横浜のFP大家が、お客様からいただいた質問を元に、
お金や不動産についてお話し致します。

CONTENTS


40 ターゲットは40~50代の女性


今年は、民法の改正があり、4月から、
成人年齢が18歳になりました。


2022年4月1日時点で、
すでに18歳、19歳になっている人も「新成人」となり、
今年は、成人になった人が増えました。


成人になると、
未成年の時には1人でできなかったことが、
できるようになります。
(親権者の同意が不要になるという意味合いです)


携帯電話の契約をすること、
クレジットカードを作ること、
ローンを組むこと。


などがありますが、
ここでは、「部屋を借りること」に、
スポットをあてて考えてみたいと思います。


不動産投資、大家業にも影響のある視点だと感じるからです。


私の保有している部屋が1月に空室になった後、
2月に申し込みが入りました。


入居者さんは、19歳の専門学校を卒業されて、
4月から働き始める方。


ただ、2月だったので、お父様が契約者となり、
保証会社の審査もお父様で行い、実際に住むのはお子様、
という流れになりました。


これが、もし4月以降に2ヶ月ずれていれば、
19歳のお子さまが、ご自分で契約含めてすべてできている、
というのが、今回の改正です。


さて、18歳。
多くの方が、高校に在学している確率が高い年齢で成人となることで、
卒業後の進路などに合わせて、
1人で住まいの契約をできるようにはなります。


ただ、そうは言っても、
まだ「部屋を借りる」とか「住まいの契約」という点では、
現実問題として、1人ですべて行うのは難しいのでは?
と私は感じています。


その理由としては、
「安定して継続した収入がない人が多い」からです。


18歳、19歳であれば、
専門学校や大学など、学校に通っている人が多いと思います。


在学しながらアルバイトをするとしても、
税金上、親の扶養の範囲で働くなどのケースが多く、
年収としても100万円以下という場合が多いと思います。


その場合、制度上は1人で住まいを借りられる、
となっていても、
賃料を安定して支払える資力という面で、
保証会社などの審査でNGになる可能性があります。


そうなると、ご両親などに頼らざるを得なくなります。


つまり、新成人の18歳や19歳の人は、
契約の主体となることはできるのですが、
資力の面などから、住まいの契約をする場合、
ご両親などに相談し、
ご両親などの意向や考えが反映される可能性が高いのです。


18歳や19歳の息子さんや娘さんの住まいを考えるとき、
ご両親などに相談するとなれば、
どのようなことが意識されるか?


ポイントとして考える点は、いろいろあると思いますが、


「賃料はいくらまでであれば、住まいにあてられるのか?」
「安全、安心面など、問題なく住まわせることができるのか?」


ご両親などの気持ちとしては、
上記あたりを重視して考えるのではないでしょうか?


実際に住むのは、息子さんや娘さんなので、
本人が気に入るかどうかが大切なのはもちろんなのですが、
実際に賃料などを負担することになるご両親なども、
納得、安心を感じる住まいでないと決まらない可能性が高いです。


その時に、1番決定権があるのは、誰でしょうか?


私の感覚としては、
母親である女性ではないか、と思います。


特に、娘さんの1人暮らしの場合、
同性目線で、特に防犯面などの安心感、
部屋の間取りや作りなどが、生活しやすそうかどうか、
という点を、住まいの視点から見て、
良いかどうかを考える決定権は、女性の方が強いと私は考えています。


18歳や19歳くらいの、
息子さんや娘さんがいらっしゃる方のご両親などは、
40代や50代であるケースが多いと思います。


だからこそ、
40代や50代の女性に安心した住まいと感じて頂ける部屋こそ、
不動産投資、大家業の部屋として選ぶのであれば、
大切な視点の1つになるのではないか、と私は考えています。


息子さんや娘さんのために選ぶということでないにしても、
その年代や他の年代も含めて、
女性の方がご自分で住まわれる場合、同じような目線で、
住まい選びはされるのではないか、と思います。


そして、 女性の住まいとして選んで頂ける部屋であれば、
男性にも選んで頂きやすい部屋 にもつながる。


これが、
40代・50代の女性をターゲットにするのが、
不動産投資、大家業では良いと私が考えている理由になります。


あなたは、どのように感じますか?


ご自分が部屋を借りるとき、
あるいは、不動産投資、大家としての部屋を購入するとき、
どんな点を意識されていますか?


39 「公平に反する」「軽減の意図」


第37回のコラムで書いた裁判の判決が、
4月19日に出ました。


私が気にしていることとして触れた、
相続不動産の評価をめぐる争い
に関してです。


結果から言うと、
納税者の敗訴が確定し、追徴課税が適法と認められました。


新聞などでも取り上げられたので、
目にされた方もいらっしゃるとは思いますが、
この争いの経緯をかいつまんでお伝えします。


存命中に、不動産2物件・合計約13億円を、
銀行の融資を利用して購入。


その後、お亡くなりになり、
相続人が相続税の申告をする。


路線価などを使い、
2物件の相続税評価額を計算すると、約4分の1くらいになった。


評価額<残債、となり、他の財産とも合計した所、
相続税の基礎控除額内となったため、
相続税は0円と申告。


税務署側は、その評価額が低すぎる、ということで、
財産評価基本通達6項に基づいて、
不動産鑑定評価を行った所、
2物件の評価額は約12億円となる。


それを踏まえて再計算すると、
納税額が発生し、追徴税額の支払いを求めた。


この納税者が計算した評価額と、
後出しじゃんけん的に税務署が出した鑑定評価。


どちらを、この申告で採用するか?


というのが、
今回の裁判のおおまかな経緯・争点です。


私たち納税者側からすると、
路線価」や「固定資産税評価額」のような、
公然のルールを用いて申告をしているのだから、
後出しじゃんけんはないだろう…と、感じてしまします。


税理士先生の立場を考えた場合、
ルールに則って申告をした内容が、
税務署側の後出しじゃんけんで変わってしまう可能性がある場合、
どうやって今後申告をすれば良いのか?という、
先生泣かせの判決でもあったように感じました。


ただ、今回の判決理由を読むと、
決してルールが否定された訳ではありません。


良く出てきたキーワード的な言葉だな、
と私が感じたのは、

租税負担の公平に反する
租税負担の軽減を意図

という言葉です。


今回のケースの場合、


・金融機関への反面調査で、
 物件を購入するときの融資目的に、
 「賃貸不動産への投資が、相続税の節税目的」という内容が、
 稟議書に記載されていたことが判明してしまった。

・誰もが、同じようなやり方で、
 賃貸不動産を購入できるわけではない。

・近い将来に相続が発生することが予想され、
 相続税の負担を減じることを知り、
 期待して物件の購入を行った。


これらの事情や状況を鑑みて、今回の2物件購入したことで、
相続税が発生しない申告となった結果は、
公平に反し、
節税の意図があったことが客観的に明らかだから、
納税者敗訴になったのだと、私は感じました。


つまり、
ルール通りに申告したことがダメだったと言われている訳ではない、
ということです。


節税に関しては、
今回の相続税に限らず、所得税や法人税など含めて、

やりすぎ注意」ということ、

そして、やりすぎと見受けられる場合、
調査対象に抽出される可能性が高い。


とは言え、
東京など都市部の不動産投資、大家物件の場合、
相続税評価額を考えると、
路線価や固定資産税評価額をベースにした場合、
評価額が2分の1とか3分の1になるケースは、
往々にしてあります。


どのような場合に、
財産評価基本通達6項が適用される可能性があるのか
という基準が何も示されないままだった、
というのは、腑に落ちないな、とも感じました。


今回の約4分の1に評価額が下がったのが、
もし租税負担の公平に反するのであれば、
いくらまでなら良いのか?


この結果を踏まえて考えるなら、
そもそも、路線価や固定資産税評価額というものは、
なんのために存在するのか?


そんな、あれこれと、いろいろな想いを抱きながら、
今回の判決を私は読みました。


皆さんは、今回の件を見聞きして、
何か感じたこと、思ったことはありますか?


38 不動産投資、個人と法人どっちが良い?


これは、ご相談をお受けする中で、
聞かれることの多い質問の1つです。


この質問、意図を考えると、
私は3つに分けられると考えています。


1つめは、所得税や住民税という「今払う税金」という視点。
この点を意識している方が、一番多いです。


2つめは、「相続」という視点。
不動産などの財産を、いかにうまく次世代へ引き継ぐか。


相続税との兼ね合いなども勘案して、という視点です。


法人で不動産を保有しておくと、
法人そのものは、相続と関係なく生きながらえます。


うまく活用すれば、相続で頭を悩ませる必要もなくなります。


1つめと2つめに関しては、
共通するポイントとしては「税金」が絡んでくる、という点です。


無理ない範囲で節税の対策を行い、
税金として出ていくお金を減らす、というのも大切な視点ではあります。


ただ、税金面とは異なる、
3つめの視点から、今日はお伝えします。


それは、「融資」という視点。


融資を受けるという視点から見た時に、
不動産投資、大家業においては、
個人と法人、どっちが有利になると思いますか?


個人としての収入や、法人の決算内容などによって、
変わる部分もありますが、
長期的な視点でみた場合、
法人の方が、有利になると私は考えています。


理由としては、

(1)法人であると、
    最初から事業として判断される。
(2)法人は後継者がいる限り、継続する。

という2点です。


1点目の「事業として判断される」に関してですが、
個人で事業とみなされる要件、皆さんは把握していますか?


税金上の話にはなりますが、
5棟10室」という基準があります。

私のような、区分マンションの賃貸業を行っている場合、
10室保有して初めて、事業とみなされます。


・青色申告を選択している時、
 55万円や65万円の控除の対象になる。
・5棟10室以上保有していると、個人事業税もかかってくる。


という点からも、イメージして頂きやすいかと思います。


その点、法人であれば、
たとえ最初の1部屋だけ保有している状態だとしても、
賃貸事業になります。


決算申告をする際、
法人税、県民税、事業税、市民税の対象になることからも、
分かって頂けるかと思います。


もし追加で物件を購入したいという場合、
最初の頃の部屋数が少ない時は、法人の決算内容と合わせて、
個人としての収入や資産背景なども加味されることが多いです。


ただ、徐々に規模(部屋数)を拡大し、
事業年数も経過してくると、
法人の資産と負債のバランスや決算内容という、
いわゆる法人の財務内容で、
融資の可否が判断されてくるようになります。


つまり、個人の状況や資産背景が、
融資判断の優先順位からは下がる傾向になる、
ということです。


(法人が融資を受ける時、
 代表者が連帯保証人になる場合が多いので、
 まだ法人と個人が切り離されているとは
 言えないのが現状ではありますが・・・)


個人の場合は、
本業の年収などを踏まえての判断になることが多いので、
ある程度の所で、頭打ちになるケースが多いです。


年収5千万などの方であれば別ですが、
いわゆる会社勤めの方であれば、
年収が高いと言われる方でも、10部屋前後で、
融資は打ち止めになるケースが多いと私は感じています。


一方の法人であれば、
売上にあたる年商だけで判断はされず、個別判断になってくるので、
金融機関が貸しても大丈夫と判断してくれれば、
個人よりは、 規模の拡大ができる余地がある ということです。


2点目の、
「後継者がいる限り、継続する」に関しては、
主に、融資を借りることができる年数、という点で、
法人が有利だと私は考えています。


個人の場合、
融資に関して、年齢の制限があります。
例えば、貸せるのは65歳まで、完済年齢は84歳までのように。


一方の法人の場合、解散などをしない限り、
個人のように亡くなって終わる、ということがありません。


そのため、物件の築年数の制約を受けることはありますが、
たとえ法人の一線から離れたとしても、
引き継いでくれる、後継者のような存在がいることを示せれば、
年齢による制約が外れる、というイメージです。


例えば、65歳の人が、個人で借りようとしても、
20年くらいが上限になることが多いですが、
(制約のない金融機関もあります)
法人であれば、物件などの条件も加味した上で、
35年などの借入ができる可能性がある、ということです。


このように、融資を活用しながら、
不動産投資、というよりは、賃貸業、大家業という、
1つの事業として「規模の拡大」を目指したいのであれば、
最初から「法人」という選択をするのも良いのではないか、
と私は考えています。


税金的な面での、法人化の検討の目安としては、
7~8部屋くらいなどと言われますが、
これも、本業の年収や所得次第で変わってきます。


だからこそ、個人で行うのか法人で行うのかは、
皆さんが不動産投資を通してどうなりたいか?
という目標、目的ありきで、考えて下さい。


目標や目的が途中で変わり、
「法人成り」という方法もありますから、
個人か法人か、迷って動けなくなるくらいなら、
まずは個人からはじめることが良いのではないでしょうか。


37 不動産投資は節税になる?(相続編)


私は、「日本経済新聞(日刊)」と「納税通信(週刊)」を
定期購読しています。


もともと、経理や税務関連の仕事に携わっていたこともあり、
「税」関連の話題には、目をひかれることが多いです。


そんな私が、今、気になっている争いがあります。


それは、「相続不動産の評価をめぐる争い」です。


納税通信では、何度かテーマに取り上げられていたのですが、
先日、日経新聞でも初めて取り上げられていたので、
注目度があがっているのかな、と感じています。


3月15日に弁論が開かれ、その後、
どんな判決、判断が下されるかの動向が気になっている、
ということです。


どんな内容かを、かいつまんでお伝えすると、


・銀行から融資を受けて、
 神奈川と東京のマンション2棟を購入。
  ↓

・購入された方がお亡くなりになる。
  ↓

・相続税の申告をするときに、 路線価 をもとに2棟の評価額を計算する。
 その結果、購入金額のおよそ4分の1くらいが評価額と算出される。
 銀行から受けた融資の残債が、その評価額以上あり、
 「資産<負債」という状態のため、相続税額を0円として申告。
  ↓

・国税当局が、そこまで評価額が低いのは適当ではない、と判断し、
  不動産鑑定 の評価を時価と考える。
 その時価をもとに、相続税を計算し、約3億円を追徴課税した。


という、いきさつです。


路線価をもとに計算した評価額と不動産鑑定の評価額には、
およそ4倍の差が生じており、
今回のケースでは、
どちらの評価額で相続税の申告を行うのが妥当なのか、が争点です。


私たちが不動産の相続の評価額を考えるベースにあるのは、
この2つ。


土地は路線価
建物は固定資産税評価額


そして、それが、貸家、貸地であれば、
そこからさらに評価額の減額があります。


今回の相続人(納税者)の方の背景などは存じ上げないですが、
路線価をもとに計算したと報じられていることを加味すれば、
上記の原則をもとに、
評価額の計算を行ったと思われます。


なのに、公表されているルールに基づいて計算して申告をしたら、
評価額が低すぎる、というのは、
後出しじゃんけんというか、
いちゃもんのような印象が個人的にはぬぐえません。


不動産投資、大家業のサポートをさせて頂いている立場の私としては、
相続や相続税対策を見据えて、
購入を検討される方もいらっしゃいます。


そのため、どんな判決、判断に至るのか、
気になっているのです。


今日は、不動産投資・大家業とは違う、
資産運用・資産形成という視点でのテーマになりましたが、
「不動産投資は、相続税対策にもなる」
と耳にしたことがある方も多いかと思います。


相続だけは、いつ起こるか、時期を選ぶことができません。


相続で資産を受け取る側、
反対に、ご家族などに資産を遺す側、
どちらの立場にもなりえます。


今回のテーマとなっている相続不動産は、
金額的に高額ということもあるので、インパクトがありますが、
どんな判決、判断が下されることになるのか、
不動産と少なからず、関りがあるのであれば、
知っておいて損はないのではないか、と私は考えています。


今回出た判決、判断を元に、金額の多寡に関係なく、
相続不動産の評価の面で影響を及ぼしかねない、と思うからです。


今回のようなケースに限りませんが、
税制や法律などの改正、注目が集まりやすい判決など、
新聞やニュースなどで見聞きして、気になることがあれば、
皆さんも、動向などを気にして追ってみること、
気になるを気になるで終わらせないことが、
大切ではないか?と思います。


36 貸借対照表は、作ったほうが良いの?


確定申告が話題になるシーズンに入りました。


私は、税理士ではないのですが、
会社勤め時代の職種としては、
経理や財務に携わる時期が1番長かったです。


2006年に税理士事務所に勤めたのをきっかけに、
10年以上携わっていました。


なので、周りからは、
「憂鬱な時期だよ・・・」という声を聞くことが多いのですが、
「今年は、どんな形で仕上げようか?」
と、自分の申告書作成と向き合う時間が好きだという、
変わり者な私です(笑)


そんな私が、不動産所得のある方へ、
もしくは、これから不動産所得が発生してくる方へ、
伝えようと思います。


聞かれることの多い質問の1つに、
青色申告と白色申告、どっちが良いですか?」
という内容があります。


そう聞かれた時には、

「帳簿の要件などは、
 今は青色も白色も同じなので、青色が良いのでは?」

と伝えるようにしています。


・ 10万円・55万円・65万円と、要件に応じた控除を使える。
・ 10万円~30万円未満の減価償却資産を、一括で経費計上できる。


あたりが、青色の税金上の特典として、
主に言われることかな、と思います。


区分マンション大家をしていると、
会社からの給与と不動産だけの場合、
10室以上にならないと、事業的規模とみなされず、
9室までの場合、青色の控除は10万円だけです。


この10万円控除を利用する場合、
青色決算書を作るときに「貸借対照表は不要」で、
損益計算書や減価償却だけを作成すれば、
申告としては支障がありません。


ただ、私は、青色を選んだのであれば、
申告上は必要なくても、
貸借対照表」も作成するのが良いのではないか、と考えています。


私自身、2007年に区分大家をスタートしてから、
少ない部屋数の時でも、
あえて、貸借対照表を作成していました。


理由はいくつかありますが、私が特に意識していた点。
それは、

「金融機関で融資を受けようとする時に、見せることができる。」

ということです。


不動産会社さんが紹介してくれる、提携ローンを利用できる方は、
貸借対照表はなくても大丈夫です。


年収や勤務先などの現状を踏まえて、
融資をしてもらえるかどうかの判断がされるからです。


ただ、私のような個人事業主など、
提携ローンが利用しにくい立場の人間にとっては、
現状の「資産」と「負債」の状況を、包み隠すことなく伝えることが、
融資獲得にとって、必要になってきます。


不動産所得の申告時に作成する貸借対照表は、
不動産に限った、資産と負債のバランスが示されるイメージです。


イメージを分かりやすく伝えるために、単純化して伝えますが、
例えば、2,000万円の区分マンションを3部屋所有していると、
資産は6,000万円と表示されます。


それに対して、融資の残高が4,000万円だとすると、
負債が4,000万円。


差額の2,000万円が、純粋な資産とみなされます。


つまり、2,000万円までは、融資の可能性あり、とみてくれる、
そんなイメージを目で見て伝えるのに役立つのが、
貸借対照表だと、私は考えています。


そして、貸借対照表には現れていない、
株式や投資信託、イデコなどの金融資産も加味しながら、

「いくらまでなら貸しても良いだろうか?」

ということを、購入予定の物件の担保評価と合わせて、
金融機関は考えてくれるイメージではないか、と私は考えています。


貸借対照表に記載される不動産の金額(帳簿上の価格)と、
金融機関の担保評価の金額には、差が出ることはもちろんあるので、
貸借対照表で見える、純粋な資産が2,000万円あるからと言っても、
その金額まで貸して頂けるかは分かりません。


ただ、金融機関の関心事として、
一番気に掛けることは何でしょうか?


それは、
「ちゃんと返してもらえるのかどうか?」です。


その時に最初に見るのが、
年収や所得などの収入ではあります。


ただ、それと合わせて、
万が一の時、持っている物件を金融機関が売却して、
融資を回収できるのか、という点も気にしています。


そのために、抵当権を設定されています。


なので、その万が一の時の回収可能性を、
客観的な数字として示すことができれば、
融資してもらえる可能性も高くなると私は考えており、
それを示す書類のひとつとして、
青色決算書の貸借対照表を大切に考えています。


貸借対照表を通じて、
所有物件という資産と融資残高という負債のバランスを見せる。


さらには、万が一の時に、
換金して返済にあてられる可能性のある金融資産を、示すことができれば、
貸したお金を返してもらえなくなる可能性は低い人、
つまり、貸しても安心な人、
とみなしてくれる確率があがると思いませんか?


そんな、自分が貸しても安全な人ですよ、
ということを示す意味でも、
貸借対照表は、税務的に不要だから作らない、というのは、
もったいないのではないか、と私は考えています。


これから、不動産所得のある確定申告をされる際、
貸借対照表も作成してみることで、
今後の融資の選択肢などが広がる可能性がある。


そんな視点で考えてみるのは、いかがでしょうか?


税理士先生に任せているという場合でも、任せっきりにはせず、
貸借対照表のことまで説明してもらうというスタンスでいると、
今後に向けて、より良い申告ができるのではないか、と私は思います。


35 資産運用に必要な戦略


北京オリンピック、開催中ですね。


興味のある競技はありますか?


私は、冬季オリンピックが開催されると、
いつも、ワクワクして見る競技があります。


それは、カーリングです。


氷上のチェスという別名があるように、
先を読みながら、状況に応じて戦略を変えていく


そして、戦略を実行する、技術も求められる。


こころと技とコミュニケーション。


そんなカーリングという競技に魅了されています。


自分では、実際にカーリングをしたことはありませんが、
テレビの前で、
「自分ならストーンをあそこに投げて、そうすると、こうなるかな…」
などと、ぶつぶつ呟きながら楽しんでいます。


日本、特に、女子代表の、ロコ・ソラーレは、
見ていて、素敵なチームだなと感じています。


先日の、デンマーク戦の最終ショット。


大逆転の3点を生み出したのは、圧巻でした!


応援しながら、
自分でも考える楽しみがあるカーリング。


資産運用や資産形成という点でも、通ずるものがあるな、
と私は感じています。


現在地の確認
  ↓
目標の設定
  ↓
現在地から目標に向けて、どんなプロセスで目指すかを考える


この3ステップを考えることが、出発点です。


そして、そのプロセスとして、金融庁などが推奨しているのが、
長期・分散・積立」というスタンスです。


このスタンスに向いている制度としては、
イデコ」や「つみたてNISA」などがあります。


私の個人的な意見としては、
これに「不動産」を組み入れるのが、良いバランスではないか、
と考えています。


どんなプロセスで目標を目指すかは、
あなたの気持ちや考え方次第で変わりますので、
正解はありません。


一番お伝えしたいのは、
どんなプロセスを選ぶかがある程度決まったら、
そのプロセスから外れるような選択をせず、継続することこそ、
資産運用においては、大切な戦略ではないか、ということです。


状況に応じて変える、
という柔軟性が必要なこともあるとは思いますが、
ベースになるプロセスは、目先のことに一喜一憂せずに、
淡々と継続することが大切だ、というイメージです。


例えば、金融商品の場合、テーマ型投信、があります。


最近で言えば、
ESGに積極的な企業を組み入れた、投資信託のような商品です。


世の中、世界の流れ的に、
その時々で注目されるテーマがあり、
それは、時々刻々と変わっていきます。


その時々で、テーマに沿った商品が出てくることがあるのですが、
皆さんの資産を、
そのテーマに合わせた商品に入れ替える、
みたいなことはしない方が良いのではないか、というのが私の考えです。


イメージで言えば、
その時の流行に合わせて、トレンドの洋服を選び、
流行遅れになったものは、捨てていくことをせず、流行に左右されず、
長く着られる自分らしさを感じられる服を大切にする、
という感じでしょうか。


もし入れ替える、流行遅れは捨てていくようなプロセスを、
資産形成で選んでしまうと、
積み上げてきた資産が、その都度リセットをされてしまい、
殖えていくという実感を抱きにくくなってしまう、と私は考えています。


これは、例えば、投資対象として、
色々な選択肢が、目新しさと合わせて出てきますが、
「あれもよさそう」
「今度はこれをやってみよう」
と目移りしてしまうようなイメージです。


新しく出てきた商品などを選んで、
資産運用のプロセスに組み入れることが悪いとは言いません。


ただ、それまで継続してきたプロセスを、
リセットしてしまうことはせず、
最初に選んだプロセスは、いい意味で、
「 ブレずに続ける 」
ことこそ、資産運用で一番大切な戦略ではないか、
と私は考えています。


私の例をひとつ、お伝えします。


今でこそ、
「イデコ」という名称で認知度も高まった確定拠出年金


2001年に日本には導入され、
まだ加入者が10万人にも満たなかった2004年に、
私は加入しました。


それから、もう少しで20年になります。


途中でリーマンショックやアベノミクスなど、
上がり下がりの経験はありましたが、
毎月お金を継続して投じ続けたおかげで、含み利益を得つつ、
今も淡々と継続をしています。


惜しむこととしては、
最初の頃から掛金をもっと出していれば…
ということでしょうか。


そんな私の資産運用の戦略としては、
「長期・分散・積立」にプラスして、
ほったらかし」ということも付け加えて考えています。


資産の状況を見たり、バランスを見たりするのは、
四半期や半年、年に一度で良いのではないでしょうか?


不動産の場合は、
基本、売却するスタンスではないケースが多いので、
年に一度くらい、もし今売ったとしたらいくらになるか?
を考えるくらいのスタンスが良いのではないでしょうか?


目先の上がり下がりに一喜一憂せず、
5年、10年、20年、という心持でいられる戦略を選ぶことこそ、
本業にも打ち込みつつ、
安心した気持ちで取り組める資産運用、
資産形成になると私は考えています。


皆さんは、どんなスタンス、戦略が、
自分には合っていると思いますか?


一度、胸に手を当てて、考えてみることをおススメしたいです!

34 あなたの部屋、どう見られていますか?


「保有効果」という言葉があります。
人間は、自分が持っているモノの価値を高く感じるという心理効果のことです。


ここでは、「賃貸物件」をテーマに考えてみます。


物件を購入してスタートし、あなたの物件になった後、

「もし今売ったら、●●円で購入希望者が現れるはず!」
「空室になって貸したら、●●円の賃料で貸せるはず!」

こんな気持ちになるのではないか、と思います。
私自身も同じです。


ただ、その気持ちが、
周りの評価と一致していないこともあります。


昨年、私はテスト的に、
3週間だけ1部屋を売りに出してみました。


投資物件なので「利回り」や「賃料」などを踏まえて、
「少し強気に価格の設定」をしました。


積極的に売ろう、という気持ちはなかったので、
「今の自分が出した強気の評価で、どのくらい周りの反響があるのか?」
を見てみたかった、というテストです。


結果は、反響「ゼロ」でした。


売りたい気持ちはほぼなかったので、結果的には良かったのですが、
私がつけた強気値段の「自己評価」は、
周りからは、誰も受け入れて頂けない、


つまり、「保有効果」で高く評価をしてしまっていた、
ひとつの例です。


主観を大切にすることは必要ですが、
自分の想いと周りの想いの間にへだたりがあっては、
不動産投資、大家業も、順調な運営をすることができません。


だからこそ、
私は「セカンドオピニオン」的な視点が大切だと考えています。


自分の想いや考えが、周りから大きくずれていないか、
自分で気づいていない視点があるのではないか、
ということに、気が付く機会を作る、というイメージです。


私の所へ、相談に来て頂く方が、物件の情報をお持ちになられた時は、
私という周りの視点から、
どう感じるかを率直にお伝えさせて頂いています。


私自身の保有物件に関しては、不定期ではありますが、
不動産会社さんに、査定などをしてもらうなどで、
自分の中での物件評価との乖離がないかなどの
目安を把握するようにしています。


近日、私が保有している物件が空室になります。


退去後、部屋の中をどうするかなど、
賃貸管理会社さんと打ち合わせを行って、
空室を少しでも早く埋められる方法を考えていきます。


リノベをするのか?
ホームステージングをするのか?

詳細は、これから考えていきます。


33 不動産投資においての「1月1日」


資産運用、不動産投資において、
「1月1日」という日が、どんな影響を与えるのかを、
再確認できればと思い、まとめてみました。
(個人で行っている方を、念頭においています)


1番影響が大きいのは、
物件を売却する時」です。


税金面にスポットをあてた時の話にはなりますが、
売却価格が、その時点での帳簿上の価格を上回っていたら、
その利益に対しての譲渡税を払うことになります。
(購入価格との比較ではない点、ご注意ください!)


例をあげて、お伝えします。


2,000万円の物件を購入して、
土地の価格が800万円、建物の価格が1,200万円とします。
建物は、20年で減価償却するとします。
(毎年60万円ずつ)


この物件の5年後(60ヶ月後)の帳簿価格は、
いくらになりますか?


土地は減価償却しないので、
変わらず800万円。


建物は、毎年60万円減価償却していくので、
60万円×5年=▲300万円。
1,200万円-300万円=900万円


土地800万円+建物900万円=1,700万円
これが、5年後の帳簿価格になります。


もしこの時に、
当初購入した2,000万円と同額で売却できたとしたら、
売却利益として300万円が発生します。


2,000万円で購入した物件が、2,000万円で売れたのだから、
利益は0円と勘違いされる方も見受けられるのですが、
大きな間違いですので、気を付けて下さい。


さて、この300万円の売却益に対してかかってくる税率は、
● 短期譲渡(5年以下)は約40%
● 長期譲渡(5年超え)は約20%です。
 (所得税・住民税の合計)


つまり、この例のケースの場合、
売却時に
5年以下だと 300万円×約40%=約120万円
5年超えだと 300万円×約20%=約60万円


売却するタイミングで、
払う税額に大きな差がついてきます。


さらに、質問です。


もし物件購入が2017年2月、売却が2022年3月の場合、
短期譲渡でしょうか?
長期譲渡でしょうか?


ここが、特に間違い、勘違いの多いポイントなのですが、
このケースは、
「短期譲渡」になります。


5年と1ヵ月経過しているのでは?
と言われそうなのですが、
短期譲渡と長期譲渡の5年の考えるポイントは「1月1日」なのです。


つまり、1月1日時点で、
5年以下なのか5年超かで判断するのです。


上記のケースの場合、
2022年1月1日時点では、4年10ヶ月なので、
短期譲渡に該当するのです。


2023年1月1日を過ぎてはじめて「5年超」と判断されるので、
もし売却するなら、それ以降が、
税金面では有利になるということです。


このイメージを分かりやすくお伝えするために、
私が聞かれた時は、
「お正月を6回過ごしたら、長期譲渡です」と話しています。


不動産投資、大家業は、
長期のスタンスで取り組む方が多いとは思いますが、
いつ、どんなタイミングで、売却を検討するかは分かりません。


そんな想定外に備える意味でも、
この「1月1日を6回過ぎたかどうか」というポイントは
忘れないで頂ければと思います。


その他、1月1日という点で言えば、
固定資産税がかかってきます。


1月1日に物件を持っていれば、
年の途中で手放しても、
その年の固定資産税を支払う義務が生じます。


この場合は、売却時に、日割で精算するなどで、
不公平感が生じないように配慮されることが多いです。


(購入時に固定資産税の日割り精算を払った方も多いと思いますが、
 それの反対と捉えて頂ければと思います)


その他、税金面で言えば、住民税も1月1日が基準日です。


例えば、3月31日に横浜から東京に引っ越したとしても、
その年の住民税は、全額横浜に払う、
というイメージです。


生活と資産運用と税金は、切っても切れない関係にあります。


たくさんあるので覚えきれなくて当然ですが、
自分自身に関わりそうなことは、
ぜひ押さえておいて下さい!


税金と言えば、2021年の確定申告の時期になりましたね。
今年はいくら払うことになるのかな・・・ 


32 資産運用に「ときめき」は必要か


年末が近づくと、
メディアなどで取り上げられることが多いテーマのひとつに
「片付け」があります。


部屋を整理整頓して、
年始をすっきりした気持ちで迎えましょう、
という内容です。


実際に著書を読んだことがないので、内容に関しては触れませんが、
片付け、と聞くと、思いつくのが「こんまり」さん。


「ときめく」「ときめかない」という視点で、
片付けのことを話されている方、という印象を私は持っています。
(ご存じの方で、もし違っていたら、ご指摘下さい。)


この、「ときめく」という視点と資産運用に、資産の棚卸に、
共通する点があるのではないか、と私は感じています。


今日の内容は、少し金融資産寄りのお話になりますが、
私が先日実際に行ったことをお伝えします。


私は、資産運用、資産形成を継続するコツとして、
お金を投じていることを忘れてしまうことが大切だと考えています。


なので、不動産に関しては、日常で意識することはほぼなく、
保有している株式や投資信託などに関しても、
日々相場を見ることもないので、
基本ほったらかし状態です。


そんな私が、久々に保有銘柄を見た時のこと。


「あれ?なんでこの銘柄買って、保有していたんだっけ?」
「なんとなく、この銘柄持っていたい気持ちになれないな・・・」


株式の場合、半年に一度、
配当金や事業報告書が送られてくることが多いですが、
それも見返しながら、利益が出ている銘柄、
含み損を抱えている銘柄関係なく、


保有していることにときめきを感じない銘柄


に関して、売却して手放しました。


売り注文を出して、
約定した後の気持ちは「スッキリした」というのが、
私の感想でした。


行動経済学において、
自分が保有している銘柄や不動産に対して、
高い価値があると考える「保有効果」「授かり効果」
という現象が生じると言われています。


損切りができずに資産を大きく減らしてしまう、
という点から考えた場合、
この保有効果に捉われてしまうことは、マイナス要因です。


ただ、定期収入を目指す不動産や、
つみたてNISAなど、長期投資においては、
継続することが何よりも大切です。


目先のプラスマイナスに一喜一憂せず、
保有していることにプラスの価値を感じることが大切、
というイメージになりますでしょうか。


そして、自分が好きだ、と感じられる対象でないと、
長期投資として継続することは難しいのではないか、
と私は考えています。


これは、個別の銘柄でもそうですし、
投資をしようとする対象そのもの(株式、投資信託、不動産など)
に対しても言えることだと思います。


この年末の振り返りの時期、資産の棚卸もしながら、
皆さんがこの先長く続けていけると感じること、好きなことはなにか?
所有することに、ときめきを感じられるものはなにか?


投資でも仕事でも、
一度、ゆっくりと考えてみるのはいかがでしょうか?


31 入居の申込、断わることはある?


「物件購入後、初めて退去があり、
 現在募集中ですが、
 申込があった時に、断ることはありますか?」


先日、そんな相談を受けました。


私の結論を最初に伝えると、
申込みの連絡を受けてから、入居をお断りしたことは、
今までにありません。


その理由としては、
賃貸管理会社への信頼」と「保証会社の存在
があるからです。


私の場合、
入居者さんとのやり取りを自分でする自主管理は選ばず、
賃貸管理会社さんに委託料をお支払いしてお願いしています。


賃貸管理会社さんへお願いしている場合、
不動産投資、大家業で生命線になる
「入居者さんからの賃料の受け取り」は、
賃貸管理会社さんにやって頂くことになります。


その場合、支払いが滞るかもしれない方を住まわせてしまうと、
のちのちトラブルの元となり、
対応に時間を割くことになるなど、
矢面として大変な立ち位置になるのが、賃貸管理会社さんです。


なので、オーナーである私たちに、
「入居申し込みがありました」と連絡を頂く時は、
入居希望者のお仕事状況やご収入の確認などを済ませ、
「あとは、保証会社の審査結果待ち」
という段階になっていることが多いです。


連絡を頂いた時には、
性別や年代、お仕事状況などは伺いますが、
「この方なら大丈夫そう」と判断した上で連絡をくれている、
と信頼をしているので、
今までお断りしたことはないのが実情です。


ただ、入居時点とその後のご状況に変化が生じる可能性への
リスクヘッジ的な意味合いも兼ねて、
「保証会社さんの審査通過、加入」
という点もお願いしています。


これはオーナーである私たちにも、賃貸管理会社さんにも、
安心感をもたらしてくれるからです。


私のセミナーなどを聞いたことのある方には
お話したことがありますが、
夜逃げをされた時に、保証会社さんという存在があったことで、
オーナーである私が、
金銭的な負担を強いられることはありませんでした。


つまり、夜逃げが確定して、
退去したとみなすその日までの滞納賃料分に関しては、
保証会社さんが夜逃げした入居者さんに代わって払ってくれたことにより、
最終的に全額入金になり、未回収になることはなかったということです。


賃料を受け取れないケースとしては
「空室」と「滞納」がありますが、
空室よりも滞納の方がやっかいだと私は感じています。


空室であれば、賃貸管理会社さんにお願いはしつつも、
自分でも想いなどを伝えて、
賃料を受け取れるようにする方法(空室をどうやって埋めるか)
を相談しながら考えることができます。


一方の滞納の場合は、

「どのように賃料を払って頂くか」
「どのように退去して頂くか」

という部分に力を注ぐことになり、時間も労力もかかってしまいます。


だからこそ、
入口の「誰に借りて住んで頂くか」が大切なのです。


その点に関しては、賃貸管理をしている管理会社さんの方が、
いろいろなケースを見ており、万が一の対応に関しても精通されている。


そんな信頼感から、そして最悪の場合でも保証会社さんが、
滞納賃料分を補填してくれる。


この流れ、仕組みがあるからこそ、私は、管理を委託しており、
申込の連絡があった時は、基本的に断らずに受け入れる。
そんなスタンスでいます。


皆さんは、ご自分が所有されている部屋で、
賃借人さんとの間でなにかトラブルなどを経験されたことはありますか?


もし何か経験されたことがありましたら、
ぜひお話聞かせて下さい。


「そういうことが起こりえるのだ・・・」みたいなケースを知り、
自分の学びを深めることにもつなげたり、
一緒に考えたりしたいと考えています。


30 住んでる街に住み続けたいか


先日、リクルートのSUUMOが
住んでいる街に住み続けたいか」という調査の結果を公表しました。


住みたい街ランキング、ではなく、
住み続けたいかどうかです。


実際に暮らしてみて、どう感じているかという調査なので、
憧れではなく、実感が現れている内容だと思いながら目を通しました。


内容をいくつかお伝えします。
「今後も今住んでいる街に住み続けたい」に
「そう思う」「とてもそう思う」と答えた方の割合です。


居住形態別にみると、
賃貸は59.2%、持家は74.4%。


ライフステージ別にみると、
単身男性59.1%、単身女性60.6%、
ご夫婦のみ70%、ご夫婦+お子様72.3%。


住み続けたいと回答した人が、
その街の魅力として評価している特徴の中で
高い得点がついているものをピックアップすると


「いろいろな場所に電車・バス移動で行きやすい」
「職場など決まった場所に行くなら電車・バス移動が便利だ」
「徒歩や自転車での移動が快適だ」
「メディアによく取り上げられて有名である」


上記あたりを、単身男性・単身女性・夫婦のみのような、
不動産投資という点で
ターゲットになりやすい方は高得点であげていました。


マイホームという持家がある方の割合が
高くなるのはもっともだなと感じますが、
賃貸でも約6割の方が同じ街に住み続けたいと感じている。


引っ越しを容易にしやすいような単身者でも、
男女問わず、約6割が、
同じ街に住み続けたいと感じている。


このことを踏まえると、リモートワークなどの普及で、
場所を選ばずに働けるなど自由な環境になりつつありますが、
賃貸だとしても同じ街に住み続けたいと感じている方が、
少なくとも6割近くはいらっしゃる。


住まいを変えるという変化を嫌っているだけなのか、
一度暮らした街へは愛着がわきやすいのか。


様々な理由があるとは思いますが、
メディアに取り上げられやすい街、
通勤など移動が便利だと感じる街であれば、賃貸の需要は、
今後も継続して保たれるのではないか、
とこの調査結果を見て感じました。


不動産投資、大家業は、
借りて下さる方がいて初めて成り立ちます。


管理状態ももちろん大切ですが、
まずは借りて下さる方が多く集まるエリアに物件を保有することが、
何よりも大切です。


女性向け情報誌にテーマとして取り上げられるような街を選ぶこと、
企業や商業施設が集まるエリアまでの
移動が便利な街を選んで物件を持つこと。


不動産投資、大家業を長期にわたって継続して、
失敗しにくくする秘訣ではないか、と私は改めて感じました。


29 結局、老後資金って幾ら必要なの?


この質問をお受けすることがありますが、
その時の私の答えは、いつも同じです。


「それは、分かりません・・・」


老後2,000万円問題という言葉がピックアップされたことが、
1つの目安を示したのかもしれません。


ただ、今までも何度かお伝えしたことがありますが、
あくまでもこれは、
1つのモデル世帯をベースに考えた試算であって、
皆さんに、必ずしもあてはまる訳ではありません。


ただ、「分かりません」では元も子もないので、
年金定期便やねんきんネットを利用して、
受け取れる目安年金額を一緒に考えることもあります。


そして、その際は、現時点での将来の備えに向けた、
目標金額をお伝えすることはあります。


目標と現状の差を埋めるために、
今から何をしないといけないか?


収入を増やすのか?
支出を減らすのか?
資産運用など、手元にあるお金に働いてもらうのか?


これを一緒に考えるパートナーが、
ファイナンシャルプランナーだと私は考えています。


老後に限りませんが、
これからの将来の目標に向けての道筋を描く
ヒントや気づきを得て頂く。


そして、お金に対する不安を和らげること。
これがFPの役割であり、使命でもあると考えています。


ただ、人生は、お金があるだけでは、
充足感を抱きにくいと思います。


お金はあるに越したことはないし、
お金があることで人生の選択肢を増やすことはできます。


でも、お金だけでは満たせないものが、あります。


それは「心」です。


幸福感や充実感を抱いてこそ、
心の満足にもつながると私は感じます。


その心の満足は、他者とのかかわりや社会との接点を、
どのように持ってどのように過ごすか、
に左右される部分が大きい、と私は感じています。


仮にお金の持ち合わせが少なくても、
周りと良好な関係を築いて、楽しさや幸福感を抱けるのであれば、
それは、人生の資産形成がうまくいっている証ではないか、と思います。


その人生の資産形成を作り上げていく上で、
選択肢を増やす手段となるのが、
お金ではないか、と私は考えています。


稼いだお金を守り育てて、
人生の資産形成をより充実したものにする。
そこを目指すところに、資産運用、お金の資産形成をする意義があると、
私は考えています。


なので、老後にいくら必要になるか、
というお金の目標よりも、
人生の資産形成をどのように作り上げていくか、を大切にして下さい。


他者や社会との接点なくして、
私たちは生きられないのですから・・・


コロナ禍もあり、
リアルな出会いやイベントが減ってしまったからこそ、
私は対面でのご相談やリアルでのセミナーを、
今まで以上に大切に思えるようになりました。


人と人との出会いをつなぐ意味合いも兼ねて、
イベントなども考えたりしていますので、
ご都合、ご興味などあれば、ぜひいらして下さい!


28 投資物件の価格は、どうやって決まる?


ニュースなどを見聞きすると、
不動産、特にマンションの価格に関しては、
値上がり傾向にあると言われています。


ニュースで取り上げられることが多いのは、
都心のマイホームとしての新築マンションではありますが、
中古もその傾向があります。


そして、不動産投資、大家として選ぶ、
賃貸用の物件に関しても、
少なからず、連動している部分があるとは感じています。


このコラムでは、不動産投資をメインテーマにしているので、
投資物件に絞って話そうと思いますが、
投資物件の価格が決まる際に、
キーになってくるのは、どんな要因があるでしょうか?


需要と供給のバランスも1つの要因です。
売主さんがどういう理由で売却したいと考えているかも1つの要因です。


考えていけば、いろいろな要因があげられると思いますが、
私が価格決定に1番影響を与えると考えているのは、
金融機関の評価」です。


手元に現金がある、
まとまった金融資産を不動産に変えたいなど、
物件を現金で購入されるケースもありますが、
多くの方は、金融機関からの融資を利用して購入しています。


不動産会社さんも、
利益も考えながら物件を販売することを考えますが、
購入希望者の手に届きにくい価格設定をしたら、
そもそも販売ができません。


だからこそ、
購入を検討する人と販売する不動産会社さんを円滑に結ぶ、
キーになってくるのが金融機関であって、
金融機関がその物件の資産価値をどのくらいと考えるか、
というのが、販売価格にも大きく関わってくるのです。


ただ、この金融機関の物件に対しての
評価の基準も一律ではありません。


例えば、同じ物件だとしても、
A銀行では2,200万円という評価が出ていても、
B銀行では2,100万円というケースがあります。


その物件が、仮に2,150万円で販売されていて、
Cさんが買いたいとなった時。


仮にCさんがローンを最大限に活用したい場合、
A銀行を利用できれば、ほぼ全額ローンを利用して購入検討できますが、
B銀行しか利用できない場合、
少なくても50万円は用意する必要があります。


また、購入検討する側としても、
金利がどれくらいで利用できるのか、
ローンを利用する場合に何年借りて組むことができるのかによって、
収支やキャッシュフローの状態も、大きく変わります。


だからこそ、物件の良し悪しは当然ですが、
それと合わせて、
金融機関の融資姿勢」もウォッチし続けることが大切です。


私も、個別の金融機関の変化に関しては、
信頼を寄せている不動産会社の担当者などから、
タイミングみて伺いながら、キャッチアップしています。


不動産投資、大家業は、
物件を保有してからがスタートです。


購入後、賃貸管理に関しては、
管理会社に委託をすることで、
オーナーとしては、基本的に日々やることはありません。


何部屋保有したいか、
毎月の賃料収入をどのくらい得たいかなどの目標は、
皆さんの気持ちや考えによって変わりますが、
今後購入を考えている場合でも、保有を継続する場合でも、
仮に売却を考える場合でも、
保有物件の資産価値を考える上では、
金融機関の姿勢を知っておくことも大切です。


購入後任せっぱなし、
営業の担当者からの連絡を待っているという受け身スタンスではなく、
今回話したような、金融機関の姿勢がどうなっているか?
などという話題をきっかけに、
継続的にコンタクトを取ってみるようなことも、
皆さんが大家を継続していく上では大切なことではないか、
と私は考えています。


担当者も、連絡をもらえるだけでも、嬉しいのではないかな、
と、個人的には思っています。


27 修繕積立金の値上げは悪いこと?


私のセミナーや個別相談にお越し頂いた方には、
国土交通省のガイドラインのお話をすることがあります。


マンションの修繕積立金の目安として示されているのは、
1平方メートルあたり、平均で218円です、
とお伝えしていました。


これは、
「15階未満、延床面積が5,000平方メートル未満」
の場合です。


規模などによる違いはありますが、
賃貸用のマンションであれば、
大部分がこの規模にあてはまっています。


このガイドラインが、先月(2021年9月)改訂されました。


そこで示されている平均値は「335円」で、
今までと比べて、
1平方メートルあたり「117円」上がりました。


例えば、20平方メートルのワンルームであれば、
今までの目安は「4,360円」でしたが、
改訂後の目安では「6,700円」というイメージです。


335円は平均値であって、幅としては、
1平方メートルあたり「235円~430円」と示されています。


この目安は、「機械式駐車場がない」場合なので、
あるマンションの場合は、もう少し加算額があります。


この値上がりの背景には、

築年数が経過したマンションの増加
工事に関わる職人さんや資材の価格の上昇

などの様々な要因があります。


マンション大家をしている立場からすれば、
毎月の支出が増えることは、収支の悪化につながり、
数字面だけ捉えれば、マイナス要因とも感じます。


ただ、長期的な資産運用の対象として、
マンションを保有しているのであれば、
この平均値の改訂は、喜んで受け入れることではないか、
と私は捉えています。


様々なマンションがありますが、
老朽化してしまう要因の1つとして、
資金不足で適時適切なメンテナンスができない
ことがあげられています。


マンションの場合、一棟物件との違いとして、
全体の維持管理を自分の意思だけではできない、
ということがあります。


だからこそ、運命共同体でもある、他の区分所有者さんと、
毎月少しずつ管理費・修繕積立金を出し合って、
共用部分の維持メンテナンスをしていく必要があります。


ただ、先立つものは、「お金」です。


修繕をしたいとなっても、
マンション全体としてお金が不足していた場合、
金融機関からお金を借りる、
所有者から一時金として徴収するなどの方法を取らなければ、
メンテナンスができず、住み心地や資産価値は下がってしまいます。


メンテナンスがスムーズにできないと、
借りて住みたいと感じてくれる人も減ってしまい、
賃貸経営が成り立たなく恐れにもつながりかねません。


今回のガイドラインの平均値の値上げ。


マイナスとして捉えるのではなく、
今後の資産価値を維持し、賃貸経営を安定させるためには、
むしろ必要な金額を早目に示してくれてありがとう、
みたいに捉えたいと、私は感じました。


実際に、これを機会にと思って、
自分が保有している部屋を見てみたら、
修繕積立金の平方メートル単価は、
「143円~442円」の幅がありました。


143円の部屋があったのには、正直ビックリでした。


そのマンションは全体で92部屋あることと、
管理組合がしっかり機能しているからこそ、
メンテナンスでの不具合はまだ出ていませんが、
今後の値上げも視野に入れないといけないな、と感じたりしました。


皆さんも、ご自分が保有されている部屋の修繕積立金、
ぜひ一度、確認してみて下さい。


今後、末長く不動産投資、賃貸経営を
安定して続けていくためにも!


26 リセールバリュー


先日発売された「週刊エコノミスト」を
パラパラと見ていました。


「マンション管理」がメインテーマだったこともあり、
手に取ったのですが、
その中に「リセールバリューランキング」も掲載されていました。


これは、「東京カンテイ」さんのデータが提供元のランキングで、
築10年前後の中古マンションが、新築時と比べて、
おおよそいくらくらいなのか?の目安のランキングです。


首都圏のランキングで、1
位はどこの駅だと思いますか?


2位に大差をつけて、1位は「代官山駅」、
リセールバリューは、なんと「164.3%」でした。


分かりやすくイメージで言えば、
新築時に1,000万円だったマンションを、
10年後である今売ったら1,643万円で売れる、ということです!


ちなみに2位は「溜池山王」、
3位は「桜木町」でした。


対象となる駅は412駅ありましたが、
その内リセールバリューが100%を上回った(新築時より値上がりした)のは、
なんと214駅だったとのこと。


70%未満になったのは、
412駅中10駅のみという結果が公表されています。
https://www.kantei.ne.jp/news/release/882


このデータは、
マイホームとしてのマンションを集計の対象にしているので、
不動産投資や大家業という、賃貸用マンションに、
そのまま当てはめられる訳ではありません。


また、この10年という期間を振り返ると、
いわゆるアベノミクスによる株高などを背景に、
不動産にも資産需要が広がり、
リセールバリューの上昇にもつながったのではないか、とも感じます。


とは言え、住みたい街としての魅力、需要がなければ、
どれだけ立派な物件であったとしても、
リセールバリューには、つながりません。


その意味で、住みたい人に選ばれているエリア
人の全体的な流れなどを見て把握するには、
1つの参考として分かりやすいのではないか、と私は考えています。


皆さんが住んでいる駅、住みたいと感じる駅は、
ランキングにありましたか?
持っている賃貸物件のある駅は、何色でしたか?
(https://www.kantei.ne.jp/news/release/882  の中の「首都圏RV2020」をご参照下さい)


資産運用、資産形成の1つの手段として不動産、
賃貸マンションを持つ方の多くが、
副収入を得ることを目的にされる方が多いです。


値上がり益を狙って不動産を買うという方は、
少数派だと感じます。


とは言いながらも、まさかともしも、
はいつ訪れるか分からないので、
「もし今、手放すとしたらいくらくらいで売れそうなのか?」を
おおよそでも把握しておくのは、大切なことだと私は考えています。


今回のリセールバリューのランキングは、
住みたい人に選んでもらえるエリアなのかどうかという
「森」を見るという点では、役に立つと思うので、
一度見てみることをおススメします。


物件ごとに見た「木」という視点での参考としては、
こちらのサイトが良いかもしれません。
https://www.mansion-review.jp/


ただ、このサイトも、
すべての物件情報や取引情報が掲載されている訳ではなく、
掲載されている価格や賃料で必ずしも成約した訳ではない点を差し引いて、
あくまでも「参考の1つ」として捉えて頂ければと思います。


25 マンションはいつまで働ける?


今回は、
「マンションはいつまで働けるのか」
というテーマにしました。


自分の時間と力を使って就業することは、
労働収入につながります。


一方で、不動産投資や大家業など、
自分の時間をあまり費やすことなく、収入をもたらしてくれるのは、
資産収入につながります。


最近、FIRE、という言葉を耳にすることが多くなりましたが、
資産全体から産まれる収益の4%で、生活費などをまかなうことができれば、
元本を取り崩すことなく、安定した経済基盤を築けると言われています。


私が資産形成のメインに据えているワンルームの場合、
物件による違いもありますが、
築20年以内など、比較的新しい物件であれば、
手取りのリターンは、おおよそ4%前後が多いです。


マンションを長期で保有して、
賃借人さんに選んで頂くことで得られる
賃料収入を積み重ねることが、
将来の経済的な面での安心にもつながりやすい
1つの例ではないか、とも感じています。


とは言え、マンションも築年数が経つと老朽化していきます。
そんなマンションなどの不動産は、
資産収入をもたらしてくれる存在として
いつまで、あなたのために、働いてくれるのでしょうか?


マンションを例に取り上げますが、
以前は、マンションの寿命は約60年と言われていました。
それが、建築技術などの発展に伴い伸びてきて、
最近の新築分譲マンションでは、
100年マンションなどと言われるものも増えてきています。


人生100年時代と合わせているのかもしれませんが、
自分で住むにせよ、貸し出すにせよ、
住まいとしての価値が継続することが、何よりも大切です。


そこでポイントになるのが「管理」です。
マンションは管理を買え、と言われることが多いですが、
まさに、この管理こそ、
マンションがいつまで現役でいてくれるかどうかを
左右すると言っても過言ではありません。


マンションを人間の体に例えるなら、
壁などの躯体と言われる部分は骨格や筋肉、
給水管や排水管などは血管にあたります。


どちらか一方でも、健康を損ねてしまうと、
住まいとしての魅力が薄れ、
資産価値という面でも影響を受けてしまいます。


そこで、中古マンションであれば、購入を検討する際に、
「重要事項調査報告書」や「長期修繕計画」などを見て、
過去の修繕履歴や今の積立金の残高、
これからのメンテナンス計画のたたき台を確認します。


また書類だけで分からない点に気づくためにも、
実際に物件の現地へ足を運んで、自分の目で見て、
状態や雰囲気を確認することが大切ではないかとも考えています。


2022年4月からは、
マンション管理適正評価制度」というものもスタートします。
http://www.kanrikyo.or.jp/evaluation/


今後、マイホームとしてのマンションにせよ、
あなたの代わりに働いてくれるマンションにせよ、
「管理」という面が資産価値、
ひいては売買価格に影響を及ぼす流れが強まると私は考えています。


管理状態次第で、建て替えという選択肢ではなく、
今あるマンションを70年、80年と長く継続して、
住まいとしての価値を保ち続けられることにもなるからです。


だからこそ、少しでも長く働いてくれる資産であり続けるために、
持っているマンションの管理はお任せにし過ぎず、

「議案書には必ず目を通して、委任状や議決権行使は提出する」
「予定など都合がつくときは、総会へ足を運んでみる」
「自分自身の学びのためにも、できる範囲で理事などの経験もしてみる」

そんな気構えがあるだけでも、
保有しているマンションへの想い、
不動産投資や大家業を失敗しにくくすることにつながるのではないか、
と私は考えています。


私自身も、自分への学びも兼ねて、先日参加した総会で、
気さくに声をかけて頂いたこともあり、
理事の仲間入りをさせて頂くことにしました。


どんな流れになるかは分かりませんが、
そんな理事としての実体験なども、今後共有できればとも考えています。


24 コロナ禍で住みたい街に変化は?


ふと、賃貸需要における
職住近接」について考えました。


職場まで、通勤に1時間などをかけるくらいなら、
家賃が少し高くなっても歩いて行ける所に住みたい、という考えです。
職場の近くに住む場合に、手当をつけるような会社も一定数あります。


一方、コロナ禍で、リモートワークの普及などもあり、
ニュースなどで「東京人口流出」という話題が取り上げられたり、
ライフルホームズのコロナ禍で借りて住みたい街ランキングで、
神奈川県の本厚木駅が1位になったりもしました。


では、「職住近接」のような従来の考え方と、
コロナ禍で広まった「広さを求めて郊外移住」の考え方、
どちらの方が多いと思いますか?


スーモを運営している、
リクルート住まいカンパニーさんのデータを踏まえると、
前者の従来の考え方の方が、多数派だと私は感じています。


コロナ禍で住みたい街が変わったかどうか、という調査結果があるのですが、
「大きく変わった」という人は約1割、
「やや変わった」という人は約2割、
「特に変わっていない」という人は約7割
という結果になっています。


「特に変わっていない」と回答した人中でも、
単身世帯は7割を超えており、
夫婦のみの世帯や夫婦+お子様世帯を上回って、
住みたい街に変化はないと回答しているという結果です。


総務省の発表でも、
東京の世帯人数は「1.95人」と平均で2を下回ったことも、
上記の結果とリンクしているように、私は感じました。


実際に、あなた自身は、住む場所を変えたいと思いましたか?
友人知人で、コロナ禍をきっかけに住まいを変えた方は、
どのくらいいらっしゃいますか?


リモートワークをきっかけに、
都心から郊外などへの転居を、
実際に行われた方も一定数いらっしゃるとも思いますが、
そこまで多くなかったのではないでしょうか?


上記のようなことも意識しながら、
マイホームとしての不動産選び、
不動産投資、大家としての物件選びも、
考えてみると良いかと思います。


人が集まり、人気のある街は、
不動産の資産価値も落ちづらく、
賃貸需要もある、という点こそが、
大切だと私は考えています。


23 マンションは管理を買え!


私は、区分マンションの大家業を行っています。
最初の1部屋目を購入したのが2007年なので、
スタートしてから、もう少しで15年になります。


築年数の経過とともに、マンションも設備も年をとりますが、
おかげさまで、空室になっても入居者さんに選んで頂くことができ、
設備関連にも大きな不具合なく継続できていることに、
感謝の想いを抱いています。


その一番の要因は、
管理状態の良さ」だと感じています。


物件を購入する前に、
新築物件はどんな管理状態であるかを100%知ることは難しいですが、
中古物件はある程度の目星はつけられるのではないか、
と私は感じています。


1つは、現地のチェック。
もう1つは、書面のチェック。


現地のチェックは、
エントランスで感じる雰囲気やポスト回り、ゴミ置き場などを見ることで、
住んでいる方のマナーや雰囲気を
あらかた感じたりできるというイメージです。


書面のチェックは、
重要事項調査報告書」を見て確認します。
中古物件の場合、この報告書は、
必ず事前に確認するようにしています。


「修繕積立金が、いくらくらい貯まっているのか?」
「今まで、どんな修繕が、いつ頃行われているのか?」
「修繕積立金は、年間でいくらくらい収入があるのか?」


など、目にするポイントはいろいろあるとは思いますが、
私が特に気にして見ている点があります。


それは、「管理費・修繕積立金の滞納額」です。


建物全体の部屋数やその時点での
修繕積立金の総額などによって、
滞納金額が多いと感じるか、少ないと感じるかは異なるので、
全体の内、●%以下なら安心、
などのような明確な基準までは持っていません。


ただ、滞納金額が、多めだなと感じる物件の場合、
長い目で見た場合の資産価値の下落、
物件の評価の下落につながりかねない懸念を抱いてしまうので、
そのような物件は選ばないようにしています。


判断に迷う場合は、可能であれば、
管理組合の総会の議案書も見せて頂き、
滞納されている方に、
組合として、どのように対処しようとされているのか、
などを確認するようにもしています。


そこに、組合としての姿勢や、
組合をサポートする建物管理会社の姿勢なども、
感じることができるからです。


建物全体を適切に維持管理して、
資産価値を落とさないようにしていくためには、
資金不足こそが問題になると私は考えています。


管理状態が良さそう、
と感じるマンションは、往々にして、
建物全体の滞納金額が少ない物件が多い、
と私自身感じています。


組合として使えるお金がないと、
適時適切に大規模修繕工事をはじめとした修繕工事を行いにくくなり、
建物の老朽化が早く進みかねません。


また、滞納金額が膨らんでいると、
資金が不足しているけれど、
どうしても工事を行わないといけないような場合に、
融資を受けて工事を行う選択をしたとしても、
融資を受けられない、ということにもなりかねません。


大家業のマンションにせよ、
マイホームとしてのマンションにせよ、
購入を検討する場合は、現地や書面、双方から、
管理状態を事前に確認するという視点、
大切にして頂ければと思います。


22 未知なことを経験するとき


今までに経験したことがないことに、
チャレンジしたり、取り組もうとする場合。
その時に感じる不安な気持ちを
和らげる方法として一番早いのは、

すでに経験している人の話を聞く

ことではないか、と私は考えています。


区分マンションを使った資産運用、
資産形成を私自身スタートして14年くらいになりますが、
自分がスタートした2007年当時のことを思い出しました。
その時の経験談を伝えさせて頂きます。


20代後半の頃、いわゆる投機取引に面白味を感じ、
力を注いでいた時期がありました。


私自身の勉強不足も当然ありますが、
正直な所、思ったような結果も出ず、
精神的に疲れてきていました。


「このままじゃ良くない!」と思い直し、
調べたりする中で出会ったのが、不動産投資でした。


取り組み方などを知りたいと思い、
有料無料のセミナーへ足を運んだり、書籍を手に取ったりしながら、
理解を深めていきました。


行動をし始めてから、約半年後、
その当時の私が、無理なく購入できそうな物件を紹介頂き、
一歩を踏み出そうとしていましたが、
まだどこか半信半疑な想いもあり、最後の決断をできずに、
数日過ごしていました。


そんなタイミングで、
物件視察のフィールドワーク的なセミナーがあり
参加した時のこと。


参加者は6名だったのですが、
なんと、私以外の5名は、
すでに物件を保有しているオーナーさんという状態。


私は、運の良さを感じ、
参加されていたオーナーさんに、いろいろと話を聞きました。


特に、最初の1部屋目を買うときの決め手になったのは何ですか?
という質問に対して、みなさんが答えてくれたのが、


「えいや!」という思い切り
はじめてみよう、やってみようという想いを大切にして、
飛び込んでみること。


物件の良し悪しはもちろん大切ですが、
それ以上に、自分の気持ちに素直になって、
一歩を踏み出す決断ができるかどうか。


最後は、この「気持ち」の部分が大切であることを、
気づかせてくれました。


この時の出会い、話、経験談を伺うことを通して、
私は最初の一歩を踏み出せました。


そして、それから、今に至るまで、
継続できていることを考えると、
「あの時、決断できて、本当に良かったな」と改めて感じています。


そんな私も、今は相談にお越し頂く方へ、
自分の経験談、体験談などをお伝えしたり、
サポートさせて頂けるように、なることができました。


もちろん、まだまだ至らない点はあるので、
足りないと感じる部分は、学びなどを重ねていきます。


皆さんも、自分で未経験なことには、
不安を感じられたりすると思います。


今はネットで調べると、
様々な情報が得られるようになったので便利ではありますが、
反対に、様々な情報がありすぎて、
どれを選んで良いか分からない状態に陥っている方も、
いらっしゃると感じます。


コロナ禍ではあるのですが、
どうしてよいか決断ができなかったり、
考えが整理できないような時は、


「すでにそれを経験していて、
 信頼できそうだと感じる人に直接話を聞くこと。
 コンタクトを取ってみること。」


そんな、ちょっとした一歩を踏み出すことが、
不安を和らげ、行動に移せることにつながる。
私はそう思っています。


21 後悔しないために大切にすべきことは?


最初に私なりの結論をお伝えすると、
それは、「時間と仲良くすること」だと考えています。


やろう、やりたい、と思いながらもできていないことがある。


そういう時って、無意識的に、
ずっとそのことが、頭の片隅にひっかかっていて、
ふとした瞬間に、思い浮かんでくるのではないかな、と思います。


始めてしまうとそんな想いは消え失せて、
やりながら「続けられそう」とか
「自分には合わないな」などと新たな気持ちがわいて、
次のステップの選択や決断ができるようになるのだと思います。


先日、49歳の方が、相談にお越しになられました。


資産運用や不動産投資に興味はあったけれど、
スタートできていないことへの想いなどを、
いろいろと抱えていらっしゃる方でした。


ファイナンシャルプランナー的な言葉でいうと、今は、

「実行支援(具体的な行動に移していくことを、
 伴走者的にサポートさせて頂くこと)」

の途中です。


私が一番力になりやすい、「不動産の実行支援」で、
先日不動産会社さんへ同行した時のこと。


面談で伝えた私の話と、不動産会社さんで実際の物件を見て、
未来をイメージできた時に、私へつぶやいた言葉が印象的でした。


それは、


もっと、早く始めておけば良かった・・・


お金は貯めておいて、
いつ、どのように使うかを選ぶことができます。


ただ、時間は、常に流れているので、
貯めておくことができません。


今日、3時間ゆとりができたからと言って、
明日を27時間にすることはできません。


後悔というのは、貯めておけない、流れる時間の中で、
決断や選択をできずに、
先延ばししてしまった時に起きる感情ではないかな、
と改めて私は感じました。


人間ですし、100%完璧な決断や選択を、
いつもできる訳ではありません。


私自身も、選択や決断を先延ばししたり、
間違った選択をした経験が、いろいろとあります。


ただ、やってみないと分からないこと、
選択・決断してみないと分からないことも、多々あります。


後から振り返って、
「もっと早く・・・」という想いにならないためにも、
興味があること、やってみたい気持ちがあることは、先延ばしせずに、
「今」始めることが、大切ではないか、と最近改めて感じます。


その意味で、
時間を大切にすることこそ、自分を大切にすること
にもつながると、私は考えています。


残された時間の中で、
一番長く時間が取れるのは「今」です。


後悔の想いを少しでも減らせるように、
「今」の気持ちを大切にしながら過ごしていきたい、
と私自身にも言い聞かせている今日この頃です。


皆さんも、後悔しないように、
「時間と仲良くすること」
少し意識して頂ければと思います。


20 元気なうちにやっておいた方が良こと


正月やお盆など、ご家族で顔を合わせると思われる時期になると、
雑誌で組まれやすい特集があります。
それは、「相続」関連です。


以前のコラムでも、
相続に備えてどんな準備をしておくと良いか、
というヒントを書かせて頂きましたが、
今回は、皆さんのご家族との関係いう点にスポットをあてて、
書かせて頂こうと思います。


相続が起きた時に、一番スムーズで、
ご家族、兄弟間などでもめるケースが起きないのは、
どのような状態でしょうか?


それは、相続財産が「現金のみ」の場合です。


不動産の保有もなく、預貯金が3,000万円、
というケースであれば、もし相続人が3人の場合、
例えば、1,000万円ずつ均等にわけることで、
問題が起こらず、円満に終わるのではないか、と思います。


ただ、それも、
資産が本当に預貯金の3,000万円だけだった場合、です。


もしかしたら…
生命保険の死亡保険金があるかもしれません。
相続税対策も兼ねて、賃貸用の不動産を保有しているかもしれません。
ネットの証券会社で、有価証券を保有しているかもしれません。


つまり、一見しただけでは分からない、見つけられない資産が、
どこかにあるかもしれないのです。


だからこそ、ご両親などと顔を合わせる機会があるのであれば、
金額も大切ではありますが、
どこに、どんな資産を持っているのか」を
聞いて、元気なうちに共有しておくことこそが、
大切だと私は考えています。


とは言え、いきなり、ずばりと聞くのは、
お互いに気が引けると思います。


そんな時は、友人などを引き合いに出して、
「Aさんは、お互いに困らないように、話し合ったんだよ」などと、
きっかけの糸口をつかむのも、良いかもしれません。


また、生前に困るケースとして、
最近は「認知症」が取り上げられる機会が増えました。


「そうならないとは思うけれど、
 万が一、認知症などになったら、
 どこに何があるのかわからなくなっちゃうから、
 元気なうちに色々と教えておいてよ」

みたいな感じで聞くのもありかもしれません。


私は幸いなことに、両親と話をして、
どこにどのような資産があるのかなど、把握できていて、
ネット証券などに関しては、管理も任せてもらっています。


100%とは言えませんが、
全体像をおおまかには知ることができているので、
その意味での安心感はあります。


話題として持ち出しにくいテーマだとは思いますが、
年末年始で、ご家族と顔を合わせる機会があるならば、
「知り合いのFPが、こんなこと言ってたから、少し話してみようよ」
みたいな、きっかけを作ってみるのも、良いのではないでしょうか?


19 資産形成を始めるのに大切なことは何?


資産運用、資産形成をする際に、
将来どうなりたいかを考えることが大切」とは、
良く言われる話です。


目標の設定ですね。


次に、「今の自分の資産状態を把握すること
これは、現状、出発点の確認になります。


出発点と目標が決まれば、
その間の乖離を埋めるためにどうするかを考える。


乖離を埋める手段をどうするかを、
あなたの想いや考え方をベースに決めること、
これが資産運用だと私は考えています。


目標が分からないまま、資産運用をしているのは、
目的地を決めずにドライブしている状態と同じだからです。


と、教科書的には良く言われる話です。


実際、目標を立てて、
それを達成するために努力することは大切なことです。


とは言え、
具体的な金額、数値の目標を決めきれない方もいるのではないか、
と私は考えています。
最初に目指すべき目標を描いたとしても、
数年後には心変わりしていることもあるからです。


だからこそ、資産形成をする上で大切なこと。


それは、

自分視点で考えて、
 心の平静を保てるスタイルを作ること


だと、私は考えています。


大枠の方向性や、
おおよその目標金額を決めることは必要です。


ただ、その目標や方向性に向けて努力しなければ、
ということが、反対にプレッシャーになってしまったら、
元も子もありません。


資産形成で大切なのは、他の誰でもない、
資産をどう築き上げていくか、です。


老後2,000万円問題、
などという言葉が独り歩きして、
マスコミなどを数年前にぎわせました。


ただ、その金額が、
あなたにとって必要な備えの金額なのかどうか、
目標とすべき金額なのかどうかは、まったく関係がありません。


資産運用の方法にしても、
株式投資のように値動きを意識してタイミング良く売買し、
利益を上げるというスタイルが向いている人もいれば、
毎月一定金額を積立投資していくスタイルが向いている人もいます。


値動きなどが気になると落ち着かないから、
運用商品にお金を投じるのは絶対に嫌だ、
というスタイルの人もいらっしゃいます。


資産形成に、正解のスタイルはありません
気持ちや考え方次第で、異なって当然です。


どんな形で資産形成をしていくかに関して、
気持ちが落ち着いた状態で日々を安心して過ごせる。


そんな視点で、
どのような資産運用をしていくのかを考えてみる
のも良いのではないでしょうか?


18 投資マンションの総会



先日、昨年購入した物件の総会があったので、
足を運んできました。


購入後、初めてだったこともあり、
雰囲気などを見ておきたいという想いがあったからです。


結論としては、行って良かったと感じました。


この物件であれば、長期保有しても大丈夫そうだ、
という想いを強くすることができました。


私は、予定都合など無理のない範囲で、
総会には足を運んだ方が良いと考えています。


どんな方が、
 建物全体の運営に関わっているのかを知ることができる


からです。

不動産投資、大家業を行う上で、
一棟物件と区分マンション、どちらを選ぶか、
というのは、誰もが通る道だと思います。


どのようなスタンスで
取り組みたいのかによっても変わりますが、


手間がかかりにくい
自分の時間を割かずに取り組みやすい

という点では、
区分マンションに軍配が上がる
と私は考えています。


それは、区分マンションの場合、
毎月管理費・修繕積立金を払うことで、
建物全体の維持管理、メンテナンスを、
アウトソースできる仕組みがあるからです。


とは言え、それができるのは、管理組合が機能しており、
組合運営に適切な助言をしてくれる、
建物管理会社があってこそ、です。


不動産投資は不労所得、というような表現をされることが多く、
あながち間違ってはいないとも感じます。


ただ、そう感じられる背景には、建物管理に関わってくれる人がいて、
入居者さんとのやり取りに関わってくれる、賃貸管理会社の人がいてくれる、
このことを忘れてはならないと私は考えています。


自分ではできないことを、
毎月一定金額を払ってやってもらっていることに感謝の想いは持ちつつも、
任せきりにせず定期的に確認することができる場
それこそが、総会です。


収支の状況やどんなテーマが取り上げられるのかは、
総会前に送られてくる議案書で確認ができます。


ただ、書面の議案書だけでは分からない気づき、
その場で出る意見など、
総会に参加したからこそ分かる視点というのもあると感じます。


イメージで言えば、
株式を持つと、年に一度の株主総会がありますが、
それのマンション版という感じでしょうか。


株主総会だと、
たくさんの株主の1人という位置づけになってしまうので、
意見や声が届く可能性は低くなってしまうと思います。


その点、マンションの場合、
例えば部屋数が全体で50戸であれば、1/50にはなりますが、
想いや考えを、総会で伝えて、反映できる可能性が、
株主総会よりは高いと思います。


そんないい意味でアナログ、
自分の声も届けられる可能性を持ちながら、
住まいを提供して、資産形成にもつながる、
これこそが、マンション経営の楽しみの1つでもある、
と私は考えています。


物件は買ってからがスタートです。


購入後はアウトソースができれば、自分でやることは限られます。


だからこそ、総会に参加して、
自分の資産管理がどのような感じで行われているのかにも興味を持ってみると、
また違った視点でマンション経営を楽しめるのではないか、
と私は感じています。


ぜひ、皆さんも、まだ足を運んだことがなければ、
1度は総会に参加してみることを、おススメします!

17 これからの不動産価格②


前回、オリンピック後の不動産価格
テーマに触れさせて頂きました。


それに対して、数名の方よりメッセージを頂きました。
メッセージ頂けることは、何よりも嬉しいことなので、
本当にありがとうございます!


その中の1つに、

これからは不動産価格があがると思うから、
 様子見ながら年内に追加で購入検討している


というメッセージがありました。


実体験などをもとにしたお話で、非常に興味深かったので、
参考にしながらパート2としてお伝えしたく、
今回もこのテーマにしました。


皆さんは、「安いニッポン」という書籍、ご存じですか?
www.amazon.co.jp/dp/4532264537


「日本のデフレ、まさかここまでとは・・・」という、
日本の停滞、不動産で言えば、
ニセコの地価上昇の事例などが書かれています。


諸外国から見た時に、日本は物価が安いから、
いわゆる爆買い的な現象が起きたり、
不動産も諸外国の方の興味関心が高く買われている。


一方で国内では、賃金上昇などにもつながりにくく、
有能な人材も海外へ流出してしまう懸念などがつづられていました。


日本の物価って、安いと思いますか?


私もそうですが、ずっと日本の中で生活していると、
今の物価に慣れてしまい、
無感覚になりがちなのではないか、と私は感じています。


今のコロナ禍で、アメリカなどの諸外国は、
インフレ懸念などが取りざたされていますが、
日本は、その兆候が見られない。


安いことが悪いことだとは思いませんが、相対的に見た時に、
「日本は安い」と感じられて、
諸外国の方に買い漁られてしまうような状況は
好ましくないのではないか、と私は感じます。


冒頭の方の話では、知り合いの古着屋さんが、
渡航制限が解除されたら、アメリカの方が買いに来て、
すぐに在庫も尽きてしまうのではないか、と懸念している、
と話しているという内容でした。


特にいわゆるヴィンテージものの類は、
値が高くつき、投資目的にもなっているから、
なおのこと、安い日本で買われてしまうのではないか、
ということです。


不動産に関しても、
いわゆる大企業などの話にはなりますが、
コロナ禍でオフバランス化を進めている会社があります。


本社ビルなどの資産を売って資金を捻出し、
事業継続にあてているということです。


その時の買い手は、非開示のこともありますが、
海外の投資ファンドみたいな所が多いのではないかな、
と感じています。


買い手がつく不動産は優良な証なので良いのですが、
不動産の所有者が海外の方になってしまうと、
支払う賃料は海外の方へ払うことになってしまいます。


日本で産み出された富、お金が、国外に流れていってしまいます。


日本の不動産が買われるということは、
少しずつ「物件価格の上昇」ということにもつながりかねません。


国内の需要ではなく、
諸外国の方の需要によって、日本国内の不動産価格があがり、
住まいや投資物件を買いたくても
買えなくなる方が出てくるかもしれない・・・


富やお金が海外へ流れ出さず、
まずは自分たちが豊かであり続けるためにも、
安いニッポンと揶揄されないためにも、
価格が上がらないうちに、国内不動産は日本人が買い、
保有し続けることが大切なのではないか、
と私は感じますが、皆さんは、どう思われますか?


16 これからの不動産価格①


オリンピック・パラリンピックが終わりましたね。


コロナ禍で、無観客開催ということになり、
賛否両論、いろいろあったかと思いますが、
テレビなどを通して、楽しむことができました!


ちなみに、私は、野球とサッカーが、特に楽しみです!
皆さんは、楽しみにしている種目、ありますか?


さて、オリンピックと言えば、不動産に関して、
こんなこと言われていたな、というのを思い出しました。


不動産価格は、
 東京オリンピックに向けて上がる!



耳にされたことありますか?
覚えていますか?


数年前は、結構このフレーズを耳にしましたが、いざ、
オリンピックが近くなると、全然聞かれなくなりました。


実際、東京オリンピックの開催が決まって以降、
不動産価格はじわじわと上がったと感じます
今、振り返ってみれば。


では、この先は、どうなるのでしょうか?


正直な考えを言えば、「わかりません」というのが、
今の私の答えです(苦笑)
ただ、これでは、元も子もないので、私見を伝えます。


オリンピック後の数年間は、
大幅に上がりもしなければ下がりもしないのではないか
と思っています。


不動産の価格を考えるうえで、
キーになるのは、何でしょうか?


私は「金利」だと、考えています。


不動産を購入するのが、現金一括の人だけであれば、
需要と供給のバランスがキーになりますが、
多くの人は、融資を利用して購入します。


融資を利用する場合、
例えばですが、2,000万円借りるとします。


分かりやすくするために、単純な計算で示しますが、
金利が1%であれば、
年間で支払う利息は20万円ですが、3%であれば60万円です。


不動産投資の場合、
利息負担が増えることは、収支のマイナス要因になります。


収支が見合わなければ、購入を見送る人が増えます。


そこで、金利が上がった場合、収支を見合う状態にして、
購入希望者が現れやすくするためには・・・
価格を下げる必要が出てくる。


不動産価格は金利が上がれば下がり
金利が下がれば上がる
という可能性が高い。


これが、金利がキーだと考える理由です。


ただ、価格が下がって嬉しさを感じるのは、
現金で買う人だけです。


融資を受けて購入する場合は、
いわゆる収支、キャッシュフローという部分では、
価格が下がっても金利の負担が増えます。


そのため、価格が上がっても金利が低い時に購入している場合と、
大きな差は出ない、と考えています。


つまり、毎月の返済金額の「元本と利息の内訳」は変わりますが、
返済する月額に大きな差は生じにくく、
キャッシュフローとしては変わらない可能性が高い、ということです。


日本では、当面低金利が続くことが予想されます。


その点で、不動産価格に関しても、オリンピック後であっても、
大きな変化は起きにくいのではないか、と思われます。


ただ、いつ、
どんな予期せぬことが起きるかは分かりません。


皆さんがお持ちの不動産資産を保全する意味でも、
金利の動向からは目を離さないように
気を付けて頂ければと思います。



15 不動産投資の相続に備えた準備


今回は、「相続」というキーワードを
テーマに考えてみることにしました。


「不動産と相続」というと、
「相続税」にスポットをあてられることが多いです。


相続税の節税」というポイントです。


ご自宅であれば、要件はありますが、
対象になれば「小規模宅地の評価減」などがありますし、
賃貸用の物件であれば、さらに「貸宅地」「貸家建付地」などで、
相続税評価額が下がるケースがあります。


よく、不動産投資セミナーなどで、
賃貸用不動産は、相続税対策にもなる」と言われるのは、これが理由です。


ただ、相続税が下がればなんでも良いということにはなりません。
不動産は、換金がしにくい「実物」として残ります。


相続税対策のためだけに建てたような物件は、
場所などによっては、
誰も引き継ぎたくない「負動産」になってしまう可能性があります。


その点から考えると、都心部など立地の良い、
賃貸需要のある区分所有の部屋であれば、
換金性もあり、相続人同士で分割もしやすく、相続税対策にもなる、
という意味で良いのではないか、と私は考えています。


区分所有物件を持つことの良さは、
立地の良い所を選んで、
様々な場所に保有できることだと、私は考えています。


ただ、相続という点で考えると、
資産が様々な場所に点在してしまい、
相続人の方が、保有物件を把握しにくい、
ということにもなりかねません。


それに備えて、「自筆証書遺言」を作成して、資産の一覧を作成し、
「法務局」に預けておく、というのが、
対策の1つとしては有効になるのではないでしょうか。


私は、自分自身、現時点では、
資産を遺す存在がいないので作成していないのですが、
自分の亡き後にも想いを馳せると、
一度まとめて書いてみる、ということも必要かな、と感じています。
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji03_00051.html


この法務局に預ける制度は、
自筆証書遺言書保管制度」という名称です。
3,900円で、法務局で預かってもらえるという制度です。


遺言の内容や体裁が整っているかなどのチェックはしてもらえませんが、
自宅の中などに保管するよりは安心でき、実際に相続が起きた時、
相続人の方が閲覧の請求をして、遺言書の確認ができるという流れです。


これを見えれば、相続人の方が困らない、という状態を整えておくことこそ、
一番の相続の準備になるのではないか、と私は考えています。


また、2021年7月からは、
生命保険契約照会制度」も始まりました。
https://www.seiho.or.jp/info/news/2021/20210611_1.html


相続が発生したり、認知判断能力が低下した時に、
法定相続人、法定代理人、3親等内の親族などが、
対象者が加入していた生命保険を調べてもらい、
まとめて回答してもらえる、という制度です。


株式や投資信託などよりも、生命保険に加入している人は多いので、
ご両親などが、どのような生命保険に入っているかなど、
把握しにくいケースもあるかと思います。


そんな日本の現状に沿った、良い制度ではないか、と感じます。
保険金の受取漏れを防ぐことにもつながりますし。


相続を考えるということは、
身の回りの整理をするということにもつながります。


遠い未来のことかもしれませんが、
現状把握につながる面もありますので、
「資産を書き出してみること」「親御さんと話してみること」
ぜひ一度、考えてみてください。


14 不動産と財産3分法の関係


前号のコラムでは、
「3ヶ月」とか「3部屋」というような
「3」をキーワードに備える、という内容をお伝えしました。


最後に、「財産3分法」という言葉に触れた所、
「3分法って何?」というメッセージを頂きました。
ありがとうございます。


そこで、続きのようにはなりますが、
「財産3分法」と「不動産」を今日はテーマとしてお伝えします。


そもそも、「財産3分法」とは、どういうことでしょうか?


投資信託で
財産3分法ファンド」という商品が出ています。

その商品名などで、
見たことのある方もいらっしゃるかと思いますが、
元をたどると、最初にこの言葉を提唱されたのは、
安田財閥の創始者、安田善次郎さんだと言われています。
(今ある企業で言えば、明治安田生命とか損保ジャパンなどがあります)


「お金の置き場所は「 預貯金・株式・不動産」の3つに分けるのが良い」


これが、「3分法」の内容です。


アセットアロケーションと言われる資産配分を3つに分けて、
リスク分散をする、という意味合いです。


諸説、いろいろな考え方がありますので、
何が正解かはもちろん分かりませんが、
私は、この3分法の考え方は、
シンプルでいいな、と感じています。


預貯金の部分は、
債券と言い換えても良いと考えています。


資産管理、資産を守り育てる、という面でも、
理に適っているように感じています。


これを書きながら、自分の資産配分を見つめ直してみました。


そうすると、大きな括りで言うと、この3分法にほぼあてはまり、
あてはまらないのは「金」くらいかな、という状態でした。


私の場合、割合で言うと、3分の1ずつではなくて、
不動産の占めている割合が大きくなっているので、
3分法の内訳としてのバランスは悪いとは思います。


ただ、イデコやつみたてNISAも利用しながら、
国内外の株式や債券に分散投資をしており、
投資信託を利用して、毎日一定金額ずつ買い付けていく、
という方法も取り入れているので、
及第点ではないか、と勝手に考えております。


投資対象も、いろいろな方法が増えていますが、
手を広げ過ぎてしまうと、
自分で自分の資産状態の把握がしにくくなるという想いもあります。


そのため、シンプルイズベストが信条の私としては、
この3分法をベースにした資産形成のやり方が、
すごくしっくりきているとも感じています。


先日、
リクルートのスーモの運営に携わられている方のセミナーを
聞く機会がありました。

その時の話で、
入居率の高いオーナーさんほど、
不動産以外の保有資産が低い傾向がある
というデータを教えて頂きました。


これは、主に一棟のオーナーさんの傾向ですが、
入居率の低いオーナーさんほど、
幅広い投資対象に目を向けてしまい(FXや暗号資産など)、
不動産経営への想いが弱いからではないか、という指摘でした。


私は一棟オーナーではないですが、
「なんとなくわかる気がする」 とも感じました。


いろいろなことに取り組むことは
楽しさもあって良いのですが、
反面、器用貧乏という言葉で揶揄されてしまうように、
1つ1つとの向き合い方が弱くなってしまう
ということにもつながるのかな、というイメージです。


これは、資産形成に限らず、仕事でもそうかな、と。


なんでもできるではなく、
「私はこれが得意です、専門です」と言われた方が、
その人が何者かが分かりやすい。
そんなところにも通ずるものがあるのではないか、と私は感じました。


一度ご自分の資産全体を、書きだしてみて下さい。


そうすると、皆さんにとって、
メイン、コアになる資産がなにか、
自分はどの資産に思い入れがあるかなども、見えてくると思います。


分散は大切ですが、
分散し過ぎはむしろデメリットだと私は考えています。


「好きこそものの上手なれ」「選択と集中」、
ぜひ一度、向き合って考えて見られることをおススメします!


13 不動産投資、最悪の事態にどう備える?


先日、私が創業時からお世話になっている異業種交流会的な場で、
大家さん同士の対談をする場を作って頂きました。


お相手は、千葉など郊外をメインに
ファミリー向けの区分マンションや一棟物件を手掛けている方。


一方の私は、都内・横浜などの都心部のワンルームを手掛けている。


一見すると対照的に見えるのですが、共通していたのは、
住まいを提供する賃貸業は、コロナ禍関係なく、安定している
と感じていたこと。


店舗や事務所のように、
世の中の景気動向に左右されにくい住居に関しては、
コロナ禍の中、退去があっても、
次の入居者様が程なくして決まるという、
いつも通りの感じだったな、という印象を、
2人とも持ち合わせていた、ということです。


とはいえ、それはあくまでも結果論。


私はちょっと楽観的な所があるので
あまり意識していなかったのですが、
お相手は、「最悪を想定していた」とのこと。


不動産投資、大家業での「最悪な事態」 とは、
どんな状態でしょうか?


1番の最悪は、
保有している部屋が全部空室になること」ではないか、
と私は考えています。


不動産投資とは言いますが、大家業という事業です。


収入である賃料という売上がなかったとしても、

管理費や修繕積立金
毎月の返済
固定資産税」など、

部屋を保有しているだけで、出ていくお金が一定額あります。
いわゆる「固定費」というものです。


世の中にはいろいろな事業がありますが、
大家業は、固定費など支出として出ていくお金が、
基本的に毎月ほぼ定額で分かりやすいのが特徴です。


何部屋保有しているかによっても異なりますが、
最悪の事態への備えとしては、
「毎月の固定費の3ヶ月分」をプールしておくことが、
安心感につながるのではないか、と私は感じています。


どこに部屋を持っているか、賃貸需要のあるエリアかどうか、
などによっての違いはありますが、
いわゆる都心部であれば、
私自身2007年のスタート以来、2カ月以上の空室経験がありません。


本当にありがたいことです。


その経験を加味させて頂き、
また空室を埋めるために、誰でもいいから入居してもらう、
などということがないように
入居後に賃料の滞納などがあると、
 とりっぱぐれにはなりにくいとしても、精神的なストレスになる

固定費の3ヶ月、より安心感を強めたいということであれば6カ月くらいを、
換金性のある資産に置いておくことが、
備えになると、私は感じています。


ただ、これも、
保有している部屋がすべて同時に空室になった場合に発生するという、
最悪の事態です。


保有されている部屋数などによっても備えの金額は変わりますが、
複数の部屋を、異なる場所に保有されている場合であれば、
100%とは言い切れませんが、
3部屋以上が同時に空室になる可能性は低いのでは?と感じています。


つまり、少なくても3部屋あれば、
2部屋同時に空室になったとしても、
1部屋は入居者がいる状態を維持できるのではないか、
ということです。


あっ、また「3」という数字を出してしまいました(笑)


でも、「3」は、最悪に備える、という意味でも、
安心感をもたらしてくれる部屋の数字ではないかな、
と私は考えています。


皆さんも、3部屋とか3ヶ月など「3」を意識して
、備えも考えて頂くことを、
1つの参考にして頂ければと思います。


財産3分法、という言葉もありますよね。
これは、また改めて!

12 リノベーション物件の選び方


国内の中古の区分マンションを運用対象に選ぶ場合、
大きく分けると「築浅」と「築古」に分けられます。


明確な基準はありませんが、
おおむね築20年以内が築浅、それ以降が築古だと感じています。


その築古物件の中で、内装などに手を入れて、
今の住みやすさに合わせた部屋作りをしたのが、
リノベーションだと私は捉えています。


給排水管設備の交換のことなどを考えたりすると、
築30年を超えてきたような部屋がリノベーションには向いているのかな、
と感じています。


そんなリノベーション物件、不動産投資の分野では、
費用も手間もかかるので、
手がけている会社は、まだ少ないように私は感じていますが、
この1年くらいの間に、私は都内と横浜に1部屋ずつ購入しました。


それぞれ、築32年と築37年の部屋です。


何を良いと感じて、魅力に感じて選んだか、
というと、

・入居者さんが欲しい、と感じる設備が揃っているので選んで頂きやすい

・同じエリア内、同じマンション内の他の部屋との差別化ができて選ばれやすい
・賃料設定という面で、相場より高くても魅力を感じて選んで頂ける

大きなポイントをあげると上記の3点になります。


設備面で言えば、
「バストイレ別」「独立洗面台」「2口コンロ」あたりを、
借りる部屋の条件にされる方が増えています。


部屋探しは、ネット検索が主流のため、
検索条件のチェック項目にひっかかるような部屋でないと、
空室期間が長引く可能性が出てくるので、
リノベーション物件は、検索対策にもなってきます。


また、リノベーションの対象になるような築古物件の魅力に、
立地の良さ」があります。


マンションは、駅に近い便利な場所から建てられたので、
築年数が古いマンションの方が駅に近いなど、
立地面で選ばれやすい場所にあることが多いと私は感じています。


築古のワンルームマンションの場合、
3点ユニットというお風呂・トイレ・洗面台が同じ部屋の作り
がされていることが多いです。


そのような部屋が多い中で、
リノベーションされた部屋があると、
設備面で選んで頂きやすくなります


さらに、賃料に関しても、
リノベーションされた部屋の場合、3点ユニットの部屋の賃料と比べて、
15%くらい高めに設定しても選んで頂けると実感もしています。


私が購入させて頂いたリノベーションの部屋も、

65,000円前後が相場の部屋が79,000円、
80,000円前後が相場の部屋が100,000円

の賃料設定にしましたが、
募集開始から程なくして選んで頂き、お住まい頂いています。


ただ、気を付けるべき点もあります。


それは、建物全体の管理状態です。


部屋の中が、今の住まいに合った魅力があっても、
マンションそのもののメンテナンスが適切にされていなかったり、
エントランスなどの印象が良くなかったりすると、
選ばれにくくなってしまいます。


だからこそ、あなたがリノベーション物件に魅力を感じて、
賃貸用に選ぶ場合は、
現地に足を運んでください。


自分自身で、現地の雰囲気などを感じ取って頂き、
木を見て森を見ず状態にならないように、気を付けてください。


11 おススメする不動産投資についての本


不動産投資について書いてある、おススメの本ってありますか?」


ご相談などで聞かれることがあるので、改めて見直してみました。


お会いさせて頂く方は、私の著書を読んで頂き、
共感頂ける部分があってお越しになられる方が、
ありがたいことに多いです。


なので、まずは、拙著をお読みください(笑)


という宣伝はさておいて、
不動産投資という点において、私が共感し、
少なからず影響を受けている本を2冊、紹介したいと思います。


金持ち父さん貧乏父さん
www.amazon.co.jp/dp/4480863303


お金を生み出す家を買いたい!
www.amazon.co.jp/dp/4872904206


「金持ち父さん貧乏父さん」は、
読まれたことのある方も多いかと思います。


日々の生活費  <  不動産からの賃料収入や株式からの配当など』


この状態を「経済的自由」と呼び、
いわゆる不労所得」という考え方を、
日本に広めるきっかけになった著書
と私は感じています。


投資という視点だけでなく、「お金の流れ」という点から、
お金との向き合い方が
分かりやすく書かれた本だと私は考えています。


「お金を生み出す家を買いたい!」は、
著者である長谷川高さんの経験をもとにして、
堅実に、愚直に、不動産と向き合う考え方、
心構え的なことを教えて頂いたな、と私は感じています。


拙著を読んでお会いした方からの感想で、
堅実で失敗しないような内容を分かりやすく伝えてくれている、
という嬉しい言葉を頂くことがあるのですが、
その原点の考え方の1つになっているのが、
長谷川高さんの著書です。


私は2007年に不動産投資をスタートしましたが、
最初の物件を購入した時は、
税理士事務所への転職直後で融資が組めませんでした。


その後、2010年に物件を購入するまでの間は、
街歩きをしたり本を読んだりなど、
今思うと学びの期間だった、と感じています。


そんな時に出会った著書の中で、
一番良かったと感じているのが、この著書です。


「チャンスがあれば直接会いに行く」が私のモットーなので、
当時、お客さんとしてアドバイスを頂きたい想いも兼ねて、
長谷川高さんには会いに行きました。
今にして思えば、良い出会いの経験です。


長谷川高さんからは、著書を通じて考え方に共感し、
リアルでお会いしてプラスの影響を私にもたらして頂けました。


私も、3年ちょっと前になりますが、
著書を出させて頂きました。


そして、その著書を読み、今でも会いに来て頂ける方がいる。
会いに行く立場だった私が、反対に会いに来て頂ける。


そんな嬉しさを感じながら、
会いに来て頂いた方の期待には
しっかりと応えられるようにこれからも努めていこう、
と、気持ち新たに感じている今日この頃です。


もしまだ私と会っていない方がいらっしゃれば、
ぜひお会いしたいです。
新たな出会い、ウエルカムです!


もちろん、面識ある皆様もウエルカムですので、
気軽にご連絡頂けると嬉しいです!


10 家賃を滞納されたら?


不動産投資で皆さんが一番気になるであろう、
家賃を滞納されたら?という点についてお話しします。


K字経済のニュース、そして家賃滞納が増えつつあるという話を聞き、
私自身の経験も踏まえたお話ができるかと思い、この内容を選びました。


私の結論を最初にお伝えすると、

入居時に敷金の支払いもできて、
保証会社の審査にも通った方であれば、

大家の立場として滞納に悩まされる可能性は低い。

と考えています。


部屋を借りた経験がある方だとイメージしやすいと思いますが、
入居の申し込みをする際は、

保証人をつける
保証会社の審査を受けて保証料を支払う

のどちらかを求められます。


最近は保証人よりも、
保証会社を利用することが増えていると感じています。


私がお貸ししている部屋の入居者さんも、
すべて「保証会社の審査通過」の方だけになっています。


この「保証会社の審査に通過して保証料を払ってくれている」ことが、
大家としての安心感につながると私は考えていますし、
実体験もしています。


数年前、1つの部屋で滞納が発生しました。
滞納保証などはつけていないので、賃料が入ってこなくなりました。


途中の経緯は割愛しますが、最終的に、
賃貸管理会社の方が実際に部屋を見に行ったら、もぬけの殻でした。
つまり、『夜逃げ』をされたのです。


もぬけの殻を確認した日=退去日、
とみなして募集を開始した所、
ほどなくして次の入居者が決まり、
また賃料が振り込まれるようになりました。


では、退去日までの滞納されていた、
私が受け取るはずの賃料はどうなったと思いますか?


後払いにはなりましたが、
私は全額を受け取ることができました


さらに、「行方不明見舞金」という保険金の対象となり、
5万円も頂くことができました。


行方不明見舞金はおまけですが、
滞納賃料を受け取ることができたのは、
保証会社」のおかげです。


入居される際に、
「この人なら大丈夫」と審査で太鼓判を押したのに
滞納をしてしまったということで、
滞納した入居者さんに代わって、肩代わりをしてくれたのです。


しかも、仕組み上、
保証会社さんへ保証料を払うのは入居者さんなので、
大家としては、金銭的な負担もなく、
滞納保証がついているようなイメージです。


であれば、入居申し込みの際には、「保証会社への加入必須」は、
何よりも大家に安心感をもたらしてくれるのではないか、
と私は感じています。


不動産投資のリスクの1つに「賃料が入らないこと」があります。
このリスクには「空室」と「滞納」の2種類があります。


賃料のリスクを怖がる方に多いのは「空室」ですが、
実は「滞納」の方が厄介であると私は考えています。


入居者を選ぶ段階で、
保証会社にも審査をしてもらい保証料を払って頂くことで、
そのやっかいなリスクからは、基本的に離れることができます。


保証会社さん、大家に安心感をもたらして頂いて、
本当にありがとうございます!


09 不動産投資で選ぶべきパートナー会社


今日は、
「不動産投資では、どんな会社をパートナーに選べば安心なのか?」
という内容です。


パートナーとして選んで良い会社のポイントは、
2点あると私は考えています。


それは

賃貸管理を自社で行っている
金融機関とのパイプが太い

という2点です。


不動産投資で肝となるのは、
賃料収入を途絶えさせないこと」だと私は考えています。


購入後、退去が発生した時、
賃料収入が入らない空室期間が長引くと、
マイナスな気持ちを抱くことにつながります。


また、賃料収入が入るだけではなく、
どんな方に借りて頂くかを選んでもらう、
という視点も大切です。


その見極めをしないと、
のちのち入居者さんとのトラブルにも巻き込まれかねません。


このようなマイナス面が生じないように、
不動産投資のスタート後もパートナーとして誠実に対応してくれる
これが賃貸管理を自社で行う会社の意思表明だと私は考えています。


金融機関とのパイプという点に関しては、
金利などの面で、有利な条件で借りることができるかどうかが、
収支面などに影響を及ぼします。


同じ金融機関から借りる場合でも、
A社であれば1.8%だけど、
B社だと2.6%というようなことがあります。


融資を受ける方を金融機関が審査でどのように判断するか、
という点もありますが、同じ借りるのであれば、
A社を通じて融資を受けた方が金利の優遇があり有利になります。


例えばですが、
その不動産会社の紹介で融資を受けた方の中に、
返済を滞らせる方が多かったら、
会社として金融機関からの信頼を失ってしまいます。


また、購入希望者の方への融資というだけでなく、
その不動産会社自身も、
自社で保有する物件購入のために借りたり、
事業の運転資金として借りたりという関係もあります。


であれば、返済を滞らせてしまう方の紹介が増えてしまうと、
自社でお金を借りたい時に、マイナス評価をされてしまいます。


だからこそ、金融機関とのパイプが太いということは、
その会社が信頼されていることの裏返しでもあり、
それが結果的に購入する方のためにもなっている
ということにつながるのです。


少し話がズレますが、
先日お客様のご紹介面談に同席したのですが、
終わった後、その会社の担当者に、

「今日の方、斎藤さんのいつものお客様じゃないみたい」
と言われました。


その指摘はもっともで、そのお客様は、
私が認知拡大を狙って数日だけ出した、
特典付き広告からのお客様でした。


私自身、少し違和感を抱いていましたが、
その担当者は、まさにその違和感を見抜いていました。


この指摘を受けたとき、
その担当者に対して「やはり信頼できる」という想いを強めるとともに、
数日間出したその広告はもう出さない、
という想いを固めるきっかけにもなりました。


私はご相談をお受けすることがメインですが、
相談でも実行支援をさせて頂く際にも、
私という存在への信頼を失うことがないように、
今後も努めていきます。


08 管理体制に不安を感じるマンション


前号で、「管理状態」について触れさせて頂いた所、

「修繕積立金の増額の提案が議案に出ているのですが、
 数年来一向に決まりません。

 今後の大規模修繕ができるかどうかも不安なので、
 手放した方が良いのでしょうか?」


というお問い合わせを頂きました。


ありがとうございます!


私の考えを最初にお伝えすると、
組合の運営」や「建物管理会社」が、
かみあって機能していないようであれば、またそのように感じたら、
手放すという選択肢もありではないか、と感じています。


マンションは共用部分があるように、
各部屋の所有者が、建物の維持管理に向けて協力していく、
ある意味「運命共同体」的な存在だと私は考えています。


部屋は各オーナーのものなので、
リフォームやリノベーションは、好きなようにできますが、
エントランスや外壁、廊下など共用部分はできません。


だからこそ、建物全体の維持管理、
資産価値を落とさないようにする意味でも、
大切になってくるのが「組合の運営」と、
それをサポートする「建物管理会社」です。


では、その運営と管理会社は、
どのようにして判断していけば良いのでしょうか?


私は「年に1度の総会へ足を運ぶこと」で
雰囲気などを知ることが大切ではないか、と考えています。


今回は、「投資用の物件」にスポットをあててお伝えします。


マイホームのマンションと投資マンションの一番の違いは、何でしょうか?
それは、部屋の所有者と住んでいる人が、同じか違うか、です。


投資マンションの場合は、
賃貸用になるので、所有者=住んでいる人、という部屋は少ないです。


そのため、総会への参加者は、理事長他数名、
というケースが多いです。


また、各部屋を持っている人同士で、
維持メンテナンスを決められればそれに越したことはないですが、
多くの方は、マンションの構造などに精通していません。
私自身もそうです。


だからこそ、
建物のメンテナンスをサポートしてくれる管理会社
が大きな存在になる
のです。


そして、組合と管理会社の双方が、同じ場所に顔を合わせる場、
それこそが「総会」なのです。


そこで、理事長などの立場にいる方、管理会社の担当者、
そのやり取りや人柄など、リアルに感じることができます。


その場で感じた雰囲気などを踏まえて、

「この人たちが建物の維持管理の中心にいて下さることは、
 今後保有していく上でも安心感を持てるかどうか。」

を、体感して頂くことこそが大切ではないか、
と私は考えています。


私自身、すべては難しいのですが、
足を運べる時には、できるだけ総会に顔を出して、
雰囲気を感じ取るように努めています。


参加ができなくても、議案書や議事録には必ず目を通し
確認したいことがあるような場合は、
個別に管理会社に電話するようにもしています。


そのような中で、実際に、
私なりの直感で今一つしっくりこない、
と感じたマンションの部屋は売却した経験もあります。


20戸くらいの小規模マンションで、
理事長を引き受けている私の友人がいます。
マンションの専門家でもなく、
不動産とは関係のない仕事を日々しています。


私も見習って、自分自身のステップアップのためにも、
チャンスがあれば、理事会の運営側に携わる経験も、
今後していきたいと考えています。



07 数年後のマンション、一体どうなる?


今日のテーマは、先日お客様からいただいた質問についてです。


「10年先の不動産投資のマーケットや投資環境って、
 どうなっていくと思いますか?」



私は神様ではないので、
先を見通せるわけではもちろんありませんが、
私なりの考えを伝えたいと思います。


私は、
物件の管理状態による選別が強まるではないか、
と考えています。


どういうことかと言うと、
例えば融資を受けて物件を購入する場合。


現在であれば、
「年収」「勤務先」「年齢」などの、
いわゆる個人の属性と言われる部分が、
審査では重視されています。


もちろん、購入しようとする物件に関しても、
「価格」だけでなく「総戸数」や「築年数」という部分も加味されて、
審査はされています。


ただ、「物件の管理状態」が融資審査で勘案されているというのは、
今の所、私が知る限りでは見たことがありません。


中古マンションで言えば、
購入前に必ず確認する書類があります。


これを確認せずに購入することは、例えて言えば、
相手の素性を知らずに結婚を決めるようなことだとさえ、
私は考えている書類です。


*******************
それは、「重要事項調査報告書」です。
*******************


すでに購入経験のある方であればご存じだと思いますが、
ご存じない方のために少しだけお伝えします。


マンション全体の過去から今までの共用部分の修繕の履歴や、
今後のメンテナンスに備えて、
みんなで毎月積み立てている修繕積立金がいくら貯まっているのか、
などが書かれている書類です。


その他にも、今後未来に向けて、
どんなメンテナンスが必要になるかを描いた
長期修繕計画書という書類もあります。


これは、
作成されているマンションと作成されていないマンションがあります。


どちらを選びたいか、と聞かれれば、

未来の計画がある=維持メンテナンスを
しっかりしていこうとする意識のあるマンション

だと感じるので、
長期修繕計画が作成されているマンションを私だったら選びます。


まだまだ登録されている物件は少ないですが、
ライフルホームズさんで、
管理状態をサイト上に評価して掲載する取り組みも始まっています。


https://www.homes.co.jp/mansion/management-evaluation/?_ga=2.219438617.1290792802.1613984084-663551268.1613984084">https://www.homes.co.jp/mansion/management-evaluation/?_ga=2.219438617.1290792802.1613984084-663551268.1613984084


築年数が経過して、古くなるマンションが今後増えてくること、
そして、資産価値などの面でも、
適切な維持管理がされていることが、
これからは今まで以上に大切になってくるという
現われの1つではないかと私は感じました。


また、少し話はズレますが、部屋の中に関しても、
リノベーションされる部屋も増加しています。


フルメンテナンスで今風によみがえるようなイメージです。


リノベーションがされている部屋であれば、
融資年数が10年伸びるという金融機関もあります。
(先日、私自身が経験済みです)


今後は新しいだけじゃなく、
古くても管理状態の良いマンションが評価され、
融資面などにも反映されていくような
仕組みができていくのではないか?



むしろ、 そうあるべきではないか?と私は考えています。


皆さんはどう思いますか?


06 ふるさと納税って何がお得なの?


最近何人かから偶然にも立て続けに聞かれたので、
今回は、ふるさと納税について取り上げてみます。



ふるさと納税は、

2,000円で、
 各地の美味しいものや特産品を味わったり、
 頂くことができる制度


だと私は捉えています。


ふるさと納税のメリットを最大限に受けられる金額は、
収入・所得に応じて異なってくるので、
いくらが良いかはケースバイケースですが、


所得税や住民税の先払い
というのが、私の認識です(個人の場合)。


(こういうシミュレーションサイトもあります。ご参考までに。)
https://www.satofull.jp/static/calculation01.php



例えば所得税の税率が20%の人が、
50,000円ふるさと納税をした場合、
(50,000円-2,000円)×20%=9,600円
寄付金控除の仕組みで所得税を抑えるができます。


そして、6月に届く住民税は、所得税の支払いで

抑えられた9,600円と48,000円( 50,000円-2,000円)の差額、
38,400円分が差し引かれて納付金額の通知が届く、
というイメージです。


つまり、ふるさと納税は「寄付金控除」というくくりに入っていますが、
納税」という言葉がついているように、

所得税や住民税を先払いしているというイメージではないか、
と私は考えています。


とは言いながらも、
確定申告で還付金が戻ってくるのは嬉しいですし、
翌年の住民税の支払いが抑えられるのはありがたい制度だなと感じます。


私自身、時々思い出したかのように、

何か魅力的な特産品ないかなぁ(主にお肉(笑))

とサイトを探して申請します。


また、同じ寄付をするにしても、
「ふるさと納税」の制度を通して寄付をした方が
税金的なメリットがあるので、

地元神奈川へも、下記のようなサイトを通じて、
応援の気持ちも込めながら行ったりしています。


(かながわコロナ医療・福祉等応援基金)
https://www.furusato-tax.jp/gcf/863


ふるさと納税は、
実質 2,000円で特産品などを頂けるような、
おまけ付きの税金の先払い制度です。


実質2,000円の年間メリットを受けられる上限がありますので、
闇雲に行うのではなく、
お財布とも相談しながら行ってください。



シミュレーションサイトなどで
上限の目安を知ってから行うこともおススメします。


節税とかおまけがあるという想いをメインに行ってしまうと、
のちのち嬉しさも半減してしまうことにもなりかねません。


少しお財布にもゆとりがあって、おまけももらえたらいいな。
というくらいの状態の時に行うくらいのスタンスが、

ふるさと納税との良い付き合い方ではないか、
と私は考えています。



05 インフレ懸念の問題点

 
「日経平均株価が30,000円前後あたりから、
インフレ懸念』みたいな記事を目にすることが増えたように感じます。
インフレが起きると、どんな不都合が生じるのでしょうか?」


先日、こんなご質問をいただきました。


私の結論からお伝えすると、

買いたいものが買えなくなる
受けたいサービスが受けられなくなる

ことだと考えています。



私は経済学の専門家ではないので、
間違っているところがあれば教えていただきたいのですが、

まず、なぜ今インフレ懸念が言われ初めているのでしょうか?


それは、今のコロナ禍で給付金などが支給されて、
お金の流通量が増えたことが大きいと感じています。



先日も日経新聞で、
「たまる消費の反発力」という記事がありました。



「外出自粛により消費が控えられたことと給付金の支給が重なり、
 全体としての貯蓄率はあがっている」

という内容です。


では、外出自粛の制限が緩和されると何が起きるか。


それまで抑えられていたうっぷんが吹き出すように、
抑えられていたバネがビヨ~ンと伸びるように、

反動で消費行動が一気に膨らむという可能性です。


そうなると、需要>供給となり、
需要と供給のバランスを整えるように供給の価格、
買おうとするモノやサービスの価格が上がる。



イメージを伝えれば、
今まで1個200円で食べることのできたケーキが、

250円とか300円出さないと食べられなくなってしまう。


これが、インフレによる一番の不都合だと、
私は考えています。



もし、このインフレが起きてしまったら、
困るのはどのような人でしょうか?



それは、「資産が現預金しかない人」です。


手元にある200円は200円のままなのに、先ほどの例で言えば、

「ケーキが250円とか300円に値上がりしたことで、
 食べられなくなってしまう。」

ということです。


そこで、インフレ懸念に備えて、
株式や不動産、原油などの商品という
「リスク資産」とい割れる対象が買われている、

それが結果的に株式などの値上がりにつながっている。


このような流れだと私は感じています。


損するかもしれない、ということを気にかけて、
値動きのある資産運用はしたくない、怖くて手を出せないという人が、
日本ではまだまだ多いのは事実です。



理由は1つ。
気づかせてくれるきっかけや教えてくれる存在が、
身近にいないことだけ。



値動きに心とらわれて一喜一憂してしまう心理
私も分かります。



ただ、5年、10年などの長期スパンで見れば、
コツコツと継続することで、
失敗しない資産運用、インフレに負けない運用もできる
のではないでしょうか。



預貯金だけに偏らず、バランスよく、
資産を保有することが大切だと私は考えています。



買いたいときにモノが買える。
受けたいサービスが受けられる。



モノやサービスとの交換手段のお金を、
時代に合わせて持ち続けられるように…




04 確定申告は、青と白どっちがいい?

 
今日いただいた質問は、
「不動産投資の場合、青色申告と白色どっちが良いの?」という内容でした。


私なりの結論をお伝えすると、
会社員の副業として3~5部屋くらいの保有で
あれば、
白色のままでも良いのではないか、と考えています。



ただ、帳簿の要件は「白色」でも「青色」でも変わらないですし、
青色だからこそ受けられる特典もあるので、
不動産投資を長く継続していく
という想いがあるのであれば、青色が良いとも考えています。


では、青色にのみ認められている「特典」には、
どのような内容があるでしょうか?


(1)10万円・55万円・65万円の控除が認められる
(2)10万円以上30万円未満の資産を、
    支出した年に全額経費で落とすことができる


不動産投資の確定申告で、
1番関わってきそうなメリットは、
上記2点だと私は考えています。


(1)に関しては、持っている部屋数が「10室」以上か未満かで変わります。

10室未満の場合と貸借対照表を添付しない場合は「10万円」
10室以上で貸借対照表を添付する場合は「55万円」
10室以上で貸借対照表を添付して、
さらにe-taxで提出を行う場合は「65万円」

という内容です。


例えば、3部屋を保有していて、給与所得が400万円だとします。


3部屋での賃料が300万円、
経費が▲350万円で、▲50万円という場合、

青色申告のメリットは特にありません。


給与の400万円と不動産の▲50万円を通算した「350万円」が所得となり、
確定申告を計算することになるからです。


誤解されがちな所では、青色申告の控除が▲10万円あるので、
上記例で言えば、
400-50-10=340万円になるのでは?
と考えていらっしゃる方がいます。



ただ、青色申告の控除の特典は、
プラスが出たときに控除ができるという内容になるので、
上記例では340万円にはならず、350万円です。


なので、3部屋での利益が仮に30万円となった場合は、
10万円の控除が使えて、
30万円-10万円=20万円が不動産所得となり、

メリットを活用できるようになります。


(2)に関しては、例えば15万円の給湯器の交換をした場合。

減価償却の原則的な方法を使うと、
「6年」で経費に計上していくことになるので、
1年あたりは、▲25,000円が経費になります。


これが、青色申告であれば、
15万円を、一括してその年の経費として
計上することも選択できるようになるのです。
(原則の方法とどちらにするかは選べます)


青色申告は、承認申請書を提出するだけで行えるようになります。



03 資産運用や投資の目的

 
「資産運用や投資に興味はあるけれど、
 どこを目指したら良いのかが分からない。」

という内容のご相談を受けました。


現在という出発点は分かっても、ゴールという目標がないと、
どこに向かって進んでいけば良いか分からない。実感がない!


そんなゴールのイメージをつかみにくい方に向けて、
今日はお伝えします。


最初に伝えたいことは、
「お金はモノやサービスと交換するための道具である」
ということ。


お金が欲しい、あると安心、という方は多いと思いますが、
皆さんが欲しいのは、お金ですか?


違いますよね。
お金そのものではないですよね。


「お金がないと、欲しいと思うモノやサービスを受けられなくなる」
その不安を払拭したいから、ですよね。


みなさんに共通して訪れることで、
不安に感じることは何でしょうか?


一番多く聞くのは、老後です。


それはどうしてか?
「収入<支出」という状態になって、お金がなくなるのが怖いから、
だと私は考えています。


仕事を続けていて、「収入>支出」が継続できていれば、不安を感じることは少ないと思います。
将来の年金収入だけでは、支出をまかなえない、と思うから、不安を感じるのです。


であれば、やるべきことは2つです。
不確定な未来に絶対はありませんが、見込、目安を知るという意味で、

(1)「年金の見込み収入を知る」
(2)「老後の支出目安を知る」
 
(1)に関しては、
「ねんきん定期便」と「ねんきんネット」の利用をおすすめします。


では「ねんきん定期便」はいつ届くでしょうか?
それは、「誕生日の月」です。


50歳未満と50歳以上で、届く内容に違いがあるのですが、
現状把握にはうってつけです。


そして、今の状態で65歳を迎えたら、
年金がいくらもらえる見込みか?
それを試算できるのが「ねんきんネット」です。


条件を変えたりしながら、いろいろなシミュレーションができるので、
まだ登録されていない方は、ぜひ使ってみて下さい。
https://www.nenkin.go.jp/n_net/

使い方や見方が分からなければ、ご連絡くださいね!


次に、(2)に関してですが、
支出は、生活スタイルで変わるので、一律いくらとは言えません。
月に20万円の方もいれば、50万円の方もいるからです。


なので、今日は平均として出ているデータを紹介します。


生命保険文化センターが出しているデータでは、
年金受給しているご夫婦の平均生活費は、
月に約22万円
と言われています。


旅行に行くなど、アクティブな余暇を満喫されるご夫婦の場合は、
約36万円というデータが出ています。
ここから、今日のまとめに入ります。


(1)で、シミュレーションや定期便で見た年金の見込みが、
仮に月17万円だったとします。

そして、支出は、平均で出ている月22万円と考えます。


すると、65歳以降の毎月の収支は「▲5万円」となります。
年にすると「▲60万円」、
100歳まで生きると仮定すると、35年あるので、
▲60万円×35年=▲2,100万円。


もし、上記の例の場合であれば、
65歳までに、2,100万円の用意ができれば良いことになります。


そして、この金額が資産運用や投資での目標になるのです。


将来の備えをすることだけが、
資産運用や投資の目的ではありません。


ただ、資産運用をしたいのだけれど、
何を目的や目標にして良いか分からない、
何を目指したら良いのか分からないという場合、
将来の見込み収入と支出の差額をまかなえるようにする
考え方のヒントにして頂ければと思います。



02 自分に合った資産運用とは?

 
いただく質問で多いのがこちら、
「資産運用や投資で、何を選ぶのが1番良いのか?」


最初に私の結論を言うと、

「好きだと感じて、無理なく続けられること」

これに尽きると私は考えています。


答えになっていないですか?期待はずれでごめんなさい。
でも、私にはこれしか思い当たらないのです。


ここで質問をします。
「資産運用」と聞いて、何を思い浮かべますか?


「株式投資」「不動産投資」「FX」
「先物取引」「私には向いていない」・・・


など、同じ言葉を聞いても、
それをどのように捉えるかは、それぞれです。


例えば、「好きなアニメは何ですか?」と聞かれたら、
私は「ルパン三世」や「名探偵コナン」と即答しますが(笑)
「サザエさん」という方もいれば、「ドラえもん」という方もいるでしょう。


このように、同じ言葉を聞いても、個性が異なるように、思い浮かべるイメージも違います。


資産運用や投資にも、様々な方法ややり方があるように、
何が1番か、ではなく、


自分は何に向いているか
どんなスタンスが良いのか


これを早く見つけて、継続することこそが1番良い方法なのです!


私のことをあげれば、

・「自己投資」
・「不動産投資」
・「つみたて投資」

を三本柱にしています。


自己投資は、読書をしたりセミナーへ参加したり、いろいろな方とお会いすることなどを通して、
「自分の経験値を高める」というイメージです。


私のように、相談を承らせて頂くことを仕事とさせて頂いていると、自分=商品です。


相談に来ていただく方は、それぞれ抱えている不安や悩みは異なります。
いろいろな球を投げかけられても、相談に来ていただいた方に、
適切に打ち返せるようなひきだしを持っておくことが必要になるからこそ、
自分が好きな分野でないと学び、自己投資も継続できないのです。


不動産投資も、一棟アパートなど方法はいろいろありますが、
私は、「区分マンション」に絞って行っています。


これも、
マンションを見るのが好き、街を見て歩くことが好き、
毎月定期的に安定した収入が入ってくる仕組みが好き、

など、自分が無理なく好きで継続できる要素
不動産投資にはつまっているので、
継続できていると感じています。


最後のつみたて投資は、
私の失敗経験から行きついた方法です。


具体的には

「小規模共済」
「イデコ」
「つみたてNISA」

を継続して行っています。


不動産ではない、
金融資産の資産運用に取り入れているのがつみたて投資です。


つみたて投資を選んでいる1番の理由は、
「日々の値動きに一喜一憂しないで良い」という点です。


以前、信用取引やFX、
先物取引などを行っていたこともありますが、
強制ロスカットなど、値動きのタイミングで利益を狙う投資では、
大きな損失を被った経験があるからです。


お恥ずかしい話ですが、
昨年、株式投資で値上がりを狙おうと久々に取り組みました。


上昇相場だったにも関わらず、私は損失を抱えて、
1割下がったところで損切りをする、
という苦い経験を再度しました(苦笑)


自分の不勉強が一番の原因ですが、
熱を入れて学びたいと思えなかったからこそ、
失敗しても当然だったんだろうな、という学びになりました。


上記は私の事例ですので、
私が好きで良いと感じることをそのまま取り入れても、
うまくいかないケースもあります。


ただ、自分に合うか合わないか、
継続できるかどうかはやってみないと分からないのが正直な所です。


興味があることは興味があるで終わらせず、
ぜひ一歩を踏み出してやってみて下さい。
百聞は一見に如かず、とは言いえて妙だと私は感じています。



01 不動産投資の魅力

 
私は2007年に不動産投資をスタートしたので、かれこれ10年以上続けています。
株式投資や先物取引なども経験しましたが全然続きませんでした。


仕事も、ケセラセラ横浜以外、1番長く続いた勤務先は約6年半でしたので、
不動産投資は、私には相性が良いみたいです(笑)


そんな不動産投資に、私が感じている魅力。


それは、

①「安定した収入源と資産を築くことができる。」
②「実際にあるマンションを見て、選ぶことができる。」

ことだと、改めて感じています。


①に関しては私は、不動産投資の中でも、
はじめの一歩として取り組みやすいと言われている区分ワンルームマンション
そして住居として住んで下さる方向けの物件のみを所有しています。


立地も、自分の地元横浜から離れすぎず、土地勘もあり、
賃貸需要の多さもあるという理由から、
東京23区、川崎市、横浜市という、場所にだけはこだわりをもって行っています。


そのおかげかどうかは分かりませんが、
2007年にスタートしてから
今に至るまで、2カ月以上空室期間があったことはありません。


不動産投資で一番大切な収入源である「賃料」が途切れる期間がほとんどなく、
自分が働く以外の、安定した収入源を得ることが
できています。


それは、入居者の募集などを行ってくれる管理会社への
厚い信頼があってこそ成り立っています。


また、融資を受けて物件を所有していても、受け取る賃料でほぼ返済をまかなえます。
なので、自分でお金を投じなくても、
元本の返済入居している方が
払ってくれる賃料で行えることで、
自然と自分の資産を殖やしていくことができるのも魅力です。


②に関しては、株式投資などと違って、
自分の目や耳などの五感を使って選んで決めることができます。


株式会社の所有者は株主です。
株式市場を通して株を買えば、
株主になれます。
株式を持っていることで、半年に1度、配当金や株主優待がもらえることもあります。


これはこれで良いのですが、配当金をもらう原資になる利益や経営状態などに関して、
あなたが、
意見したり改善の提案などを行えるでしょうか?


まったく無理だとまでは言い切れませんが、
会社の一部を株主として所有しているからといって、
経営状態や収益をコントロールすることは現実的に難しいと私は考えています。


その点、不動産であれば、世の中に同じ部屋は2つとなく、
実際にその場所を見て、自分で判断して選ぶことができます。


そして、自分の裁量で、収益を上げる努力や維持する工夫なども手掛けることができるのが、
株式投資との大きな違いであり、
魅力であると私は感じています。


私はこの、

「収入が安定しやすい点」
「自分で選んでコントロールがしやすい点」


に魅力を感じ、
10年以上にわたって不動産投資を継続できています。



そして、これからも、ご相談にのらせて頂きながら、
自分自身も
不動産投資を続けていこうと考えています。



実際に今年2020年、コロナ禍ではありましたが、2部屋の追加購入もできました。
物件との出会いもご縁だな、と感じています。