となります。
2,000万円を現金購入した場合、返済はなくなるので、
95,000円-12,000円=83,000円が毎月の手残り。
年間で996,000円となり、
自己資金の利回りを考えると、
996,000円÷2,000万円=約4.9%。
この場合、融資を使った方が、利回りが高く、
資金を効率的に運用できたとみなすことができ、
レバレッジをうまく活用している、
ということが考えられます。
次に、金利が3%の場合を考えてみます。
95,000円-12,000円-84,320円=▲1,320円
となるので、
毎月支出が発生することとなります。
元金の返済分、
資産は増えていることにはなりますが、
目に見えづらい利回りとなるので、
ここでは割愛いたします。
では、3%の融資、毎月の返済額が84,320円の時に、
同じ物件で金利2%のケースと
同じような約10.8%の自己資金利回りを得るためには、
いくらの物件価格=借入価格
でないと実現できないでしょうか?
(話を分かりやすくするために、
あえて物件価格全額をローンで借りる想定で話を進めます)
金利3%で融資を受けた場合に、
毎月の返済額が73,923円になるのは、
いくら借りた時でしょうか?
という内容とも言い換えられます。
この答えは、約1,750万円です。
つまり、同じ物件であっても、
金利が2%から3%に上がったことで、
同じ利回りの効果を享受するには、
物件価格は1,750万円である必要がある、
という意味合いです。
賃貸用物件は、
空室にならない立地を重視して選ぶことが大切ではありますが、
賃貸経営である以上、
利益が得られるかどうかも判断材料の1つにはなります。
その判断材料の1つが、
資産運用の視点から考える、利回りです。
どれだけ、好立地で良質な物件だとしても、
利回りにあたるリターンという果実に魅力がなければ、
購入希望する人が現れる可能性は高まりません。
今回の例で言えば、金利が2%の時は、
物件価格が2,000万円でも魅力的に見えていましたが、
金利が3%に上がったら1,750万円に下げないと
魅力を感じてもらいにくい、という意味合いです。
全額ローンで借りるケースで示しているので、
必ずしも上記の通りになる訳ではないですが、
金利が上がることで、
賃貸物件の価格という点においては、
価格を下げないと魅力が薄れる可能性が出てくる、
という点だけは、イメージとしてお持ち頂ければ、と思います。
と、マイナスな印象に感じることを
ここまではお伝えしてきましたが、
金利が上がる時に起こりえるプラスの側面もあります。
それが、
物価の上昇です。
もちろん需要と供給のバランスという側面もありますが、
最近は、スーパーなどへ買物に行くと、
同じ量のモノを買った場合でも、以前に比べて、
お財布から出ていくお金は増えていると私は感じるのですが、
皆さんさんは、どのような肌感覚をお持ちですか?
金利が上がる流れにある世の中では、
モノやサービスの値段も上がることを意味しています。
例であげた、金利3%、
毎月の返済額84,320円で借りた場合のケースを
再度考えてみます。
先程は、同じ利回りを得ることを、
物件価格の面から考えてみましたが、
今度は賃料の側面から考えてみます。
つまり、利回りを維持し、
物件価格を2,000万円で維持するためには、
賃料がいくらであれば、実現できるのか、
という意味合いです。
答えは、約105,000円です。
先程の例では95,000円の賃料で考えましたが、
この賃料を約105,000円と
10,000円くらいあげることができれば、
融資の金利が3%にあがったとしても、
物件価格2,000万円のままで、
価値を維持できるというイメージです。
入居者様もいる状態で、
更新などのタイミングで10,000円上げることは
難しい相談になるかとも思いますが、
退去して空室になった状態で、
次の募集を10,000円上げることは、
立地によっては可能性としてゼロではないと私は感じています。
(若干、強気だとは思いますが)
仮に一気に10,000円は難しいとしても、
段階的に数千円ずつアップさせていくというのは
実現可能性があるのではないか、とも思っています。
健美家(不動産情報サイト)のアンケート結果によれば、
おおよそ3人に2人は、
所有物件の賃料が上がったと回答しています。
https://www.kenbiya.com/doc/press/pre2025-03-11.pdf私自身、自分の所有物件で過去1年の間に
更新のタイミングが3部屋訪れたのですが、
管理会社の提案も踏まえて、
1,000円~2,000円上げる方向で打診し、
入居者様にも受け入れて頂くことができました。
基本方針として、更新時には値上げをせず、
空室で新規募集時に賃料は見直すと考えている私でも、
ここ最近の更新時には、
わずかではありますが家賃アップに動いたりもしています。
このように、金利の上昇は、
融資面だけで見ればマイナス要因ですが、
賃料面から考えればプラス要因に働く。
そんな世の中になるというのが、
いわゆる金利ある世界における、
不動産投資、大家業の世界ではないか、
と私は考えております。