7月末に、
日銀決定会合が開催されました。
結果を端的にまとめると、
金融緩和、短期金利はそのまま継続
長期金利の変動幅は広げる
という内容でした。
幅を広げると言っても、
0.5%なので、現状を踏まえると、
1%くらまでが、容認する長期金利になる
というイメージです。
私個人の意見として言えば、
まだまだ低金利だな、と感じています。
むしろ、政府や日銀としても、立ち位置的に、
金利を上げたくてもあげられない、というのが、
本音なのではないか、と感じてしまいます。
さて、不動産には融資がつきものです。
マイホームの住宅ローンにせよ、
賃貸用のアパートローンにせよ。
日銀決定会合のニュースなどを見て、
もし金利が上がって、
困ったことになるかもしれない、と感じた場合。
最初にすることは、
「金銭消費貸借契約書」
を確認することです。
融資を受ける時に、
金融機関と交わしたローンの契約書のことです。
ここでは、変動金利で借りている方を
前提にして話を進めます。
確認する箇所は「基準金利」の所。
短期プライムレートになっていますか?
長期プライムレートになっていますか?
短期プライムレートであれば、
現状、気にする必要はありません。
先程お伝えしたように、金融緩和継続で、
短期金利は政策に変更なしなので、
今すぐに影響が出ることは考えづらいです。
※金融機関内部で変更があった場合は、
個別の話なので割愛させて下さい。
当面、今借りていらっしゃる、
低金利を享受しながら、
住宅ローンの返済、アパートローンの返済を続けて下さい。
長期プライムレートになっている場合。
今の所、先程伝えた、変動幅の上限である、
1%にまであがっていないので、
いきなり大きくあがることは考えづらいと思います。
ただ、金融機関の個別判断で、
例えば9月とか10月とかに、
若干上げてくる可能性はありえます。
とは言え、それほど大きく、
困ったというような影響が生じてくるとは考えにくいのでは?
と、私は考えています。
例として、今回広がった変動幅と同じ、
0.5%の金利アップがあったとします。
当初、2,000万円を2%の金利で35年
借りた方が、5年返済が進み、
残高が1,800万円になったケースを考えてみます。
この場合、当初の返済額は毎月66,252円です。
その後、5年経過して、残高1,800万円の時に、
金利が0.5%アップして2.5%となった場合、
毎月の返済額は、いくらになるでしょうか?
答えは、71,121円です(2.5%、残り30年)
5年後に0.5%金利があがることで、
毎月の返済額は、
約5,000円増えることになります。
あなたは、毎月の返済が5,000円増える、
つまり、毎月のキャッシュフローが
5,000円少なくなると聞いて、
そんなに減るのと感じましたか?
そこまでインパクトないと感じましたか?
どのようにローンを組まれているかなど、
立場によって感じ方は異なると思いますが、
5,000円キャッシュフローが減ることで、
ものすごく大打撃、来月から生活が成り立たなくなる、
ということには、
なりにくいのではないでしょうか?
また一方で、
金利が0.5%あがったとしても、
毎月の返済額をあげないように、
この5年の間に、繰上返済の原資を作って備えておく、
という方法もあります。
先程の例を使って伝えますが、
仮に5年後に2.5%にあがった時でも、
毎月の返済額を、
当初の66,252円のまま据え置くためには、
いくら繰上返済をする必要があるでしょうか?
答えは、約120万円です。
5年で120万円ということは、
1年あたり24万円、月当たり2万円
ということになります。
そう考えると、例えば、月に2万円、
NISAでつみたてなどを行っておくことが、
結果的に金利上昇への備えになるかもしれません。
仮に、毎月2万円をNISAでつみたてて、
5年間、年利3%で運用できた場合。
5年間の元本120万円は、
いくらになっているでしょうか?
答えは、約129万円です。
短期間なので、そこまで大きく
増えている訳ではないですが、
預貯金に置いておくよりは良いのではないか、
と私は感じます。
もし金利があがって、
キャッシュフローを保ちたい場合は、
NISAで運用していたお金を
繰上返済の原資にしても良いですし、
仮に、金利があがらなかったり、
あがっても許容できる範囲であれば、
そのままNISAの運用を継続していけば良い話です。
このように考えてみると、
不動産ばかりに資産が偏るのは避けて、
金融資産での資産形成も並行して行うこと。
全体のバランスを考えて、
資産運用、資産形成に取り組むことが大切だということを
改めて感じて頂ければと思っております。
先々の金利がどう変わっていくか、
どんな推移をしていくかなどの未来ばかりを考えて、
不安な想いになるのは、
今を楽しめないことにも繋がってしまいます。
だからこそ、低金利が続くならそれを享受し、
仮に上がり始めたとしても、
それに対応できるように備えておくことが大切だと
私は考えています。
その意味で、大谷選手ではありませんが、
不動産とNISAの二刀流で資産運用を行っていくことが、
面白味はないかもしれないですが、
王道ではないか、私はそのように感じています。