横浜のFP大家が、お客様からいただいた質問を元に、
お金や不動産についてお話し致します。

CONTENTS

116 会社員の良さを、体感したことはありますか?

115 お金のウェルビーイング

114 インデックス投信

113 あなたはお金を貯められる人ですか?

112 変動金利について

111 借りている部屋を購入したい

110 おススメしたい、不動産投資の目標とは?

109 買い上がり

108 賃貸用区分マンションの動きの早さ

107 資産を手放した後のこと

106 入居率よりも気にすべき指標

105 資産形成の基本に立ち返ってみる

104 相場が「嵐」の時

103 安心してお金を使えていますか?

102 ご両親などと連絡とられていますか?

101 不動産投資と消費税

100 資産残高の把握

99 借金をして投資すること

98 不動産の営業に、迷惑していませんか?

97 私、更新時に家賃を上げることにしました!

96 億万長者のイメージ

95 投資は答えの出ない哲学

94 設備と立地、どちらを選びますか?

93 不動産の売却時によくある勘違いはコレ!

92 横浜と聞いて、どんな印象がありますか?

91 一期一会を大切にしていますか?

90 資産運用の原点

89 賃貸保証会社について

88 不動産の買い時がくるかも?

87 不動産投資が向いているか

86 不動産投資とNISA、相性が良いと思いませんか?

85 紹介ってどう思いますか?

84 毎月分配型の投資信託

83 遺贈寄付

82 待ちすぎてはいけない

81 災害リスクを回避するために必要なこと


116
 会社員の良さを、
体感したことはありますか?


先日、リースバック物件を購入したのですが、
その際、融資を利用することにしました。


リースバック物件に対して、
金融機関は、
かなりマイナスの評価をしている所が多いことも、
今回の購入経験を通して知りました。


そんな向かい風の状態ではあったのですが、
不動産会社さんの取り計らいや、
私が過去に融資取引をしていた経緯が
履歴として残っていたことなどもあり、
今回の購入に際しても、
前向きに検討頂ける金融機関を見つけることができました。


ローンのない、ワンルーム物件を1つ、
共同担保で提供するという条件はつきましたが、
私としては、納得感のある条件で融資を検討頂けることとなり、
ホッと胸をなでおろした所です。


その金融機関との取引は、面談時に確認した所、
2016年が最後だったと言われました。


当時は、私も会社勤めの立場でしたが、
2010年頃から2016年くらいにかけて、
かなりお世話になっていたので、
当時の実績が今回につながったことも勘案すると、
「あの時、お金を借りて、
 取引しておいて良かったなぁ・・」
ということを感じたりしました。


融資を使わないで済むなら、
それで済ませた方が安心感があるという想いも
分からなくはないです。


ただ、借りた実績、
毎月コツコツと返済した実績を作っておくというのも、
こういう時に役立つのだな、と改めて感じ、
「当時の自分良くやった」
と言ってあげたいとも思ったりしました。


そんな経緯などがある中で、
先日、融資の面談に足を運んできました。


納税証明書や通帳、
証券会社などの金融資産残高の提示など、
求められた書類提出を行い、
軽いヒアリングくらいで終わるだろう、
と私はたかを括っていました。


ところがどっこい、す
んなりと終えて頂くことはできず、
まさかの1時間強、審査の面談ということで、
時間をとられてしまいました。


今回の物件を購入するに至った経緯や理由。


今までの不動産投資、
賃貸業の経歴や考え方など。


つまり、どんな姿勢で取り組み、
今回の物件の購入を決めたのはなぜなのか?
という流れに、一貫性があるか、
のような部分をヒアリングされたように感じました。


ただ、それ以上に突っ込んで色々と聞かれたのが、
私の本業である、
ファイナンシャルプランナーとしての
個人事務所の営業に関してのこと。


事務所の設立以降の経緯から、
今年の今までの売上や見通しや内容など、
広く根掘り葉掘り聞かれ、
1時間強の面談が終わった時には、
久々にグッタリとしてしまいました。


まさか、あそこまで聞かれるとは…


8年前くらいに取引させて頂いた時は、
源泉徴収票を提出し、
勤務先の事業内容などを聞かれたくらいだった
(と記憶している)ので、
その時との大きな違いに驚いたというのが、
正直な所です。


金融機関としても、
コンプライアンスなどが声高に叫ばれるようになり、
融資の取引に当たっての確認点などが、
以前よりも増えて、厳しくなったのかもしれません。


ただ、その点を差し引いたとしても、
会社勤め時代に申し込んだ時と、
自営業になった今申し込んだ時の、
面談での扱いの差が、あまりにも大きいな、
ということを感じたのは、偽らざる事実です。


皆さんも、不動産投資、
賃貸業で融資を受けた経験があるかもしれません。


会社にお勤めで、
不動産会社が提携関係にあるような金融機関を
利用されているのであれば、
おそらく面談のようなことさえ、
なかったかもしれません。


源泉徴収票や既存の返済予定表を提出するくらいで、
あとは本人確認の電話に
応対するくらいだったかもしれません。


ただ、それが融資を受ける際の
スタンダードだとは思わないで頂きたいです。


今回の私のように、
1時間強など時間をかけて面談されて、
融資を申し込むというのは、
事業資金の借入としては多いケースです。


金融機関の窓口に出向かずに融資を受けられたり、
足を運んだとしても最低限ということが可能なのは、
あなたが会社員の立場であることが、
大きく寄与していると捉えてください。


今回久々に融資の審査、面談を経験して、

「お金を借りる時だけは、会社員に戻りたい…」

という想いになったりもしました。


リースバック物件という金融機関からは、
融資に対して慎重になる物件だった
ということもあるかもしれませんが、
それを差し引いても、
会社勤めの立場と、個人で独立自営をいている立場では、
金融機関からの「信用」という面で、
大きな差があることは否めない事実です。


不動産投資、大家業を行いたいと思うなら、
そして、
融資を活用しながら行いたいと思うなら、
会社に勤めている内に行った方が良い。


会社員という立場を、
いい意味でうまく利用して行う方が良い。


最後に原点のようなこの事実を
最近の実感をもってお伝えしながら、
筆を置きたいと思います。


115
お金のウェルビーイング


先週末、興味、関心があり、
ジェロントロジー試験
というのを受けてきました。
https://www.instagram.com/p/DBl1yUiyMUl/


応用老年学会という所が主催しているように、
年齢を重ねた後、
どう過ごすことが、幸福感につながるか。


というようなことが、
研究されている方にとっての、メインテーマな感じで、
試験の内容も、高齢期の過ごし方みたいなものが多かったです。


ちなみに私自身は、
ファイナンシャルウェルビーイングという
経済的な面からの幸福感が、
ジェロントロジーに興味を抱くきっかけとなりました。


「金融資産の6割近くは、
 60歳以上の方に偏っていながら、
 それをあまり取り崩さない現状」

「相続が起きても、
 長寿に伴って、受け取る側も年配になり、
 資産が年配者の間でグルグルしているような現状」


など、本当に、このような状況が幸福感につながるのか?
という点に疑問符があり、
FPという立場もあいまって興味、
関心を抱いているという現状です。


以前、このブログでも触れたことのある著書
DIE  WITH  ZERO」の内容に
通じる所があるかもしれませんが、
資産運用、資産形成を行うことの最終目標は、
手元にあるお金を殖やした後、
自分の幸福感を高めることに使えるか?
だと、私は考えているのですが、皆さんはどう思いますか?


もちろん、老後への備え、何か起きた時の備え、
インフレへの備えなどのように、
今の生活を維持していくためという側面も、
資産運用を行う大切な理由ではあります。


ただ、それだけだと、殖えて嬉しい、安心だ!
という満足感はあるかもしれませんが、
それを維持することを心がけてしまい、
残高が減るのを見るのが怖くて、
肝心な「使う」という視点が
漏れてしまうのではないか、と私は思うのです。


だからこそ、

「何歳までにいくらの残高を目指す」

みたいな目標設定も大切ですが、
そこから一歩先の、

「その残高を達成した後、
 それをどう使っていくか?」

にまで、想いを馳せることが、殖やすことと同じ、
もしかしたらそれ以上に大切なことではないか、
と私は考えています。


ちなみに、私自身のことをお伝えすると、
資産残高として殖やす目標金額という視点は、
あまり重視していません。


それよりも、大切にしたいと考えているのは、

毎月、ポケットにお金が入ってくる仕組みを作ること

です。


資産運用、資産形成の視点で言えば、
配当金、分配金、家賃のような
定期的に収入をもたらしてくれる資産を保有し、
毎月40~50万円前後くらいの
キャッシュフローを得られることを目指しています。


これに、見通しで考えれば、
公的な年金が、月に10~15万円くらい、
上乗せされてくるイメージでしょうか。


イデコやNISAも活用して
積立投資などにも取り組んでいますが、
それはあくまでも、一時的に必要なお金に備えるため、
あるいは、
取り崩しながら毎月のキャッシュフローを補完するため、
という位置づけで考えています。


高齢期に入った後、
私は、あまり積極的には運用を続けていかない方が、
心身両面において負担がなく、
ありがたく感じるのでは?という想いを持っています。


それに、毎月のキャッシュフローという
入ってくる安心感があることで、
使うことで得られる幸福感を
味わいやすくなるとも思っています。


残高が減るのを見れば、
使うのを躊躇してしまいかねないように思うので、
残高を減らさずに保ちながら、
毎月入ってくるお金の流れを、
キャッシュフローとして作っておくことが良い
という意味合いです。


使い方として考えていることをあげてみると、
今後の自分の状況がどうなるかにもよるのですが、
今のまま独身で過ごすなら、
例えばですが、
サービス付き高齢者住宅のような所にお世話になるのも
ありかも、と思ったりしています。


入居一時金的な部分には
イデコやNISAで築き上げたものをあて、
毎月の家賃的な部分に、キャッシュフローを充てることで、
生活面での安心感をベースに置ける、
というイメージです。


あるいは、近しい人と同じマンションの別々の部屋に住み、
プライバシー保ちながらも、
スープの冷めない距離で安否確認しながら過ごす
といったスタイルも悪くないのかな、と。


その場合は、キャッシュフローを、
毎月のローンの返済あるいは家賃の支払いにあてながら、
住まいを確保することにもつながるのかな、
などとも思ったりしています。


生活の拠点は住まいなので、
住まいに関して思っていることを
2つほど例としてお伝えしてみましたが、
楽しみの使い方としては、

「友人、知人との食事など一緒に過ごす時間に使う」

「趣味を楽しむ(ピアノや応援したい人などに使う)」

「寄付などを通して、
 意義ある活動をしている人や団体を応援することに使う」

「いろいろな意味合いで、
 快適に感じる空間で過ごすために使う」

使い方としては、自分が楽しみ、
満足して幸福感を抱けることがベースにはなりますが、
他者のために使うことが
結果的に幸福感につながるような使い方にも、
関心を寄せています。


この使い方は、将来に限らず、
今から実践しようと心がけている使い方でもあるので、
仮に労働収入が途絶える時が訪れても、
同じように使い続けられるようにしたい、
という想いです。


ここまでは、漠然とではありますが、
20年後くらいなどの、
お金の将来イメージをお伝えしてみました。


あなたが、もし60代、70代であれば、
今のそしてこれからの使い方について、
私と同じく現役世代であれば、
殖やした後のお金の使い方について、
考える参考にして頂ければと思います。


ただ、
お金を使うのは将来だけではありません。


今も、大切です。


たまに、将来のために生活費をきりつめて、
資産形成に手取りの5割など、
大きくつぎ込んでいる方がいるのを見たりしますが、
「効果的な使い方ではない!」
と感じてしまいます。


現役の今だからこそ、
年齢が若いうちだからこそ、
お金を使って体験、経験できることがあるからです。


その経験が、仕事やプライベートに活きてきて、
幸福感を増しながら、
充実した過ごし方ができることにつながる、
と私は考えているからです。


ちなみに、幸福感の高い年収は、
いくらくらいだと思いますか?


個人差があり、正解がある訳ではないのですが、
行動経済学者のダニエル・カーネマン氏によれば、
およそ75,000ドル前後で、
幸福感は頭打ちになるという発表をされています。


日本円にすれば、
1,000万円前後といった所でしょうか。


それを上回ってもあまり変わらないのは、
仕事に割く時間が増えて、お金を使う時間がなく、
ストレスが増えるからではないか?
と私は捉えています。


先日、活躍して成功されていらっしゃると私が感じている、
50代後半の方とお話をさせて頂いた時に、

「僕は、年収を1,000万円くらいに
 抑えるように仕事をコントロールしている」

とおっしゃっているのを聞きました。


その方は、お金のプロでも、
ウェルビーイングに精通している訳でもないのですが、
おそらく長年のご経験から、
仕事とプライベートのバランスと幸福感を
感覚的に自己認識されているのだな、と感じました。


だからこそ、良いお仕事に恵まれながら、
ゆとりを感じるスタイルで過ごされているのだな、
と思いました。


年収を多く頂けることは、
それだけ社会から必要とされていることの現れでもあるので、
素敵なことだと思います。


ただ、そのプロセスに、
幸福感という点を犠牲にしている部分がもしあるのなら、
今後の働き方含めて、
一考の余地はあるのかもしれません。


今回は、
全体的に概念的な内容になってしまいましたが、
将来の、そして今のお金の使い方と働き方を考えること、
資産形成で殖やしたお金を、
その後どう使っていきたいかを
おおまかでもイメージしてみること。


そのことを考えることが、結果的に幸福感を高め、
ファイナンシャルウェルビーイングも高めながら
日々を過ごすことにもつながると私は考えています。


資産形成でお金の置き場をどこにするか?だけでなく、
どう使っていくのが、
あなたにとって幸福感を高めることになるのか。


ぜひ一度胸に手を当てて考えてみることを
おススメしたいと思います。


114
インデックス投信


皆さんは、
甘い言葉に誘われたこと、ありませんか?


最近、新聞やネットなどを見ていると、
金融詐欺」に関しての記事が掲載されているのを
良く目にする気がします。


最近は、SNSを通じた、
勧誘による詐欺被害が増えているとのこと。


このメルマガに目を通して頂いている方は、
そんな詐欺の誘惑に負けていないと
私は信じています。


万が一、身近な方で、
そのような被害に遭われている方がいらっしゃったら、
警察や消費生活センター、弁護士さんなどへ、
早目に相談することが大切です。


にしても、なぜこのような被害は、
減らないのでしょうか?


それは、お金に対する欲は、
多かれ少なかれ誰もが持っており、
お金はあって困るものではないから、
儲け話的なことに魅力を感じ、
易きに流れる弱さを誰もが持ち合わせているからだ
と私は考えています。


なので、
信じて騙されてしまう方が
後を絶たないのも分かるのですが、
少し冷静に考えて判断すれば、
客観的に第三者に相談して話をしていれば、
「そんなうまい話はない」ことに、
気が付けるのでは?とも思ったりします。


特に、資産運用や投資に少し慣れてきた方、
金融リテラシー
少なからず持ち合わせている方の方が、
騙されて詐欺被害に遭う確率が高い、
というデータも示されたりしています。


おいしい儲け話が、
見ず知らずの方からもたらされることはない。


そんな1番の基本になる所を忘れることなく、
面白味は少なくても長期投資を継続して、
お互いに資産形成をしていきましょう!


慣れてきた頃が、
1番危険だということ忘れないで下さい!!



「金融詐欺」に関しては、
お金に対する欲、という部分もあると思いますが、
長期・分散・積立を基本にした
投資、資産運用を行っていると、
つまらなさを感じることも原因としてあるのかもしれない、
とも思ったりします。


「なるべく早く結果が欲しい・・」
「ドキドキした面白味を感じたい」


そんな気持ちと欲を、うまく刺激して誘い込むのが、
金融詐欺の手口なのではないか、と私は感じています。


だからこそ、

「年利20%をお約束します!」
「絶対に儲かりますので、安心して下さい!」

といったように、投資、資産運用において、
「約束」とか「絶対」というありえない言葉が、
相手の口から出てきたら、
その時点で「おかしいぞ・・・」と冷静に捉えることが
大切だと感じます。


それと合わせて、例えばですが、

「自分は、全世界株のインデックス投資しか、
 絶対にやらない!他には目を向けない!」

のように、やることを決める、
あるいは、やらないことを決める、
ことも詐欺被害に合わないコツでもあると私は思います。


2024年から、新NISAが始まりました。


制度が、非課税枠、期限など、
昨年までより拡充されて使い勝手も良くなったこと、
そして、いろいろな所で話題に上がっていることもあり、
口座の開設数も右肩上がりです。


そんな新NISAをきっかけに
口座を開設した方にとって、
最初にそびえる壁のひとつに、

「どの商品を選べばよいか?」

があるのではないか、と思います。


そこで、書籍や動画などから情報を仕入れて、

「オルカンってのが良いらしい。」

と見聞きして、商品の内容をあまり確認することもなく、
始めている方も多いのではないか?
と私は想像しています。


私は、NISA制度を活用して
投資、資産形成を行うことには賛成です。


なので、そもそも投資の一歩を踏み出さない方、
口座を開設はしたけれど、
何をして良いか分からず、放置状態の方もいることを考えると、
見聞きした情報を踏まえただけでも、
オルカン(全世界株式のインデックスファンドの1商品の愛称です)に、
少しでもお金を投じている方は、
一歩を踏み出している点で良いのではないか、とは思います。


ただ、オルカンのような商品への
長期・分散・積立投資だけを続けているだけで、
本当に良いのでしょうか?


私はそのような方こそ、
金融詐欺に陥りかねないのでは?と危惧しています。


先程、インデックス投資しかやらない、と決めることが、
詐欺被害に遭わないコツの1つかも、とはお伝えしました。


ただ、インデックス投資信託の積立は、
成果が現れてくるまでに、
時間がかかる運用方法です。


投資していることに慣れが出てくると、

「成果が思ったより
 出ていなくてつまらない」

という気持ちが湧いてくることが起こりえるのです。


これが、少し慣れた頃に、
投資経験が少しある方が、投資詐欺に巻き込まれる確率が、
何もしてない方よりも高い理由ではないか、
と私は考えています。


私自身もこの気持ちは痛いほど分かります。


20代後半で始めた、
初めての資産運用は株式投資でした。


配当と株主優待を目的にスタートしたのですが、
含み利益を目にしていたら、

「もっとうまく利益を、上げられる方法があるのでは?」

という想いになり、
信用取引や先物取引、
FXなどに熱を入れた時期もあったからです。


案の定、不勉強もあり成果は思ったほど上がらず、
精神的に疲れてしまい、
その渦中で学び、良いと感じた不動産投資、大家業を30歳で始め、
気持ちも落ち着きました。


いわゆる投機に熱が入っていた当時、幸いにも、
金融詐欺のようなことに
巻き込まれることはありませんでした。


ほぼ投機熱が冷めてきた頃、
さわかみ投信さんなどのセミナーへ足を運んだりして、
長期投資に目を向け始めることができたのも、
今振り返れば、
良かったなと感じています。


インデックス投信の積立だけをやると決めることも、
悪くはないと思うのですが、
甘い誘惑に引き込まれないためにも、
他の運用にも目を向けることが大切ではないか?
ということが、私が今回1番お伝えしたかったことです。


「自分は絶対に大丈夫。騙されない!!」

という想いでいる方こそ、
他の投資の世界にも目を向けることが
大切だと私は思います。


人生と同じで、色々な経験を積み重ねることで、
他の投資の世界も知り、
もしかしたら、相性の良い投資、資産運用の方法が、
見つけられるかもしれないとも思うからです。


失敗経験を積むために
お金を投じるなどということはナンセンスですが、
少しでも資産運用を始めると、
他の方法があることを知る機会もあると思います。


そこで、自分のお金を投じる前に
行って頂きたいと思うこと。


それは、

「すでに、その投資を
 経験したことがある人に話を聞くこと。」

だと、私は考えています。


話を聞いて、合わないと感じれば
やらなければ良いだけの話ですし、
興味があってやってみよう、と思えば、
大けがしない範囲で、試してみることが、
経験値を深める意味でも大切だと思うのです。


その結果、インデックス投信の
積立以外の資産形成方法を取り入れることができれば、
あなたの資産全体が分散することになり、
資産形成に失敗する確率は
下がることになると私は思うからです。


私自身、今でいうイデコは2004年に始めたので、
かれこれ20年近く、
積み立て投資を行っています。


合わせて、NISA、新NISAともに、
インデックス投信の積立は
ベースとしてコツコツと行っています。


ただ、それと合わせて、
不動産投資、大家業も行っていますし、
金の積立を行ったり、
自営業ならではと思いますが、
所得控除のある退職金の積み立ての
ようなことも行っています。


いろいろな経験を重ねた結果、
今の形が良いと私は感じているので、この全体像、
バランスを大きくは崩さないように
資産形成を今後も行っていく予定です。


ただ、興味をもった対象などがあれば、
今でも話を聞くアンテナは高く張っています。


面白そう、そして、
自分の資産形成に取り入れることが
ストレスにならずプラスに働くと感じれば、
新しいことへのチャレンジもしてみたい気持ちは、
今でも持ち合わせています。


金融詐欺に遭わないために、
という話題からスタートしながら、
最後は私自身の経験談や想いを伝える内容と
なってしまいましたが、

「おいしい話には裏がある」

「向こうから○○さんだけに…
 みたいな情報がくる可能性は低い」


そういうことを忘れずにいて頂きたいこと、
そしてそのためにも、
ひとつの投資にだけ固執するのではなく、
経験者に話を聞いたりしながら、
運用対象の幅を広げることも大切だということ。


資産形成で失敗しないためにも、
ぜひ頭の片隅に入れて頂いて、
少しでも参考にして頂ければ幸いです。


113
あなたはお金を貯められる人ですか?


今回は、

「私自身が、どうやって、
 お金の管理をしていたのか?」

ということをお話しします。


ファイナンシャルプランナーの学びと出会ったのは、
新卒で入った百貨店を辞めようと決めた、
入社3年目の後半でした。


学生時代から、とにかく数字が苦手で嫌いで、
家計管理等もってのほか、というような人間でした。


そんな私ではあったのですが、
当時、アコーディオンを習っており、
始めてから半年くらいした頃、
レンタルではなく、自分の楽器が欲しい!
という気持ちが高まりました。


そこで、先生に紹介して頂いたのが、
「50万円+消費税」の、
アコーディオンでした。


あなたは、
この値段を聞いて、高いと感じますか?
そうでもないと感じますか?


私は、今聞いても高額だと感じます。


ましてや、
入社2年ちょっとの平社員だった当時の私であれば、
なおのことかな、と思うのです。


ただ、当時の感情がまったく残っておらず、
覚えているのは、
なんの躊躇もなく、現金一括払いで、
アコーディオンを買ったということだけ!


その頃は、FPの学びと出会う前だったので、
投資や資産運用の世界とは無縁で過ごしてました。


おそらくやっていたことと言えば、
受け取った給与の一部を、
貯蓄口座へ移し替えるくらいしかしていなかったと思います。
(このあたりの記憶さえ、曖昧なのです苦笑)


そんな当時の私が、
高給取りでもなかった20代半ばの私が、
よく50万円もする、
高額なアコーディオンを、迷いなく買えたよな…


これが、ご挨拶の中でお伝えした、
アコーディオンの音色を聞いて、
当時の自分に会って話を聞いてみたいという
想いになった内容です。


特に、親の教えを守ったとかではありません。


必要以上にお金を使うことなく、
先取り貯蓄を、
自然と行っていたとしか思えないのです。


そうでなければ、
50万円もするアコーディオンを、20代半ばの当時に、
躊躇なく買うことなんてできなかったとしか思えないのです。


自分のことながら不思議な感覚なのですが、
また自分で言うのもおこがましいですが、
私は、どちらかと言えばお金を
貯められる体質の人間でした。

誰かから言われたとか、強制されたとかではなく、
自然と感覚的にやっていたのかな、
と感じています。


お金のことを両親から学んだとかもないですが、
もしかしたら、遺伝子みたいなのを、
受け継いでいたのかもしれません。


あなたは、
ご自分のことをお金を貯められる人間だと思いますか?
どちらかと言えば、
自然と使ってしまう人間だと思いますか?


こればかりは、
性格や考え方、個性と同じようなもので、
感覚次第で変わるもの。


どちらが良い悪いという話ではありません。


ただ、お金は貯めるだけ、使っているばかり、
どちらかに偏ることがダメで、
貯めながら使うをバランスよく行うことが
大切だと私は考えています。


お金を貯めておくからこそ、
それを使ってモノを買ったり、
やりたい経験ができるわけですし、
反対に買いたいモノや旅行などの
経験をしたいために、お金を貯めようとする。


この循環があってこそ、心身も潤い、
生活の質を高めて人生を送ることにつながると
私は考えているからです。


もしあなたがお金を貯めたり、
運用して殖やすことが好きな体質であれば、
ぜひ「使う」ことにも意識を向けてみて下さい。


これは高額な買い物や体験をする、ということではなく、
日常生活の中でも、
時間を買うためや疲れを癒したりするような、
あなたにとって、
プラスな価値を産むことにお金を使えれば、
日々の満足度も今以上に上がるはずです。


一方、あなたが使うことが好きな場合、
備えることも意識すると良いと思います。


意識するだけでは力が弱い気がするので、
強制的に貯める殖やすという備えることに、
お金を回すようにするのがベターだと思います。


その点から言えば、
今は、預貯金だけでなく、
イデコやNISAなどの税制優遇制度も増えていますから、
活用しない手はないと思います。


また、株式や投資信託、賃貸不動産を購入して、
配当や分配金、家賃を受け取る仕組みを作れれば、
受け取ったお金は、
次回以降も入ってくる見通しのもと、
安心して使える、ということにもつながります。


賃貸不動産を融資を利用して保有していれば、
お金が入ってくるだけでなく、
残債を入居者さんが返してくれるので、
知らない内に資産が増えている
(残債が減った分はあなたの資産になるという意味で)
ことにもなるのです。


そして、資産残高がある程度あるという安心感があると、
使うことへの抵抗感も、
いい意味で薄れていくと私は考えています。


今回は、私の20年以上前の出来事を踏まえて、
お金を貯めて使うことについて、触れてみました。


資産運用に興味が湧いた時に、
株式を選ぶのか、投資信託を選ぶのか、
不動産を選ぶのか、など、
どれを選ぶのが正解ということはありません。


あなた自身が相性が合う、
面白い、好き、と感じられる対象を選んで、
取り組み、継続することが大切です。


ただ、何を行うにせよ、
最初は、預貯金などが、一定額あることが、
取り組むにあたってのハードルも下がるのが
現実だと私は感じています。


個性をなくしてまで、とは言いませんが、
資産運用、資産形成に取り組むのであれば、

「自分は貯められる体質の人間なのか?
 もしそうでないならば、
 どういう行動をすると
 貯められる体質の人間に近づけるのか?」

に関して、意識することが大切だと思います。


反対に、私と同じようにあなたも
どちらかと言えば貯められる
体質の人間なのであれば、
貯める殖やすことには取り組みやすいので、

「お金をどう使うか?いつ使うか?」

を意識する。


その結果、生活に潤い、
楽しみが増してくると私は思っています。


ぜひ、貯めると使うのバランスを意識して過ごすこと、
大切にして頂きたいと切に思います。


112
変動金利について


住宅ローンの「変動型」。
10月から0.15%の引き上げ。


先月末あたりからニュースなどで
皆さんも見聞きされたかもしれません。


今回報じられているのは、
いわゆるメガバンクと言われる金融機関。


最優遇金利幅を広げて、
金利を据え置く意向を示している
金融機関もありますが、
7月末の日本銀行による政策金利引き上げを受けて、
私のような個人ベースでも、
利上げを少しずつ実感する機会が訪れつつあります。


ローンの金利というと、メディアなどでは、
住宅ローンが取り上げられることが多いですが、
あなたがローンを利用して、賃貸用の物件を持たれていれば、
いわゆる投資用物件のローンにも、
影響が出てくる話です。


しかも、投資用物件のローンの大部分は変動金利で、
私が借りているローンも変動金利です。


ネット銀行のローンでは
2年固定などのパターンもありますが、2年限定なので、
その後、変動にするかどうするかを考える必要が出てきます。


そこで今回は、
変動金利の基礎的なポイントを
再確認してみたいと思います。


住宅ローンにも投資用ローンにも、
どちらにもあてはまるように、お伝えしようと思います。


最初は、
上がった金利が反映されてくるのはいつか?
について。


金融機関によって違いがあるので、
一律とは言えないのが正直な所ではありますが、
10月に上がった変動金利を、
すでに借りている方に対して反映させる場合、
翌年の1月からという場合が多いです。


ネット銀行などでは、
即時に反映させるとか、翌月からなども見受けられますが、
変動金利の半年ごとの改定は、4月と10月を基準にして、
4月の金利は7月返済分から、
10月の金利は翌年1月返済分から
反映させるとしている所が多い、というイメージです。


つまり、
10月以降に新しくローンを借りる方は、
0.15%上がった金利で
借りることになる可能性がありますが、
すでに借りている場合、年内は影響がなく、
2025年の年始から変わってくる。


次の返済予定表を受け取る時に変わってくる、
というイメージです。


このケースが多いですが、
異なる金融機関もあるので、
あなたの変動金利はいつから変わるのかを、
この機会に確認しておくと良いかと思います。


次に、年が明けて、金利が上がったと仮定して、
通帳の上で、
その影響を感じるのはいつになるか?について。


変動金利には「5年ルール」があります。
ネット銀行などには、
このルールがない金融機関もありますが、
5年ルールのある金融機関が多いです。


この5年ルールは何かといえば、
金利が仮に上がったとしても、
当初の借入から5年間は、返済金額は変えません、
という内容になります。


そのため、ローンを借りてからの5年間は、
元利均等返済で支払っている
毎月の返済額は同じ金額なので、
たとえ金利が上がったとしても、
毎月の支出という点では変化が起きません。


5年経った時に、金利に変化があれば、
その時に返済額も変わることになるので、
今で言えば、2020年に変動金利で借りた方であれば、
ちょうど反映されるタイミングになる
可能性があるというイメージです。


上記の理由で
毎月の返済額(支出)は変わらないのですが、
気をつけないといけない点があります。


それは、
返済額の内訳」です。


毎月の返済額は5年ルールで変わらないのですが、
金利が上がり、反映されると、
返済額の元本と利息の内訳が変わってくるのです。


イメージを分かりやすくするために
極端な例をあげますが、
例えば、毎月の返済額が50,000円で、
30,000円が元本の返済、
20,000円が利息の支払だった場合に、
金利が上がることに伴って、
元本の返済が20,000円、利息が30,000円のように、
内訳が変わるということです。


これの意味する所は、
残債の減りが遅くなる、ということです。


当初予定より、利息を多く負担することになる、
ということです。


金利が上がっても、毎月の返済額が変わらないために、
無頓着で過ごしてしまうと、ふと気が付いた時に、
「思ったよりも、残債が減っていないなぁ」
ということにもなりかねない、ということです。


まだそこまでの金利上昇に
見舞われる可能性は低いとは思いますが、
仮に0.15%の金利アップだとしても、
返済月額の中で、利息の負担が多少ではあれ、
増えることになるのは間違いない事実です。


そんな時こそ、
繰上返済」を無理なく行うなどして、
利息の負担をおさえながら、残債を減らし、
資産を殖やすという方法を行うのが、
金利アップに対する一番の防衛策になると
私は考えています。


今日お伝えした、
金利が反映される時期や5年ルールの有無などは、
ローンの手続きを行う時に、
金融機関で実印を押したりした書類の中の、
金銭消費貸借契約書」に記載がされています。


契約手続き時には、
一通り説明を受けているはずですが、
なかなか覚えていないですよね?


保険の約款などと同じように、
細かな字がつらつらと書かれている書類ですし、
一言一句覚えている方の方が少ないと思います。


首相が岸田さんから石破さんに代わり、
金融や不動産の世界にも、
何がどんな影響を及ぼしてくるか、
ますます分かりにくくなったように感じています。


高市さんと異なり、
もしかしたら金利の引き上げを
前向きに捉えていくかもしれません。


いずれにしても、
皆、今後がどうなるかなど
予見することは不可能なのですから、
仮に金利が上がったとしても
それに対応できるようにするために、
1度、ご自分が交わされている
金銭消費貸借契約書
目を通して、確認されてみること、
おススメしたいと思います。


111
借りている部屋を購入したい


先日お受けしたご相談は、
いつもと少し毛色が違っていました。


「今、賃貸で借りている部屋を
 購入することってできるのでしょうか?」

という内容です。


つまり、今払っている賃料と、
支払額があまり変わらないのであれば、
今の場所に住み続けながら買いたい、
という内容です。


リースバックという仕組みの
認知度があがってきていますが、その反対です。


もしあなたがが、このような話を、
借主である入居者さんから受けたら、
売りたいと思いますか?


もしあなたが、今賃貸にお住まいだとしたら、
貸主である大家さんに、
このような話を持ちかけたいと思いますか?


今回の話は、
借主である相談者様が住まいとして、
その場所を本当に気に入り、
長く住み続けたい想いになられたからこそ、だと感じます。


その意味で言えば、
貸主である大家さんにとっては
物件冥利の嬉しさを感じますよね。


気に入って頂ける住まいを提供できていたのだ、
という意味で。


私自身が、大家の立場で、
もしそういう話をお受けしたら、という私見ですが、

「年間賃料の15年から20年くらいの価格を示されたら、
 検討しても良いと感じるかも」

と、ご相談者の方にはお伝えしました。


立地によっては、
手放さずに持ち続けたい物件もありますし、
もう少し低い価格でも手放しても良いという物件もある。


など、大家さんによって考え方はそれぞれ違うので、
一概には言い切れないですけれど、
とも付言しながら。


ただ、本当に検討したいのであれば、まずは、
「その意向を伝えてみること」が
何よりも大切だとはお話しました。


今回の不動産に限らず、
何事においてもそうですが、
思っているだけでは相手には伝わらない。


ダメ元でも、
言葉にして伝えてみなければ、何も変わらないし、
状況が動くことはないからです。


もしかしたら、
売却のつもりはまったくないような方でも、
入居者さんからの意向を踏まえて、もしかしたら、
「譲っても良い」
という気持ちになるかもしれないからです。


そこで、実現できるかは未知ですが、
どんなステップで進めていくのが良いか、
現時点では何ができるか、を
相談者さんと一緒に考えてみました。


検討する中で、
最初のステップとしては、

「大家さんにお手紙を送るのが良いのでは?」

という話に。


内容に関しては、
慎重を期す必要はありますが、

「今借りて住まわせて頂いている部屋、
 物件に対して、どれだけ愛着があり、気に入っているか。
 そこで過ごせていることへの感謝の気持ちを、
 ふんだんに手紙にしたためる。
 そして、その愛着のある想いを末永く味わいたいので、
 もし可能であれば、譲って頂けませんか?」

のような流れで、
手紙を書いてみるのは、どうでしょうか?
という内容です。


借主さんから、
そういう内容の手紙を受け取る大家さんなんて、
なかなかいないと思うので、
面食らうかもしれませんが、
愛着をもって借りて住んで頂いている想いを
直接目にすることができるという点で、
悪い気はしないと思うのです。


その手紙をお送りしたからと言って、
お返事を頂ける保証もありません。


仮にお返事を頂けたとしても、

「ごめんなさい、売却するつもりはありません」

という返事が届くかもしれません。


その時は、それはそれで、
やることをやった上での結果なので、
致し方ないと思います。


やらずに後悔するよりも、
行動を起こした結果であれば、
気持ちの面ではすっきりとできると思うからです。


では、もし検討しても良いという、
好意的なお返事を頂けた場合。


その場合は、

「どうして、
 譲っても良いという想いになられたのか?」

という理由、お気持ちを、
ヒアリングしてみる流れが良いのでは、
と考えました。


不動産は各物件に所有者がおり、
お考えや現状などは様々です。


だからこそ、もし手紙を受け取られて、
気持ちが動いたのであれば、
何かしらの理由やご事情があるはずです。


「年を重ねてきて、
 物件の管理がわずらわしく感じ始めていた」

とか

「相続のことを考えた時に、
 子供たちが揉めないように、金融資産にして、
 円満に分けられるようにしておきたいと
 考え始めていた」

とか

「子供の学費にあてる、
 まとまったお金を用立てたいと思っていた」

など、理由は考えていけば、
いろいろと思いつきます。


こちらの想いを伝え、
大家さんの想いも聞くことができた。


大家さんの想いも踏まえて、
本当に譲って頂けそうだ、となった時に初めて、
価格のお話を持ちかけてみるのが良いのではないか。


そして、その時は、こちらから、
最初に希望の価格を伝えるのが良いのではないか、
と考えてみました。


もともと、売りたい想いはなかった大家さんなので、
売るとしたらいくらになるのか、などは
意識していなかったと思うからです。


こちらの提示した金額を
受け入れて下さるかもしれませんし、
こちらの提示した金額を踏まえて、
交渉が始まるかもしれませんが、
あとは、落としどころをどこにするかは、
話し合うしかありません。


そして、価格面での折り合いがつけば、
売買契約、ローンの手続き、
登記の手続きなどが必要になってきます。


契約は双方が合意すれば、取り交わしもできますが、
不動産の場合、価格も高額になりますし、
慎重に進めた方が良いと思うので、そこからは、
第三者である不動産会社の担当者に入ってもらい、
手続きなどを進めた方が、後々の問題も起きにくく、
身を守ることにもつながるのではないか、とも話しました。


今回は、いつもとは毛色の変わった
ご相談内容だったこともあり、皆さんならどう感じるか?
ということも伺ってみたい、
という気持ちも込めてお伝えさせて頂きました。


なかなかないケースだとは思いますが、
もしあなたが、貸主である大家の立場、
借主である入居者の立場だったら、
今回の話をどう感じられるか?


もし良かったら、忌憚ないご意見、
ご感想など聞かせて頂けましたら嬉しく思います。


110
おススメしたい、不動産投資の目標とは?


あなたは、
アユカワ  タカヲさん
という方をご存じでしょうか?


いろいろな所で、セミナー登壇などもされているので、
ご存じかもしれませんが、
最近だと、動画チャンネルでの発信が、
目にする機会としては多いかもしれません。
https://www.youtube.com/channel/UCDWamGjy_BFZVytmG8yY5zw


ご自身でも大家業を探求され、
特に金融機関のことには
ものすごく精通されている方です。


その上で、お話のされ方も非常にうまいので、
聞いていてすごく引き込まれて楽しさを感じる、
私が知っている中でも、
数少ない講師のおひとりです。


そんなアユカワさんが、
先日、横浜でお話される機会があり、
足を運んできました。


久々にご挨拶もしたかったので。


知り合わせて頂いたのはいつだったか、
はっきり覚えていないのですが、
お話を聞かせて頂くたびに、
いつも何かしらの気づきを得られる方です。


動画を見るだけでも、
充分な学びにつながると思いますが、
リアルのセミナーなどで、
会ってみたいなどと感じるならば、
そんな場も作れるように、
直接相談してみたいとも思いますので、ご連絡下さい。


私事で恐縮ですが、アユカワさんの動画で、
拙著2冊も、取り上げて頂いたことがあり、
ものすごく感謝し、
お世話になっている方でもあります。
https://www.youtube.com/watch?v=8w884LZRRmM
https://www.youtube.com/watch?v=2pKsWUyfx_U&t=177s


学部は違いますが、偶然にも、
私の出身大学の先輩でもあります。


今後も末永く、学び、
気づきを得させて頂ければと思っております!


今回、アユカワさんのお話を久々に伺う中で、
不動産投資、大家業をするなら、
こういうことを目標にしてみると良いかも、
とお伝えするのもありかな、と感じ、
その点をテーマにしてみます。


これは、私自身も、
やり方こそ若干異なりますが、
同じようなことをしたな、
と共感できる部分もあったという点で、
皆さんにも参考にして頂ける部分もあるのでは?
という想いも込めてお伝えします。


その目標とは、

融資を完済し
抵当権のない物件を1つ保有すること

です。


不動産投資、大家業は、
融資をうまく活用しながら、
レバレッジを利かせて、
資金を効率的に運用するというのが、
株式投資など、金融資産への投資にはない魅力の1つです。


とは言え、活用できる融資の金額にも、
個人差はありますが、多かれ少なかれ、
いつか限界が訪れる時がきます。


年収との兼ね合いや
貸借対照表など財務面でのバランスなどの兼ね合いで、
これ以上は貸すのが難しい、
と金融機関が判断する時期が訪れる、
という意味合いです。


そんな時に、
抵当権のついていない、無担保の物件があることが、
有利に働く可能性があるのです。


これは、年収などを含めた条件面において、
金融機関の要件を満たせないような時にも、
プラスに働く効果があります。


この点に関して、
金融機関の立場から、考えてみたいと思います。


金融機関が融資を行う場合に、
1番気にすることは何でしょうか?


それは、

「貸したお金が利息と合わせて、
 約束通りに返してもらえるかどうか」

です。


そして、

「万が一、返済が滞った場合でも、
 貸したお金を回収できるかどうか」

です。


そのために設定されるのが
抵当権です。


つまり、無担保、無抵当の物件があることは、
金融機関から見た時に、融資をする際の、
大きな安心材料になるという意味合いです。


皆さんや私の立場から考えると、
万が一に備えて、
無担保、無抵当の物件を差し入れるので、
融資の検討を前向きに進めて頂けないか、
と話す材料にできるのです。


もちろん、無担保、無抵当の
物件があることは、賃貸経営面でも
大きなプラス面があります。


返済する必要がないので、
受け取った家賃から、経費を差し引いた金額を、
毎月安定的に受け取れるように
なる安心感にもつながります。


その安心感も活かしながら、
無担保、無抵当の物件があります、
と金融機関と話すことで、
新たな物件を購入したい時に、
話を進めやすくなるのです。


アユカワさんの場合、
その無担保の物件は、生前贈与で譲り受けた
お祖母様のお住まいだったとのこと。


この物件があったおかけで、
その後一棟物件を購入していくにあたって、
うまく活用しながら資産拡大できた、
というお話をされていました。


私の場合は、
2007年に2部屋目を購入する時に、
上記のようなことまでは意識していなかったのですが、
直感的に、
無担保、無抵当の物件を持っておく方が良いだろう、
と感じていました。


そこで利用したのが、親ローンです。


つまり、
両親から借金をして購入したということです。
(現在、絶賛返済中。
 あと約5年で完済です!)


これが意味する所は、
謄本など含めて、対外的には、
無借金の物件だと示せるということです。


30代前半の転職直後で、
年収や勤続年数だけでは通らなかった時の融資を、
この親ローンで購入した無担保物件を、
共同担保(人質のようなイメージ)
として提供することで、
買い進めることができたりもしました。


その後、借換をした時に、
その共同担保は外れ、再度無担保になったので、
違う物件の購入時に、
再度、共同担保に差し出して、
購入するようなことをした時期もありました。


アユカワさんも
先程伝えた物件を利用して、
このようなことをなされていた
とおっしゃっていました。


そんなことの繰り返しで、私も、一時期、
15部屋保有していた時期がありましたが、
それができたのは、
この無担保物件を使った
共同担保差し入れ作戦を活用できたからだと、
改めて感じています。


物件を購入したいけれど、
融資の残高が増えていくことが不安だ、
とおっしゃる方がいらっしゃいます。


不動産投資、大家業の融資は、
自分ではなく入居者さんに返して頂く仕組み
になっている。


とは言え、借金であることに違いはないので、
そのお気持ちも良く分かります。


だからこそ、
まずは1物件だけでも完済をして、
融資残高のない物件を保有することは、
精神的な安心感にもつながると私は思います。


融資残高のない、
無担保無抵当の物件があることで、
そのような安心感も手に入れつつ、
追加の物件を購入する時にも使えるなど、
その後どう活用するかの選択肢が
広がります。


保有物件数を増やし、
空室リスクなどを分散するという考え方も大切ですが、
融資残高のことを考えると、
その考え方に前向きになれない方も、
いらっしゃるかと思います。


そんな方にとって、
1物件完済目標戦略、という進め方、
いかがでしょうか?


毎月の給与の一部を繰上返済に充てたり、
NISAを活用しながら、
10年後などを見据えて運用して完済を目指すなど、
方法はいろいろと考えられます。


保守的で面白味はないかもしれませんが、
そんな考え方も良いかもしれないですよ、
と今日はお伝えして、
筆を置きたいと思います。


109
買いあがり


1つ前のコラムで、
私がネットで見つけた物件を、具体的に検討し、
結果としては購入に至れなかった
体験談のお話をさせて頂きました。


前回は、3時間で掲載が削除された物件の
動きの早さなどに触れたやりとりについて、
お伝え致しました。


その後、数名の方から、
もう1つの話を聞きたいとの要望を頂いたので、
購入に至れなかった体験談について
触れさせて頂きます。


今回お伝えする内容に関しては、
購入ができなかった、というよりは、

「そこまでして買いたいという、
 熱い想いに私がなれなかった」

ことで、
買わないという判断を最終的に下した、
というのが、結論になります。


その結論に至った1番の想いが、
買いあがり」です。


では、「買いあがり」とは何か?


ご存じない方のためにお伝えすると、
ひとことで言えば、

「オークション形式で
 物件の購入者が決まる状態になった」

とイメージして頂けると
分かりやすいでしょうか?


つまり、
ネットに掲載された当初の価格ではなく、
その価格を上回るお金を出しても、
その物件が欲しい人が複数いる状態になった
ということです。


この物件、掲載から、
約半日で削除された点は前回お伝えしましたが、
担当者の言葉を信じれば、
「購入したいです」という意思表示を
書面で最初に提出したのは私でした。


7分差で、私が最初に意思表示をしたと
連絡を受けました。


何度かネットで見かけたことはある会社さん。


問い合わせ、やり取りするのは初めてでしたが、
担当者は良心的だな、という印象を受けました。


買いたいという意思表示をした後、

「書類は届き次第順次お送りしますので、
 それらの書類に全部目を通した後、
 最終的に判断して下さい」

というのが、
最初の電話でのやりとりでした。


その後1週間くらいかけて、
「登記簿謄本」や「調査報告書」
さらには、
「過去3年くらいの総会の議案書や議事録」
「理事会の議事録」など、
私が期待する以上の書類を
お送り頂くこととなりました。


「担当者もしっかりしていらっしゃるし、
 書類を見ても、長く持ち続けられそうな安心感が湧いたので、
 1番手だし買おう!」


と自分の中で決心して、
担当者へ連絡を入れました。


するとそこで返ってきた答えが、

「斎藤さん以外にも、
 2番目以降の購入希望者が3人います。
 掲載した当日にその状態になったので、
 ネットの掲載は削除しました。
 同じ書類を、他の方へもお送りした所、
 価格を上回るお金を出しても
 買いたいとおっしゃっていますが、
 斎藤さんはどうされますか?」

私にとっては、寝耳に水でした。


私はネットに掲載された
情報を踏まえて、良いと感じたから、
買いたい意思を表明しました。


それなのに、
その当初の価格では、手に入らないのか・・・


担当者さんの続きの話としては、

「弊社も価格を釣り上げるつもりはないのですが、
 売主さんのことを考えると、
 少しでも高い価格でお売りして差し上げたいので、
 1番手とかではなく、
 同日の意思表明があった方の中で、
 1番良い条件を提示頂いた方と、
 契約を結ばせて頂きたいと考えています」

という内容でした。


「えっ、そんなこと、
 言ってませんでしたよね。
 ちなみに、他の方は、いくらなら、と
 おっしゃっているのですか?」

と聞き、その価格を教えて頂いて電話を切り、
少し検討することにしました。


「リターンなどは若干落ちるけれど、
 その価格でも良いか」

と考えた私は、
同じ価格であれば、1番手が購入できる、と思い、
他の方がおっしゃっている価格で買います、
と連絡を入れました。


すると、担当者からは、

「他の方から、さらに高い価格の提示がありました。
 弊社も売主様の立場から、
 少しでも高く売って差し上げたい気持ちはありますが、
 価格をきりなく、釣り上げようとまでは思っていません。
 そこで、一発勝負で、みなさんに、
 いくらまでなら出して買いたいと思うかを提示して頂き、
 1番高い価格をご提示頂いた方と、
 契約する方針に決めました。
 期限は明後日です。」

という内容でした。


このセリフを聞いた時、
私の購入意欲は一気に失せました。


「相場より割安だと思うから、
 100万円くらい上乗せしてきても、おかしくないな」

という想いと、

「もしかして、
 その価格買い上げ自体が販売の戦略では?
 高く提示したた場合、
 その価格で、もし自分が買うことになっても嫌だな」

という不信感的な想いが
同時に湧いてきたからです。


実際、他に購入検討者がいて、
価格を上げても買いたいという方がいる点に、
嘘偽りはないとは感じました。


ただ、当初の価格だから魅力を感じて問い合わせたのに、
そこから1割以上とかあげてまで、
手に入れたいという想いまでは私にはない。


という判断のもと、
そのオークション的な一発勝負に
参加することから身を引き、
買い上げ物件購入検討をやめることにした。


というのが、
一連の流れ、全体像です。


不動産は、市場のある株式とは違うので、
価格も個別に決まります。


そこが面白い点でもあるのですが、
今回の買い上げのようなことも、
場合によっては起こるのです。


前回に引き続きですが、良いと感じる物件を、
公然に知りえるネットなどの媒体で探し、
購入することは、
なかなか難しいと感じる出来事でした。


ただ、もしかしたら、
物件との相性もあるのかもしれません。


今回の物件、別の部屋ですが、
実は、9年前くらいにも、
購入しようとしたことがあったのです。


その時もたまたま1番手で、
仲介会社さんが、他の方への紹介を止めて、
私との契約に向けて、話を進めて頂いていました。


条件なども確認し、固まって、
いざ契約日を決めましょう、という段階になって、
突如、売主さんが

「売却することやめました。」

と連絡が入り、ご破算になったことが
あったのを思い出しました。


後日、謄本を見てみたら、
所有者の名前には、
不動産会社さんが記載されていました。


きっと、一般向けには公開ストップしたけれど、
情報を見ていた不動産会社さんが、
直接売主さんにアプローチして、
高値で買うよ、みたいな話になり、
私との契約を、取りやめたのだろう、
という想像がつきました。


契約自由の原則はありますが、
「そりゃないよ~」と思いませんか?


どうやら、私は、
このマンションとのご縁を持てない
運命なのかもしれないな。


そんなことも感じる、
買いあがりの出来事体験の共有話でした。


108
賃貸用区分マンションの動きの早さ


この1週間くらいで体感した、
不動産の賃貸物件の話です。


私は、ネットに掲載される物件は、
基本的に、参考程度にとどめるようにしています。


逐一検索して見ている時間は、
さすがに毎日ある訳ではないので、
一定条件を登録し、
それに合致した物件が掲載されたら、
メールでお知らせが届くようにしています。


参考程度にとどめているとは言いながらも、
稀に「おっ、これは!」
と感じる物件が掲載されることがあります。


この1週間くらいで、
まさかではあるのですが、
そんなことが2回もありました。


FPとして、
サポート、アドバイスを生業にしておりますが、
ひとりの不動産投資家、大家でもある私。


良いと感じる球が投げ込まれてくれば、
打ち返したくなるのが心情。


その2物件、少し下調べをした後、
具体的に問い合わせるという行動を
私は起こしました。


私の具体的行動の結果です。


最初に結論を言うと、
どちらも買えませんでした。


1つは、買わない選択をした、
というのが正確な言い方になりますが、
いずれにしても買わなかったことは事実です。


ネットに掲載されてから、削除されるまでの時間は、
1つが約3時間、もう1つが約半日、
という感じでした。


決して安くはない、区分の賃貸用物件が、
広告掲載されてから1日も経たないうちに、
売れてしまう。


良いと感じる物件の動きは早いなぁ、
というのを、久々に肌身で感じました。


具体的な話に移ります。


1つ目は、
3時間で掲載が終わった物件に関して。


この物件は、
同じマンション内の2部屋がセットで売り出された、
バルク売りという内容でした。


昭和築ではありますが、
品川区内で利便性は抜群の場所。


値付けが明らかにおかしい、と感じたので、

「これは早めに話した方が良さそうだ」

と思い、問い合わせフォームを使わずに、
業者さんへ直接電話を入れました。


すると、

「担当者は今電話中なので」

と言われましたが、
聞ける範囲のことは伺おう、と思い、
電話口の方と私は話し始めました。


話をしている中で、そのスタッフさんは、

「まだ売り出し中です」

などと言いながら、
保留にせず確認して頂いている中で、
ひとりごとのように部屋番号を口走りました。


私は、それを聞き逃しませんでした。


「担当者の電話が終わったら、
 折り返しますね」


と言われて電話を切った後、
私はすぐにあることをしました。


それは、
何だと思いますか?


答えは、「謄本の確認です」


部屋番号を期せずして伺えたので、
まずは現状を知ろうと、
法務局に問い合わせながら、
謄本の取得をしました。


「2部屋とも同じ所有者様だ。
 何かの事情があって、
 2部屋同時に売り出したんだな。
 にしても、2部屋でこの値段では、
 さすがに安いよな。
 なんか困りごとでもあるのだろうか・・・」


などと思いながら、
担当者さんからの連絡を待ちました。


程なくしてかかってきた
電話口からの第一声が、

「先程、電話していた方が買われることになり、
 契約日も決まりました。
 問い合わせて頂いたのに申し訳ありません」

とのこと。


「そうですか・・・
 なら仕方ないですね」


と答えて電話を切るしか、
私には方法がありませんでした。


電話の前に、
買付申込などの意思表示をしていた訳ではないので、
順番をくつがえすようなこともできず、でした。


今回の会社さんは、ホームページもなく、
いわゆる街中の不動産屋さんという感じでした。


もちろん、社名を見ることも初めてでした。


だから、という訳ではないかもしれませんが、
もしかしたら、
賃貸用物件の販売や応対に
不慣れでいらっしゃったのかもしれません。


ただ、いきさつは分かりませんが、
売買の仲介を引き受けられ、
売主様も納得された価格であれば、
それが売買価格となるのが、
不動産の個別性の面白い所でもあります。


こういう業者さんの場合だと、
融資に関して、
金融機関との提携のような
パイプを持ち合わせていないケースが多いので、
その点に関しては、自分で探すしかありません。


そうなると、
金融機関次第にはなりますが、
賃貸用区分マンションのローンで
目にすることが多い、
1%台の融資などは、
なかなか得にくいケースもあります。


もちろん、
あなたが金融機関との取引がすでにあって、
個別に相談にのって頂けるような
関係を築いている場合は、話は変わってきます。


いずれにしても、
改めて今回の自分の体験を通して感じたのは、

「稀にネットに出る良い物件に関しては
 動きが速すぎる。」

「いつ、そのタイミングが
 訪れるかは分からないので、
 絶好球が来た時には打ち返せるように、
 準備をしておくこと。」

やっぱり、この原点に戻るのかな、
ということです。


皆さんも、
ネット掲載の物件を検索して
見たりしているかもしれません。


すでに、ある程度の経験を
積まれていらっしゃっるのであれば別です。


ただ、そうでなければ、融資の面などを考えると、
ネット掲載の物件の中で良い物件を購入するのは、
取り扱っている会社にもよりますが、
もしかしたら難しいかもしれません。
(現金購入であれば話は変わります)


そう考えると、
私が信頼を寄せている会社が何社かありますが、
いわゆる、投資物件専門として営業している
不動産会社の存在って、やっぱりすごいのだな、
とも思い返す機会ともなりました。


物件は、人による好みなどがあり
分かれるポイントはありますが、
金融機関との太い信頼関係があること。


今回のコラムは、
不動産投資、大家業のプレーヤーとして、
私自身が、実際に先日動いた体験談を共有してみました。


もし、もう1つのやり取りの話も聞いてみたい、
などというご要望がありましたら、ご連絡下さい。


次回以降などで、お伝えするように致します。


107
資産を手放した後のこと


「不動産の含み益、最大に」
という新聞記事が先日ありました。


上場企業が保有している不動産の含み益が、
開示が義務となった2009年以降で、
最大の約29兆円になったという内容です。


自社ビル、賃貸用の物件など、保有目的はそれぞれですが、
不動産の含み益が増えたことで、
資本効率が落ちることから、物件を手放して、
株主還元などにあてようとする動きが
出始めているという内容です。


資本効率が落ちるとは
どういうことでしょうか?


企業分析の指標の1つに「ROA」があります。


Return On Assets」の略で、
総資産利益率とも言われます。


イメージを分かりやすく伝えるために、
A社の利益が100万円だとします。


便宜上、資産は不動産のみします。


A社が1,000万円の不動産を保有しているとした場合、
ROAは、100万円÷1,000万円で、10%となります。


1,000万円の不動産が、含み益が産まれて、
1,400万円の評価になったとすると、
100万円÷1,400万円で、約7.1%に下がります。


つまり、同じ利益を産み出すのに、
資産が多いと、資産を有効に活かして、
効率的に利益を産み出せていない、
という判断になるというイメージです。


そこで、上記の例を用いれば、
1,400万円の物件を売却し、同じように
1,000万円で100万円の
利益をあげられるように資産を見直して、
含み益として存在していた
400万円を株主のために使おうという判断を
検討しているような企業が増えている、ということです。


少し解説のようなお話になってしまいましたが、
物件を購入したタイミングや場所によっては、
上場企業に限らず、
皆さんがお持ちの物件でも、
同じように含み益が産まれている可能性はあります。


私も、自分が保有している物件を、
たまに査定してもらっている、
とお伝えしたことがありますが、
査定を踏まえて勘案すると、
含み益のある物件も保有しています。


つまり、今手放せば、
買った値段よりも高く売れて、
利益が出る状態ということです。


もし、所有している資産が含み益があるとした場合、
手放したいと思いますか?
手放したくないと思いますか?


不動産の話をしましたが、
これは株式や投資信託にもあてはまる話です。


少し考えてみて下さい・・・


正解がある話ではないので、
あくまでも私個人としての考え、意見になりますが、
私は、含み益のある資産ほど、
手放すのをためらってしまいます。


これは、不動産に限りません。


株式でも投資信託でも、
スタンスは同じです。


それは、なぜか?
いくつかあるのですが、

「含み益に対しての税金を払うことになる」

「同じような資産を買おうとした時に、
 当初購入したよりも、高い金額で買うことになる」

「家賃や配当など、
 定期的に入ってくる収入が途絶えることになる」


主だった点をあげると、
上記のような感じでしょうか?


資産を売却、手放すことによって、
含み益を手にできるのは、
キャピタルゲインにあたります。


冒頭でお伝えした、
上場企業のような立場の場合、
株主や決算など、様々な制約がある中で、
効率的に、効果的に、
資産配分を行っていくことが求められます。


そのため、膨らんだ含み益を、
売却によって実現させ、
効率経営をしていくという姿勢を示していく必要が
どうしても生じてしまいます。


一方で、私のような個人には、
決算がありません。


また、含み益があったとしても、
周りからとやかく言われるようなこともありません。


ROAのような指標を持ち出して、
あれこれ考える必要もないので、
含み益がある資産ほど、
手放す判断が難しいと私は考えてしまいます。


反対に、含み損を抱えている物件や株式などの方が、
「損失がなくなってスッキリする!」
という想いから、
スムーズに手放しやすいと私は考えています。


では、含み益のある資産を手放すことは一切ないのか、
と問われれば、そんなことはありません。


「その資産を保有する目的や
 意味を見出しにくくなった時」

「具体的に何かへお金を使うことが決まった、
 あるいは、他の対象へお金の置き場を変えたい時」


であれば、売却して含み益を享受する選択は
賢明だと私は考えています。


お金は、
自分のために使ってこそ価値が生まれ、
時代や考え方が変われば、
お金を置いておきたい場所も変わることは
十分にありえるからです。


だからこそ、
資産を手放す判断をする時は、
手放して手元に入ったお金をどのように使うのか?


という先のことまで考えた上で、
売却の判断をすることが必要ではないか、
と私は思うのです。



不動産の含み益という点で言えば、
私が一番興味関心があることとして、
マイホームを売却した方の行く末があります。


例えばですが、
東京都内でマイホームとして、
10年前頃に購入したマンション。


場所や物件にもよりますが、往々にして、
値上がり(含み益)状態にあることが多いと感じています。


高く手放せるから、ということで、
売却されるという判断も
選択肢として悪くないと思いますが、
改めて別の物件を買おうとした所で、
別の物件も値上がりしている。


そうなると、気持ちの面で、
10年前頃のことが思い返されて、
「今、買うのは高いなぁ」という
判断になりかねない、と思うのです。


そうなると、お金の面での資産は増えたが、
手放した後、どんな住まいを選択されているのか、
という点です。


含み益を使って、
別の物件を購入して暮らしているのか?


含み益には手をつけず、
10年前くらいに買ったのと
同じくらいの価格帯の物件がある場所に
住み替えているのか?


買う選択はせずに、
賃貸で過ごしているのか?


資産運用では、損失を抱えた時よりも、
利益が産まれた時ほど、次の使い道などを、
より慎重に考えて、
判断する必要があるのではないか、と私は思うのですが、
皆さんはどう思いますか?


含み益が産まれるから手放そう、
と衝動的に判断してしまうと、
「手放して失敗した・・・」と
のちのち後悔することにもなりかねない、
と思うのです。


私にはそんな経験が過去にあるのですが、
皆さんには、そんな経験ありませんか?


106
入居率よりも気にすべき指標


前回でも触れましたが、
7月後半から8月上旬にかけて、
株式市場や為替相場、金利など、
市場は変動の大きい歴史的な
時期だったように感じています。


地震も発生したりして、
どことなく落ち着きを感じない今日この頃。


そんなタイミングで訪れたお盆の時期。


もしかしたら、皆さんも夏季休暇などで、
少し落ち着いた時間を
過ごされているかもしれません。


日本全体の経済活動が、
少し落ち着くお盆の時期だからこそ、
今一度自分のことに目を向けてみるのも、
良いのではないでしょうか?


そこで、今日は、
資産形成の基本に立ち返るというテーマで
お伝えしようと思います。


資産形成と聞いて、
あなたは何を思い浮かべますか?


資産運用や投資など、お金の置き場を考えて、
将来に向けて殖やす、
備えることを思い浮かべる方が
多いのではないかと私は思っていますが、
いかがでしょうか?


もちろん、資産形成に関して、
手元のお金を殖やしながら、
将来に備えることは大切です。


ただ、この殖やすという視点は、
車で言えば、片方のタイヤでしかない、
と私は考えています。


では、安定走行するための、
もう片方のタイヤはどんなことでしょうか?


それは、「家計管理」だと
私は考えています。


家計の資産と負債のバランスを意識し、
収入と支出を把握することです。


この家計管理ができていなければ、
資産運用を通じて、いくらお金を殖やしたとしても、
いつまでたっても、
精神的な面での安心感を得ることはできません。


お金がどのくらいあれば、
自身の望む生活を送れるのか?
安心してお金を使えるのか?が分からない、
という状態が続くという意味合いです。


では、どのように家計管理をすれば、
少しでも安心感のある生活が送れるようになるのか?


そこで、おススメしたいと考えていることが、

「生涯の収入と支出、
 総額を書き出してみること」

です。


現時点での見通しにはなるのですが、
今後想定できる
「収入の総額」と「支出の総額」を書き出してみる、
という意味合いです。


例をあげて、説明します。


40歳のAさんご一家、
現在の世帯での手取り年収を600万円とします。


65歳まで働き続ける予定で、
退職金は1,500万円受け取る予定。


その後は、公的年金が収入の柱となり、
見込額は世帯で年240万円。


支出に関しては、
生活費が現状年間480万円とします。


退職後の65歳からは年間360万円。


お子様の教育費が
残り1500万円かかる予定。


旅行やコンサートに行くなどの
余暇のお金を年20万円。


車を10年毎に乗り換えながら
80歳まで運転する。


買い替え費用は300万円とします。


収入に関しては、65歳まで働く予定なので、
600万円×25年間(40歳から65歳)
で1億5,000万円。


退職金が1,500万円。


年金が年間240万円で、100歳までと想定して、
240万円×35年間(65歳から100歳)で8,400万円。


合計で、「2億4,900万円」が、
想定収入となります。


支出に関しては、
480万円×25年間(40歳から65歳)で1億2,000万円。
360万円×35年間(65歳から100歳)で1億2,600万円。


教育費が1,500万円。


余暇のお金が
20万円×60年で1,200万円。


車が300万円×3回(50歳、60歳、70歳)で900万円。


合計で、「2億8,200万円」が、
想定支出となります。


この生涯での見込収入と見込支出の差額を計算すると、
▲3,300万円となります。


なので、Aさんご一家の場合、
この3,300万円に相当する金額を工面できれば、
一生涯というトータルで見た時に、
安心できるひとつの目安となる、というのが、
生涯収入と生涯支出を書きだすことで見えてきます。


これを見た時に、どう考えるかはそれぞれです。


例えば、投資信託のつみたてで、
65歳までの25年の間に
運用利回り3%で不足額の▲3,300万円を用意しようとすれば、
毎月の積立金額は、約74,000円になります。


家賃や配当金などで、
65歳から定期的に収入が入ってくるように準備しようとすれば、
35年間で▲3,300万円の不足額を補うとして、
毎年100万円弱。


月にすると、約8万円の収入を
公的年金以外に確保できるようにすれば、
安心できる、ということになります。


あるいは、支出の見込が多いと考えて、
65歳からの生活費を年360万円ではなく300万円と想定すると、
▲60万円×35年で2,100万円
支出見込みを減らせるので、
生涯での不足見込額は
▲3,300万円ではなく▲1,200万円
と考えることもできるようになります。


上記、例をあげながらお伝えしましたが、
もちろん生涯収支を考えるとは言っても、
現時点での見込みなので、
必ずその通りに進むとは限りません。


あくまでもひとつの目安です。


ただ、何のために資産運用をするのか、
という羅針盤を持つことが家計管理を通してできれば、
闇雲に資産運用に取り組むこともなく、
相場に一喜一憂するようなことからも
距離を置くことができるのではないでしょうか?


ぜひ一度、
資産形成の両輪の1つである、家計管理に関しても、
あなたが今後、
安心して過ごせるための目安をはかるためにも、
生涯収支を書き出して確認してみること、
おススメしたいと思います。


105
資産形成の基本に立ち返ってみる


前回でも触れましたが、
7月後半から8月上旬にかけて、
株式市場や為替相場、金利など、
市場は変動の大きい歴史的な
時期だったように感じています。


地震も発生したりして、
どことなく落ち着きを感じない今日この頃。


そんなタイミングで訪れたお盆の時期。


もしかしたら、皆さんも夏季休暇などで、
少し落ち着いた時間を
過ごされているかもしれません。


日本全体の経済活動が、
少し落ち着くお盆の時期だからこそ、
今一度自分のことに目を向けてみるのも、
良いのではないでしょうか?


そこで、今日は、
資産形成の基本に立ち返るというテーマで
お伝えしようと思います。


資産形成と聞いて、
あなたは何を思い浮かべますか?


資産運用や投資など、お金の置き場を考えて、
将来に向けて殖やす、
備えることを思い浮かべる方が
多いのではないかと私は思っていますが、
いかがでしょうか?


もちろん、資産形成に関して、
手元のお金を殖やしながら、
将来に備えることは大切です。


ただ、この殖やすという視点は、
車で言えば、片方のタイヤでしかない、
と私は考えています。


では、安定走行するための、
もう片方のタイヤはどんなことでしょうか?


それは、「家計管理」だと
私は考えています。


家計の資産と負債のバランスを意識し、
収入と支出を把握することです。


この家計管理ができていなければ、
資産運用を通じて、いくらお金を殖やしたとしても、
いつまでたっても、
精神的な面での安心感を得ることはできません。


お金がどのくらいあれば、
自身の望む生活を送れるのか?
安心してお金を使えるのか?が分からない、
という状態が続くという意味合いです。


では、どのように家計管理をすれば、
少しでも安心感のある生活が送れるようになるのか?


そこで、おススメしたいと考えていることが、

「生涯の収入と支出、
 総額を書き出してみること」

です。


現時点での見通しにはなるのですが、
今後想定できる
「収入の総額」と「支出の総額」を書き出してみる、
という意味合いです。


例をあげて、説明します。


40歳のAさんご一家、
現在の世帯での手取り年収を600万円とします。


65歳まで働き続ける予定で、
退職金は1,500万円受け取る予定。


その後は、公的年金が収入の柱となり、
見込額は世帯で年240万円。


支出に関しては、
生活費が現状年間480万円とします。


退職後の65歳からは年間360万円。


お子様の教育費が
残り1500万円かかる予定。


旅行やコンサートに行くなどの
余暇のお金を年20万円。


車を10年毎に乗り換えながら
80歳まで運転する。


買い替え費用は300万円とします。


収入に関しては、65歳まで働く予定なので、
600万円×25年間(40歳から65歳)
で1億5,000万円。


退職金が1,500万円。


年金が年間240万円で、100歳までと想定して、
240万円×35年間(65歳から100歳)で8,400万円。


合計で、「2億4,900万円」が、
想定収入となります。


支出に関しては、
480万円×25年間(40歳から65歳)で1億2,000万円。
360万円×35年間(65歳から100歳)で1億2,600万円。


教育費が1,500万円。


余暇のお金が
20万円×60年で1,200万円。


車が300万円×3回(50歳、60歳、70歳)で900万円。


合計で、「2億8,200万円」が、
想定支出となります。


この生涯での見込収入と見込支出の差額を計算すると、
▲3,300万円となります。


なので、Aさんご一家の場合、
この3,300万円に相当する金額を工面できれば、
一生涯というトータルで見た時に、
安心できるひとつの目安となる、というのが、
生涯収入と生涯支出を書きだすことで見えてきます。


これを見た時に、どう考えるかはそれぞれです。


例えば、投資信託のつみたてで、
65歳までの25年の間に
運用利回り3%で不足額の▲3,300万円を用意しようとすれば、
毎月の積立金額は、約74,000円になります。


家賃や配当金などで、
65歳から定期的に収入が入ってくるように準備しようとすれば、
35年間で▲3,300万円の不足額を補うとして、
毎年100万円弱。


月にすると、約8万円の収入を
公的年金以外に確保できるようにすれば、
安心できる、ということになります。


あるいは、支出の見込が多いと考えて、
65歳からの生活費を年360万円ではなく300万円と想定すると、
▲60万円×35年で2,100万円
支出見込みを減らせるので、
生涯での不足見込額は
▲3,300万円ではなく▲1,200万円
と考えることもできるようになります。


上記、例をあげながらお伝えしましたが、
もちろん生涯収支を考えるとは言っても、
現時点での見込みなので、
必ずその通りに進むとは限りません。


あくまでもひとつの目安です。


ただ、何のために資産運用をするのか、
という羅針盤を持つことが家計管理を通してできれば、
闇雲に資産運用に取り組むこともなく、
相場に一喜一憂するようなことからも
距離を置くことができるのではないでしょうか?


ぜひ一度、
資産形成の両輪の1つである、家計管理に関しても、
あなたが今後、
安心して過ごせるための目安をはかるためにも、
生涯収支を書き出して確認してみること、
おススメしたいと思います。


104
相場が「嵐」の時


7月後半から8月にかけて、
為替や金利、株式市場、
それぞれ変化がありましたね。


為替に関しては、
円ドルレートで160円近くだったのが、
140円台まで円高が進んだ。


金利に関しては、
変動金利の住宅ローンに影響が及ぶことが多い、
日本銀行の政策金利が0.25%に利上げされた。


それに伴って、メガバンクなどを中心に、
預金の金利は0.1%、
ローンの金利は0.15%
上げる動きを表明した所が多い。


株式市場に関しても、
2日(金)に、日経平均株価が、
史上2番目と言われる 2,216円の下げ幅を記録し、
5日(月)には、
史上最大と言われる 4,451円の下げ幅を記録した。


と思ったら、翌日の6日(火)には、
3,217円と過去最大の上げ幅を記録した。


恐怖指数とも言われる日経VIに関しても、
5日(月)には、70に迫る数字に上昇した。
(VIは20を超えると不安心理が高まり、
 値動きの変動が大きくなりやすい目安の指標)


日本国内の要因だけで、
こういう事態になった訳ではありませんが、
相場の参加者が、今後の見通しなどに関して、
様々な側面で疑心暗鬼に陥っている、
というのが、最近私が感じている所です。


そんな疑心暗鬼に陥り、
嵐のような状況に相場が陥っている時、
私達はどのように行動するのが良いのでしょうか?


あなたは、どう思いますか?


最初に私の結論から言ってしまえば、

「だから何?」 

です。


相場に嵐が吹き荒れているような時でも、
凪のような穏やかな心持ちでいること。


嵐に巻き込まれて、
行動や気持ちが乱れないように、
常日頃から備えておくことが、
何よりも大切だと私は考えています。


嵐に巻き込まれてしまうのは、
どんな方か?


20年前くらいの
私のような人間です(苦笑)


つまり、株価や為替の値動きで利益を上げようと、
一喜一憂してしまう方。


含み損が出ているのを見て、
心がザワザワとして、
落ち着かない想いになり、
流れに身を任せて売却してしまうような方。


ではないか、
と実体験も踏まえて私は考えています。


昔の自分に言い聞かせる意味も込めながら伝えますが、
そんな嵐に翻弄されてする
行動は良くない。もったいない!


今の私は、
株式投資はほとんどしていないのですが、
株式投資が好きな方は、こういう時には、
冷静に値下がりした銘柄の中から、
これは!と思う銘柄を着実に購入する、
という行動をとっているはずです。


投資信託の毎月定額つみたてがメインの私でさえ、
今回の値下がりしたタイミングを見て、
スポットで追加購入する行動をとりました。


頭では分かっていても、そんな落ち着いて、
凪のような気持ちで行動することって難しい、
と思う方もいらっしゃるかと思います。


そんな方には、
こうお伝えしたいです。


「証券会社の口座にログインしないこと!」


今の数字、金額を見てしまうから、
そこで見た現状に心穏やかで
いられなくなってしまうと思うのです。


「長期・分散・積立」の
いわゆる長期投資のスタンスで
資産運用、資産形成に取り組んでいるのであれば、
日々の値動きを気にするのはナンセンスです。


今回のように、
スポットで追加購入しようと思った時は別ですが、
私の場合、証券会社にログインするのは、
基本、月に数回だけです。


日本株式、世界株式、REIT、金などに
毎月定額をつみたてる設定をしているので、
日々、ログインする必要もなく、

「何かが下がれば、
 他の何かが上がっているだろう」

くらいのスタンスで構えています。


実際の所、この嵐のような状況の中にあって、
金などは値上がりの傾向を示しています。


中古ワンルームなどの不動産物件に関しては、
そもそも日々公表されるような相場もないので、
気にする余地がありません。


そのため、私の場合は、
日経平均が大きく下がろうが、為替が大きく変動しようが、
「だから何?」なのです。


だからこそ、嵐のような相場で、
気もそぞろみたいに感じているのであれば、
あえてその現状を見ない、
あるいは、見ないで済むような
資産配分や仕組みにすることが大切ではないか、
と私は考えています。


投資の神様と言われる、
ウォーレンバフェットさんも、

「今後、市場が10年閉鎖されたとしても、
 喜んで持ち続けられる企業だけを買いなさい」

と、おっしゃっています。


20年前の私は、そんな言葉も知らず、
市場に翻弄されている人間だったのですが、
心穏やかに、凪のような気持ちで過ごすにはどうすれば良いか?
という想いが出発点となり、
不動産投資、大家業を始めました。


今年は、アメリカの大統領選挙などのイベントもあり、
市場や相場は、しばらく落ち着かない、
嵐のような展開になるかもしれません。


皆さんには、そんな中でも、
嵐に巻き込まれず、心穏やかに、
着実に資産形成、資産運用を行って頂きたいと思っています。


どうすれば凪のような想いで過ごせるか?


今のような状況だからこそ、
もし気になる点があるならば、
あなたにとってどんなスタンスでいるのが良いのかなど、
一度立ち止まって考えてみることを
おススメしたいです。


金融資産に関してであれば、
GPIFのポートフォリオは、
保守的で参考にしやすいのではないか、と思うので、
最後に参考までにURLをつけておきます。
https://www.gpif.go.jp/gpif/portfolio.html


103
安心してお金を使えていますか?


内閣府から年に1度公表される
経済財政白書」という報告書があり、
7~9月頃に公表されることが多いです。


令和6年分はまだ公表されていないのですが、
先日原案が明らかになったと
新聞に掲載されていた内容を踏まえて
今回はお伝えします。


その原案で伝えられている中で印象に残ったのは、
家計の金融資産は60歳~64歳がピークで、
その後は大きく減らない、という内容です。


60歳~64歳のピーク時の
平均保有資産残高は約1,800万円。


その後、80歳代になっても、
ピークからの資産残高の減少幅は1割くらい、
つまり1,600万円くらいが平均という内容でした。


何歳からが老後という定義はありませんが、ここでは、
公的な老齢年金を受け取り始めた後を老後として
話を進めさせて頂きます。


60歳~70歳くらいで
受け取り始められる方が多いとされている老齢年金


80歳代になっても、
資産残高が1割くらいしか減っていない、ということは、
多くの方が、資産の取り崩しは最小限に抑えながら、
老齢年金だけで、
生活を十分に過ごせているということでしょうか?


先程の内容を見た時、
私の脳裏には、この疑問がわきました。


あなたは、どう思いますか?


「そうではない」
が私の中での答えです。


築き上げた資産は、
「今後何かあった時のため」に備えておき、
老齢年金で受け取った金額の範囲内で暮らす
というスタイルを選んでいる方が
多いのではないか?と感じています。


もちろん、
老齢年金を十分に受け取ることができている方も
中にはいらっしゃると思います。


ただ、どちらかと言えば、
そういう方は少数派ではないでしょうか?


金融資産残高が年を重ねてもあまり減っていないのは、
受け取る年金の範囲内で生活することを心がけてしまい、
蓄えた資産を安心して使おう
という動機が働かないからではないか、
と私は考えています。


もしもに備えるという意識はもちろん大切ですが、
老後は、貯めて備えるよりも、
それまでに築いた資産を取り崩しながら活用して、
いい意味で、自分の生活をラクにし、
楽しむことが必要なステージではないでしょうか?


そんなご自身の今にスポットをあてないで、
資産残高の維持を心がけていることが、
金融資産が年配の方に偏っているという
結果にも現れているのではないでしょうか?


では、安心してお金を使えない理由は何でしょうか?


介護で必要になるかもしれない・・・

長期の入院を余儀なくされるかもしれない・・・


そのようなことが起きた時に
お金面で困りたくないという
想いがわくのは当然だと思いますし、
ある程度の備えをしておくことも必要だとは思います。


ただ、1番の使えない理由は、


「預貯金などの金融資産残高が、
 目に見えて減っていくことを、
 気持ちの面で受け入れにくい」


ことではないか、と私は思うのですが、
皆さんはどう思いますか?


私のおススメの書籍、
DIE WITH ZERO」では、
お金を使って記憶の配当を増やすことが、
人生の充実感、幸福感につながると触れられています。


だからこそ、経験などにお金を使い、
楽しかったという記憶を心に増やすことは大切です。


理論上、最期に資産0円で
きれいさっぱりあの世へ行く
というのはもちろん分かりますが、
とは言え、
目の前の資産残高が減り続けるのを見て、
心穏やかにいられる方は、どれだけいるのかな、
とも思ってしまいます。


そう考えた時に、老後安心して、
楽しさを享受しながら過ごす方法としては、
次の2点ではないかと私は思っております。


① 現役時代に築いた資産の運用を継続しながら、
  毎年、資産残高の●%を使っていく
  というようなルールを決めること。

② 資産を取り崩すのではなく、
  収益を産み出す資産を保有して、
  産み出された収益と老齢年金で
  過ごすことを心がけること。


①に関しては、NISAなどを活用して、
亡くなるまで運用を継続する。


例えば4%取り崩そうと決めたら、

●70歳の時の残高が2,000万円であれば、
 その年は80万円を使う。

●71歳の時の残高が1,950万円であれば、
 その年は78万円を使う。

という具合です。


使った分だけ、残高が減っていないのは、
運用を続けているから。


もちろん、年によっては、
マイナスの運用になる年もあるとは思いますが、
4%という定率で取り崩すということをしていけば、
資産残高の減少ペースを抑えることができるので、
安心感にもつながるのではないか、ということです。


②に関しては、
不動産からの家賃収入、株式からの配当金、
投資信託の分配金など、
保有していることで産まれてくる金額を、
年金収入のプラスとして使うという具合です。


この場合は、空室や減配などにならない限り、
売却せず保有していれば、
継続した収入として見込むことができます。


つまり、
資産残高の元本が減ることを目にすることなく、
新たに入金された金額だけを使うので、
安心してお金を使えるようになるのではないか、
ということです。


①と②、どちらが正解ということはないですし、
これら以外の選択肢もあるかと思います。


最終的には、あなたが、
どんな過ごし方をし、お金とどう付き合い、
どう使っていくか、どう使っていきたいか、
という気持ちの部分との折り合いが必要になってきます。


ご挨拶の中で、自分にとって価値を感じることに
お金と時間を使うことが大切
ということに触れさせて頂きましたが、
お金をどう使うかに関しては、
あなた自身が、自分で失敗も満足も経験し、
使い方の価値基準を身につけていくのが、
1番だと思います。


老後にお金を使えない人、にならないように、
残りの人生で一番若い今日から、
資産運用だけでなく、
お金をどう使うかに関しても
意識しながら生活することが良いのではないか、
と私は考えています。


102
ご両親などと連絡とられていますか?


遺贈寄付という言葉、ご存知でしょうか?


おおまかなイメージをお伝えすると、
あなたがお亡くなりになられた時、
遺った財産を、無理ない範囲で寄付をする。


その使い道を、
生前に遺言などにしたためておく、
という内容です。


NPOなどの非営利団体を中心に、
社会課題の解決に向けて活動されている団体などの中から、
あなたが望む社会、
関心のある分野の活動に取り組まれている団体へ、
お金の面から想いを託す、
と言い換えても良いかもしれません。


人生最後のお金の使い方を考える、
ということにもつながると思います。


遺った財産をすべて寄付する必要はないので、
例えばですが、
2,000万円の内の100万円だけ、
ということも可能です。


ご家族がいらっしゃるならば、
配偶者やお子様などに、基本は遺して差し上げる。


ただ、その内の一部を、
社会に還元するというイメージでもあります。


私のような、
現時点では仮に遺った資産があったとしても、
引き継いでもらう相続人がいない可能性がある人間の場合、
特に考える必要があるという想いにもなりました。


そして、遺贈寄付のことを考えていると、
同時に考えることになるのが相続です。


自分の資産を誰に、
どのように遺すかを考えるという点もありますが、
ご両親やご兄弟などがご存命であれば、
遺される立場として、
相続に向き合うこととなります。


もしかしたら、
自分の資産の遺し方を考えるよりも、こちらの方が、
順番としてはある意味、
先に考えた方が良いのかもしれません。


そこで、お伺いします。


「最近、ご両親と連絡取られていますか?」


すでに、ご両親が他界されていて、
相続をご経験されていたら、
愚門となっていること、お詫び申し上げます。


ただ、ご経験済みであれば、
ご経験を踏まえた視点から、
お目通し頂ければと思います。


相続で、一番大変なことは何だと思いますか?


財産を、どのように分けることが、
円満につながるかということでしょうか?


相続未経験の若造である
私が言うのも恐縮ですが、
相続で一番大変なことは、


「どこに、どのような資産や負債を、
 保有しているかを把握すること」


ではないか、と私は考えています。


相続で、どのように分けるかで揉めたりして、
相続をきっかけに、
親族が仲違いするという話を耳にすることもあるので、
もちろん遺産分割も
ケースによっては大変なことだとお察しします。


ただ、その前に、
全体としてどれだけの資産や負債があるかが分からなければ、
そもそも、どう分けるかの出発点が
定まらないこととなってしまいます。


話がある程度まとまった後に、
気づいていなかった場所から、
追加で資産が見つかったなどという話も耳にしたりします。


だからこそ、ご両親などがご存命であれば、
判断能力がある元気なうちに連絡を取り、
顔を合わせて、

「どこに、どのような資産や負債を保有しているか?」

を、確認しておくことが、
一番の相続対策になるのではないか、
と私は考えています。


私自身は、この点に関しては、
ある程度の準備はできています。


どこの金融機関に預貯金や有価証券を
保有しているのか?
保険は、何に加入しているのか?


預貯金や有価証券の、
正確な残高までは把握しきれていませんが、
仮に相続が発生したとしても、
見つからない資産の存在や
隠れた負債の存在などを探す手間は
ない状態にしてあります。


ぜひ、皆さんも、

「知り合いのファイナンシャルプランナーが、
 亡くなった時に困らないように、
 どこに何があるかを把握しておいた方が良いよ」

と言っていたのを聞いたので、
今度会った時に一度話を聞かせてほしいのだけれど、
みたいなニュアンスで、
私をダシに使って頂いて構わないので、連絡をとり、
話すきっかけを作ってみてはいかがでしょうか?


また、連絡を取ること、顔を合わせることで、
もしかしたら、
今の変調に気づくきっかけになるかもしれません。


例えばですが、
金融機関の方が良くしてくれたから、などの理由で、
あなたが知らない内に、
いつの間にか購入していた金融商品があり、
損失を抱えているけれど、言い出せなかった、
みたいなことに気づいたりできるかもしれません。


遺贈寄付の話題から、相続の準備的な話題に
今回は触れさせて頂きましたが、
問題や揉め事が起きるのは、
大部分がコミュニケーション不足に起因するものだと
私は思っています。


ご両親ともそうですし、
ご家族同士の間でもです。


もしご両親などがご健在であるならば、
皆さんには、
コミュニケーション不足での仲違いや
困りごとに巻き込まれて頂きたくない、と思います。


その点からも、ご両親に連絡を取ったり、
ご家族に連絡を取ったりしながら、
資産の全体把握などを、
今の内から始めてみるのはいかがでしょうか?


そして、遺すことになるかもしれない資産がある時に、
一部の使い道として、
遺贈寄付という使い道を選ぶこともできるという選択肢がある点、
伝えて差し上げるのも良いかもしれません。


101
不動産投資と消費税


7月、日本銀行が発表した資金循環統計によると、
3月末の家計の金融資産は、
2,199兆円になったとのこと。


前年の同期間よりも、
7.1%増という伸び率。


内訳を見ると、現預金が50.9%と
半分強を占めていますが、
株式や投資信託などの、
いわゆるリスク性商品の割合が、19.6%と約2割に増加。


現預金が多い点は変わりませんが、
株式や投資信託の残高が増えたことで、
現預金の割合は相対的に下がりました。


NISAやイデコの認知度が高まり、
実際にお金を投じて行動する方が増えたことが、
この結果につながったのかと感じます。


皆さんは、ご自分の資産、
ご家族含めた世帯での資産の残高、
1年前と比べて増えましたか?
増えた実感はありますか?


おそらくですが、
「増えました!」「実感あります!」という方の方が、
少ないのではないかな、と感じます。


食品の値上げなどが増え、
日常の買い物など、
支出が多くなったという感覚のある方が
多いと思うからです。


ただ、今回お伝えしたい主旨は
そこにはありません。


増えたと実感できている方にとっては、
コツコツ取り組まれてきたことの結果であり、
努力や継続したことの成果なので、
すごく良いことだと思います。


ただ、大半の方が、増えたかどうかが
「分からない」
というのが正直な所ではないか、とも思うのです。


つまり、比較する、1年前のことは、
覚えてないよ、という方が、
多いのではないか?ということです。


もし、あなたの資産が、
預貯金だけであれば、把握するのは簡単です。


1年前の通帳残高と今の通帳残高を見て、
増えているかどうかを比べれば良いからです。


ただ、イデコやNISA、
さらには不動産なども取り入れて、
資産形成を行っている方にとっては、
少し手間暇のかかる作業になってしまいます。


とは言え、資産運用の成果が、
少しでも出ているのかどうかを実感できると、
継続しよう!という
モチベーションにもつながりませんか?
私はつながると感じています。


相場なので、その時々での
上がり下がりがあるのは仕方ないですが、
長期投資という視点で取り組んでいれば、
日々の値動きは気にすることは一切ありません


そこで、私自身も取り入れている、
資産残高を把握するやり方を、
参考としてお伝えします。


面倒くさがりだと自認している私でも、
この方法は継続できている、
そんな方法です。


やり方はいたってシンプル。


エクセルに資産と負債を入力するだけ、
です。


入力するタイミングは、
自身のペースで良いですが、
最低年に1度同じ時期(例えば年末)に行うことです。
そうすれば、前年との比較ができます。


もう少しゆとりがあれば、
半年ごと、3ヶ月毎などに行えば良いと思います。


また私は、保有資産がとっちらからないように、
お金をどこに置いてあるか、の把握も、
しやすいように心がけています。


例えば、預貯金、
私は現在4口座のみ利用しています。

なので、
4口座の月末残高を入力するだけです。


NISAなどの証券関連も、
私は1つの証券会社だけを利用しています。


ここでのポイントは、
商品ごとの収支を見ず
株式や投資信託など、そしてNISA内外も問わず、
純粋に、証券口座の中に、
合計でいくらあるかを入力するだけ。


商品を海外株、日本株など分けて持っていたとしても、
トータルでいくらあるかを把握することが大切だからです。


その他、イデコや金など、
保有しているお金の置き場が他にもあれば、
同様にその時点の残高を入力するだけです。


最後に、不動産。


これは、金銭的な数字として
把握するのが難しいのは否めません。


ただ、金融資産とは異なり、
値動きという点では、
それほど変化が生じにくいのも事実です。


そこで金銭的な数字で把握するために、
私は賃貸管理会社に依頼するという方法をとっています。


これは、値動きの変化は大きくないので、
2年毎くらいで良いのかな、と考えています。


売却しないとしても、
もし今売出したとしたらいくらくらいになるのか?
という定期検査みたいなイメージです。


よくDMなどで
「●●万円で買いたい人がいます」と届いたりしますが、
まゆつばなので、スルーして下さい。


賃貸管理会社に
「仲介の場合と買取の場合」
それぞれ目安でいくらになるかを聞いてみる、
査定してもらうという具合です。


管理会社によっては、
エリアなどによって、買取は行ってない所などもあるので、
必ずしも買取の査定を出してくれるとは限りませんが、
この仲介と買取の査定金額は、
あなたの保有物件の、
今の相場感に近い金額になってきます。


特に、買取の査定を提示してもらえる場合は、
その会社が、
「●●万円出しても、欲しい、仕入れたい」
と考えている意識の現われなので、
最悪でもその金額であれば現金化できる、
底値のようなイメージになります。


なので、その買取金額をベースにして、
エクセルに入力しても良いですし、
仲介の金額と買取の中間くらいの金額でも構いません。


あくまでも、資産残高を把握する目安なので、
相場に近い金額を、残高として入力すれば良いのです。


そこから、融資の残高があれば、
その残高をマイナスとして入力することで、
不動産の純粋な資産残高が目に見える形にできます。


エクセルに簡易な計算式を入れておけば、
上記で入力した資産から負債をマイナスした、
純粋な合計残高が表示されてきます。


その数字を見ると、資産運用の成果などを
実感として意識できるのではないか、ということです。


定期的に行っていれば、
昨年と比べて増えているのかどうか、
続けていれば、3年前、5年前、10年前などとの比較も、
行えるようになってきます。


メディアなどを目にすると、
平均とか億り人などのような数字を見てしまい、
平均値やミリオネアのような方を比較して、
「自分はそこまでできていない…」
みたいなマイナス感情が湧きかねません。


もしその気持ちが、
やる気に繋がれば良いかもしれませんが、
他者と比べた所で、あなたにもたらすメリットは
ほとんどないと私は感じます。


比べるなら、
過去のあなたと今のあなただと私は思います。


ぜひ、資産形成が順調に進むための、
定期チェックのような意味合いも兼ねて、
そして、資産形成を続けるモチベーションのためにも、
定期的な資産残高チェックに取り組んでみること、
おススメしたいと思います。


100
資産残高の把握


7月、日本銀行が発表した資金循環統計によると、
3月末の家計の金融資産は、
2,199兆円になったとのこと。


前年の同期間よりも、
7.1%増という伸び率。


内訳を見ると、現預金が50.9%と
半分強を占めていますが、
株式や投資信託などの、
いわゆるリスク性商品の割合が、19.6%と約2割に増加。


現預金が多い点は変わりませんが、
株式や投資信託の残高が増えたことで、
現預金の割合は相対的に下がりました。


NISAやイデコの認知度が高まり、
実際にお金を投じて行動する方が増えたことが、
この結果につながったのかと感じます。


皆さんは、ご自分の資産、
ご家族含めた世帯での資産の残高、
1年前と比べて増えましたか?
増えた実感はありますか?


おそらくですが、
「増えました!」「実感あります!」という方の方が、
少ないのではないかな、と感じます。


食品の値上げなどが増え、
日常の買い物など、
支出が多くなったという感覚のある方が
多いと思うからです。


ただ、今回お伝えしたい主旨は
そこにはありません。


増えたと実感できている方にとっては、
コツコツ取り組まれてきたことの結果であり、
努力や継続したことの成果なので、
すごく良いことだと思います。


ただ、大半の方が、増えたかどうかが
「分からない」
というのが正直な所ではないか、とも思うのです。


つまり、比較する、1年前のことは、
覚えてないよ、という方が、
多いのではないか?ということです。


もし、あなたの資産が、
預貯金だけであれば、把握するのは簡単です。


1年前の通帳残高と今の通帳残高を見て、
増えているかどうかを比べれば良いからです。


ただ、イデコやNISA、
さらには不動産なども取り入れて、
資産形成を行っている方にとっては、
少し手間暇のかかる作業になってしまいます。


とは言え、資産運用の成果が、
少しでも出ているのかどうかを実感できると、
継続しよう!という
モチベーションにもつながりませんか?
私はつながると感じています。


相場なので、その時々での
上がり下がりがあるのは仕方ないですが、
長期投資という視点で取り組んでいれば、
日々の値動きは気にすることは一切ありません


そこで、私自身も取り入れている、
資産残高を把握するやり方を、
参考としてお伝えします。


面倒くさがりだと自認している私でも、
この方法は継続できている、
そんな方法です。


やり方はいたってシンプル。


エクセルに資産と負債を入力するだけ、
です。


入力するタイミングは、
自身のペースで良いですが、
最低年に1度同じ時期(例えば年末)に行うことです。
そうすれば、前年との比較ができます。


もう少しゆとりがあれば、
半年ごと、3ヶ月毎などに行えば良いと思います。


また私は、保有資産がとっちらからないように、
お金をどこに置いてあるか、の把握も、
しやすいように心がけています。


例えば、預貯金、
私は現在4口座のみ利用しています。

なので、
4口座の月末残高を入力するだけです。


NISAなどの証券関連も、
私は1つの証券会社だけを利用しています。


ここでのポイントは、
商品ごとの収支を見ず
株式や投資信託など、そしてNISA内外も問わず、
純粋に、証券口座の中に、
合計でいくらあるかを入力するだけ。


商品を海外株、日本株など分けて持っていたとしても、
トータルでいくらあるかを把握することが大切だからです。


その他、イデコや金など、
保有しているお金の置き場が他にもあれば、
同様にその時点の残高を入力するだけです。


最後に、不動産。


これは、金銭的な数字として
把握するのが難しいのは否めません。


ただ、金融資産とは異なり、
値動きという点では、
それほど変化が生じにくいのも事実です。


そこで金銭的な数字で把握するために、
私は賃貸管理会社に依頼するという方法をとっています。


これは、値動きの変化は大きくないので、
2年毎くらいで良いのかな、と考えています。


売却しないとしても、
もし今売出したとしたらいくらくらいになるのか?
という定期検査みたいなイメージです。


よくDMなどで
「●●万円で買いたい人がいます」と届いたりしますが、
まゆつばなので、スルーして下さい。


賃貸管理会社に
「仲介の場合と買取の場合」
それぞれ目安でいくらになるかを聞いてみる、
査定してもらうという具合です。


管理会社によっては、
エリアなどによって、買取は行ってない所などもあるので、
必ずしも買取の査定を出してくれるとは限りませんが、
この仲介と買取の査定金額は、
あなたの保有物件の、
今の相場感に近い金額になってきます。


特に、買取の査定を提示してもらえる場合は、
その会社が、
「●●万円出しても、欲しい、仕入れたい」
と考えている意識の現われなので、
最悪でもその金額であれば現金化できる、
底値のようなイメージになります。


なので、その買取金額をベースにして、
エクセルに入力しても良いですし、
仲介の金額と買取の中間くらいの金額でも構いません。


あくまでも、資産残高を把握する目安なので、
相場に近い金額を、残高として入力すれば良いのです。


そこから、融資の残高があれば、
その残高をマイナスとして入力することで、
不動産の純粋な資産残高が目に見える形にできます。


エクセルに簡易な計算式を入れておけば、
上記で入力した資産から負債をマイナスした、
純粋な合計残高が表示されてきます。


その数字を見ると、資産運用の成果などを
実感として意識できるのではないか、ということです。


定期的に行っていれば、
昨年と比べて増えているのかどうか、
続けていれば、3年前、5年前、10年前などとの比較も、
行えるようになってきます。


メディアなどを目にすると、
平均とか億り人などのような数字を見てしまい、
平均値やミリオネアのような方を比較して、
「自分はそこまでできていない…」
みたいなマイナス感情が湧きかねません。


もしその気持ちが、
やる気に繋がれば良いかもしれませんが、
他者と比べた所で、あなたにもたらすメリットは
ほとんどないと私は感じます。


比べるなら、
過去のあなたと今のあなただと私は思います。


ぜひ、資産形成が順調に進むための、
定期チェックのような意味合いも兼ねて、
そして、資産形成を続けるモチベーションのためにも、
定期的な資産残高チェックに取り組んでみること、
おススメしたいと思います。


99
借金をして投資すること


先日、資産運用のイベントへ
足を運んできました。


その時の質疑応答で、他のFPさんから、
次のような相談について耳にしました。


「新NISAをきっかけに、つみたて投資枠を使って、
 クレジット支払で上限に近い金額でつみたてしている。
 商品は、全世界株式のインデックスファンド。
 ただ、翌月のクレジットの支払いが、
 毎月一括で払えないので、分割払いにしている…」


という内容です。


これを聞いて、あなたはどう思いますか?
どう感じましたか?


私はこの話を聞いた時に、
「本末転倒、信じられない!」
と、かなり衝撃を受けました。


資産運用、投資に取り組みたい気持ちは分かります。


おそらく、動画などでおすすめ等の、
話題にあがっている商品を選び、
NISAを活用して、
1日でも早く始める行動力は良いと感じます。


ただ、支払が分割というのは、
さすがによろしくないかな、と。


資産運用、投資を始めるよりも前に、
やるべきこと、学ぶべきことがあるのではないか、
ということです。


クレジットの分割払いは、
原則3回以上になれば、手数料がかかってきます。


もし、リボ払いを選んでいたとすれば、
毎月の支払いは一定額に抑えられますが、
高金利の負担が生じてきます。


もしかしたら、
負担する手数料や金利以上に
運用益が出ているのかもしれません。


ただ、1回で払いきれないのであれば、
クレジットの支払いに回すために、
つみたてた資産を売却するなどして、
支払に回すことになってしまいます。


そうなれば、つみたて投資の魅力の1つである
複利効果を享受することができず、
資産が思うように増えない事態になりかねません。


では、この方にとって、
今、何が一番必要なことなのでしょうか?


それは、お金の流れを管理すること。


たとえ、つみたて投資であったとしても、
分相応のつみたて金額を決めて、
無理なく継続できる金額を決めること。


そして、クレジットの支払いが、
毎月1回で収まる範囲でしか、
利用しないようにすること。


小学生の算数で考えても分かる、

「収入―支出 >0円」

を、実践することが、
つみたて投資を始めるよりも必要なことだと、
話を聞いていて私は感じました。


「他者やメディアなどから良いと聞いた。」
「皆やっているから、自分も同じように…」


もしかしたら、そんな焦りが、
その方にはあったのかもしれません。


ただ、クレジットの支払いを分割にしてまで、
つみたて投資を行うのは、
分不相応ではないでしょうか?


株式や投資信託を買いたいので、
という理由でお金を貸してくれる
金融機関は、ほぼ皆無だと思います。


仮に貸してくれたとしても、
フリーローンなどの金利が高い商品になると思います。


なので、金融商品に関しては、
イデコやNISAを活用して資産形成することには賛成で、
私自身も行ってはいますが、
クレジット分割払いを利用するなど、
借金を利用して行うのは、
自分の首を絞めることにも繋がりかねないので反対です。


資産運用、資産形成は、
周りに流されて行うものではありません。


まして、他者に勧められたから、とか、
友人知人がやっているから、
という理由で行うことでもありません。


そもそも、誰かと比べて考えること自体、
ナンセンスだと私は考えています。


個性が異なるように、どんなスタンスやペースで、
資産運用、資産形成に取り組むかは、各人各様。


正解等は存在しません。


お金をテーマにした本や雑誌。
動画やブログ、SNSなどを通じた情報。


興味を持って見聞きすることは良いと思いますが、
そこに書かれている内容通りにあなたが行ったとしても、
同じ結果が出る保証はありません。


そう考えると、

「自分は、こういうスタンスで、
 長期に資産運用、資産形成を行っていく!」

そんなブレないスタンス
持つことができた人こそ、失敗せずに継続できる。


私は、今回の話などを踏まえて、
最近、改めてそのように感じ、考えています。


ぜひ、皆さんも自分に合った運用スタイルを、
見つけて頂ければと思います。


98
不動産の営業に、迷惑していませんか?


不動産投資、大家業をしていると、
当然ですが、不動産会社との接点を持つことになります。


会社や担当者にもよりますが、
1度問い合わせして、断った後、折を見て、再度
「物件探されていませんか?」
という電話がかかってきたり、メールが届くことがあります。


あなたは、そういう経験ありませんか?


これは、主にネット経由で、
問い合わせた時に起きやすいのですが、
頻度が多いと、辟易してしまいますよね。


また、反対に、


「○○さんの物件を、
 ●●万円で買いたい人がいるのですが、
 売却は検討していませんか?」


という連絡が入ることもあります。


時期によって、連絡が入る頻度も変わるように感じますが、
電話にせよメールにせよ、郵送のDMにせよ、
売るつもりもないのに、
見ず知らずの会社や担当者から連絡が入るのは、
あまり良い気がしませんよね。


特に、後者の売却に関しては、ここ最近、
私の肌感覚ですが、増えているように感じています。


以前は、売りませんか?の電話がかかってきた時に、


「売るつもりはなくて、買うつもりはあるのですが、
 紹介して頂けませんか?」


などとやりとりして、
お会いしたこともありました。


ただ最近は、信頼を置ける方がいるので、
購入する時も売却する時も、
そのような会社や担当者を通じて行うように、私はしています。


少し前置きが長くなりましたが、もしあなたが、
見ず知らずの不動産会社さんからの営業電話や手紙などを、
迷惑だな、と感じたならば、
こんな対処方法がありますよ、
ということをお伝えします。


どれも、私が実際に行ったことです。


最初にDMに関してですが、
私の場合であれば、
「受取拒否 斎藤岳志(氏名を書く)」
と、封を開ける前に赤字で書いて、
ポストへ投函することで、返送することができます。
https://www.post.japanpost.jp/question/121.html


これを行うことで、
宛先不明の時と同じように差出人へ郵便物が戻るので、
第一段階として、以後、その会社からDMが
来なくなる効果は期待できます。


実際、これで止まったケースも結構ありました。


次に電話に関してですが、
これは正攻法で間髪入れずにはっきりと断ること。


「売却するつもりはありません」と伝えても、
あれこれと引き下がらずに言ってくる方もいますが、
こちらが売る意思がないことを、とにかく伝え続けて、
キリがないと思ったら電話を切ることです。


そして、切った後、もう出たくなければ、
着信拒否にしてしまうことです。


DMにしろ電話にしろ、上記で一定の効果はありますが、
DMに関して、相手の発送を強制的に止めることまではできません。
受取拒否したとしても、
再度相手が発送することまでは、
拒否できないという意味合いです。


電話に関しても、
かけてきた相手からは止まるかもしれませんが、
同じ会社の別の方からかかってくる
というケースもあったりします。


そんな時に効果を発揮するな、と私が実感した最後の方法は、
その会社へ電話を直接すること、です。


これも会社によりけりだとは思いますが、私の中では、
DMや電話が止まった、
一番効果的な方法だったと感じています。


昨今、個人情報保護法の兼ね合いもあり、
プライバシーポリシーなどで、
個人情報の取扱いについて、
サイト上に掲載してあるケースが多いです。


その中に
質問や苦情に関する窓口
の記載があります。


そこへ直接電話をかけて、
DMや電話連絡に関しての内容を伝え、
発送を止めてもらったり、
電話がかかってこないようにお願いする、という方法です。


上場していたり、
規模感や認知度がある会社さんであればあるほど、
この窓口へ連絡したことで、
その後一切連絡がくることはなくなりました。


不動産の相談をメインに承っているという私の立場上、
DMや電話をシャットダウンするのは、
どうしたものか、と迷ったこともありました。


ただ、1個人の不動産投資家、大家として、
連絡が入るのが嫌だ、迷惑だ、
という想いが勝った会社に関しては、
上記の応対をしたというのが正直な想いです。


登記簿謄本は、法務局で誰でも閲覧が可能です。


そう考えると、
「売却しませんか?」の
新たな営業を止めることはできません。


ただ、不快感を抱いた時には、
連絡を食い止める方法もあるという点を、
実体験を交えて、今日はお伝えさせて頂きました。


もし、あなたが、営業電話やDMなどで、
ストレスを感じたりされているのであれば、
少しでも参考にして頂ければと思います。


97
私、更新時に家賃上げることにしました!


不動産投資、大家業を続けていると、
賃貸借契約の更新のタイミングが訪れます。


契約の内容にもよりますが、
住居用としての賃貸の場合、
2年ごとというケースが多いのかな、と感じています。


偶然ではあるのですが、
9月に更新を迎える部屋が2つあり、
先日、賃貸管理会社から、
入居者さんへ、更新の案内をする旨の連絡がありました。


連絡が入ってからのやりとりに関しては後述しますが、
先に結論をお伝えすると、


「2部屋とも、入居者さんから、
 値上げOKのお返事を、電話では頂けた」


という結果になりました。


正式な更新契約は、まだ取り交わせていないのですが、
値上げを受け入れて頂きながら、
お住まい続けて頂ける御意思の確認ができたことに、
安堵している所です。


急な転勤などのご事情が発生しない限り、
9月の更新以降も、
上げた賃料でお住まい続けて頂けることが、
ありがたく嬉しいことだと感じています。


私は、以前のメルマガで、
お伝えしたことがあるかもしれませんが、


「家賃を上げるなら、更新の時にはせず、
 退去して空室になり、次の方を募集する時に行う」


という考えを持っています。


そんな私が、なぜ、
今回の更新のタイミングで賃料の値上げを行い、
入居者さんに受け入れて頂けたのかに関して、
お伝えしようと思います。


更新の連絡を頂いた、
私が賃貸管理をお願いしている会社は、
どちらかというと保守的だと私は感じています。


退去の連絡が入り、
次の方を募集しようとする時。


少しでも早く空室を解消したい、
という想いの現われかもしれないのですが、
ちょっと手堅すぎないかな?という
募集賃料を提示してくることが多い会社、という意味です。


そのため、私は、いつも提案頂いた賃料よりも、
少し高めに募集をスタートして欲しい旨、
伝えることが多いです。


ありがたいことに、
その賃料で選んで頂けることも多いので、
結果論としては、提案通りにしなくて良かった、
と感じることが多いのが、今まででした。


そんな保守的だと感じる賃貸管理会社が、
今回の更新時には、


「賃料の値上げを提案しようと考えている」


と言ってきました。


昨今の物価高、インフレ傾向にあることが、
きっかけだとは思いますが、
値上げの話をすることで、
更新時に退去されてしまう可能性があるにも関わらず、
珍しく少し強気な提案をしてきたな、
ということに、賃貸相場の変化を感じました。


もちろん、
据え置きで更新手続きを進めるか、
値上げ交渉をお願いするかの最終判断は、
オーナー側にあるので、
据え置きで、と回答する選択肢もありました。


ただ、保守的に感じる賃貸管理会社が、
言ってきている値上げの話なのであれば、
その方向で進めてみるのも悪くないかな、と考えて、
「提案通りで話を進めて下さい」
と、伝えました。


とは言え、ただ値上げをお願いすることは、
入居者さんのみに、
金銭的な負担を強いてしまうことになります。


なので、私は、
いわゆる「三方良し」にできる良い方法はないか
、と考えました。


そこで賃貸管理会社にお願いしたのは、


「値上げの提案と合わせて、
 更新料を半額にして下さい」


ということです。


更新料は、共益費を除いた、
賃料の1か月分のケースが多く、
受け取った更新料は、
賃貸管理会社とオーナーで折半するケースが多いです。


私の提案は、
入居者さんに払って頂く更新料を半額にして、
その金額を全額賃貸管理会社に受け取って頂き、
私は1円も受け取らないという内容です。


その結果、入居者さんは、更新料が抑えられるなら、
少し値上げになっても良いと判断して下さったのか、
おふたり(2部屋)とも、値上げOKの返事を頂けた、
というのが経緯になります。


これが三方良しになるのは、


入居者さんは、
更新料が半額になることで、
毎月の支払いは若干増えますが、
次の更新までの2年間トータルで考えると、
支払総額はあまり変わらない、という点。


賃貸管理会社としては、
家賃が上がれば、1部屋あたりの毎月の賃貸管理手数料が増え、
増収につながる、という点。


私としては、
更新時には収入がなく損をしますが、
長い目で見れば、上げた賃料で回収できること。
そして、賃料を上げられたことで、
もし、売却しようとした時の価格を上げることができる、という点。


上記が、三方良しと考えた内容です。


最後の、私(オーナー)の立場としての利点ですが、
物件の状態が変わらなければ、
毎月1,000円の値上げであれば年間で12,000円、
毎月2,000円の値上げであれば年間で24,000円、
収入が増えることになります。


売買価格面で考えた時に、
例えば利回りを4%で考えると、
年間12,000円であれば、物件価格は30万円
年間24,000円であれば、物件価格は60万円
理論上の価値は上げられることになります。


つまり、賃料を上げることができれば、
含み利益的な物件価値を上げることができるのです。


今回の2部屋に関しては、当面手放す想いはありませんが、
更新料を受け取らないという一時的な損失には目をつぶり、
受け取らなかった更新料以上の金額に相当する、
物件の理論上の資産価値を上げることができたのです。


今回は、保守的な賃貸管理会社からの
値上げ検討提案をきっかけに、
私が実際に行った行動や想い、考えなどを、
お伝えさせて頂きました。


不動産投資、大家業は、
いい意味で安定した固定収入を確保できますが、
一方で、経費もあまりかからない事業なので、
収入をあげたり、経費を削ったりして、
通常時に利益を上げることは、
なかなか難しい側面があります。


私も、更新時など、
同じ方にお住まい頂いている時に値上げの提案をすることには、
基本否定的な想いを持っていますが、
今回、提案をきっかけに、
損して得取れ的な動きをしてみたら、
賃料アップを実現することができました。


あくまでも私の事例なので、
皆さんが、同じように行ったとしても、
同じ結果につながるかは分かりません。


なので、今後、
不動産投資、大家業を続けていくにあたって訪れる更新時において、
考え方のひとつの参考にして頂ければ、
という感じで捉えて頂ければと思います。


96
億万長者のイメージ


以前接点があった方の、勉強会の投稿をたまたま見かけ、
久々の再会兼ねて足を運んできました。


その勉強会の講師が、こちらのエルさんです。
https://leveraged1.com/profile


米国株への投資を中心に資産運用を行って、
2019年に「FIRE」をされた方です。


今は、米国株7割、日本株3割で
資産配分をされているということですが、
株式投資の利益と配当金で
生活をまかなわれていらっしゃる方です。


はっきりとは伺いませんでしたが、
話を聞いている限り、
数億円は保有されていらっしゃることは分かったので、
いわゆる億万長者です。


皆さんは、億万長者になりたいと思いますか?


お金はあるに越したことはないと思うので、
このように聞かれたら
「YES」とおっしゃる方が多いとは思います。


だからといって、
FIREを目指しましょう、
とか億万長者を目指しましょう、などということを、
私は申し上げるつもりは全くありません。


たしかに、
それだけの資産を築き上げられたことはすごいな、とは思いますが、
私自身は、羨ましいとか憧れる、などという想いがありません。


自分と他者を比べても、意味がないというか、
良いことはまったくないのでは?と考えているからです。


ただ、考え方などに関しては、
共感する部分、参考にできる部分があったので、
その点に関して、お伝えしようと思います。


最初は外見に関して。


あなたも、もしかしたら
億万長者に関する本などを読まれたことがあり、
ご存じかもしれませんが、
今回のエルさんも、ご多分に漏れず、
そこら辺にいる、普通な感じの方、という印象。


ユニクロがお好きなようで、
当日お召しになられていたのも、
ほぼユニクロで買われたものでした。


衣服にお金をかけたくない、
無頓着という見方もあるかもしれませんが、
お金持ち風に見えない、という、
ミリオネアの特徴を体現されているような方でした。


次に、資産運用、資産形成に関して。


株式投資がメインの方なので、
借入は、ご自宅の住宅ローンのみ。


住宅ローンを返そうと思えば、
いつでも返せる状態だとのことですが、
あえて返済せず、
株式投資に資金を振り向けるスタイルをとっているとのこと。


これは、不動産投資、大家業にも通じる所があると思いますが、
お金を持たれている方ほど、
融資を利用して不動産を持ちたがる点とも
共通しているのかな、と感じました。


完済すれば借入、利息の負担はなくなりますが、
お金を不動産に固定化させることにもなります。


金融商品に投じて、収益をあげる流動性を確保しながら、
返済はコツコツと行うことで、
気がついたら残債が減り、資産が増えていた。


そんな資産と負債を両建てで保有するスタイルは、
とても参考になるのではないでしょうか?


今の時勢的に言えば、
NISAやイデコなどを活用しながら
金融資産の資産形成を優先し、
不動産の返済はコツコツとゆっくり行うようなスタイル、
というイメージでしょうか。


最後に、おっしゃっていたことの中で、
参考になる大切だと感じたことを、
いくつか。


「公的年金の制度やお勤めであれば
 会社の退職金や企業年金の制度を
 把握することがスタート」


「生きがいややりがいなど、
 自分にとって大切にしたいことを考える。
 もしFIREしたいなら、した後のことを考えておく」


「世間体は気にしない。
 身内や職場以外の交友関係を築いておくこと」


そして、


「人生、最後は思い出が宝物」


などをおっしゃっていました。


「DIE WITH ZERO」という
書籍にも書かれているのですが、
お金を有用に使って、いかに人生楽しむか?


自分が価値があると思えることにお金を使って、
楽しかった記憶、感動する体験を積み重ねることが、
何よりも大切だと思います。


という内容で勉強会を締められました。


FIREした億万長者の方が話される勉強会に参加して、
見聞きしてきたことを、今回は共有させて頂きました。


億万長者と聞いて、
改めてどのようなイメージ、印象を抱かれましたか?


正直な所、基本的には皆、
思い、考えていることに、
大きな違いは無いのかもしれない、と感じます。


そう考えると、何が差を生み出すかという点で言えば、
思ったこと、考えたことを、
具体的な行動に、少しでも早く、
時間を有効に活用して取り組む勇気ではないか、
と私は改めて感じました。


知っている、考えているだけでは資産が増えること、
夢や希望が実現することはありません。


ぜひ、あなたも実現したいこと、
やりたいことなどがあるのであれば、
周りの目を気にすることなく、
他の誰でもない自分自身のために行動してみること。


これが、
FIREよりも億万長者になるよりも
幸せに過ごす秘訣ではないかと思います。


95
投資は答えの出ない哲学


「賃貸物件を購入した人」
「賃貸物件を売却した人」


先月を振り返ると、私の身近に、
それぞれの立場の方がおりました。


投資判断に満足しているか?


どちらの立場の方が、
そのような疑問形な想いを抱く傾向があると、
皆さんは思いますか?


100%の正解がある訳ではないですが、
「売却した人」の方に、
そう感じる方が多いのではないか、と私は感じています。


これは、不動産に限らず、
株式や投資信託などに関しても、あてはまるかと思います。


「もうしばらく持ち続けて、
 家賃を受け取り続けた方が良かったのではないか?」


「もう少し、入居者さんから受け取る家賃で残債を減らしてから、
 手放した方が良かったのではないか?」


「もうしばらく持ち続けていた方が、
 売却の値段も上がったのではないか?」


売却して手放すことは、
その投資、運用の成績を確定させることにつながります。


損をするために、
お金を株式や不動産などに投じる方はいないはずです。


大切なお金だからこそ、
少しでも利益を得た状態で成績を確定させたい、
というのは、誰しもが思うことです。


だからこそ、
売却するタイミング、手放すタイミングでは、
購入する時以上にいろいろな想いが湧き、
判断を迷わせたり、鈍らせたりするのかと思います。


ただ、私が常々思い、感じ、お伝えしているのは、
不動産に限らずの話になりますが、


買いたいと思った時が買い時
売りたいと思った時が売り時


ということです。


例えばですが、
バフェットさんのように、
相場や値動き、業績などをつぶさに研究し、
精通しているような方であれば、
「買い時や売り時を待つ」
というスタンスを取ることも可能だとは思います。


ただ、私も含めて、その他大勢の人間にとっては、
「いつが買い時か」
「いつが売り時か」
は、分からないのが常ではないでしょうか?


後から振り返って、
「あの時は安くて買い時だった」
「あの時は相場が上がっていて売り時だった」
と考えることはいくらでもできます。


過去は振り返ることができますが、
未来のことは、誰にも分かりません。


1年、半年、1ヶ月、1週間、
明日のことさえ、誰にも分かりません。


その点から考えても、
売るタイミング、手放すタイミングというのは、
購入以上に、
自分の判断が正解だったか分からないのです。 


これが、
「投資は、答えの出ない哲学」と
お伝えした真意です。


実際、冒頭でお伝えした、
先月物件の売却された方も、売却した判断に関して、


「何が正解かまだ分かりませんが、
 全て経験として活かしていけると良いと思ってる。」


と、おっしゃっていました。


なので、私も


「自分で納得して、判断したのなら、
 それが、今のAさんにとっての正解だと思います!」


とお伝えしました。


私自身も、今に至るまでの間に、
物件の購入に限らず、売却の経験もあります。


私の場合、「損得勘定」の計算もしますが、
それよりも、その時々の状況を踏まえて、
感情面」にスポットをあてて、
売却するという判断をしてきたように
振り返ると感じています。


そのため、後から、
自分の売却という投資判断について、
あれこれ思い悩むことは、ほとんどありません。


あの時売らずに、今も持ち続けていたら、
もっと高い値段で売れたのに、
と思ったことはゼロではありませんが、
そのことで後悔のようなマイナスな気持ちになったことは、
一切ありません。


とは言え、感情で判断し、
手放してしまった物件を、再度買い直したいな、
と思ったことはあります。


あのまま持ち続けていれば、
今違った活用の仕方もあったかな、
などという想いが湧いたりという感情です。


本当に、資産運用、投資に関しては、
何が正解か分からないし、
答えは出ない、哲学のような行為だと私は感じています。


皆さんは、不動産、株式、投資信託など、
資産運用で、どの時点で売却するか、
成績を確定させようかなどと、
考えていることは、ありますか?


いずれにしても、
明確な答えがでない投資の世界。


お互いに、「後悔」のような
マイナス感情を引きずらないように過ごし、
取り組んでいきたいですね。


94
設備と立地、どちらを選びますか?


「表参道ヒルズ」「代官山アドレス」


今でこそ、
素敵な観光スポットの1つになっていますが、


「同潤会青山アパートメント」
「同潤会代官山アパートメント」


建替え前のその地には、
それぞれアパートが建っていました。


そんな昔のアパートメントが復元されて、
見学できる施設があり、足を運んできました。
https://www.instagram.com/p/C7WB1mYOIiZ/?img_index=1


URまちとくらしのミュージアムは、
そんなマンションの変遷、
歴史を感じられる施設です。
https://akabanemuseum.ur-net.go.jp/


同潤会シリーズは、いくつかありますが、
代官山は、単身向け住戸の原点みたいな部屋でした。


部屋の中には、トイレも洗濯機置場もなく、
ベッドの下に収納があるような4畳半の作り。


かぐや姫さんの曲「神田川」で
歌われているような部屋のイメージです。


時代も変われば、
設備も間取りも作りも変わる。


そんな過去を知り、感じられる施設でした。


完全予約制のガイドツアーです。
ご興味あれば、大人の社会科見学にいかがですか?


マンションの作りや部屋も、時代と共に変わり、
今の最新設備のマンションにつながっているんだな、
と思うと、時代の流れ、技術力の進歩などを、
改めて感じる機会にすることができました。


ちなみに、風呂なし、トイレなし、
4畳半の同潤会代官山アパートメントの単身向け住戸。


賃料は、
いくらくらいだったと思いますか?


ガイドさんの説明では、今の価値にすると、
55,000円から60,000円くらい
だとおっしゃっていました。


あなたは安いと感じましたか?
高いと感じましたか?


どちらが正解という話ではありませんが、
私の個人的な感覚では、
高いな、と感じました。


ただ、渋谷や恵比寿なども
徒歩圏に入ってくる立地、
利便性という点から考えると、
その値段で、最低限の住まいを確保できるなら、
安くも感じるのかな、とも思いました。


おそらくですが、高い、と感じた理由は、
私が産まれてから幼少期を過ごした実家には、
トイレもお風呂も、
住まいの中にあったから、ではないか、と思います。


利便性の良さは分かるのですが、
成長してくる中で、住まいの中には、
トイレもお風呂もある環境で過ごした人間からすると、
風呂トイレ共用なら、
もっと安い賃料でも良いのでは、と感じたからです。


なので、幼少期などに、
風呂トイレ共用という環境で
過ごした経験がある方からすれば、
代官山に60,000円前後で住めるなら、
安い!と感じる方もいらっしゃるのかな、
とも思います。


こればかりは、価値観、考え方なので、
あなた自身の判断を優先されて下さい。


ミュージアム見学で、
このようなことを考えているタイミングで、
日経新聞に、
下記のような記事が掲載されていました。


私なりにまとめてお伝えすると、


コロナ禍が明けて、
職場に近い都市部での賃貸需要の高まりに合わせて、
14から18平方メートルの狭小でも
利便性の高い場所に物件を開発し、
賃料を抑えたい若年者のニーズを取り込んでいる、


という内容。


賃料を抑えているとは言っても、
10万円前後とのこと。
広さよりも、駅チカの利便性を重視する方に、
選ばれているとのこと。


今の20代から30代の方であれば、
おそらくですが、
自分の部屋を実家で割り当てられて広々と使いながら、
快適な環境で過ごした方が多いのではないか?と
私は感じています。


なので、20平方メートル以上、
1LDKなどの間取りが好まれやすいのかな、
と思っていた私としては、
「狭小でも選ばれているんだ」
という新たな気づきになりました。


そう考えていくと、
設備や広さという点よりも、駅から近くて便利、
という立地のマンションであれば、
狭小ワンルームでも、
賃料設定次第では、充分に需要もあり、
空室にもなりにくいのでは?とも感じました。


設備としては、所謂3点ユニットタイプで
洗濯機なしパターンの部屋になるかもしれないですが、
賃貸需要は立地さえ良ければ、
見込やすいのでは?というイメージです。


自分がオーナーとして貸すとしたら、
狭小でも駅チカの部屋、
駅徒歩10分以内で広さも設備も整っている部屋、
どちらを持ちたいと思いますか?


反対に、自分がもし借りて住むとしたら、
どちらの部屋を選びたいと思いますか?


なかなか良い物件を探すことができない、
とか、
なかなか良い物件を仕入れられない、


などという話を耳にすることが多いですが、
部屋に求める価値観や考え方に関しても、
多様になっている昨今。


理想的な部屋を望みすぎることなく、
少し尖った視点で、


「ある一定の方だけに選んでもらえれば良い」


みたいな想いで、
部屋を所有しオーナーになる、
という考え方もありなのかもしれない。


過去の歴史や最近の実例を知ることを通して、
そんなことを思いめぐらせた、
質問の投げかけも兼ねた内容とさせて頂き、
今回は筆を置かせて頂きます。


93
不動産の売却時によくある勘違いはコレ!


都心中心部の新築マンションの
平均価格が億を超えた。


そんなニュースを、
今年に入ってからも耳にすることがあります。


パワーカップルと言われる世帯年収が高いご夫婦が、
マイホームとして買うケースもありますが、
高値を牽引しているのは、投資目的で買う、
いわゆる国内外の富裕層と言われる方々ではないか、
と私は感じています。


人件費や材料費の上昇も、もちろんありますが、
それを補って余りある資金を、
マンションに投じられる方がいなければ、
売買そのものが成り立たないからです。


いやはや、すごいなぁ、
という言葉しか出てこないです。


実需ではなく、投資目的で買うような方は、
実需のマイホームとして買う方以上に、
気にしているポイントがあると思います。


それは、手放すタイミング、です。


最近の日本の総合商社ではありませんが、
事業投資は、お金を投じ、
収益が見込めて軌道に乗った後に売却する、
という流れを繰り返すことが多いと思います。


不動産投資も、投資とは言いながらも、
賃貸事業という事業投資。


その点で、いつ、どんなタイミングで手放すか、
という判断も、
ひとつの大切な経営判断になってきます。


もちろん、手放さずに賃料収入を得続ける、
という判断も賢明な判断。


物件ごとに、手放す、保有を続けるなど、
どんな未来を思い描いていくかなどを、
考えておくことは大切だと私は考えています。


そんな賃貸事業で「手放す(売却)」
という判断をされる方、または検討されている方が、
私の周りにもいらっしゃいます。


理由や事情は様々ですが、話をしていて、
売却時の誤解として良くあること。


それは、
売却した時の利益の考え方、です。


例えばですが、
2,000万円で買った物件を、
5年後に2,000万円で売った場合。


譲渡に伴う税金は、
いくらくらいになるでしょうか?


この質問を投げかけた時に、


「買った値段と売った値段が
 同じだから、譲渡税はかからないでしょ!」


と、おっしゃる方が、
比較的多いように私は感じています。


あなたは、どうですか?
同じ誤解、されていませんか?


これが、金融資産の投資である、
株式や投資信託の売買であれば、
買値と売値が同じなので、
譲渡の税金は発生してきません。


ただ、不動産投資、大家業の場合は、
そうはいかない、ということを、
頭に入れておいて下さい。


そのポイントは、「減価償却費」です。


よく節税になるポイントとして、
お金を支出しなくても
経費が作れるのが減価償却費。


減価償却費が多ければ、
不動産所得がマイナスになって、
所得税や住民税の節税につながる、
という話を聞かれたことがあるかもしれません。


もちろん、
これは該当すれば間違いではないし、
実際、所得税、住民税の節税に
つながることもあります。


ただ、今回ポイントにしている、
売却時の譲渡税という点では、保有している間に、
減価償却費を多く入れていれば入れているほど、
譲渡時の利益が大きくなり、その結果、
譲渡税の支払いが多くなる可能性があるのです。


具体的な数字を使ってお伝えします。
イメージを分かりやすく伝えるために、
諸費用などは勘案せずに伝えます。


2,000万円で買った物件。
建物価格が1,200万円、
土地価格が800万円で、
耐用年数は30年と仮定します。


減価償却は、建物のみが対象になるので、
1年あたりの減価償却費は、
1,200万円を30年で割った40万円になります。


先程伝えた例のように、この物件が、
5年後に買値と同じ2,000万円で売れたとした場合。


土地の800万円は買った時から変わらずですが、
建物に関しては、
減価償却費として経費に入れた、
40万円の5年分にあたる200万円、
帳簿上の価格は下がることになります。


すると、建物価格は、
当初1,200万円だったのが、
▲200万円で1,000万円。


土地の800万円と合わせて、
売却時の帳簿価格は
1,800万円となります。


売値が2,000万円の場合、この2,000万円と、
帳簿上の価格1,800万円の差額200万円が
税金上の利益とみなされて、
譲渡税の対象になってくる、
というのが仕組みです。


お正月を6回迎えていない短期譲渡であれば、
この200万円の約4割。


6回迎えた後の長期譲渡であれば約2割が、
譲渡税として、
確定申告時に支払うことになってくるのです。


このような仕組みがあるので、
不動産投資の場合、手放す時には、
買値と売値が同額だから、とか
買値より売れた値段が下回っているから、
というだけでは、譲渡税が発生しない、
とは言い切れないのです。


ここの誤解は、比較的多く見受けられ、
実際に納税が発生した時に、
その分の金額を残しておかなかったという
ケースも往々にして起こりえます。


皆さんも、
もし不動産を手放すことを考えているのであれば、
買値と売値だけでなく、
減価償却費を加味した帳簿上の価格も意識して、
譲渡税の支払い時に頭を抱えることがないように、
気を付けて頂ければと思います。


92
横浜と聞いて、どんな印象がありますか?


今年、映画で帰ってきた「あぶない刑事」。


生まれも育ちも横浜の私としては、
ドラマの面白さと合わせて、
親しみも感じています。


特に、街中の撮影風景を見ていると、
中華街だ!とか福富町だ!とか、
見知っている場所が出てくるので、
妙な嬉しさを感じてしまうのです。


そんな「あぶない刑事」の
撮影場所として使われている横浜


住みたい街ランキングで、ここ数年
1位を獲得している街、横浜。


皆さんは、横浜という街に、
どんな印象をお持ちでしょうか?


横浜と言うと、
「みなとみらい」や「中華街」
「山下公園」や「赤レンガ倉庫」など
いわゆる観光地をイメージされる方が多いと感じています。


プラスのイメージを抱いて頂けることは、
地元民として本当に嬉しくありがたいな、と感じますが、
上記のようなイメージの、いわゆる横浜は、
横浜のごく一部でしかありません。


横浜に住まれたことのある方とそうでない方で
違いはあると思いますが、
また、横浜も広いので、
どこをイメージするかで違いはあると思いますが、
実際に暮らしていて、私自身は、
ひいきしているとかの想いを抜いても、
住み心地の良い街だと感じています。


電車やバスなどの公共交通機関も充実していますし、
東京都心部などからも、
ものすごく遠い訳ではなく、
外出もしやすいと感じるからです。


特に、官公庁などが多い桜木町や関内エリアを中心に見て、
その近隣、あるいはそのエリアより北側であれば、
都心も近く感じるので、
横浜、東京、両方の良さを感じられて
利便性も高く、暮らしやすいのでは?と感じています。


その点から考えても、
住まいを提供する不動産投資、大家業において、
横浜に物件を保有するのは、
長い目で見て、良い選択になると私は考えています。


実際に私自身、横浜には賃貸用として、
現状2部屋保有しています。


横浜駅から徒歩10分以内の部屋と
桜木町駅から徒歩5分以内の部屋です。


購入してから、桜木町駅の部屋は
まだ入退去の入れ替わりはありません。
(購入して2年くらいしか経っていないからかもしれません)


横浜駅の部屋は、保有して約8年になりますが、
入退去は1度だけです。


その入退去の時に、
バストイレ別にする工事なども行ったので、
当初67,000円で貸し出していましたが、
今は74,000円と賃料を上げて
お貸しできている状態です。


また、みなとみらいエリアに、
都内から本社を移す企業も増えています。


その結果、会社の近くに住みたい方、
ないし、公共交通機関を利用して
乗り換えなしで行けるような駅に関しても、
賃貸需要が高まっている印象を感じます。


新築マンションの中の大部分の部屋を、
上場企業が社宅としてまとめて借りる
という需要がある話も耳にします。


不動産投資、大家業の王道で言えば、
東京の23区が鉄板だと言われます。


たしかに、借りて住む需要の高い、
若年者の転入は、コロナ禍含めて常に超過状態。


人が集まる場所であれば
住まいは求められてくる。


その点で、絶対数で言えば、
横浜は東京に見劣りするとは思います。


ただ、横浜も、都内とはまた異なる魅力がある
と私は感じています。


転入者の絶対数は都内より少なくても、
都心中心部より落ち着いた住環境や人の流れ、
仕事も休日も、横浜内で済ませられる生活環境は、
充分に整っています。


賃料に関しても、
場所による違いはもちろんありますが、
同じ広さの部屋であれば、
都心中心部よりも、横浜の方が低い金額で部屋を借りられるのも、
魅力の1つかもしれません。


貸す側の立場から言えば、
いわゆる利回り面も、都心中心部よりは高いので、
有利に不動産投資、大家業を運営できる可能性もあります。


「あぶない刑事」の話をきっかけに、
私の地元横浜に関して、
不動産投資、大家業の視点も交えてお伝えしましたが、
どのように感じて頂けましたでしょうか?


もし、物件選びで都心だけにしか
視野が向いていらっしゃらなければ、
横浜もこれを機会に、
視野に入れてみてはいかがでしょうか?

91
一期一会を大切にしていますか?


私は日々、一期一会の気持ちを大切に
過ごしたいと思っているのですが、
これは資産運用や資産形成にも
あてはまることだと思います。


不動産投資・大家業に関しては、
特に当てはまると私は感じています。


不動産投資は、
「限定」と「一期一会」の積み重ねでしか
成り立たないと私は考えているからです。


当たり前と言えばそれまでですが、
「Aマンションの303号室」は、
世界中どこを探しても、
そこにしかない、1部屋「限定」だからです。


そして、その部屋の情報と出会えたことは、
何かの巡り合わせで、
あなたの目に触れることができたという点で、
一期一会の機会かもしれないのです。


以前、面白いことがありました。


6年くらいの時を経て、私が手放した物件が、
リノベーションされた売物件情報として
回ってきたことがありました。


前回の話しではないですが、物件もその時々で、
売りたい人から買いたい人へ送られていくものだと思いますが、
まさか、手放した物件が、
再度売物件情報として戻ってくるとは。


再度の購入はしませんでしたし、
かなりのレアケースですので、
物件との出会いは、
本当に一期一会だと私は感じています。


株式や投資信託などの
金融資産への投資との一番の違いも
ここにあると私は考えています。


発行済み株式数などの数量の限定さはありますが、
株式会社の場合、追加で株券を発行すれば、
流通する株式数を増やすことができます。


一方の、実物資産の代表である不動産。


すでに出来上がっている物件に、
新たに1201号室を作ります、
などということは難しいです。


その時点でAマンションには部屋数の限りがあり、
その中で、売りに出された部屋と出会えるタイミングや確率は、
一生のうちに、
一度しかないようにさえ私は思っています。


これが、不動産投資の「限定」と
「一期一会」の理由です。


だからこそ、
不動産投資、大家業をしたい、部屋を買い増ししたい、
という方に私がお伝えしたいこと。


それは、不動産会社さんからの
物件紹介の有無にかかわらず、
日頃から多くの物件を見ることです。


チャンスの神様には前髪しかない、
と言われることが良くあります。


不動産のような限定ものであれば、
さらに、昨今のように、
購入されたい方が多い状況であれば、
売物件の情報を見てから、
早い段階で決断をすることが求められてきます。


これは、営業トークという意味ではなく、
なんらかの形であなたが出会えた情報は、
あなただけが見ている訳ではないからです。


それまでのやり取りなどを踏まえて、
信頼関係が構築されているなどのケースでは、
最初にあなただけに情報提供をされるとか、
社内で他の担当者と情報が共有されない
というケースもありえますが、それはレアケースです。


「限定」で「一期一会」の情報をうまくつかんで、
物件を手にすることができるかは、
できるだけ早い判断力を、
あらかじめ養っておくことが必要です。


90
資産運用の原点


最初に端的に伝えると、


「不要な方は手放し、必要な方が受け取る」


というのが、資産運用の原点の
イメージではないか、ということです。


そもそも資産運用は何か?
ということを今一度考えると、


今、あなたの手元に
置いておかなくても良いお金を、
あなたの手元から手放して、
必要とされる方に渡すこと。


私はこのように考えています。


将来、お金のことで困らないように、
運用して殖やす、リターンを得る、
という捉え方もありますが、
それ以前に、
そもそも今手放しても良いと思えるお金がなければ、
資産運用をしようという気持ちにもなれないと思います。


つまり、
将来的に殖えてリターンを得られる
というのは結果であって、
今手放して資産運用に回そう
というお金がなければ、始まらないということです。


これは、
株式などの金融資産の投資でも、
不動産などの実物資産の投資でも同じこと。


何らかの理由で、
保有している資産を換金したい、
つまり不要と感じて現金化したい時。


それを買い受けて、代わりに保有することは、
売りたい(手放したい)相手を喜ばすことにつながる。


以前、私が心の師匠のひとりと思っている、
竹田和平さんの著書を読んだ時に、


「みんなが売りたいと思う時に買ってあげる。
 買いたいと思う時に売ってあげる。
 そうすると、自然と資産は膨らむ」


みたいな内容が書かれていました。
https://www.takedawahei.net/


和平さんは、
株式で長者になられた方です。


簡単で当たり前のようなことを
おっしゃっているのですが、
それができない方が、どれほど多いことか。


むしろ、反対のことをされてる方が、
多いのではないか?と私は感じます。


これは、不動産でも同じこと。


物件を手放したい理由はそれぞれ異なりますが、
手放したい方にとっては、
売れることがその方にとって嬉しいことにつながる。


そう考えると、
物件を買わせて頂くことは、
マイホームにせよ、投資用にせよ、
売りたい方を助け、喜ばせていることに、
つながっているのではないか?


最近改めて、
そのようなことを思ったり私はしています。


とは言え、相手が満足するだけでは、
買ったとしても、
あなたの気持ちはすっきりしないはずです。


価格があまりにも相場とかけ離れすぎている、
買う方に寄り添った価格提示がなされていなければ、
買いたい人も現れず、
売りたくても、手放すことができません。


なので、物件を買う時もそうですが、
もし売りに出して、手放したいと感じる時、
買いたいと相手に感じて頂ける金額を提示すること。


このように、買う時も売る時も、
相手の立場に立って、
どうすれば喜んで頂けるのか?
自分も嬉しい気持ちになれるのか?


そんな、
お互いにWIN―WINになれる関係は
どうすれば作れるか?を、
資産運用でも考えながら取り組んでいくことが、
結果的にお金の不安をなくしたり、
満足感を高めたりすることにつながるのではないか、
と私は考えています。


資産運用も、
金融資産であれ実物資産であれ、
恩送りのようなスタンスや気持ちを
大切に考えながら取り組めると良いな、
と私は思っていますが、
皆さんは、どう思いますか?


89
賃貸保証会社について


賃貸保証会社の見学をするため、
木更津へ行く機会がありました。


友人大家さんに声をかけて頂き、
内部の話、取り組み、施設見学など、
ひとりでは足を運べない所に潜入できる
貴重な機会だったからです。


行先は、日本賃貸保証株式会社(以下JID)。
https://jid-net.co.jp/


不動産投資、大家業をしている立場、
住まいを賃貸で借りている立場、
皆さんもどちらかの立場で、
接点を持たれたことがあるかもしれません。


賃貸保証会社とは?


ご存じない方もいらっしゃるかと思うので、
お伝えしておくと、
賃貸で借りる時に、お金を払って、
保証人代わりになって頂ける会社です。


保証人というと、身内や親族などを
契約時に記載することが以前は多かったのですが、
最近は、保証会社を利用するケースが増えています。


もし大家さんに家賃を払えず、
滞納が発生した時。


保証会社が大家さんへ
立替えて払うことになります。


その後、保証会社は滞納した方から、
立替え分を回収することになるのですが、
そのプロセスが、
取り立てのようなあこぎなイメージで
伝えられることがある。


そのため、
保証会社は怖いと捉えられる節があるように
私は感じているのですが、
あなたはどのようなイメージを持たれていますか?


私も正直、今回JIDさんの見学に行く前は、
現場はあこぎな部分があるのでは?
とイメージしていました。


もちろん、そういう会社もあるかもしれませんが、
JIDさんのことを知り、
そのイメージは一転しました。


最初にひとことで言うと、
JIDさんは、


「滞納した賃借人さん、社員さんなど、
 関わるみなさんに寄り添っていこう
 という姿勢が確立されている」


ということ。


あこぎの『あ』の字も感じない会社だったからです。
そう感じた内容に関して、
いくつかシェアさせて頂きます。


滞納が数ヶ月続いてしまった
借主さんがいた場合。


どうすれば滞納を解消して
払うことができるようになるかという
コンサルティングからスタートするとのこと。


ケースによっては、
長年家計管理をされてきた主婦のような方を
生活アドバイザーとして同行させ、
どう家計を再生し、立ち直っていくかを
二人三脚で寄り添うことも行うとのこと。


賃料などの支払いがどうしても厳しい時には、
再生されるまで、
自社の社宅に住まわせて差し上げる
ケースもあるとのこと。


滞納の原因が、
離職など仕事を失ったことが理由の場合、
働き口を紹介、あっせんする部門も設けている。

滞納をきっかけにJIDの社員となり、
活躍されている方もいらっしゃる、とのこと。


その社内には、託児所や学童も設けられていて、
お子さまを預けながら、
安心して働ける環境も整っている。

保育士さんも社員としていらっしゃいます。


部屋に家具などを残したまま、
夜逃げなどをしてしまった方の荷物(残置物)に関しても、
勝手に処分をすることはできないので、
保管する倉庫も各地に完備し、処理に関しても、
適時適切に対応しく仕組みを作っている。

同業他社から、残置物の取り扱いに関して、
依頼がはいることさえあるとのこと。


孤独死のように身寄りがなく、
お部屋で亡くなられた方を、
JIDの担当者が発見するケースもあるとのこと。


その際、お骨を保管する永代供養墓も設けており、
後日連絡が取れた親戚の方などが
引き取りに来られるようなケースにも、
きちんと対応できるようにしている。


そもそも入口の、
入居時の保証を引き受ける審査の際も、


「入居する意思が明確か?」
「申告内容に虚偽がないか?」
「家賃を支払い続けられる根拠を提示できるか?」


という3要件を満たしているかを重視し、
勤務先や年収などよりも、人を見て判断するので、
年齢や国籍だけで断るケースはない、とのこと。


上記伝えてきたような内容に取り組むことは、
コストもかかり、
非効率な面があることは否めない。


だからこそ、JIDは、
株式上場する気は一切ないという社長の言葉。


すべてはお伝えしきれていませんが、
上記のような姿勢で業務にあたられている
JIDさんのような保証会社であれば、
貸主の立場でも、借主の立場でも、
安心できるのではないか?
と、私は感じました。


とは言え、実際の所、
自分で賃借人さんとやりとりをする「自主管理」でない場合、
不動産会社や賃貸管理会社が取り扱っている賃貸保証会社を
賃借人さんは利用することになるケースが大半です。


そのため、JIDさんが良いと感じても、
接点を実際に持てるかどうかは分かりません。


私自身も、まずは一度、
自分がお願いしている賃貸管理会社に、
「どこの保証会社を利用しているのか?」などを、
確認してみることから始めてみたいと思っています。


88
不動産投資の買い時がくるかも?


 今年は不動産に、
もしかしたら追い風が吹くかも
しれない、と私は感じています。


あなたは不動産を意識するのは
どんな時ですか?


どんな時に、買いたい、
あるいは売りたいと思いますか?


マイホームにせよ賃貸物件にせよ、
買いたい時が買い時、
売りたい時が売り時、
ということを、
私は事あるごとに、お伝えしています。


実際、価格がいくら割安だとしても、
欲しいと思えなければ、買いませんよね?


反対に、いくら高い値段を提示されても、
あなたが大切にしていて、
手放したいと思わなければ、売りませんよね?


というのが、
私の考え方のベースにはあります。


ただ、冒頭で伝えた、
「逆張り」の視点から言うと、
不動産には追い風になりそうな気配を、
個人的に勝手に感じています。


その理由を、
最初に箇条書きで伝えると、


賃上げ
新NISAのスタート


この2つを
キーワードとして考えています。


賃上げに関しては、
特に、物件を売りたいと考えているのであれば、
もう少し待ってみるのが良いのでは?
という逆張りです。


賃上げに伴って、
給与などの収入が増えてくれば、
購入希望者が借りられる金額、
借りて良いと思える許容範囲も
あがる可能性があるからです。


実現するかどうかは分かりませんが、
首相も、持続的な賃上げを継続する
と言っています。


そうなれば、価格が以前より高くても、
購入できる方が増える。


まさに、不動産がインフレに強い
と言われる理由とも重なってきます。


また、借りる立場で考えた時、
払う家賃に関しても、
収入が増え、手取りが増えれば、
住まいに回せる金額も増えます。


そうなれば、貸している部屋がある時、
今の入居者さんが退去したタイミングで、
家賃を上げて募集しても、
借主さんが見つかりやすくなります。


例えばですが、
家賃を月に5,000円上げられたとした場合、
年間では6万円のアップにつながります。


賃貸用物件の場合、
利回りなどの面が価格には影響を与えてきます。


もし年間6万円の家賃アップができたとして、
利回りとして5%が求められる場所であった場合、
売買価格として、理論上、
いくらの上昇になると思いますか?


答えは、120万円です。


月の賃料としては5,000円と
インパクトは少ない金額かもしれませんが、
売買価格という点では、100万円前後くらい、
物件価値が上がることにもつながります。


だからこそ、もし、
やむを得ない理由がないにもかかわらず、
売りたいと思っていらっしゃるのであれば、
待った方が良いのではないか?
と私は考えています。


新NISAのスタートに関しては、
注目度、という点との兼ね合いです。


つまり、新NISAスタートで、
株式や投資信託など金融商品に
目が向いている人が増えていることが、
資産形成としての
不動産に目が向く人の相対的な低下につながる。


注目度が下がると、購入という点で、
競合する相手が少なくなるので、
より要望にかなった物件を見つけやすくなるのでは?
というイメージです。


私は不動産会社ではないので、
日常の物件情報に関しては、
ネットのポータルサイトを見ることが多いです。


そんな中で感じているのが、
ポータルサイトを見ていて、以前より、
この物件良いのでは?という情報が
少ないながらも出てきているのでは?
ということ。


もしかしたら、
ゼロ金利解除など金利上昇懸念もあり、
売ろうとする方が
増えているのかもしれません。


あるいは、新NISAなど、
金融商品の運用にお金を回したくて
手放そうとしているのかもしれません。


真偽のほどはたしかではありませんが、
金利や新NISAなどの背景から、
不動産への関心を持つ方が、
もしかしたら減っているのかもしれない。


つまり、購入したい人にとって
追い風が吹きつつあるのかもしれない。


私は、最近、そんなことを思ったり、
考えたりもしています。


今日お伝えしたことは、
あくまでも私見になる話ではありますが、
少しでも参考に感じる部分があれば幸いです。


87
不動産投資が向いているか

 

資産形成コンサルタント。


そんな名称の資格があること、
ご存じでしょうか?


証券アナリスト協会が新設した資格で、
幅広く、色々な方に、
資産形成の知識を身に着けて頂きたい、
という想いから作られたようです。
https://event.saa.or.jp/event/7830


3日前の3月25日から
試験が開始されたのですが、
物好きな私は、その初日に受験
してきました。
https://www.instagram.com/p/C47sIZovA5_/


証券アナリスト協会が主催している
こともあり、内容としては、
株式や債券、投資信託などの
金融商品の投資に関することが中心。


アナリストさんが分析などに使うと思われる、
各種指標なども取り上げられていて、
私にとっては
「?」な内容もありました(苦笑)


20年近く前に、
FP資格を取得する時に、
そう言えば学んだなぁ~という
遠い過去の記憶がよみがえった試験でした。


おかげさまで、何とか合格はできたので、
「資産形成コンサルタントです」と、
今度、名乗ってみようかと思います。


単純に、名前がカッコよい感じの
印象があるからだけです(笑)


と、ここまでお伝えしてきましたが、
今回この試験を受けたことで、
改めて感じたこと。


それは、私自身が、
証券投資(金融投資)よりも、
やっぱり不動産が性に合うのだな、ということ。


私は文学部哲学科出身です。


なんでそんな奴が、
FPという数字を扱う仕事しているのだ?
という話は置いておいて、
バリバリの文系人間なので、
分析のような緻密なことは、
若干不得手な所があります。


証券投資だと幅が広いので、
株式投資と不動産投資の比較で話していきます。


投資を科学的、理論的に考えていけば、
株式にせよ不動産にせよ、
事細かな分析をして判断することになります。


理論価格を計算したり、リスク分析したりなど、
机上でやろうと思えば、
いろいろと細かな所まで
思い巡らせることができます。


様々な指標を組み合わせて、


株式であれば、
「この銘柄は買い時じゃない」


不動産であれば、
「この物件はリスクが高くて割高だ」


などの判断を机上ですることができます。


ただ、投資判断を、
理論的な指標や数値だけで
推し量ることはできるのでしょうか?


私は、
No、だと考えています。


株式であれば、
日常で目にする商品やお店などを通して、
数字以外の面から
その会社のことを考えることもできます。


不動産であれば、
その物件に、現地に行けば、
直接見たり触れたりできるので、
五感を使って考えることもできます。


理論的な分析だけではダメだとは言いませんが、
私は、理論よりもリアルを感じて、
最終的には判断することが、投資に限らず、
何事においても大切ではないか、
と考えています。


私は、そんな考えの持ち主なので、
アナリストよりもリアリスト。


株式よりも不動産の方が性に合う。
と、自分では感じています。


今回、資産形成コンサルタントの試験を受けて、
証券投資全般の分析的なことが、
小難しく、楽しいと感じられなかったことで、
その想いがより一層強くなりました。


証券アナリストはいらっしゃいますが、
不動産アナリストという方は、
あまりいないのではないでしょうか?


株式も、製品やお店を通して
リアルを感じる機会はあるとは言えど、
業績や相場という、
どちらかと言えば、机上で分析したり、
考えて判断することが多いのかと思います。


その点、不動産は、
分析を考えることはあれど、それ以上に、
リアルな物件、現地を見ることなどが
分析以上に大切だと私は考えています。


皆さんは、株式にせよ、不動産にせよ、
投資するしないの判断は、
分析を頼りにしていますか?
リアルな現場判断を頼りにしていますか?


どちらが良い悪いという話ではありません。
自分の性格やスタンス、
考え方に合うやり方を選び、
見つけて頂きたいと思います。


大きく分けるとすれば、


分析派であれば、
株式などの証券投資


現場派であれば、
不動産などの実物投資


私は現場派なので、不動産が好きですが、
あなたはどちら派ですか?
どちらのスタンスに近いですか?


ぜひ一度、そんな視点から、
投資スタンスについて、
考えてみるのも良いかもしれないですよ。


86
不動産投資とNISA、
相性が良いと思いませんか?

 

2024年から、新NISAも始まり、
NISA経由で株式や投資信託が
購入される量も増えているようです。


非課税枠の拡大、そして、
非課税期間の無期限化という制度の拡充に伴って、
お金の置き場を、預貯金から移す方が、
少しずつではありますが、増えているのかな、
という動きを感じます。


あなたは、NISA活用して、
資産形成していますか?


私自身は、つみたて投資枠での投資信託の
コツコツつみたてがメインではありますが、
新NISAになってからも続けています。


そんな私は、不動産投資や大家業と、
NISA、特につみたて投資枠を利用した
つみたてNISAは、
相性が良いのでは?と感じています。


資産形成という点でも、
備える保険的な意味合いでも。


順を追ってお伝えします。


資産形成の面では、時間をかければかけるほど、
資産残高がつみあがっていくのが、
共に目に見えて分かりやすい、という点があります。


つみたて投資枠のNISAからお伝えすると、
例えば月に3万円、つみたてていくとします。


相場の上がり下がりはありますが、
15年間、年利平均3%で運用ができたとします。


そうすると、15年間でつみたてた元本は540万円。
それに対して、資産残高は約680万円となり、
約140万円の利益が産まれることになります。


一方、不動産投資で、
ローンを利用して物件を購入したとします。


金利2%で2,000万円を借り、
30年ローンを組んだとします。


そうすると、
毎月の元利返済金額は約74,000円。


物件や賃料などによる違いは出てきますが、
基本的には、この返済は空室にならない限り、
入居者さんから受け取る賃料から
行っていく流れになります。


この約74,000円の返済を続けていくと、
15年後には、
当初2,000万円で借りたローンの残債は、
約1,150万円になります。


これが意味するところは、
残債が減った約850万円分、
資産が増えたということです。


この資産が、
お金として目に見える形になるのは、
売却した時にはなります。


譲渡税は加味せず、考え方のイメージを伝えると、
購入から15年経過した時点で物件を売却し、


2,000万円で売れれば、
残債との差額約850万円が、


1,800万円で売れれば、
残債との差額約650万円が、


手元に残ることになります。


その点で、
残債が減った分=資産が増えた
というイメージです。


しかも、不動産の場合、この資産拡大には、
あなた自身の力をあまり使っていません。


借りて住んでくださる入居者さんが払ってくれて、
知らず知らず、あなたの資産が増えているのです。


この残債との差額で手にした金額を利益と考えると、
この15年間、つみたてNISAで約140万円。
不動産で約850万円、合計で1,000万円
近くの利益を産み出せたことになるのです。


そうすると15年後には、
NISAでつみたてた元本540万円と合わせると、
約1,550万円の金融資産が
築き上げられる可能性があるのです。


不動産のローンの元本は、
入居者さんが返済してくれていることを考えれば、
あなたが自分のお財布から出したのは、
NISAのつみたてにあてた
毎月3万円の15年分の540万円。


それが、15年後には、
約1,550万円近くのリターンを産み出してくれる
可能性があります。


このように、
時間をかけて行う長期投資のスタンスに、
NISAでのつみたてと
ローンを活用した不動産投資は
マッチしていると私は感じています。


不動産の場合、
毎月産まれるキャッシュフローという
インカムゲイン(定期収入)を得られることを
目的にすることが多いですが、
ローンを活用して取り組むことで、
元本返済が進んだ分、自然と資産も拡大している。


この点に想いが至っていない方が、
意外といらっしゃるということを感じます。


目に見えて金銭価値として認識しづらく、
売却して初めてそれを実感できるから、
というのが理由だとは思います。


不動産投資、大家業は売却しない前提で
長期保有することを、
私個人としてはおススメしていますが、
使途や目的によっては、
売却を前提に購入するのもありだと考えています。


今回の例で言えば、
例えばお子様が産まれた時に、
NISAも不動産投資もスタートし、
15年後に不動産は売却して
高校と大学の教育資金にあてる。
NISAのつみたては、
自分達の将来の備えとして継続する、
という選択肢もあります。


15年後に65歳など、
年金の受け取りが視野に入ってくるときに、
NISAでつみたててきた分を残債の繰上返済にあてて、
年金プラスアルファとして
家賃収入を得られるようにする、
という選択肢もあります。


今日お伝えした15年は、
あくまでもひとつの目安になるので、
何年後を目標に据えるかは、
目的や希望によって変わります。


短期目線ではなく、
15年、20年というある程度、
長期の年数を視野に入れながら、
NISA制度を活用して金融資産の運用を行う。
不動産を活用して実物資産の運用を行うことで、
お金の不安を和らげ、
その時に応じた選択肢を増やせることにつながると
私は考えています。


卵をひとつのかごに盛るな、
と資産運用の格言的な言葉にありますが、
金融資産と実物資産、うまく組み合わせて、
長期でコツコツと取り組むことで、
失敗しにくい資産形成ができるのではないか。


私はそのように考えておりますが、
皆さんは、どう思いますか?


85
紹介ってどう思いますか?

 


タイトルのとおり、
今回は紹介についてです。


多かれ少なかれ、
皆さんも紹介をしたり、逆にされることが、
日常生活の中でもあると思います。


紹介を誰かにすること、或いはされること、
あなたは好きですか?


オープンマインドなスタンスで、
紹介をしたりされることに、
何ら抵抗を感じない方もいらっしゃると思います。


反対に、紹介は責任が伴う。
相手に迷惑をかけたら嫌だ。
紹介されたのに断ったら、
相手の顔をつぶしてしまいそう。と、
ネガティブに感じる方もいらっしゃると思います。


こればかりは、
皆さんの性格や考え方によって異なるので、
どちらが正解ということは全くありません。


ただ、紹介という行為には、
多少の差はあれ、
紹介した側の信用や信頼が必要になるという点は、
大切なポイントではないでしょうか。


だからこそ、
口コミサイトのような所も存在し、
行動するきっかけになることもあるのかな、
と感じます。


私も紹介をしたりされたりすることはありますが、
仕事の面で言えば、
不動産会社さんをお客様に紹介することがあります。


私自身は
ファイナンシャルプランナーで、
不動産業者ではありません。


そのため、ご相談をお受けする中で、
不動産を買いたいとか売りたい
という話になった時。


その行動をサポートして頂く、
不動産会社さんの力を借りる必要が
必ず生じてきます。


その時に、どの会社、
どんな担当者を紹介するかは、
人一倍気を遣う部分です。


不動産は高額の買い物になるからこそ、
買った後に後悔の念がわいたりすることは、
お相手の人生を左右することにも
なりかねないからです。


私の場合、
マイホームとして自分が住む不動産よりは、
賃貸用として、不動産投資、大家業向けの不動産に
触れる機会が多いです。


自分自身、2007年から不動産投資、
大家業の世界に身を置いていますが、
不動産会社さんも担当者さんも、
玉石混淆だな、というのを肌身で感じています。


その中で、
不動産投資、大家業は節税になる、
ということを強調するような会社さんは、
自分とは肌が合わないと感じています。


ここで言う節税は、
所得税や住民税のことを念頭に置いていますが、
不動産投資での所得税・住民税の節税は、
期間限定の短期的な視点であり、
支払う税金の先送りでしかないと
私は考えているからです。


つまり、お客様も不動産会社さんも、
利益の視点が、
短期的な視野になってしまうので、
長期的な資産形成にはつながりにくい
というイメージです。


今、減価償却費などの経費を
多く計上することができて、
仮に所得税や住民税の支払いを
抑えることができたとしても、
もし将来的に売却するという判断をした時には、
税金上の利益が出やすくなる。


その場合、売却時に思ったよりも
多くの譲渡税を払う可能性もあり、
それまでに節税で抑えられていた分を、
譲渡税でまとめて払うことに
なるようなケースもありえます。


先日、会社の先輩に進められて、
節税になるからと言われて購入した、
という方とお会いしました。


資料などを拝見すると、
購入初年度は、経費が賃料収入を大幅に上回り、
所得税の還付見込金額は、
新卒の初任給を大幅に上回るような金額でした。


ただ、概算で2年目の収支見込みを試算してみると、
給与と相殺できるマイナスの金額は
大幅に減ることが分かりました。


その結果、所得税や住民税の節税税効果は、
ゼロではないものの、一気に下がることも分かり、
「そうだったのですか・・・」
という言葉が漏れるのを耳にしました。


会社の先輩の紹介だし、
話を聞いてみて良いと感じたからこそ、
最初の一歩を踏み出したのだと思います。


ただ、節税に視点を置いてしまうと、
思ったのと違う、ということが
往々にして起こってしまいがちです。


極論、節税効果を受け続けるためには、
毎年物件を購入し続けるような
必要さえ出てきてしまうのです。


思い描いていた未来と異なることに気づくと、


「なんで、そんな会社、
 担当者を紹介されたのか?」


という、紹介した相手への
不信にもつながりかねません。


だからこそ、私は、
不動産会社さんや担当者さんの紹介に限らず、
誰かに何かや誰かを紹介することには、
人一倍注意を払うように気を付けています。


幸い、今までの所、
私が紹介させて頂いた相手などに対して、
マイナスな感情を抱くようなご指摘を
受けたことはありません。


だからこそ、
寄せて頂いた信用や信頼を損ねないように、
これからも不動産会社さんや
担当者さんなどを紹介する時には、
人一倍気を付けて、対応していこうと考えております。


紹介においては、
「誰からの紹介なのか?」
という点が、何よりも大切だからです。


皆さんも、紹介をする時、された時、
誰が、どんな経緯で伝えてきたのかという点。


注意してもし過ぎることはありませんので、
忘れずに意識して過ごして頂くと
良いのではないでしょうか?


84
毎月分配型の投資信託

 
新NISAが今年から始まって、
もう少しで半年が経とうとしています。


新聞やニュースなどを見ていると、
投資信託への資金流入額も増えており、
新NISAを機に資産運用を始めた方、
運用金額を増やした方も多いのかな、
と感じています。


あなたはNISAを活用して、
金融資産の投資、
資産形成は行っていますか?


参考までに私自身のことを伝えると、
つみたて投資枠
毎日つみたての設定にして
年間上限まで行う予定。


成長投資枠では、
限度額まではいかないですが、
同様に投資信託のつみたてを行っています。


個別株を選んでということが性に合わないので、
(持っていますが、片手以内です)
金融資産の運用は、感情を挟まず、
設定した通りに淡々と
買い続けている感じです。


今選んでいる投資信託は、
NISAの対象になっているので、
NISAの枠内でつみたてていますが、
NISA対象外の投資信託もあります。


1番分かりやすいのが、
分配金が毎月払われるタイプの商品です。


隔月の商品は対象なのに、
毎月分配型は対象外。


私は、この点に違和感を抱くのですが、
あなたは、どう思いますか?


複利の力を活用して、
長期の資産形成を行うという視点で考えれば、
分配金を受け取ることは、
資産形成の効果を弱めてしまいます。
分配金を受け取った分、
投資信託そのものの価格が下がるからです。


ただ、もしそう考えるのであれば、
隔月でも半年でも1年でも、
同じことではないでしょうか?


例えば、
株式を成長投資枠で保有しているとします。


配当のある銘柄は、半年に1度か年に1度、
業績に応じた支払いがあり、
その分株価は下がります。


期間こそ、毎月か半年かの違いはありますが、
そもそもの仕組み的には大きく変わらないと
私は感じています。


にもかかわらず、
毎月分配型で受け取る分配金は
NISA対象外なので課税。
半年ごとの配当金は、
NISAで保有していれば非課税。


個人的には、
なんだかモヤっとした気分です。


資産形成の大切さは理解していますが、
それと同時に、
毎月のキャッシュフローとして、
定期的に受け取れる商品が良い、
というニーズもあると思うからです。


不動産投資、大家業に魅力を感じて
取り組んでいる人間からすれば、
毎月の定期的なキャッシュフローがある仕組み、
商品には、魅力を感じるのではないでしょうか?


私自身、その魅力を感じている人間の1人です。


という訳で、
NISA内で複利効果の再投資、
長期の資産形成を目指したつみたて運用も行いつつ、
NISA枠外で、
これなら悪くないかもと感じた、
毎月分配型の投資信託の購入も最近始めました。


賃料プラスアルファの
キャッシュフローを毎月手に入れ、
それをNISAやイデコで行っている
資産形成の原資に回すようなイメージです。


毎月分配型投資信託の
デメリットとして言われていることの1つに、
タコ足配当があります。


毎月の分配金の中に、
利益からの分ではなく、
元本の取り崩しが含まれている分のことを
示しています。
特別分配金という言い方をします。


ただ、私が個人的に思うのは、
特別分配金があっても良いのではないか?
ということです。


例えばですが、
今の投資信託の基準価格が9,000円だとします。


投資信託は、
設定当初10,000円からスタートするので、
設定から今に至るまで、
▲1,000円というマイナスの運用をしていると、
一見すると感じます。


ただ、設定以来、
仮に累計で3,000円の分配ができていたとしたら
どうでしょうか?


今の価格9,000円に、
受け取った分配金総額3,000円をプラスすれば、
12,000円となります。


複利効果は得られませんが、
設定時の10,000円と比べれば
2,000円分利益が生まれていることになります。


長期の資産形成に向かないということで、
毎月分配型の投資信託はNISAから外されていますが、
商品の中身を見れば、
正味のトータルでプラスになっている商品もあります。


反対に、分配しない投資信託でも、
運用成果が出ず、
7,000円とか8,000円に低迷している商品もあり、
それこそ、損失を抱えていることになります。


なので、分配金を出す、
出さないという基準ではなく、
トータルで見た時に、長期で保有して、
メリットを感じられる運用が
できそうな商品かどうかを吟味する。


その上で、
NISAの対象にするかしないかを考えて頂きたい、
と個人的には思います。


毎月分配金を受け取るということが
長期投資的な面でNGなのであれば、
不動産投資、大家業も
NGと言われているようにも感じてしまいます。


個性や考え方が異なるように、
資産運用、資産形成に何を求めるかもそれぞれです。


ぜひ、NISAの世界でも、
多様性を認めてもらえるようになるといいなと
感じています。


83
遺贈寄付

 
あなたは、増やしたお金を、
いつ、どんなタイミングで使っていこうかなど
考えたりしていますでしょうか?


私もそうですが、
使い道まで考えて運用している方は少ないのかな、
と思います。


将来への漠然とした不安から、
増やして備えるという意識になるのは、
自然なことだと感じます。


だからこそ、備えることは必要ですが、
備えることだけに注力せず、備えながら、
今を楽しむことに使うことも考えることは
大切だと感じています。


生きている間に、
楽しんだり幸福感抱けたりすることに使い、
ゼロで死ぬのは理想ですが、
なかなかそうはいかない。


そこで、お金の使い道の究極という点で、
私が関心のあることの1つに、
自分の死後、資産をどうするか?
ということがあります。


そんなことを思いめぐらす中で、
遺贈寄付」という方法があることに
思い至りました。


さらに、検索などで調べていくと、
こういう団体があることも知り、
先日イベントがあったので、
足を運んできました。
日本承継寄付協会


今後、将来推計で、
単身世帯が増えると言われています。


私自身、まさに独身の単身世帯ですし、
DINKSと言われる、
ご夫婦のみでお子様がいらっしゃらない世帯も
増えていくと思います。


相続が発生した時に、
いわゆる法定相続人と言われる存在がいない場合、
そして遺言などで受け取る人を明記していない場合、
遺った資産は、国に帰属することになります。


ちなみに、2022年度、
相続人がいないまま、
国庫に納められた相続財産は
いくらくらいあるかご存じですか?


答えは、約768億円です。


私は、遺された財産が、
国に帰属することになることを
否定している訳ではありません。


国にこの財産が帰属することで、
インフラの整備など
有効に使って頂けるとは思うからです。


ただ、同じ使われるのであれば、
使い道を他者任せにするのではなく、
皆さん自身で使い方を選べた方が、
心残りなくすっきりすると思いませんか?


この時に向けて、
生前に使い道を指定しておけるのが
遺贈寄付のイメージです。


先日イベントに足を運び、
遺贈寄付への理解を深めることができたのですが、
遺贈寄付は、生前に遺言などで、
使い道を指定したからと言って、
必ずしもその通りに行う必要はない
ということです。


協会の理事の方などもおっしゃっていたのが、
まずは、存命の間に、
自分のためにお金を使うことを考えてほしい、
ということ。


お金は使ってこそ価値が出るので、
その価値、楽しみを味わうことが大切だ
というのは共感できました。


その上で、
使いきれなかった残りが発生したならば、
その金額分だけを、
遺贈寄付という形で使い切れば良いのだ
というのが内容です。


例えばですが、遺贈寄付という形で、
100万円ずつ10団体に遺贈したい
という遺言を残していた場合。


亡くなった時に、
実際に遺った財産が500万円であれば、
50万円ずつ遺贈すれば良い
というイメージです。


これなら、最後の自分の資産の使い道として、
相続人など含めて遺す存在がいない場合、
あるいは遺す人がいたとしても、その一部を、
社会的に有益な活動をしている団体などに
最期の気持ちとして寄付をするという
使い方も格好良いお金の使い方なのかな、
と私は思います。


お金の使い方、
そして将来のことかもしれませんが、
お金の遺し方などを考える上で、
少しでもヒントになる部分があれば幸いです。


不動産投資、大家業に絡めて、
私なりに思ったこととしては、
相続人がいないまま未来を迎えた場合、
保有している区分マンションの数に応じて、
遺贈する先を指定しておくというのも、
ある意味、不動産投資の出口の1つではないか。
そんなことも思ったりしている今日この頃です。


82
待ちすぎてはいけない

 
伝聞の話になるのですが、
皆さんに共有できると良いかな、
と思ったので取り上げることにしました。


「そろそろ家を買わない?」


お子さまが大きくなってきたこともあり、
転居を考えたいと思い始めた奥様。


転居を機に、
マイホームを買いたいという気持ちが
膨らんでいました。


それに対しての旦那様のお返事は、


「家を買うのは良いと思うけれど、
 もう少し待ってからにしたい。
 今は値段が上がっており、
 いずれ下がるかもしれない。
 その時を待ってから家を買いたい」


旦那様は金融機関にお勤めで、
金融の知識なども豊富な方。
不動産に関しての相場感などもあることから、
このような返答をされたと思われます。


奥様の方としては、
納得いかない想いはありながらも、
しぶしぶ旦那様の意見を聞き入れました。


お子さまの成長に合わせて、
奥様のマイホームへの憧れの気持ちは
さらに膨らんでいきます。


そして、ワクワクした想いを胸に、
旦那様へ事あるごとに、
マイホームの話題を切り出していました。


ただ、その都度、旦那様は決まって、

「もうちょっと待とう。
 もう少し待てば下がってくるはずだから」

と答えていました。


それから3年くらい経った頃、
旦那様の予想はあたり、
不動産価格は下がってきました。


「今こそ、マイホーム購入の行動をすべき時」
と、なったのです。


ただ、実際に、
購入することはありませんでした。


その理由は、マイホームを購入しても、
一緒に住む家族がいなかったからです。


もうちょっと待とう、
と言い続けていた旦那様に愛想を尽かし、
奥様は離婚を選択。


すでに出て行ってしまっていたのです…


この旦那様、投資的な視点、
経済合理性という面からは成功したとは思います。


ただ、その合理性を貫いたことで、
家族という大切な絆を失ってしまいました。


この話を聞いた時、
お金は手段であること。
お金だけで心をつなぎとめることはできない。


改めて、大切なことを私は思い起こしました。


この話は、ご家族のマイホームに
関わる話ですが、資産運用にも
あてはまることではないかな?
と、私は感じています。


それは、
「買い時を待ちすぎてはいけない」
ということ。


これは、
株式などの金融資産でも、不動産投資でも、
どちらにもあてはまると私は考えています。


「いつか下がる、下がったら買おう」

「周りの人が高いと言っている。
 止めた方が良いと言われたから買わない」


などを理由にして、気持ち、
心の面では前に進みたいと感じているのに、
行動が伴わない。


そのような方が、
まだまだ多いのではないか?
と私は感じています。


そのような方が見ている世界。


それは、
価格のみに焦点をあてている」こと。


価格の上がり下がりで儲けよう、
利益を上げようという想いを強くお持ちである。
そして、周囲の意見を参考にし過ぎて、
自分の想いや考えを持てていない。
だから、行動につながらないのでは?
と感じます。


たしかに、時期や状況を踏まえて、
無理してまで買い急ぐことはないとは思います。


ただ、価格が高いのか安いのかは、
後から振り返って初めて分かること。


今という渦中にいる時は、過去との比較はできますが、
未来との比較はできません。


経済合理性を意識し過ぎると、
周りの意見を意識すぎると、
心と行動が裏腹な状態で過ごすこととなってしまいます。


そこで、一番の損失は、
時間を失うこと


そして、自分の気持ちに
正直に生きていないこと。


後から振り返って、
「あの時、始めていれば…」
と思っても遅いのです。


人生で一番若い日は、今日です。


本当の意味での資産運用は、
日々の価格、値動きという経済合理性に左右されず、
上がり下がりを経験しながらも、
長期で取り組むスタンスだと私は考えています。


物件価格が高い、などと昨今言われていますが、
私自身、昨年2023年は、
良いと感じる物件と出会うことができ、
1部屋売却、2部屋購入という行動をとりました。
融資を承認頂ける、
新たな金融機関との出会いがあったのも幸運でした。


ぜひ皆さんも、経済合理性を追い求めて、
大切な家族を失った方のような状態に陥らないよう、
マイホームしかり、資産運用しかり、
ご自分の想いを大切にして行動して頂くのが、
幸福感抱いて過ごすこと
につながると考えます。


81
災害リスクを回避するために必要なこと

 
今年の元日に起きた能登半島地震。


日にちを追うごとに、
亡くなられた方や行方不明の方の数が増えており、
天災の恐ろしさを改めて感じる今日この頃です。


被災された方々に
お見舞い申し上げますと共に、
1日も早いライフラインの復旧など
祈念しております。


今回のような天災事変が起こると、
私が気になることの1つに
不動産の倒壊の報道があります。


崩れた家屋の映像や写真。
火災が起こった後に残る焼け野原。


見る度に、本当に心が痛みます。


不動産投資、大家業を行っているからこそ、
住まいに関しては、より一層気になる所です。


阪神淡路大震災。
東日本大震災。
熊本地震。


そして今回の能登半島地震など、
事あるごとに天災に見舞われている日本ですが、
住まいという点に関して、
被害を被っている家屋で多いのは、


旧耐震の物件
木造の家屋


ではないか、と感じます。


実際、今回の能登半島地震では、
1階が押しつぶされるなどの倒壊した家屋は、大半、
耐震基準を満たしていない木造家屋
被害にあわれている模様です。


助成金などはありますが、
費用面などからも敬遠されがち、
あるいは周知が行き届いていない結果、
耐震化工事を施していなかった住まいが
影響を受けてしまっていることが、
今回改めて露わになりました。


輪島市で7階建てのビルが倒壊したという報道、
皆さんも、ご覧になられたかもしれません。


このビルのことを確認してみたのですが、
建てられたのは、1972年でした。
つまり、旧耐震のビルだということです。


もちろん、天災による家屋の破損や倒壊は、
地盤などとの兼ね合いもあるので、
旧耐震物件が一律にNGとは言い切れません。


ただ、起きた後から振り返ると、
上記のビル含めて、旧耐震の物件が、
被害を被っているケースが多いです。


この点を鑑みれば、
マイホームにせよ賃貸用の物件にせよ、
旧耐震を選ばないことは、
天災リスクを回避するには大切かと感じます。


例えばマンションなどにしても、
リノベーションを施して、
今風の部屋にすることはできます。


ただ、その建物が旧耐震の躯体の場合、
万が一のことが起きた時の危険性は残ります。


もしそういう物件を選びたい場合、
耐震化工事が行われているかを確かめた上で、
選ぶことは欠かせないと感じます。


木造住宅という点で考えると、
備えたいリスクとしては「火災」です。


旧耐震の木造住宅というのが、
天災リスクに対しては脆弱である点は否めません。


今回の能登半島地震でも、
輪島の朝市が行われるエリアで延焼が広がった要因の1つに、
木造建物が密集していたエリアだからと言われています。


鉄骨造や鉄骨鉄筋コンクリート造であれば安泰、
という訳ではありませんが、木造よりは、
火に対する耐性はあるのではないでしょうか?


最近の木造住宅は、劣化対策等級が用いられ、
長期にわたって改修工事などをせずとも
住まい続けられるようにはなりました。


その点からすれば、昨今の家屋であれば、
木造でも鉄筋でも、
差がつきにくくなっているとは感じますが、
一般論からすれば、火に対する耐性は、
鉄よりも木の方が弱い点は否めないかも、とは思います。


このように考えてみると、
マイホームにせよ、賃貸用の物件にせよ、
住まいに対する災害リスクを下げるためには、
地盤のことと合わせて、


新耐震の鉄骨鉄筋を選ぶ


ことが考えられるのかな、と私は感じています。


その点で、区分マンションは、
天災等の災害リスクには、
強さがあると私は考えています。


今回の能登半島地震に関してはまだ把握できていませんが、
2011年の東日本大震災の時、
区分マンションの内、約96%は損傷無し
という結果も報告されています。


亀裂が生じたマンションの
報道などもありましたが、
あれは旧耐震のマンション。


私が区分マンションを大家業の対象としているのも、
この災害リスクが相対的に低いという点があります。


木造のアパートの方が、
利回りなどの収益性は高いという点はありますが、
同じ場所に部屋をまとめてもつことと合わせて、
天災の時のリスクを下げたいというのも、
選んでいない理由の1つです。


あなたは、どんな物件を対象にして、
不動産投資、大家業に取り組みたいと思いますか?
取り組まれていますか?


よく不動産投資、大家業に対して、
地震などの天災が怖い
とおっしゃられる方もいらっしゃいます。


今回のような天災が起きると、
その想いを強くされるのかもしれません。


報道などを見ていると、
倒壊した家屋などの
映像や写真を目にする機会が多いですが、
それは一部にすぎません。


ライフラインの影響は
生じているかもしれませんが、多くの家屋は、
住まいとしての機能を失ってはいないです。


このような天災を通して、気づきを得たり、
考えられる学びの部分はあるはずです。


天災を風化させないためにも、
どんな住まいを選ぶことが
災害リスクを減らせることにつながるのかなど、
今一度、考えてみてはいかがでしょうか?

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