横浜のFP大家が、お客様からいただいた質問を元に、
お金や不動産についてお話し致します。

CONTENTS

NEW  リターンだけを意識していませんか?

65  金利、気にしていますか?

64  不動産投資と相性の良い制度

63  相続税の試算、したことはありますか?

62  キャッシュフローの大切さ

61  マンションに係る固定資産税の減税措置


NEW

リターンだけを意識していませんか?

   
投資をする上でどのくらいのリターンを求めるかは、
皆さんの考え方や目標によって変わります。


ただ、リターンと合わせて意識した方が良いこと。


それは、「コスト」です。


毎月、ないし、毎年かかってくる「経費
と言い換えても良いかもしれません。


私が、収入(リターン)を増やすことと
支出(コスト)を減らすこと、
どちらを大切にしますか?ともし聞かれたら、
収入を増やす、と答えます。


支出を減らすことは、もちろん大切ですが、
削れる部分には限界があるからです。


とは言え、収入が増えても、
それに合わせて支出も増える状態になってしまうと、
手残りは変わらないか減ってしまうことさえあります。


だからこそ、支出、コストへの意識も、
必ず持っておく必要があると考えています。


例えば、投資信託を使って、
つみたて投資をする場合。


投資信託には、
保有している間かかってくるコストがあります。
信託報酬です。


投資信託の目論見書などを見れば、
例えば年1%のように必ず記載されています。


拙著でも触れさせて頂いていますが、
年利3%のリターンがある投資信託があった時。


コストにあたる信託報酬が0.2%であれば、
差額の2.8%が実質的なリターンになります。


もし信託報酬が2%であれば、
実質的なリターンは1%になってしまいます。


リターンを求めることを優先する意識は大切なのですが、
保有している間にかかるコストも見ておかないと、
経費倒れのような状態になってしまいます。


長期間保有すればするほど、
リターンが同じくらいの商品の場合、
コストの差によって、実質の手残りの差は広がっていきます。


イデコやNISAなどで、
投資信託を使った資産形成を行っているのであれば、
一度、信託報酬は確認をしてみて下さい。


私の考えとしては、
年利0.5%以上の信託報酬がかかる投資信託は、
ちょっと高いなぁ、と感じてしまいます。


変額保険、変額年金など、
生命保険の中で投資信託を運用するような商品もありますが、
それこそ、コスト倒れになっていないかを、
確認してみることをおススメします。


コスト負けしない、
大きなリターンを得られていれば良いのですが、
変額保険のような商品の場合、
投資信託の信託報酬というコストと、
生命保険会社に払っているコストという
二重のコストがかかっています。


死亡保障がメインだというケースもありますが、
「保障」と「運用」は、同じ箱の中で行わず、
分けて行う方が良いと感じています。


リターンというよりも、
コストの負担を抑えたいというのが、その理由です。


保険も分かりにくいコストがかかっている商品です。
もし今まであまり意識したことがなかったのであれば、
一度確認されてみることをおススメします。


最後に、不動産投資にもコストはつきものです。
不動産の場合は、目に見えて分かりやすいので、
コストへの意識は向けやすいかもしれません。


例えば、区分マンションの場合。


コストで言えば、

● 管理費・修繕積立金
● 賃貸管理委託料
● ローンの利息
● 火災保険
● 固定資産税
● その他設備不具合の交換

などが、主だった所として考えられます。


その中でも、一番意識した方が良いコストは、
毎月払う 管理費・修繕積立金 です。


キャッシュフローとして、
毎月の収支に響き続けるからです。


賃料に関しては、
場所による差が見受けられます。


例えば、都心部であれば10万円超の部屋もありますし、
少し郊外の方へ眼を向けると、
4万円台とか5万円台の部屋もあります。


では、管理費・修繕積立金は、
場所によって、値段の違いはあるでしょうか?


答えは、Noですね。


東京中心部のマンションと郊外のマンションで、
賃料のように、立地の違いで、
管理費・修繕積立金に大きな差が生じることは
考えにくいです。


築年数が経過すれば、修繕の必要性などに応じて、
修繕積立金は値上げされる可能性もあります。


先程の例を使いながら話すと、
仮に、管理費・修繕積立金が月20,000円の場合、
賃料が10万円受け取れるのであれば、手残りは8万円ですが、
5万円の賃料であれば、手残りは3万円です。


この手残りの差は、
物件の価格という点に反映はされるので、
必ずしもどちらが良い、という話ではありません。


ただ、収入に対してのコストの割合という点を考えた時、
コストの割合が抑えられている、
つまり収入の多い部屋の方が、
長期的な視点で見た時には安心感があるのではないか、
と私は考えています。


金融商品、そして実物資産の代表である不動産を例にしながら、
今日はお伝えしました。


様々な投資対象、資産運用の商品は存在しますが、
リターンだけでなく「コストの面」から、
長期的にどんな影響が出そうか。


そんな視点から、一度考えてみるのも
良いのではないでしょうか?

65

金利、気にしていますか?

   
7月末に、
日銀決定会合が開催されました。


結果を端的にまとめると、


金融緩和、短期金利はそのまま継続
長期金利の変動幅は広げる


という内容でした。


幅を広げると言っても、
0.5%なので、現状を踏まえると、
1%くらまでが、容認する長期金利になる
というイメージです。


私個人の意見として言えば、
まだまだ低金利だな、と感じています。


むしろ、政府や日銀としても、立ち位置的に、
金利を上げたくてもあげられない、というのが、
本音なのではないか、と感じてしまいます。


さて、不動産には融資がつきものです。
マイホームの住宅ローンにせよ、
賃貸用のアパートローンにせよ。


日銀決定会合のニュースなどを見て、
もし金利が上がって、
困ったことになるかもしれない、と感じた場合。


最初にすることは、
「金銭消費貸借契約書」
を確認することです。


融資を受ける時に、
金融機関と交わしたローンの契約書のことです。


ここでは、変動金利で借りている方を
前提にして話を進めます。


確認する箇所は「基準金利」の所。


短期プライムレートになっていますか?
長期プライムレートになっていますか?


短期プライムレートであれば、
現状、気にする必要はありません。


先程お伝えしたように、金融緩和継続で、
短期金利は政策に変更なしなので、
今すぐに影響が出ることは考えづらいです。
※金融機関内部で変更があった場合は、
個別の話なので割愛させて下さい。


当面、今借りていらっしゃる、
低金利を享受しながら、
住宅ローンの返済、アパートローンの返済を続けて下さい。


長期プライムレートになっている場合。


今の所、先程伝えた、変動幅の上限である、
1%にまであがっていないので、
いきなり大きくあがることは考えづらいと思います。


ただ、金融機関の個別判断で、
例えば9月とか10月とかに、
若干上げてくる可能性はありえます。


とは言え、それほど大きく、
困ったというような影響が生じてくるとは考えにくいのでは?
と、私は考えています。


例として、今回広がった変動幅と同じ、
0.5%の金利アップがあったとします。


当初、2,000万円を2%の金利で35年
借りた方が、5年返済が進み、
残高が1,800万円になったケースを考えてみます。


この場合、当初の返済額は毎月66,252円です。


その後、5年経過して、残高1,800万円の時に、
金利が0.5%アップして2.5%となった場合、
毎月の返済額は、いくらになるでしょうか?


答えは、71,121円です(2.5%、残り30年)


5年後に0.5%金利があがることで、
毎月の返済額は、
約5,000円増えることになります。


あなたは、毎月の返済が5,000円増える、
つまり、毎月のキャッシュフローが
5,000円少なくなると聞いて、
そんなに減るのと感じましたか?
そこまでインパクトないと感じましたか?


どのようにローンを組まれているかなど、
立場によって感じ方は異なると思いますが、
5,000円キャッシュフローが減ることで、
ものすごく大打撃、来月から生活が成り立たなくなる、
ということには、
なりにくいのではないでしょうか?


また一方で、
金利が0.5%あがったとしても、
毎月の返済額をあげないように、
この5年の間に、繰上返済の原資を作って備えておく、
という方法もあります。


先程の例を使って伝えますが、
仮に5年後に2.5%にあがった時でも、
毎月の返済額を、
当初の66,252円のまま据え置くためには、
いくら繰上返済をする必要があるでしょうか?


答えは、約120万円です。


5年で120万円ということは、
1年あたり24万円、月当たり2万円
ということになります。


そう考えると、例えば、月に2万円、
NISAでつみたてなどを行っておくことが、
結果的に金利上昇への備えになるかもしれません。


仮に、毎月2万円をNISAでつみたてて、
5年間、年利3%で運用できた場合。


5年間の元本120万円は、
いくらになっているでしょうか?


答えは、約129万円です。


短期間なので、そこまで大きく
増えている訳ではないですが、
預貯金に置いておくよりは良いのではないか、
と私は感じます。


もし金利があがって、
キャッシュフローを保ちたい場合は、
NISAで運用していたお金を
繰上返済の原資にしても良いですし、
仮に、金利があがらなかったり、
あがっても許容できる範囲であれば、
そのままNISAの運用を継続していけば良い話です。


このように考えてみると、
不動産ばかりに資産が偏るのは避けて、
金融資産での資産形成も並行して行うこと。


全体のバランスを考えて、
資産運用、資産形成に取り組むことが大切だということを
改めて感じて頂ければと思っております。


先々の金利がどう変わっていくか、
どんな推移をしていくかなどの未来ばかりを考えて、
不安な想いになるのは、
今を楽しめないことにも繋がってしまいます。


だからこそ、低金利が続くならそれを享受し、
仮に上がり始めたとしても、
それに対応できるように備えておくことが大切だと
私は考えています。


その意味で、大谷選手ではありませんが、
不動産とNISAの二刀流で資産運用を行っていくことが、
面白味はないかもしれないですが、
王道ではないか、私はそのように感じています。


64

不動産投資と相性の良い制度

   
私は、不動産のご相談をメインにお受けする、
ファイナンシャルプランナー
として活動させて頂いております。


資産運用、資産形成という点でも、
2007年より、区分マンション投資をスタートし、
途中でやめることなく、続けています。


これも、自分が楽しく取り組むことができ、
相性が良かったからだと感じています。


不動産投資、大家業は好きだし、
メインとして行ってはおりますが、
資産運用、資産形成という点では、
不動産だけに取り組んでいる訳ではありません。


今でいうイデコは2004年から行っていますし、
つみたてNISAや金の積立など、
お金の置き場の分散にも注意を払って取り組んでいます。


そんな私が、不動産投資、
大家業と相性が良いと感じている制度。


それは、
「NISAでのつみたて」です。


短期間で大きな利益が出るようなことはないですが、
10年、20年という時間を活用した資産運用の方法、
という点で、
不動産投資と共通しているな、と感じています。


不動産投資とNISAでのつみたての二刀流が、
どんな効果を生むのか?


考え方の1つとして、今日はお伝えします。


融資を利用して物件を購入し、
不動産投資を始めた方を例にあげます。


45歳で、2,000万円を金利2%、
35年借りたケースを考えてみます。


65歳で年金を受け取ると想定し、
20年後を考えてみます。


当初借り入れた2,000万円の元本は、
途中で繰上返済をしなかった場合、
20年後の65歳時点で、
いくらになっているでしょうか?


答えは、「約1,030万円」です。


空室の期間が発生することがあるので、
100%入居者さんに返してもらったとは言えないかもしれませんが、
20年間で、借り入れた金額の約半分を、
他者の力を借りて資産が増えたことを意味します。


つまり、20年で約970万円のつみたてを、
自分の元手をほぼ使わずにできた
ということを意味しているとイメージして下さい。


また、このケースの場合、
元本と利息の毎月の返済額は
「約66,000円」になります。


途中で返済額軽減型の繰上返済をした場合、
100万円ごとに、年間の手取りは約4万円増えます。


つまり、繰上返済をすることは、
約4%のリターンを得ることにもつながるので、
他に良い資金の運用先などが思い当たらない場合は、
返済額軽減型の繰上返済を行うことも、
資産運用の1つの方法だと私は考えています。


次に、
NISAでのつみたての話をします。


仮に、毎月3万円を20年間、
年利3%の複利運用ができた場合、
20年後、元本の720万円はいくらになっているでしょうか?


答えは「約980万円」です。


20年で、約260万円の運用益が出ることになりますが、
NISA口座内の利益なので、課税はされず、
運用益をまるまる享受することができます。


ここで、
気づいて頂けましたでしょうか?


不動産投資で借りた残債は、
20年後に約1,030万円に減っている。


NISAでつみたて運用したお金は、
20年後に約980万円に増えている。


約50万円の差額は生じていますが、
20年運用を続けたことで、
金融資産を残債とほぼ同額に近い金額を用意できるのです。


この時に、一括完済をすれば、
借入のない不動産からの賃料収入を
年金の上乗せとして受け取ることができるようになります。


あるいは、20年後の時点で不動産を売却する。


残債以上で売れる可能性が高いので、
そこで得た手取り金額を、
NISAでの運用に回し、
NISAでの運用を継続しながら、
年金の補完として毎年一定割合ずつ、
取り崩しながら使っていく、
という選択をすることもできます。


このように、
不動産投資とNISAでのつみたては、
相性の良い組み合わせだと私は考えます。


今回は、イメージしやすいように、
20年でNISAでつみたてた資産と
残債の残高がほぼ同額になるケースをお伝えしましたが、
必ず20年必要と言う訳ではありません。


10年でも15年でも効果はありますし、
皆さんの資産背景なども考えると、
個別にいろいろな選択肢が考えられます。


例えば、
● 退職金を受け取った(受け取る予定)
● 相続などで資産を引き継いだ
● イデコや小規模共済などの制度で築くことができた資産がある
などです。


今日の内容が、あなたの資産運用、
資産形成のひとつのヒントになれば嬉しいです。

63

相続税の試算、したことはありますか?

   
「マンション節税 防止へ」
先日の日経新聞の1面の見出しです。


どうしてもメディアなどは、
目をひくことを意識しながら記事を書くと思われるので、
致し方ないとは思います。


ただ、不安を煽るかのような書き方だけは、
できれば避けて頂きたいな、というのが、
1読者としての願いです。


さて、冒頭の「マンション節税」ですが、
相続税に関しての評価の計算方法を改訂しよう、
という国税庁の動きがあることが背景です。


株式相場とは異なり、不動産は個別性が強いです。


仮に同じマンションだとしても、
階数や部屋、売りたい事情などが異なれば、
価格にも差が出てくるのが、
不動産の個別性であり面白さでもある、
と私は考えています。


ただ、税金的な観点からは、
個別性という恣意性を持たせてしまうことは
公平性に欠けるという視点からでしょうか。


建物に関しては、固定資産税評価額


土地に関しては、
路線価と土地の持ち分で計算した価格


これが、相続税の評価額になることで、
実際の売買価格と相続税の評価額に乖離が生じている。


この乖離の差を小さくし、
過度な相続税の節税を防ごう、
というのが今検討中の内容です。


と、ここまでは、今回の概要的な部分を、
かいつまみながらお伝えしました。


ただ、私がここでお伝えしたいことは、


「今回の見直しで、
 計算ルールが変わることで、
 影響が及ぶのは、ごく一部ではないか」


ということ。


つまり、インパクトのある見出しで注目は集めていますが、
実際に影響を受けるのは、
いわゆるタワーマンションの高層階を、
投資、節税目的で購入しているような方に、
ある程度は絞られてくるのではないか、ということです。


これを機会に、参考として、
所有している賃貸物件の1部屋を試算してみました。


横浜駅から徒歩8分、11階建ての9階。
築37年の23平方メートルの賃貸中の部屋です。


固定資産税評価額は約210万円。


土地の評価額は、
土地の持ち分が、約5平方メートル。
路線価が53万円なので、
53万×5=約265万円。


合計すると、475万円でした。


建物割合が約45%。
土地割合が約55%です。


実勢価格がいくらになるのか、というのが、
正確には不動産鑑定士さんなどに
依頼する必要があるのかもしれませんが、
購入したのが7年前くらいなので、
当時の購入価格より少し高く見て1,000万円と仮定します。


すると、


1,000万円÷475万円=2.10


となり、
今回の計算方法の見直しに該当してしまいました。


この場合、
実勢価格の約60%で計算されることとなるので、
相続税評価額は約600万円。


当初の475万円より、
約130万円増えてしまいました。


とは言え、
この600万円に対して相続税が計算される訳ではなく、
借家権や借地権という割合が差し引かれることとなります。


すると、


● 建物:600万円×45%×(1-30%)=189万円
● 土地:600万円×55%×(1-70%×30%)=260万円 
合計で約449万円。


今までの計算方法だと、
約360万円だったので、約90万円くらい、
計算上の相続税評価額は増えることが分かりました。


実際には、複数部屋所有していますから、
合計した時にどうなるかまで
まだ試算はできていませんが、
相続税の基礎控除を勘案したり、
他の金融資産や借入の残高などを加味しても、
実勢価格との乖離が大きい部屋を持っているような方と比べれば、
影響は最小限に抑えられるな、と感じました。


不安や怖さ、恐れは、
理由や内容が分からないことが原因で
生じることがほとんどです。


なので、
もし今回のような記事や内容が出て、


「私は影響ないかな…大丈夫かな…」


と、感じるようなことがあれば、
試算してみることで、
気持ちや心構えにもつながり、
不安な想いを安心に変えることにもつながります。


先月には、
2023年の路線価も公表されました。


場所にもよりますが、
上昇傾向だとも言われています。


今すぐ相続は関係ない、相続税は影響ない、
と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、
自分が保有されている物件を見て、
評価額の試算、不動産に限らず、
金融資産もどのくらいあるのかなどの確認などをしてみること、
おススメします。

62

キャッシュフローの大切さ

   
「3泊4日!」


と聞いて、
何を思い浮かべますか?


私もそうですが、
「旅行」などを思い浮かべる方が多いのではないか?
と感じます。


そういう前向きな休暇であれば嬉しいのですが、
「3泊4日」の入院をすることになってしまいました。


小学校の時に、扁桃腺の手術で入院して以来です。


唯一加入している「医療保険」から、
はじめて、入院給付金を受け取る機会にもなりそうです。


ずっと保険料を払っていただけだったので、
こういう時には、少し受け取らせて頂いても良いのかな、
などと楽しみにしています(笑)


と、少し前置きが長くなってしまいましたが、
入院するということは、
仕事から離れることとなり、
収入が途絶えることにつながります。


会社勤めの方であれば、
有給休暇や健康保険からの「傷病手当金」などを活用することで、
収入の補填ができるかと思います。


FPらしく(笑)、
傷病手当金について、少しだけ触れておきます。


おおまかに言えば、
3日連続して病気やケガなどで働けなかった時に、
4日目から最長1年6ヶ月、
月額給与の3分の2を支給してもらえる、という制度です。
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3040/r139/


仕事上で病気やケガをした場合は、
労災保険からの給付があるので、
この傷病手当金は、
仕事と関係ない所で病気やケガなどをされて、
休むことになった場合が対象です。


また、上記で私がお伝えしたように、
保険会社の「医療保険」に入っていらっしゃれば、
保障内容に応じた給付も受けられます。


と、会社にお勤めの方の場合、
収入減を補える仕組みがあるのですが、
私のような自営業の人間にとっては、
有給休暇も傷病手当金もありません。


ただ、私の場合、
このメルマガをお読み頂いている方はご存じかと思いますが、
不動産投資、大家業を2007年から行っています。


空室にならない限り、
保有している部屋が稼ぎ出してくれる
「賃料収入」というキャッシュフローがあります。


他にも、株式などの金融資産にもお金を置いており、
そこから少額ではありますが、
配当金や分配金を受け取れる仕組みも作っています。


私自身が休まざるを得なくなったとしても、
お金を運んでくれる仕組み
キャッシュフローが途絶えにくい仕組みがあることで、
ありがたいことに、入院のことを言われた時でも、
お金のことを過度に気にかけることはありませんでした。


そう考えると、資産運用の中でも、
キャッシュフローを意識して取り組むというのは、
私的な保険を作っているようなことなのかな、
とも思ったりしました。


先程お伝えした、
「傷病手当金」のような仕組みを、
自分で作っているようなイメージです。


最近、株式投資の世界では、
高配当株の存在が注目されていますが、
不動産からの家賃にせよ、
お金の流れを産み出すことを意識した資産運用は、
保険のような気持ちの安心感を抱かせてくれるのだな、
と改めて最近思いました。


よく用いられる例として分かりやすいので、
コップの例を使います。


コップに入っている水。


そのコップからあふれ出た水を飲んで、
中身を減らさなければ、
あふれる状態を継続できる。


これが、
キャッシュフローを意識した運用スタイルです。


配当金や分配金のようなあふれた水を飲まず、
それがあふれないように、
コップそのものを大きくしていく、
水の入っている器を大きくしていくというのが、
再投資、複利効果を得られる運用スタイルだと
私は考えています。


仕事を休まざるを得なくなるなど、
自分が動きにくくなった時に、
効果のある運用スタイルは、
コップからあふれた水を味わうキャッシュフロースタイル。


そして、コップそのものを大きくしていく複利、
再投資スタイル。


これらのスタイルは、効率的ではありません。
1ヵ月とか1年とかでできる仕組みではないので、
時間と忍耐が必要にはなってきます。


ただ、これらが積みあがってくれば、
私的な保険のような安心感があり、
お金面の不安を和らげてくれる、
大きな効果をもたらしてくれるのではないかと私は思うのですが、
どう思いますか?

61

マンションに係る固定資産税の減額措置

 
昨年12月に発表があった「税制改革大網の内容」


その中に、
「マンションに係る固定資産税の減額措置」
というものがありました。


区分マンションの大家をしている私としては、
見逃せないテーマです。


さて、どんな内容か?


令和5年4月1日~令和7年3月31日までの間に、
マンションの長寿命化を図る大規模修繕工事を行い、
市町村に申告すると、
翌年度のマンションの家屋の固定資産税が
6分の1~2分の1減額される。


という内容です。


とは言え、ただ大規模修繕工事を行えば良い訳ではなく、
都道府県から長期修繕計画を認めてもらったり、
指導を受けて見直した場合、
という条件もついています。


つまり、
マンション全体の未来の維持管理の計画を適切に立てて、
それに沿った形で行った大規模修繕を行った時には、
その翌年の固定資産税を減額します、
という内容だと私は捉えました。


● 管理が行き届いていないマンション
● 修繕積立金が貯まっておらず、
 修繕したくてもできないマンション


があることを、
あなたも耳にしたことがあるかもしれません。


そんな状態が続くと、
マンションは朽ち果てる方向に進んでしまい、
住む方もいなくなり、廃墟と化してしまいます。


そうなる事態を未然に防ぎ、
築年数が経過しても、
住まいとしての維持管理ができるように保つことを
後押ししようという意図のもと、
税制改正大綱に
固定資産税の減額という形で盛り込まれたものと思われます。


偶然ではありますが、
私が保有しているマンションで、
現在大規模修繕工事の計画が進んでいます。


住宅供給公社のサポートを頂きながら、
工事業者さんの選定など含めて進めており、
もしかしたら結果的に、
タイムリーに恩恵を受けられるかもしれないと感じました。


私の場合、現在築36年で長期修繕計画もあり、
修繕積立金が不足する可能性も低いので、
安心感を持って、大規模修繕工事の実施に向けて動いて頂いています。


それでいて、もしかしたら、
固定資産税が1年だけだとしても、
減額の恩恵を受けられるかもしれないのであれば、
これは嬉しい話だと感じています。


修繕積立金が不足するようなマンションだったとしても、
建物全体で抑えられる固定資産税の各部屋の負担分を
大規模修繕に回すことができれば、
住まいとしての価値を伸ばせることにもつながりますよね。


大規模修繕工事で、
資金が不足する可能性があるなどの懸念が出てくるのは、
2回目以降だと言われることが多いです。


築年数にすると、
20~30年前後になるでしょうか。


もし、皆さんの保有しているマンションが、
大規模修繕をしないといけない時期に入っているのであれば、
長期修繕計画含めて、
検討していくのも良いかもしれません。


税制改正大綱に盛り込まれただけなので、
実際にスタートはしていませんが、
検討をする時期なのであれば、
これを機にスタートするのも良いのではないか、と思います。


また、減税の対象期間が示されてはいますが、
今後、期間限定ではなく、
延長する可能性も高いのではないか
とも私は感じています。


マンションは、住まいとして、
大切な社会インフラとして、
欠かせない存在になっているからです。


住まいとしてにせよ、投資としてにせよ、
マンションを保有しているのであれば、
区分所有者として、
社会インフラの一部を担う役割も持っている、
と私は考えています。


税制改正大綱を通してですが、
マンションという社会インフラを、
税制の面でも後押ししようという動きが見えてきました。


皆さんがお持ちのマンションも、
住まいとしての価値を末永く維持できるように、
区分所有者の1人として、共用部の管理に関しても、
意識を向けることを忘れないで頂きたいです。