借りた後に、期間を短くすることはできますが、
期間を長くすることは原則できません。


金利も、交渉などで後から下げたりすることも可能性としてはありますが、
最初から低めに借りられるのであれば、それに越したことはありません。


皆さんが、融資を活用しながら賃貸用不動産を検討される場合、
「金利差」と「K%」という視点は、
意識してみるのが良いのではないか、と私は考えています。


44

コンフォートゾーンはいくらですか?



先日、不動産管理会社のセミナーへ、足を運んできました。


そのセミナーで聞いた話がすごく良かったので、
シェアしながらお伝えします。


登壇されたのは、菅井敏行さんという、
元大手メガバンクの支店長を勤められていた方です。
https://www.toshiyukisugai.jp/


そのセミナーの中で、自分のコンフォートゾーンを考えることが大切。
ということを話されていて、大変共感しました。


私の視点も含めながら、結論から言うと、


「いくらの手残りがあると心地良いと感じるのか?」
「どういう生活をしたいと考えているのか?」
「他者と比較せず、自身が得たいお金の流れから逆算する」


という内容です。


不動産投資や大家業、資産運用、資産形成を考える原点で、
あたりまえ過ぎる話かもしれません。


かみ砕いて言えば、

毎月、定期的に入ってくるお金の仕組み、流れがいくらあると、
安心だと感じますか?

という話です。


この話をされた原点には、
菅井さんの銀行員時代の経験がありました。


融資をする立場として、お客様と接する中で、ある時、
明るいお金持ちには特徴、共通点があることに気が付いたそうです。


その共通点は、
預貯金などの金融資産残高が多いこと、ではなく、

 毎月新しく入ってくるお金の流れがあること 、とのこと。


そのお金の流れがある人の共通点をさらに考えていくと、
多くの方が、賃貸不動産、を持っていることに気づき、
42歳の時に、菅井さん自身も大家業をスタートした、という話でした。


私自身が思っていることとも共通しているのですが、
資産運用、資産形成で、
イデコやNISAなどを使った金融資産を積み立てることも、必要だと考えています。


ただ、残高を積み上げるだけだと、
将来的に、その積み上げた資産を取り崩す、ということになります。


もちろん、取り崩して使うために、資産運用をするのですが、
いざ、取り崩す段階になると、目に見えて減っていく残高を見ることで、
少なからず不安な想いがよぎるのではないか、と思うのです。


例えて言えば、公共料金やクレジットの引き落としなどが終わった、
月末の預金残高が少ない時に感じるような不安感、みたいなイメージです。


だからこそ、菅井さんは、新しく入ってくるお金の流れがあることが、
人を明るい気持ちにさせるのだ、ということをおっしゃったのだと思います。


この新しく入ってくるお金の流れは、賃貸不動産に限りません。
株式や投資信託からの配当や分配金、
人によっては、著書からの印税などがあるかもしれません。


これは、将来だけでなく、現役時代にも、当てはめて言えること。


本業で収入を得ながら、
自分の時間を多く費やさずとも、通帳に入ってくる、
賃料収入や配当・分配金などがあると、
精神的な安心感、みたいなのを抱けると私自身も感じています。


ちなみに、私は、自分のコンフォートゾーンを40~50万円くらいと
現時点では考えています。


正直、なぜこの金額か、という明確な根拠はありませんが、
現時点で考えても、
生活費として十分おつりのくる金額を目標に据えておくのが良いかな、と考えての金額です。


この流れを、私は、

「公的な年金」
「不動産」
「配当金・分配金」

で、最終的に実現できることを目標にしながら、取り組んでいます。


車を購入するとか家の修繕が必要などの、
一時的なまとまった支出が必要な時は、
イデコやつみたてNISAなどで、形成した資産を取り崩してまかなう。


そんなスタイルにできると、経済的な面では、人生100年時代でも、
困ることなく、安心感を持って、暮らしていけるのではないか、と考えています。


今回伝えたコンフォートゾーン。
ライフスタイルによって、各人各様ですので、正解はありません。


そして、目標を持つと言われても、
なかなか明確に描き切れない、という気持ちも分かります。


なので、私なりの考え方としては、
ご自身の毎月の生活費を3~6ヶ月くらい書き出してみる。
(一時的な支出は除いて)


多少の凹凸はあると思いますが、
3~6ヶ月書き出してみると、おおよそ近い金額になることが多いと思います。


そこで出た金額をベースにして、その金額を目標に据えるとか、
その金額プラス10万円、プラス20万円とか考えながら、安心できそう、
というコンフォートゾーンを見つけていくのが良いのではないか、と思います。


あなたのコンフォートゾーンはいくらになりますか?


資産運用、資産形成をする上での、目標のひとつとして、
一度考えて見られることを、おすすめしたいです。


43

不動産投資、大家業に役立つ資格



ご相談をお受けする中でも、
今日の質問は、聞かれることが、たまにあります。


資格を取って、それで仕事をしていく、ということではなく、
ご自身のブラッシュアップ、という観点で、というイメージです。


新しいことを知りたい、チャレンジしたい、学びたい。


そういう、前向きな意欲、想いを聞くと、
応援というか、サポートさせて頂きたい気持ちも、より強くなります。


私が相談としてお受けするテーマとしては、

お金
不動産
資産運用
節税

などが多いですが、私と話して頂いたことをきっかけに、
新しい目標に向けて、行動に踏み出される方をサポートさせて頂くと、
本当に嬉しい想いになります。


そんな新たな行動の1つとして、
資格取得という学びに取り組む方もいらっしゃいます。


学びに関して聞かれた時に、学んでみると良いのではないですか?
とおすすめしているのは、次の3つです。


ファイナンシャルプランナー(以下FP)
宅地建物取引士(以下宅建)
簿記


FPに関しては、まずは3級、
興味があれば2級まで学ばれるのが良いのでは、と伝えています。


《FP》の学びを勧める理由は、
学んだことを、日常生活に直接活かすことができると考えているからです。


私自身、資格取得を目指して学んでいた当時、
それまで知らなかった世界が、
どんどん開ける感覚になったのを今でも覚えています。


FPを学んだから、今の私がいる、と言っても過言ではないくらいです。


株式投資などの資産運用の世界へ足を踏み入れるきっかけも、
FPを学んだことがきっかけでした。


それまで、学生時代の数学をはじめとして、
数字と向き合うことが大嫌いだった私にとって、
意外なきっかけで、今に至る道を見つけられたというくらい、
FPとの出会いは、人生の転機でもありました。


その他、身近な税金や保険のことなど幅広く学べることが、
FPをおすすめしている理由です。


《宅建》に関しては、
不動産に関わる法律的なことが全体的に学べることが、
良い点ではないか、と考えています。


宅建を学んだからと言って、
良い物件をみつけやすくなるということに、直結する訳ではありません。


ただ、不動産会社の担当者の方などと話をする上で、
「私、宅建持っています」と伝えるだけでも、
担当者の応対が、少しは変わるかもしれません。


「おっ、この方は、不動産のことを学んできているから、
 いつも以上に気を引き締めて応対しないと」


みたいな、本気度のようなものが伝わるという、
良い効果をもたらしてくれるかもしれませんね。


宅建で学んだ内容を、すべて覚えている必要はありませんが、
「あの時、なんか学んだような気がするな」
というベースとしての知識があるだけでも、
取引を進める上で、少なからず役に立つのではないでしょうか。


《簿記》に関しては、
FPと同じように3級、一歩進めたければ、2級の商業簿記まで、
学んでみると良いのでは、と考えています。


簿記を学ぶことでの利点は、
数字を経営的な視点で見られるようになる、ということです。


不動産投資、大家業の点から言えば、
個人で取り組んでいる場合は確定申告
法人で取り組んでいる場合は決算書


それぞれの元になる「帳簿」の基本に簿記があります。


損益計算書は、売上と経費、そして利益という分かりやすさがあるのですが、
貸借対照表となると、
「良く分からない」という方が多いと私は感じています。


不動産に絡んだ部分でお伝えすると、

「減価償却の仕組み」
「融資を金融機関から受ける」

などを考える時に、
損益計算書と貸借対照表のつながりなどが、大枠でも分かっていると、
より不動産投資や大家業に楽しさを感じられるのではないか、と考えています。


以上、3つの資格について取り上げてみました。


あなたは、すでに保有している資格はありますか?
学んでみたい、興味がある資格はありますか?


資格は、取得することが目的ではありません。
取得を目指して、学ぶプロセスが大切だと私は考えています。


上記の資格に限らず、学んでみたいとか興味がある分野があれば、
合否などの結果にこだわらずに取り組まれてみて下さい。


きっと、そのプロセスで、新たな気づきや発見があると思います。


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なりたい人、憧れの人



今回、私は、自分が憧れの存在に出会えたという出来事があったので、
それつながりで、今回のテーマにしました。


ヒロミさんが好き、と伝えると、
「斎藤さんとは、だいぶタイプが違う人だよね」
と言われることが、よくあります。


たしかにその通りかな、と。


趣味にしても、私はインドア派で、
ヒロミさんはアウトドアなどのアクティブな感じ。


その点では、タイプが違うのですが、私が好きだと感じている点は、
「人としての魅力」です。


テレビや動画などを通して伝わってくる、
温かさのある人柄や優しさなどに魅力を感じています。


「自分がこうなりたい、こうありたい」
という存在がいることで、
意識的にせよ、無意識的にせよ、そういう存在を目指したい、とか、
目標にしたい、などと考えると思います。


そんな、自分にないものを持ち合わせている存在を意識することで、
少しずつでも、成長していけるのかな、と私は考えています。


さて、この点を、資産運用やお金のことに置き換えて考えた場合。


セミナーなどでお伝えすることが多い内容としては、


① 現状を知る
  ↓ 
② 将来の目標金額をおおよそでも決める
  ↓
③ 現状と目標の金額の差を、どのように埋めていくか。
 それを考えるのが資産運用であり資産形成です。


ということ。


やみくもに、お金を殖やしたい、
資産を殖やしたい、という思いだけでスタートしてしまうと、
どこを目指せば良いのか?など、
何のために資産運用をしているのか?
を見失ってしまうと感じるからです。


マラソンにせよ、登山にせよ、ゴールがあるから、
途中のつらさなども乗り越えられるのだと思います。


それが、資産運用になると、
目指すべき目標がないままスタートしてしまうことが往々にしてあるので、
何もせず、二の足を踏み続けているよりは良いと思いますが
途中で続けるのが嫌になったり、
継続の複利効果のようなものを味わわずにやめてしまう、
という方が、一定数いらっしゃるように感じます。


また、考える軸が定まっていないと、様々な投資対象を見て、
新しい、良さそうな投資対象が出てくると、
「今のをやめて、新しいものに乗り換える」
など、継続できずに、ふらふらとさまようことにもなりがちです。


なので、私は、資産運用を継続するために、
「目指したいと感じる人、目標にしたい人を決める」
という視点も良いのではないか、と考えています。


将来の目標金額と言われても、
なかなか具体的にイメージしにくい部分もあるかと思います。


そんな時、
「目指したい人や目標にしたい人」がいると、
その人が行っている方法や考え方を取り入れて、継続した結果、
後から振り返って、気が付いたら、ひとかどの資産形成ができていた、
ということにもつながるのではないか、と私は考えています。


ブログや動画などを通じて、共感できた人。
セミナーなどで、話が分かりやすかった人。


いろいろな所で、
そういう目標にしたいと思う人と出会うきっかけはあるかと思いますが、
私は、主に、「本」を通じて、出会う機会が多かったな、
と今振り返ると感じています。


私の経験が、皆さんのお役に立てるかは分かりませんが、
資産運用、資産形成の考え方、お金との向き合い方、という点で、
今までに私が好印象を抱いた方を、最後に一部紹介したいと思います。


 本多静六さん 「私の財産告白」


 ハーブエッカーさん 
「ミリオネアマインド 大金持ちになれる人」


 トマススタンリーさん 「となりの億万長者」


その他、
竹田和平さんウォーレンバフェットさんの著書や関連書籍は、
良かった、と感じています。


少しでも、参考になる、
目標にしたい人を見つけるきっかけになれれば嬉しく思います。


もしお読みになられて、良かったと感じたら、
感想、聞かせて頂けると嬉しいです。


反対に、皆さんが影響を受けた本など、
おススメがありましたら、教えて頂きたいです!



41

「セル・イン・メイ」


突然ですが、
セル・イン・メイ」という相場格言があるのは、ご存じですか?


「sell in May」
5月に売れ、というアメリカでの相場格言です。


株式市場での話にはなりますが、
5月に売って、9月の半ばころにまた再開しなさい、という内容です。


必ずしも、経験則通りになるとは限りませんが、
5月頃までに株主総会などが行われて一段落。

その後、お子さんたちが、
9月の学校再開までの間、長期休暇を取られたりする方がいることから、
この格言が生まれたのではないか、と言われています。


私は、株式投資はあまり行わないので、
実際どうなのか、というのを、検証したことはないのですが、
5月になると、この相場格言を、
なんともなしに思い出すことがあります。


そんな格言を思い出しながら、考えてみました。


「不動産にも、時期による違いってあるのだろうか?」と。


売るならいつが良い?買うならいつが良い?


私なりの結論を、最初に伝えてしまうと、


「買いたい時が買い時、売りたい時が売り時」


と、考えています。


賃貸の場合は、人が動く時期の前が、いわゆる繁忙時期と言われます。


10月とか4月などのスタートに合わせて、
その前に住み替えたり、転居の部屋を探す、というイメージです。


8月のお盆明け~9月。
そして、2月~3月頃。


売買の場合、マイホームであれば、
多少は、賃貸と似たような動きになるかもしれません。


自分や家族などの生活に合わせて引っ越したり、
住み替える、という需要が出るからです。


ただ、不動産投資、大家業という点で考えると、


「この時期だから、売物件が増える」
「この時期だと、買いたい人が増える」


という、投資格言的なものはないな、と感じています。


とは言え、まったくないかと言えば、そんなこともないかな、
と思います。


例えば、として考えられることとは、


「金融機関が、融資の実績などを目指して、貸し出しに積極的になる」


この場合、金融機関の締めは、
9月と3月という場合が多いです(四半期もありますが)。


なので、9月末、3月末までに融資が実行できるように、
不動産会社さんと相談しながら、購入、決済を進めていくと、
金融機関の貸し出し基準で、当落線上的な場合、
ちょっと優遇して頂きながら融資を受けられるかもしれません。



購入の場合は、年末や年度末近くであれば、
賃料収入 < 経費」という状態になるので、
不動産以外の所得や利益を減らす効果が見込めます。


売却の場合は、主に法人を運営されている方になりますが、
売却価格 < 帳簿上の価格 + 売却時の経費
という状態になれば、利益を抑えることが可能になります。


個人の場合は、物件の売却で損失が出ても、
マイホーム以外の場合は、他の所得との相殺ができないので、
この効果は期待できないです。

※不動産投資、大家業物件を2つ持っていて、1物件は売却して利益がある。
(もう1物件は損が出るという場合は、売却益と損を通算することは可能)


思いつくことお伝えしましたが、いずれにしても、
格言と言えるような内容ではなく、個別事情が強い内容です。


不動産は、個別の相対取引だからこそ、
「セル・イン・メイ」のような、広く周知されるような格言はないのだな、
とこれを書きながら、私自身、改めて思いました。


あなたは、今、物件を「売却」したいと考えていますか?
あなたは、今、物件を「購入」したいと考えていますか?


投資格言的なものは、不動産では上記のように思い当たりませんが、


売却の決断は、時間をかけて
購入の決断は、迅速に


こんな心がけが、不動産には必要かな、と私は考えています。


59 野球に例えると中継ぎです

60 資金と資産の違い